L社の技術を持っただけの擬態型一般人Aがキヴォトスで生き残るためにできること。   作:D-T45-45-1919JP

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そこのお前、キヴォトスに含まれる青春オーラはキヴォトス三つ分だぜ!





ジャンル違いはNG

 

 

 

 確認した招待状の日程は一週間後だった。それはいい、それはいいんだが……マジで早く先生来てくれないか? マジで頼む。

 

 既にティーパーティからの使者は帰り、2時間ほどが経過していた。アリウススクワッドは今頃アリウス自治区に戻ってベアトリーチェに指示を仰いでいる頃合いだと信じたいが……どうだろうな。

 

 便利屋にも連絡を取ってみたが、あいにく依頼が入っているとのこと。

 

 会社のメールボックスを見れば、セミナーから電力の買い取りに関するメールも来ていた。どうやらミレニアムの風力発電所が軒並みシャットダウンしたらしい。ミレニアム関係の商売はほぼ期待通りに進んでくれているんだがな。

 

 それに、クロノス報道部のニュースでは現在出所不明の武器の不法流通が1700%まで増加してるらしい。もういよいよだ。

 

 マジで本当に先生早く来てくれ頼む。先生が来る前に俺がしぬぅ!!!

 

 実際あと少しで先生が来るのだろう。だがそのあと少しが長すぎる!

 

 早く逃げなければ。ここに残っていれば、戻ってきたアリウスに問答無用で生け捕りからの拷問コースだろう。マジで勘弁。

 

 ……あの子とアルとの本能作業でギリ銃弾3発くらいは耐えられるくらいの体力があるはずだ。生きる意志、つまるところ勇気!

 

 しかし勇気が物理的に意味を成すのはL社内だけだ。最近気づいたんだよね。テクスチャが都市とキヴォトス、それぞれ別に判定されてるなら俺、別に勇気で体力上げたところで死ぬやん。ってね。

 

 だが、それは勇気のステータスが無意味を意味するというわけではない。

 

 頭をぶち抜かれれば勇気とか最大体力とか全部無視して即死だろう……だが、逆に言えば即死以外なら動き回れるだけの勇気があるということ。心臓だろうがどこ撃たれようが、動くゾンビのような精神力ッ!

 

 それさえあれば咄嗟にL社内に移動し、死んでから復活することが叶うはずだ。……マジで勘弁願いたいが。

 

 この建物にいつまでも籠城していたところで何の意味もない。考えろ、どこに逃げるべきだ?

 

 奴らは俺を殺す以前に、エデン条約を横からかっさらうことを最終目標としている。であるならば、逃げるなら広いところ、人目のつく場所、アリウスにとってあまり行きたくない致命的な場所――

 

 トリニティ。

 

 セクシーセイアちゃんのせいで危機に追い込まれ、セクシーセイアちゃんを当てにして命掛けの逃走をしなければいけないとはな!

 

 駅まで逃げ切ることができれば、俺の勝ちだ。

 

 会社から勇み足で飛び出し、自然な様子を装ってできるだけ射線が通らない位置を歩くようにする。

 

 ……案外、マジで全員ベアトリーチェの下に一旦戻ったのかもしれない。彼女たちは俺に気取られていることに気付いていないのだ。俺に勘付かれていない以上、猶予があると思っている。

 

 カヨコに警戒されて、監視されていたことが功を奏したな。マジでありがとうカヨコ。カヨコが居なかったら監視とか全然気づかずに生け捕りされてた。

 

 

 ――乾いた破裂音。

 

 脳がそれを認識するよりも早く、俺の世界は逆転した。

 

 

「――あ……がぁっ……!? ……あぁぁぁああああアア!!??」

 

 

 凄まじい衝撃。

 熱い。痛いなんてレベルじゃない。

 右足があるべき場所に、得体の知れない喪失感と、脳を焼くような激痛が同時に駆け抜けた。

 

 身体が、まるで紙屑みたいに一瞬宙を舞った。視界が激しく揺れ、背後の砂の中に顔から突っ込む。

 

「ぉ、……げふっ、……はぁ、はぁ、はぁッ!!」

 

 砂を噛み、顔を上げる。

 

 右足が――膝から下が、跡形もなく消し飛んでいた。肉が散らばり、骨が砕け、赤黒い液体がアビドスの乾いた砂を汚していく。

 

 あまりの激痛に精神が悲鳴を上げていた。

 

 

 ――予測が、甘かった。そりゃ、そうだわな。必ず一人は残るか……!

