一般流浪人がスタレのキャラに狙われる話   作:しいたvol.3

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幕間 ②

「…随分情熱的なのね?もう少し落ち着いた人だと思っていたけれど」

 

__ああ、失礼。あまりにもあなたが綺麗だったものですから。

 

「フフッ、そういうの、嫌いじゃないわ」

 

彼女は淡く微笑んでグラスを軽く煽った。

 

「悪いけど、お断りさせてもらうわ。追われるのは好きだけれど…そう簡単に捕まるのもつまらないでしょう?」

 

当然のごとく断られてしまった。

分かってはいる、分かってはいるのだが…中々に心に来るものがある。

 

しかし、彼女の容貌にはどこか見覚えがある。

うーむ。どうにも思い出せぬ。斯様な麗人なら我が忘れるはずはないのであるが…

 

__この星にはお一人で?

 

「いいえ、友人と仕事にね。あなたは?」

 

__修行の為ですかね。ここには戦いがいのありそうな敵が多いですから。

 

この星の記憶域は少々特殊であり、先ほど“灰の神父”と戦ったように正しく憶質を扱うことができるブラックスワンのような人間は、実体を伴ってその記憶を再現することができる。

 

故にこの星は様々な勢力に悪用される可能性があるのだが…不思議なことに、この星を統括している政府はそう甘くない。

 

政府はその憶質をある程度制御できるらしく、著しく危険なものは必ず保管されている。

 

お察しの通り、彼らが憶質を制御できているのは星核の影響がかなり大きい。

 

故に、この星の都市部で憶質が漏れ、実体化による事件が発生することはほとんどない。

 

ほとんどないだけで、一定処理をしなければ勝手に漏れてしまうのであるが…

 

ブラックスワンの手法は少々特殊らしく、「一番底に隠されている憶質以外なら取り出せる」らしい。

 

__戦いがいと言えば…まだ定かではないのですが、この星に星核ハンターが来る、なんて話もありますよ。いやぁ、是非とも戦ってみたいものです。

 

「…へぇ?」

 

彼女は少しだけ目の色を変えた。蜘蛛をモチーフにした装飾が、一瞬鈍く光ったような気がした。

 

「珍しいわね。普通は逃げるか、恐れるかすると思うのだけど」

 

「強さは特級よ?カンパニーも、星核を盗まれた勢力も。誰一人だって仕留めることはできなかったのだから」

 

__なら、余計にですね。懸賞金などには特に興味はないですが、単純に気になるのです。愚かと言われようとも、私は純粋に彼らと手合わせをしてみたい。…もちろん、必要に応じて殺し合いになっても。

 

__それに、彼らが血も涙もない狩人か。それを今すぐに決めることはしたくないのです。

目的だってあるのかもしれないし、彼らにだって仲間に向ける情がないとも言えない。

それこそ、家族のような存在だって…

 

我がそう語っていると、隣の女性は何も言わずに目を少しの間見開いてこちらを見ていた。

…マ、マズイ。適当な憶測を長々と語りすぎたか?

 

我が内心焦りつつ彼女の方を見ていると、彼女はその口を開いて、何かを言おうとして…

 

 

 

 

 

ビイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

瞬間、けたたましい警報の音が場を支配した。

…この音は。

 

『緊急事態発生。管理外の憶質の実体化を検知しました。市民の皆様は早急に身の回りの安全を確保してください。繰り返します…』

 

 

建物の外から建物の崩れる音、人々の悲鳴があちこちから聞こえ始める。

…どうやら、今回の「漏れ」は随分と大規模なようだ。

 

警報が繰り返し鳴る中で、バーがばきりと音を立てて何かに破られた。

 

「ギギギギ…ギチギチギチ…」

 

青く輝き、光を鋭く跳ね返すその甲殻、顎、四枚羽…

 

__スウォームか。この星に来てからは初めて見たな。

 

かつて銀河で繁殖の限りを尽くし、現在は殞落した星神「タイズルス」の子孫。

 

こいつらのひたすら面倒なのは数と、死んだ時に破裂する個体がいることだ。

 

例に漏れず大量発生しているらしく、バーにもその一体を皮切りに7体ほど入ってきた。

 

だとすれば、ここは核に突き刺して複製と破裂を防ぎつつか…などと剣を抜きつつ逡巡していると、後ろから我の横を通り過ぎる影が見える。

 

「…ギ…ギギ…」

 

…先ほどの美女が紫色の刀をスウォームにぶっ刺している。

 

しかも明らかに手馴れており、すぐさま空いた手でサブマシンガンを持ち、他のスウォームを牽制している。

 

__驚いた…おっと、我も仕事をしなければ。

 

「「ギッ!!!!?」」

 

彼女の死角側のスウォームをまとめて二体両断し、再び向き合うと、彼女と背中合わせの形となった。

 

「あら、私一人でも十分よ?」

 

__レディだけに戦わせるのは男の恥ですよ。まして、惚れた相手の前では。

 

・ ・ ・

 

「…これで一通りは終わりかしら」

 

__ええ、そのようですね。

 

数分後。あたりはスウォームの死骸だらけになっていた。

 

戦闘の途中で逃げだしたのか、店内にはもう彼女と我しかいなかった。

 

__しかし、まだ油断はできませんね。外には相当な数のスウォームがいるはず…

 

我がスウォームの死骸を調べつつ、ブラックスワンの状況を確認してようと屈んでいた時だった。

 

 

 

 

「聞いて」

 

 

 

 

__ッ!?

 

瞬間、身体が地へと叩きつけられた。まるで体の上に幾重もの重しが載せられているような感覚だった。

 

「悪いけど、少しだけ眠っていて頂戴?見られてると不都合なの」

 

「あなたとの話、悪くなかったわ。熱烈なアプローチも貰ったことだし、殺すのはまた今度」

 

彼女はドアへと手をかけると、最後にこちらへと振り向いてそう言った。

 

彼女の言葉を聞いた瞬間、急激に意識が遠ざかる。

何だ…何が起きている…

 

「それじゃあね、鎧の人。また会ったらその時は…」

 

言葉の続きを聞くことなく、我の意識は暗闇へと落ちていくのであった。

 

 

 

 

 

・ ・ ・

 

 

 

 

 

「…あ、カフカ戻ってきた」

 

「あら銀狼。サムはどうしたの?」

 

「見れば分かるでしょ?スウォーム殺しに躍起になってるよ…。まったく、なんでこんなタイミングでスウォームが出るんだか。ファンブルでも引いちゃった?」

 

「それにしても…カフカ、なんか楽しそうだね。何かあったの?」

 

「…秘密」

 

「ちぇっ、カフカがそんなに楽しそうなの久しぶりに見たのにー。ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃん」

 

「そうね…強いて言うなら、今回は脚本以外にも面白そうなことが起きそうってことかしら」

 

「脚本?軽くしか話聞かなかったけど、私のはそんなに変わらなかったけどなぁ」

 

「私は今回サポートに専念なんでしょ?刃も留守番だし」

 

「ええ、実働部隊は私とサムだけ。エリオもそれで十分だって言ってたしね」

 

「…ま、いいや。私ちょっと星核がある場所サーチしてくるね。セキュリティは多分余裕だけど、憶質のせいで場所が面倒…」

 

「サムが帰ったらこっちから連絡するわ。じゃあまた」

 

 

 

 

 

 




カフカってこんな喋り方だったっけ…登場したクエストやったのが昔すぎて難しい
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