一般流浪人がスタレのキャラに狙われる話   作:しいたvol.3

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アンケートの結果的にヨロイさんが約3000万回黄金裔の脳を焼くことになりそうです。

ルアンの話は明日書きます。


我、流浪のものである21

目が覚めると、随分懐かしい天井を見た。

我はセイレンスによって首を落とされこちらへと帰ってきたのだろう。

 

 

…随分と久しぶりにこの宿の景色を見た気がする。

こちらで過ごした時間よりもオンパロスで過ごした時間の方がはるかに長くなっているのだ、無理もないか。

しかし、そうか…外的要因による死だけでなく、老いによる死もなかなか問題であるな。

 

彼ら黄金裔たちと我の寿命の差はかなり大きい。

彼らにとってはあっという間でも我はすぐに老いて戦えなくなってしまう。

その分技術の発達はあったが…やはり肉体は若いに越したことはない。

 

そうはいっても、寿命の問題というのはそう簡単に解決できる問題ではない。

すぐさま帰ればあちらでも月日はそう経たないであろう。

 

我はさっさと元のページをめくることにした。

…さて、セイレンスはどうなっているか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると、どうやら我は天宮のバルネアに飛んできたようだ。

今回は比較的安全な場所へと飛んできたので少し安心である。

 

というか、いつの間に天宮のバルネアができた?

我がいた頃にはこの場所は存在していなかったはずだが…

我がセイレンスを探し、そして殺されて戻ってくる間に何年か経過しているようだ。

 

さて、恐らく今状況を知っていて頼れるのはトリスビアスかアグライアか…

…いや、居るな。というかさっきから見られている。

 

__セファリア。いるだろう?どうせ逃げても捕まるのだから、早く出てきた方が我も楽なのだがな。

 

「げっ…なんでバレてんのさ!ヨロイのおじさんは相変わらずだね~」

 

背後の物陰から一人の少女が出てきた。

銀の髪に猫耳、黒いフードを基調とした盗賊然とした格好。

「脆術」の半神、セファリアだ。

 

「しばらく姿見なかったけど…何してたの?しかも家にもいなかったみたいじゃん」

 

__少々複雑な事情故、説明が難しいが…端的に言えば、セイレンスに殺されて一度戻ってきた。

 

「はぁ!?ちょ、ちょっとヘタクソな嘘は辞めてよね!」

 

__まぁ、嘘だと思うならそう思ってもらって構わぬ。それで、ここ数年のことを我は知らんのだ。

貴殿の知っていることを少し教えてもらえないだろうか?

 

「…うわ、この反応は嘘ついてない時の奴だ。本当だったんだ…。それで?説明だっけ?」

 

その後、彼女はここ最近…数年で起こったことを話してくれた。

カイザー亡き後、アグライアがオクヘイマの統治者となったらしい。

セイレンスは死亡。そしてキャストリスという名前の黄金裔が合流した、と。

 

「…ま、こんなもんかな。あ、お代はいらないよ?」

 

__珍しいこともあるものだ。てっきりその鎧寄越せくらい言われるものだと思っていた。

 

「あたしの事バカにしてる?…お代はおじさんがいない間部屋からいっぱい貰ったからいいよって意味だよ。それじゃあね~!」

 

いたずらっ子のような顔をして彼女は目にもとまらぬ速度でどこかへ逃げて行った。

あの猫め…抜け目のないところは変わっていないようだ。

 

__そういうわけで、我はまたアグライア主導のもと火を追う旅に加わることにした。

一回目とは違い、他の黄金裔たちとも長くを共にした。

 

…やはり、寿命の関係で何度か死んだが。

そのたび数十年したら帰ってくるので、もはや「ちょっと帰ってくるのが遅いモーディス」くらいの感覚である。

 

そして…

 

 

 

 

 

 

__早くその火種を持っていけ、ファイノン。最後にあそこへ行くのはお前でなければならぬのだ。

 

「でも…ヨロイ先生!君はもう片腕がないじゃないか!」

 

__足止め程度なら問題ない。なに、我の強さは知っているだろう。

 

「…絶対に、成し遂げてくる」

 

また悔しそうに創世の渦心へと向かうファイノンの背中を見送った。

 

また、目の前にいる黒衣の剣士と対峙した。

 

__何千年ぶりか?黒衣の剣士よ。

 

「…」

 

