一般流浪人がスタレのキャラに狙われる話 作:しいたvol.3
くれるといっぱい作者が頑張ります
我、流浪の身である。
少し前まで友人たちと楽しくゲームをしていたはずなのだが、いつの間にか不穏な雰囲気になっていたのである。
『ねぇヨロイさん。あたしに早く教えて?』
顔は笑顔であるが纏う雰囲気は威圧的そのものである。
ハッキリ言うなら鉄騎状態の時より怖いのである。
それにしても、爻光殿との関係?
改めて聞かれると少々答えにくい関係である。
__うむ…難しいところであるが、強いて言うのなら死線を潜り抜けた仲というか…
彼女と初めて会った時は戦いの最中であったし、相当ピンチだったのも事実である。
『何か特別な関係なの?例えば…つ、付き合ってるとか!』
__それはない。彼女のような高貴な人物は我のようなものに振り向くわけないのである。
万一付き合ったとして、仙舟の将軍と一介の旅人が交際したとなったら何が起こるか分かったものではない。
『そ、そっか!うん、そうだよね!ヨロイさんは誰かと交際したりなんかしないよね!』
ホタル?その言い方だと我に恋人ができるわけがないと言っているように聞こえるのだが?
普通に傷つくのである。
お姉さんにこの童貞を貰ってもらうにはやはり鎧を脱ぐしかないのであろうか。
『あたしね、ヨロイさんと今日遊べて本当に嬉しかった』
『ピノコニ―で別れた時は、さよならも言えてなかったから』
__そうであるな。あの時は緊急事態故にお互いに連絡も取れなかった。
『とっても寂しかったんだ。ヨロイさんみたいな人、あんまりあたしの周りには居ないから』
__常に全身鎧の大男は銀河を探しても少ないであろうな。ハハ
『ふふっ、確かに。…あ、もうこんな時間』
『ヨロイさん。今日はもう解散しよっか』
__ああ、そうであるな。
ホタルが名残惜しそうに解散を提案してきた。
『また会おうね。絶対だよ?約束』
__うむ、約束である。
『破ったら、許さないから』
__もちろんであるよ。
なんだか約束の話をしているときのホタルはいつになく真剣なように見えた。
後日、我は星との約束を果たすために星穹列車へと赴いていた。
朝に連絡したところ快諾を貰えたため我は駅へと出向いているのである。
「紡がれた物語」…いったいどのような物なのであろうか。
一応銀河にも広まっているらしいが見れるならやっぱり原本を見てみたいのである。
あと姫子さんとお話ししたいのである。別にこれが本命ではない、決して。
「おーい!ヨロイさん!こっちこっち!」
駅に着くと星が待っていた。
昨日寝落ちするまでゲームをしたというのに元気なものである。
「『紡がれた物語』が見たいんでしょ?今日はなのかもいるし、一緒に見よ」
三月なのか。
彼女とも星と同じく様々な場所で出会ってきた。
星も含めて彼女たちはまるで娘のように感じるのである。
「ほら入って入って、もうなのが待ちくたびれてるよ」
そういって星は我の手を引っ張って星穹列車の中へと引っ張っていった。
ドアの開けると星の言う通りなのかが列車の椅子に座って退屈そうにしていた。
「あ、やっと来た!ヨロイおじちゃん久しぶり~」
我と星を見た瞬間嬉しそうにこちらに駆け寄ってきた。
彼女は時々自分を美少女と言うが、こういう姿を見るとまぁその通りだなと納得してしまう。
__久しぶりである。なのか、お菓子でも食べるか?
「食べる食べる~!ってヨロイおじちゃん、またウチのこと子ども扱いしたでしょ!」
「ヨロイさん、私の分は?」
__もちろんある。遊びに行くのだからお菓子を持っていくのは当然であろう?
「さっすが!」
普通にみんなで食べる用のお菓子と姫子さんとヴェルト殿への菓子折りどちらも用意してるのである。
モテる男というのは気遣いが大事だとミスターフク郎も喋っていた。
嬉しそうな二人と共に我々は星の自室へと向かった。
中は広く、彼女が開拓の旅で得た様々な思い出の品が棚に並べられている。
「確か机の上に…あ、あった。はいこれだよ」
少し速足で部屋の奥へと向かっていた星が我へと少し厚めの本を渡してきた。
__おお!これがあの…
確かに言いようもない不思議な雰囲気を纏っている。
さっそく開いてみるのである!
「あれ、これって私以外の人が開くと永遠の1ページに飛ぶのかな?いやでも…」
…ん?なんか本が光っているのである。
そう思った時にはもう我の視界は白へと染まっていた。
目が覚めると、見知らぬ都市らしきところで佇んでいた。
たしか我は星から渡された「紡がれた物語」を読んで…
まさかあの本にはそういう機能があったのであろうか。
オンパロスのすべてが描かれたという本の内容をまさか実体験できるというのか?
