神獣。
それは怪物とは違う。
人を襲う怪物ではなく、
世界の秩序を守る存在。
王の象徴。
宝の守護者。
鷲の翼と、
獅子の身体を持つ神獣。
グリフォン。
中世では王権と守護の象徴とされた存在である。
そんな神獣の前に現れたのは。
( ゚∋゚)
クックルである。
しかも今回は。
なんか王として完成しつつある。
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王国の北。
切り立った岩山の谷。
そこに王国騎士団が集まっていた。
旗。
鎧。
馬。
完全武装。
だが誰も剣を抜かない。
騎士団長が静かに言う。
「よいか」
「あれは神獣だ」
若い騎士が震える。
「……グリフォン」
岩山の上。
巨大な影。
翼。
金色の羽。
獅子の体。
鋭い爪。
王のような威厳。
グリフォン。
神獣。
宝の守護者。
騎士が説明する。
「中世では王の象徴とされる存在だ」
「王権の守護獣」
「王の威厳」
若い騎士が言う。
「じゃあ倒したらまずいのでは?」
騎士団長。
「倒さない」
「守護を確認する」
若い騎士。
「それどういう任務ですか」
騎士団長。
「よく分からん」
若い騎士。
「ですよね」
そのとき。
空を旋回するグリフォン。
翼を広げる。
バサァァァ!!
風圧。
岩が揺れる。
若い騎士。
「でかい!!」
騎士団長。
「神獣だからな」
若い騎士。
「いやそれ説明になってない」
そのとき。
谷の奥から。
ズシン。
ズシン。
ズシン。
何かが歩いてくる。
騎士たちが振り向く。
そこにいた。
( ゚∋゚)
クックル。
白い羽。
だが以前とは違う。
頭。
王冠。
ドラゴンから奪った宝石で
さらにアップグレード。
巨大宝石。
きらきら。
そして。
鳥冠。
そこには。
ルビーの粉。
ドラゴンの宝石を砕いた粉を
コーティング。
真っ赤な鳥冠。
きらり。
若い騎士。
「……」
騎士団長。
「……」
若い騎士。
「なんか王っぽい」
騎士団長。
「王だな」
若い騎士。
「王って何なんですかこの世界」
クックル。
静かに歩く。
ズシン。
ズシン。
王冠。
きらり。
ルビー。
ぎらり。
完全に
王の風格。
騎士。
「鳥ですよね」
騎士団長。
「鳥だ」
若い騎士。
「鳥が王冠」
騎士団長。
「鳥が王」
若い騎士。
「意味が分からない」
そのとき。
空。
グリフォン。
旋回。
止まる。
クックルを見る。
沈黙。
若い騎士。
「……」
騎士団長。
「……」
若い騎士。
「王対王?」
騎士団長。
「神獣対王鳥」
若い騎士。
「何それ」
グリフォン。
降下。
翼。
突風。
岩が砕ける。
若い騎士。
「うわああ!!」
騎士団長。
「来たぞ!!」
グリフォン。
巨大な爪。
クックルへ。
振り下ろす。
ドォン!!
地面が砕ける。
クックル。
普通。
若い騎士。
「頑丈!!」
グリフォン。
再突撃。
翼。
爪。
牙。
王の威厳。
クックル。
腕を上げる。
( ゚∋゚)
「クックル」
ドゥ。
グリフォンの顔。
揺れる。
若い騎士。
「殴った!!」
騎士団長。
「神獣を!!」
グリフォン。
怒る。
翼。
突風。
岩崩れる。
クックル。
ドゥ。
ドゥ。
ドゥドゥ。
連打。
若い騎士。
「殴る!!」
「神獣殴る!!」
騎士団長。
「王対決だ!!」
若い騎士。
「そんな対決ない!!」
最後に。
クックル。
振りかぶる。
( ゚∋゚)
「クックル」
ドゥ。
グリフォン。
飛ぶ。
岩壁へ。
ドォォォン!!
沈黙。
谷。
静寂。
倒れた神獣。
そして。
立っている。
王冠。
ルビー鳥冠。
( ゚∋゚)
( ゚∋゚)「クックル」
若い騎士が言った。
「……神獣」
騎士団長。
「殴られたな」
若い騎士。
「殴られましたね」
騎士団長。
「王は一人でいい」
若い騎士。
「鳥なんですけど」
だいたい殴る。
それが。
クックルである。