神話には境界がある。
生と死。
光と闇。
そして
この世と冥界。
その門を守る存在がいる。
三つの頭を持つ冥界の番犬。
ケルベロス。
死者を逃がさず、
生者を通さない。
世界の境界を守る象徴。
そんな恐るべき神話の守護者の前で。
( ゚∋゚)
クックルは
ヒドラで作ったサンドバッグを殴っていた。
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砂漠遺跡。
静かな朝。
風。
砂。
そして。
ドゥ。
ドゥ。
ドゥ。
若い騎士。
「……」
学者。
「……」
神官。
「……」
遺跡の中央。
木の枝。
そこから
ぶら下がる。
丸いもの。
ヒドラの首。
だが今は。
完全にサンドバッグボール。
枝に吊るされ
ぶらぶら揺れている。
そして。
( ゚∋゚)
クックル。
王冠。
ルビーコーティング鳥冠。
グリフォン羽ネックレス。
ユニコーン鬣の紐。
そして。
全身フェニックス灰まみれ。
若干。
神話感。
増している。
若い騎士。
「……」
学者。
「……」
若い騎士。
「神獣の残骸でファッション」
学者。
「非常に罰当たり」
クックル。
ドゥ。
サンドバッグ。
揺れる。
ドゥ。
揺れる。
ドゥドゥドゥ!!
ヒドラ首。
増えない。
若い騎士。
「増えないんですか」
学者。
「丸めたからな」
若い騎士。
「丸めた!?」
学者。
「トレーニング器具」
若い騎士。
「怪物をジム機材にするな!」
そのとき。
地面。
震える。
ズズズズズ。
神官。
「……来る」
若い騎士。
「何が」
神官。
「境界だ」
若い騎士。
「何それ」
地面。
裂ける。
黒い霧。
冷たい風。
神官が叫ぶ。
「冥界の門だ!」
若い騎士。
「門!?」
そこから。
現れる。
三つの頭。
巨大な犬。
牙。
炎。
影。
ケルベロス。
神官が震える。
「冥界の番犬」
「死の門番」
「魂を逃がさない守護者」
若い騎士。
「三つ首!!」
学者。
「神話の象徴だ」
若い騎士。
「何の象徴」
学者。
「死」
「境界」
「冥界」
若い騎士。
「重い!!」
ケルベロス。
三つの頭。
咆哮。
ガオオオオ!!
騎士たち震える。
若い騎士。
「やばい!!」
そのとき。
ドゥ。
ドゥ。
ドゥ。
若い騎士。
「……」
クックル。
まだ殴っている。
サンドバッグ。
ぶらぶら。
ドゥ。
ドゥ。
ドゥドゥドゥ。
若い騎士。
「鍛錬中!!」
ケルベロス。
クックルを見る。
三つの頭。
唸る。
神官。
「冥界の門番は」
「生者を許さない」
若い騎士。
「鳥は?」
神官。
「分からん」
ケルベロス。
突撃。
三つの頭。
噛みつき。
炎。
毒。
若い騎士。
「来た!!」
クックル。
振り向く。
フェニックス灰。
ふわっ。
舞う。
若い騎士。
「なんか神話感増えた!」
学者。
「灰だからな」
若い騎士。
「理由雑!」
ケルベロス。
三首同時攻撃。
牙。
炎。
毒。
クックル。
腕上げる。
( ゚∋゚)
「クックル」
ドゥ。
一首。
飛ぶ。
若い騎士。
「殴った!!」
ドゥ。
二首。
飛ぶ。
若い騎士。
「二回!!」
ドゥ。
三首。
飛ぶ。
若い騎士。
「三回!!」
学者。
「三首だからな」
若い騎士。
「合理的!!」
ケルベロス。
怒る。
巨大化。
冥界の力。
神官。
「境界が破れる!」
若い騎士。
「やばい!!」
クックル。
振り向く。
サンドバッグ。
ヒドラボール。
揺れる。
クックル。
それを見る。
( ゚∋゚)
頷く。
拳。
握る。
ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥ!!!
連打。
ケルベロス。
吹き飛ぶ。
冥界の裂け目。
閉じる。
静寂。
砂漠。
風。
若い騎士。
「……」
神官。
「……」
学者。
「……」
そして。
クックル。
戻る。
サンドバッグ。
ドゥ。
ドゥ。
忍者。
屋根。
+激しく記録+
「観測」
「鳥」
「鍛錬中」
静かな砂漠。
( ゚∋゚)
( ゚∋゚)「クックル」
神話は守る。
だが。
だいたい殴る。