す、スゴイ!超スゴイのである!
「おや?見かけない方ですね…。避難されてきた方でしょうか?」
そうこうしていると背後、それも少し遠くから声が聞こえてきた。
後ろを振り返ると、薄紫色の髪をした儚い雰囲気を纏う少女がいた。
__我は旅をしてここへと流れついたのであるが、生憎土地勘がなく…お嬢さん、ここの名前を教えてもらっても?
とりあえずここがどこだか教えてもらうことにした。
少女は我と少し距離を保って優しく答えてくれた。
「そうなのですか?なるほど…ここはオクヘイマという名前の都市です」
オクヘイマ…たしか星が主に活動していたという都市の名前と同じである。
やはりここはオンパロス…しかもどうやら鉄墓のことが起きる前の少し前のオンパロスの様である。
__おお!ここがあのオクヘイマであるか!感謝するのである!
「あ、申し訳ありません。少々事情があって私とは距離を…あ、ちょっと!」
我は彼女のもとへと近づき握手した。彼女も言葉も、あまり耳に入っていなかった。
正直気分が高揚していた。握手したのもそれ故である。
しかしそんな気分は一気に消え去った。
彼女の手を握った瞬間、我の視界が黒に染まり、力が抜けていった。
痛みはない。何かに襲われた感覚もしなかった。
それでも、我の意識は少しずつ刈り取られているのだ。
意識も薄れていく中、我が聞いたのは
「あ、ああ…私はまた…」
という、泣きそうなあの少女の声であった。
「_いさん。ヨロイさん!おーい!」
意識が覚醒したころには、我は閉じた本を手に持ってオンパロスに入る前の姿勢でいた。
「大丈夫?本を開いてからしばらく黙っていただけど…」
__すまぬ、星。おそらく我の意識はオンパロスに飛んでいたのだ。
そうして我はあの世界で起こったことを話した。
星となのかは我の話を聞くと、少し固まった後に笑い出した。
「あっははは!ヨロイさん運悪すぎ!」
「最初に会った子がキャストリスで、それで話を聞かずに握手して3分くらいで死ぬって…あははは!ひー!お腹痛い!」
彼女たちの話を聞くと、どうやら我と話したあの少女はキャストリスというらしい。
なんでも当時の彼女は「死」のみの権能を持ち、触るとその者の命は尽きてしまうのだとか。
成る程、どうりで我の鎧を貫通して我の意識が飛んだワケである。
我の鎧はそこらの鎧より性能が良く、半端な攻撃では傷すらつかない優れものなのだ。
「はー…笑った笑った。それにしても、ヨロイさん戻って来れてよかったね。またあっちにいけるんじゃない?」
__確かに、あっちの世界で死んでもおそらく元の世界に戻るだけであろうな。
「ならヘルタに連絡してからもう一回入ってみたら?何かわかるかもしれないし」
__へ、ヘルタ殿であるか?それはちょっと…
あまりヘルタ殿とは関わりたくない。
いや、彼女が苦手というわけではない。
正確には、彼女の友人であるルアンのことである。
彼女は特に昔からの知り合いなのだ。
彼女の性格も理解している。
しかしながら、彼女はことあるごとに実験と称して我のことを数か月単位で拘束するのだ。
『いけませんよ。私のもとから離れるなんて。あなたは私のすべてですから』
よくこんな感じの怖いことも言う。
彼女が向けてくるドロリとした熱い視線が、どうにも我には苦手なのだ。
__ルアンには伝えないようにと、口添えを頼む。
「ん?いーよ。ルアンとなにかあったの?」
__少々複雑な事情というものがあるのである。
「…あ、自動返信モードになってる。とりあえずメッセージは送ったから、連絡が返ってくるまでは遊ぼう」
少しスマホを操作していた星がそう言った。
「よ~し!じゃあ久しぶりにこのゲームしよ!前はヨロイおじちゃんに負けっぱなしだからリベンジしたいの!」
__む、望むところである。まだまだなのかには負けんであるよ。
まぁ難しいことは後回しにして、今は彼女たちと遊ぶことにしよう。
・三月なのか
ヨロイおじちゃん優しくてスキ~。たまに子ども扱いされるときは怒る
・星
遊びに来てくれたの嬉しい。なんかオンパロスでリスキルされてて面白い。
・キャストリス
リスキルしてしまった人。多分また今度出番がある。曇らせたい(願望)
・ホタル
甲冑仲間(仮)。曇らせたい(願望)
・ヨロイさん
オンパロス超スゲー!と思っていたらリスキルされていた。
次は絶対にオンパロスのお姉さんとキャッキャウフフしてやると燃えている