クックル物語〈ドゥドゥドゥ!!〉   作:ヒツジ(ラム肉

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第三十七話「ユニコーン」

神獣。

 

それは人を襲う怪物ではない。

 

神に近い存在。

 

聖なる象徴。

 

純潔の証。

 

森の奥深くに現れる白き聖獣。

 

その名はユニコーン。

 

乙女にしか近づかないと言われる神秘の存在。

 

だが今日。

 

その森に来たのは。

 

( ゚∋゚)

 

クックルである。

 

しかも今回は。

 

グリフォンの羽でおしゃれしている。

 

--------------------

 

 王国の西。

 

 古い森。

 

 そこは昔から

 

 聖なる森

 

 と呼ばれていた。

 

 騎士団が森の入口に集まっている。

 

 騎士。

 

 神官。

 

 学者。

 

 そして。

 

 一人の少女。

 

 白い衣。

 

 若い騎士が小声で言う。

 

「本当に来るんですか」

 

 学者が頷く。

 

「来る」

 

「この森にはユニコーンが住んでいる」

 

 若い騎士。

 

「ユニコーンってあれですよね」

 

「乙女にしか近づかない」

 

 神官がうなずく。

 

「純潔の象徴」

 

「神聖なる存在」

 

 若い騎士。

 

「じゃあ我々いらないのでは」

 

 騎士団長。

 

「護衛だ」

 

 若い騎士。

 

「護衛する必要あるんですか」

 

 騎士団長。

 

「ユニコーンに襲われるかもしれん」

 

 若い騎士。

 

「神獣ですよね?」

 

 騎士団長。

 

「角が鋭い」

 

 若い騎士。

 

「説得力が変な方向」

 

 神官が説明する。

 

「ユニコーンの角には浄化の力がある」

 

「毒を消す」

 

「水を清める」

 

 若い騎士。

 

「便利すぎません?」

 

 学者。

 

「聖獣だからな」

 

 若い騎士。

 

「便利すぎません?」

 

 騎士団長。

 

「静かにしろ」

 

 森の奥。

 

 気配。

 

 木々の間。

 

 白い影。

 

 現れる。

 

 白馬のような体。

 

 黄金の角。

 

 静かな威厳。

 

 ユニコーン。

 

 神獣。

 

 若い騎士。

 

「おお……」

 

 神官。

 

「神聖だ……」

 

 少女が静かに座る。

 

 ユニコーン。

 

 ゆっくり近づく。

 

 森の空気が静まる。

 

 若い騎士。

 

「すごい」

 

「本当に乙女に」

 

 そのとき。

 

 ズシン。

 

 ズシン。

 

 ズシン。

 

 地面が揺れる。

 

 騎士たち。

 

「?」

 

 森の奥から。

 

 現れる。

 

( ゚∋゚)

 

 クックル。

 

 白い羽。

 

 ムキムキ。

 

 そして。

 

 頭。

 

 王冠。

 

 巨大宝石。

 

 さらに。

 

 鳥冠。

 

 赤い。

 

 ルビー粉コーティング。

 

 そして首。

 

 グリフォンの羽。

 

 豪華な首飾り。

 

 若い騎士。

 

「……」

 

 騎士団長。

 

「……」

 

 若い騎士。

 

「鳥ですよね」

 

 騎士団長。

 

「鳥だ」

 

 若い騎士。

 

「なんで宝石」

 

 騎士団長。

 

「知らん」

 

 若い騎士。

 

「なんで羽」

 

 騎士団長。

 

「知らん」

 

 クックル。

 

 ズシン。

 

 ズシン。

 

 ズシン。

 

 森の中を普通に歩く。

 

 若い騎士。

 

「待って」

 

「聖獣の儀式」

 

「完全に邪魔」

 

 騎士団長。

 

「邪魔だな」

 

 学者。

 

「非常に邪魔」

 

 クックル。

 

 止まる。

 

 ユニコーンを見る。

 

( ゚∋゚)

 

「クックル」

 

 若い騎士。

 

「鳴いた」

 

 ユニコーン。

 

 止まる。

 

 クックルを見る。

 

 沈黙。

 

 若い騎士。

 

「……」

 

 騎士団長。

 

「……」

 

 若い騎士。

 

「乙女は?」

 

 騎士団長。

 

「座っている」

 

 若い騎士。

 

「ユニコーン」

 

 クックルへ近づく。

 

 若い騎士。

 

「え?」

 

 学者。

 

「え?」

 

 神官。

 

「え?」

 

 少女。

 

「私より懐いてる」

 

 若い騎士。

 

「乙女判定!?」

 

 騎士団長。

 

「鳥だぞ」

 

 若い騎士。

 

「鳥ですけど!」

 

 ユニコーン。

 

 クックルの周りを回る。

 

 首飾り。

 

 グリフォン羽。

 

 揺れる。

 

 ユニコーン。

 

 止まる。

 

 空気。

 

 変わる。

 

 学者。

 

「……あ」

 

 若い騎士。

 

「どうした」

 

 学者。

 

「グリフォン」

 

 若い騎士。

 

「はい?」

 

 学者。

 

「神獣」

 

 若い騎士。

 

「はい」

 

 学者。

 

「ユニコーン」

 

 若い騎士。

 

「はい」

 

 学者。

 

「仲良くない」

 

 若い騎士。

 

「そういう問題!?」

 

 次の瞬間。

 

 ユニコーン。

 

 突撃。

 

 黄金の角。

 

 一直線。

 

 若い騎士。

 

「来たぁ!!」

 

 クックル。

 

 腕を上げる。

 

( ゚∋゚)

 

「クックル」

 

 ドゥ。

 

 ユニコーン。

 

 飛ぶ。

 

 若い騎士。

 

「殴った!!」

 

 騎士団長。

 

「神獣を!!」

 

 ユニコーン。

 

 起き上がる。

 

 再突撃。

 

 ドゥ。

 

 また飛ぶ。

 

 若い騎士。

 

「殴る!!」

 

 ドゥ。

 

 ドゥ。

 

 ドゥドゥドゥ!!

 

 連打。

 

 ユニコーン。

 

 転がる。

 

 森。

 

 沈黙。

 

 騎士たち。

 

「……」

 

 神官。

 

「……」

 

 学者。

 

「……」

 

 少女。

 

「……」

 

 そして。

 

 立っている。

 

 王冠。

 

 宝石。

 

 ルビー鳥冠。

 

 グリフォン羽。

 

( ゚∋゚)

 

( ゚∋゚)「クックル」

 

 若い騎士が言った。

 

「……聖獣」

 

 騎士団長。

 

「殴られたな」

 

 若い騎士。

 

「殴られましたね」

 

 騎士団長。

 

「乙女関係なかった」

 

 若い騎士。

 

「鳥ですしね」

 

 森は静かだった。

 

 だいたい殴る。

 

 それが。

 

 クックルである。

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