L社の技術を持っただけの擬態型一般人Aがキヴォトスで生き残るためにできること。   作:D-T45-45-1919JP

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かわいそうなアルちゃん。

無意識にあげちゃったアルちゃんは優しすぎるよ! こんな悪いやつ、もっと苦しめてやらなくちゃ! 



感想爛見てニマニマしてたら気付いたら書きあがってました。

誰か筆者にキンクリした???

というわけで初投稿です。



悪魔の角を持つ男、A

 

 

 

 

『カヨコから連絡があったわ』

『A。あなたの会社を嗅ぎ回ってる連中が居るようね。全員マスクを付けて、黒の服装をしているみたい』

 

『そうか』

『ありがとう、陸八魔。君のおかげで備えることができそうだ』

 

『仕事をしただけ』

 

『報酬は色を付けておく。支払いはいつも通りに』

 

『了解』

 

 

 ……マジかい。

 

 萎んだ梅のような顔になった。

 アルからのモモトークに応答し、俺は安物のソファに深く沈み込む。

 

「……考えないといけないことが山積みだな。なぜ彼女たちが……はぁ」

 

 ストレスで妙に頭が重い気がする。

 

 アインの肉体になってからというもの、思考の並列化は進んでいるはずなのに、精神的な萎えまでは防いでくれないらしい。

 

 ふと、買ったばかりのミレニアム製スマホに映る自分の顔を見る。流れでモモトークまで交換してしまったが、流石に出しゃばりすぎただろうか? 物語の異物である俺がアルの連絡先を手に入れてしまったことによって、何か問題が起きないだろうか。

 

 電源を落としたその画面を見つめる。

 

 草臥れた管理人兼職員としての冷徹なアインの顔。

 

 ……そこに異物が混じっていた。

 

 俺の頭の横から、陸八魔アルと全く同じ位置、同じ色、同じ形状の角が……

 

 

「…………????????」

 

 えっ。

 

 えっ?

 

 えっ、あっ、

 

 え? ……あっ、あー、ね?

 

 

「…………ギフトか。そ、うか………………俺、ランクIIIじゃないんだが……?」

 

 

 ギフト。アブノーマリティとの交流によって、職員の身体に発現する恩恵、あるいは呪い。

 

 

 ランクIIIの精神的に屈強な職員なら、精神にギフトを溶かし込んで非表示にできる。アブノーマリティは人の精神から生まれたものであり、そんなアブノーマリティから貰えるギフトもまた精神が由来である。

 

 ゆえに屈強な精神を持つ職員ならば非表示にできるんだが……。

 

 俺、まだランクⅡの職員なんですけど……???

 

 今の俺でも消せるのか?

 

 やろうと思えばできるんだろうか。気合で……ふんっ!

 

 ……無理でした。溶かせません。

 

 

 成長するまで、俺は冷徹鉄面皮なAの顔にアルの角という、情報過多なビジュアルで過ごさなきゃいけないの? 本気で言ってる???

 

 Aの顔で悪魔の角が生えているとか、もう完全に隠す気ゼロだろ。メタファー(比喩)にしたってそのまんますぎる。

 

 これ、アル本人に見られたら勘違いされないか? お揃コーデとか年頃の女の子なら普通に嫌だろうし、そもそもキヴォトスの子からしたら身体的特徴の一部だろ?

 

 マジで嫌だよな。ほくろの位置真似されてるようなものだろ? だって。

 

 流石にキモすぎるだろ。しかも出会って数日の男に真似されるとか、アルが可哀そうだよ……!!! 死んでください死んでくださいされても何も文句言えねェよ!!!

 

 

「……はぁ」

 

 

 だが、悶絶している暇もなかった。

 アリウススクワッド。

 

 魔女の指先たちが動き始めている。

 

 迂闊に外にも出れないな……恐らく俺を嗅ぎつけたのはゲマトリアの会合で黒服が俺の会社を議題に挙げたからだろう。ええい! 余計なことを!

 

 しかしそこまでベアトリーチェの注意を引くとは……アリウス自治区の統制で忙しいだろうに、なんで今動くんだ! 

 

 ……そう思ったが……連邦生徒会長が不在になった影響で、アリウスも多少動きやすくなってるのか。

 

 アレ? 俺、もうちょい潜伏して先生着任してからゲマトリアに接触する方が良かった説が浮上してないか???

 

 

「……スゥ……」

 

 

 黒服に『時機が悪い(笑)』なんて余裕ぶっこいてたのに、全然見極められていなかった。

 

 草。

 

 くさぁぁぁぁ!!!!!(パニック)

 

 

 え!? マジでどうする!? まさかここまで直接的に目をつけられるとは思ってなかった! エデン条約編に入るまではせこせこ裏で暗躍するもんだと思ってたよ俺!

 

 だって大きく動いてアリウススクワッドが世間にバレた時点で計画はご破算だし!

 

 でも連邦生徒会長が居なくなった混乱が続いてるから多少なら動けるよね! 連邦生徒会に限らずあらゆる自治組織は混乱を収めるためにてんやわんやだもんね!

 

 

 やべぇぇぇぇ!!!!!

 

 

 待て、事態を整理しよう。

 

 連邦生徒会長の失踪による混乱は、想像以上にアリウスを動きやすくさせているらしい。エデン条約という物語を利用するために、ベアトリーチェは邪魔な異物を見極め、排除――あるいは利用するために、アリウススクワッドを送ってきたのだろう。

 

 だが、落ち着け。

 

 彼女たちはまだ偵察の段階だ。派手に動いて正体がバレれば、エデン条約の計画そのものが瓦解する。彼女たちにとっても、ここは派手に動けない環境。

 

 そして俺は黒服の協力者であり、エデン条約が控えている以上、俺を消して黒服からの反感は買いたくないはず。ベアトリーチェは判断しかねている。だから偵察を送ってきたのだ。

 

 故に即射殺はあり得ない。

 

「……俺が妙な動きをしなければ、か」

 

 タイムリミットは先生が着任し、トリニティの組織が正常に機能するまでの間。それまで、俺は派手な動きができなくなったわけか。

 

 ストレスで禿げそう。

 

 今ならワンチャン、"ものすごいハゲ!!!"を生み出せるかもしれない。

 

 ……でもぶっちゃけ大人しくしてれば良くなーい? ベアトリーチェの邪魔になるような、エデン条約に干渉するような怪しい動きさえしなければよくなーい?

 

 L社のE.G.Oは中に俺が入る場合、必ず扉を設置したままにしないと外に出られなくなるけどさ? そもそも怪しまれなければいいわけで。

 

 エデン条約なんざ先生以外に解決できるようなモンでもないしぃ?

 

 極論黙ってちょっとの間引き篭ってれば問題Nothingなんじゃないの〜???

 

 

 へっ、楽勝かよ!!!!

 

 

 勝ったな、ガハハ!!!

 

 

 

 

 

 







「……黄色。違う。金色、それも少し……褪せた、黄金? そう、か……色褪せた冷たい黄金の瞳。アレだけがぼんやりと……だが、確かに残っている」

「――探さなくては。……ふっ、いつもこんな気持ちで動いていたのかい? ミカ。内なる衝動に突き動かされるような、そうしなければならないという強迫的な衝動……。こんなものに襲われていたのなら、普段の君の行動にも合点が行くというものだ」


セイアちゃんがアップを始めました。




???「楽勝? そんな美味しい話があると思うのか。お前のような人間にッ!」
一般人A「なッ、なんて酷い野郎だぁぁぁぁ!!!!」
???「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄、無駄ァッ!!」



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