今すぐにでも斬り合いところであるが、我はいま暗黒の潮の軍勢との戦闘で片腕がない。

他の箇所も腕ほどではないが消耗している…今の状態で、目の前の剣士を止められるか。

 

技は以前とは比べ物にならない。しかし隻腕でどこまで戦えるか…

 

__それでも、やるしかないのであるが。…さて、前回のリベンジと行こうか。

 

 

そして、そして………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普通に死んだ。

やっぱり隻腕はなかなか厳しいものがある。

どっかの輪廻で隻腕の修行もしておくことにしようか…

 

 

さて、暫く同じような輪廻を繰り返した。

最初に飛ぶ年代はそれぞれであったが…体感的に黄金戦争の後が多いような気がする。

何十とページをめくったものの、カイザーやセイレンスと出会ったのは片手で数えられる程度である。

 

しかしながら…今回の輪廻は知らない建物に飛んだようだ。

オンパロスの地理にはある程度詳しくなったつもりではあったが…

このような様式の建物は既に滅んでいた都市のものに近い。

とすると…大きなところで言えばヤヌサポリスか。

 

とりあえず建物の中を忍びながら進んでいくと、途中に何人か見張りが散見された。

数的に随分な厳重さの様だ。この奥に何かあるのであろうか…

 

見張りたちの眼を搔い潜り奥へ奥へと進んでいくと、ある部屋へとたどり着いた。

 

そしてしばらく警護も見なくなったあと、目の前にあったのは一つの扉。

他に行くところもなく扉を開けてみると、中から声が聞こえてきた。

 

「…だ、誰!?」

 

目の前には、綺麗な赤色の髪をした女性がいた。

その恰好はヤヌサポリスのものであり、その中でもかなり上の立場にいるであろうことがうかがえる。

 

__失礼。我は怪しいものでは…といっても、信じてもらえぬか。ひとまず話を聞いてもらえると助かるのであるが…

 

「…信じれると思う?」

 

目の前の人物は我のことを鋭く睨みつけていた。

さすがに全身鎧の男がこんな厳重に守られている部屋に入ってきたら怪しまれるか…

 

__では、我の武装はすべて解除する。気に食わなければ殺してもらっても構わない。

 

我はどさりどさりと鎧や武器を下ろしていく。もはや下に来ていた服以外は丸裸状態である。

 

「ちょ、ちょっと…。そこまでするなら、話くらいはしようかしら」

 

困惑の表情と共に、目の前の女性は我に話す許可をくれた。

しかし、この綺麗な赤髪は見覚えがある。幼さはないが、まるで…

 

__感謝する。一つ確認したいのだが、貴殿はトリスビアス殿で間違いないか?

 

「ええ、そうだけど…もしかして、私の事知らなかった?」

 

__何分旅の身でな。あまりヤヌサポリスのことは詳しくない。

 

「そうなのね…それで、どうしてあなたはここに?」

 

__建物に入ったら迷ってしまってな。見張りが怖くて避けていたらここへとたどり着いた。

 

「怖いで避けれる警備じゃないのだけれど…あなた、やっぱりちょっとおかしいのね」

 

「それよりも、あなた旅をしているの?」

 

__一応、様々なところを旅してきている。何度か死にかけたがな。

 

「じゃ、じゃあ…私に、外のお話を聞かせてくれない?私、事情があってここからあんまり出られないの」

 

少し煩わしそうにそういう彼女。成程…トリスビアスが千人に分かれる前、このような姿であったのか。

 

「我でよろしいのなら、喜んで」

 

暫く話した後、かなりの時間が経っていた。

しばらく話に夢中になっていた我らは、ふとそのことに気づいたのである。

 

「あら、もうこんな時間…もうそろそろ寝なきゃね」

 

「…いいえ。もう少し話しましょう?こんなにお話しできるのは滅多にないんだもの」

 

彼女は寂しそうに言った。

話を聞くにあまり外へと行けないようだ。こんなところに一人で寂しくないのだろうか?

 

__なに、またすぐに会いに来る。貴殿が良ければ、だが。

 

「ほ、本当?もちろん歓迎よ!じゃあまた明日ね!」

 

そういって彼女はぱっと笑顔を浮かべた。

うむ。やはり笑顔のかわいさは前と変わっていない。

 

__ああ、また明日。

 

そして彼女、トリスビアスとの奇妙な関係がしばらく続くことになった。




・ヨロイさん
潜入スキルが恐らくゴキブリの類

・トリスビアス
なんだこの全身鎧男は…

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