五条悟―神聖時間軸の剪定者―   作:ルルルだ。

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第一部(TVA編)
TVAとは?


1. 本来の世界:たった一条の「神聖時間軸」

かつて、この宇宙の時間はたった一つの「正しい流れ」に沿って進んでいました。これを『神聖時間軸』と呼びます。

『呪術廻戦』の世界は、それぞれ独立した一つの完成された物語として、その一本道を歩んでいたはずでした。そこには「もしもの世界(並行世界)」など存在せず、全ての結末は決まっていたのです。

 

2. 「感染」の始まり

しかし、前作で「スカーレット・ウィッチ」ことワンダ・マキシモフが引き起こした現実改変は、この強固な時間軸に、目に見えない無数の亀裂を入れました。

その亀裂から漏れ出したのは、本来存在してはならなかった「並行世界(マルチバース)」です。

 

これは、単なる「よく似た別の世界」ではありません。

一つの世界が二つに割れ、二つが四つに割れる。その増殖速度は指数関数的に加速し、今や「マルチバースという名のウイルス」が宇宙全体を蝕んでいます。

本来一つのはずだった『呪術廻戦の世界』が、ある世界では壊滅し、ある世界では五条悟が負け、ある世界では宿儺が勝利する――。

そんな「もしも」がウイルスのように感染し、無秩序に増え続けた結果、宇宙という器そのものがパンクして、全てが消滅するカウントダウンが始まってしまいました。

 

3.TVA(時間変異管理局)

この事態を食い止めるべく動いているのが、TVA(Time Variance Authority)という組織です。

彼らは特定の国や星に属する組織ではありません。時間の外側に拠点を置き、全宇宙の歴史を監視する「役所」です。

 

彼らの仕事: 予定された歴史から外れた「変異体」を捕まえ、異常な分岐が発生した世界を処分すること。

 

 

4. 「剪定」

TVAが「この並行世界は異常だ」と判断した際に行う処置を『剪定』と呼びます。

TVAは専用の装置「リセット・チャージ」を使い、その時間軸(世界)をまるごと一つ、跡形もなく消去します。

 

剪定された世界にいた人々は、それが善人であろうと悪人であろうと関係なく、世界の塵となって「虚無」の彼方へ送られます。TVAにとっては、それが「神聖時間軸」を守るための、合理的で冷徹な事務作業なのです。

 

5. なぜ、五条悟なのか?

増え続ける並行世界のスピードは、今やTVAの事務官たちが処理できる限界を超えました。

そこで彼らは、ある「劇薬」を投入することに決めました。それが、唯一の正史世界にいた最強の呪術師、五条悟です。

 

五条がスカウト(という名の強制連行)された理由は、彼の持つ「六眼」と「無下限」が、剪定するのに最適な「スペック」を持っていたからです。

 

五条は、増殖し続ける異常な並行世界を巡り、その元凶を叩き潰す任務を強制されます。

 

6. 五条悟が直面する「最強の葛藤」

今までの五条は、人々を「守る」ために戦ってきました。

しかしTVAでの任務は、「正しい歴史を守るために、別の世界を消す手伝いをする」ことです。

目の前で生きている人々、自分が知っている仲間に似た誰か――。彼らが住む世界を「剪定」し、消去しなければ、宇宙全体が滅んでしまう。

 

「たった一つの正解のために、無数の『もしも』を殺せるか?」

最強の男が、かつてない理不尽な選択と、宇宙規模の事件に巻き込まれていく。

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