 

 

 職員として作業する前の俺なら、ショック死していたな。

 

 溢れんばかりの勇気が、激痛で失いそうな俺の意識を繋ぎ止める。

 

 血だまりに沈みながら少女から獲得したE.G.O武器である拳銃を取り出し、自身の身体に押し当てる。White属性で、中身の弾丸はHP-N弾を装填してある。

 

 二発打ち込むと、瞬く間に足が再生し、全身が治癒した。痛みで焦燥した精神もWhiteダメージで回復した気がする。

 

 ……キツイぜ。

 

 砂に血反吐を吐き、新品の足で走る。

 

 このバカみたいな威力の狙撃はおそらくヒヨリだ。アリウススクワッドでスナイパー持ってる生徒はヒヨリしかいないからな。あとゲームでも妙にごつい銃だとは思ってたが、対物ライフルだったのかよッ!

 

 ……だがこれで理解してくれよ、ヒヨリ。

 

 お前が撃った相手は、簡単に死ぬ外の人間だと言うことを。きっと見えたはずだ。骨ごと抉れ、吹き飛んだ血肉が、噴き出した血しぶきが。

 

 セクシーセイアが使者を送ってきてくれたおかげで、アリウスは俺がティーパーティと関係を持っていると誤認しているはず。俺がティーパーティとどんな話をしていたのか、アリウスはそれを確認しないとエデン条約に向けて動けなくなるだろう。

 

 実際は関係どころかお互い何の面識もないが。

 

 おそらく、今度は撃てても威嚇射撃が限度なはずだ。

 

 なぜなら殺す気であれば始めから胴体を狙えば良かったし、すぐにサオリたちが突撃してくるはずだから。しかし現実はそうなっていない。

 

 おそらく監視として残されたヒヨリは逃げようとしている俺を足止めするつもりで撃ったのだ。

 

 新しくなった足で駅まで走っているが、続きの弾丸は来ない。

 

 やっぱりな。

 

 ヒヨリとしてもあそこまでダメージを負うのは予想外だったのだろう。

 

 現在キヴォトスには先生が居ない。先生が、つまり外の世界の人間が銃弾一つで致命傷になることをアリウスが知っていたのは、その情報が必要だとベアトリーチェが判断したからだ。

 

 だがここは先生が赴任する前。故にヒヨリは俺が生徒と同程度の耐久性があると勘違いした。

 

 俺がここまで貧弱であり、対物ライフルひとつで足がごっそり消し飛び、人形みたいに空を舞うとは思ってなかったのだ。

 

 拳銃に弾丸は残り4発分しか入っていない。

 

 サオリがヒヨリの元に帰ってくれば、より攻撃的な動きを取るようになるだろう。その前に、逃げ切るッ! ヒヨリとは違い、サオリは俺を自らの意志で殺す選択を取れるだけの覚悟がある。

 

 仲間のためならば、俺を殺すだろう。

 

 つまりサオリがヒヨリの元に戻るまでに、俺はトリニティに逃げ込めれば、俺の勝利だ。

 

 悪いがそうはいかないぜ。この世界は青春学園モノなんだ。取り返しのつかないことを先生が来る前にさせてたまるかよ。

 

 大人しくDJしとけ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ヒヨリ「ひぃぃ……ごめっ、ごめんなさい……! 死、ほんとに死んでっ、あ、ぁぁっ―――えっぇぇぇ!!?? 足が、足がはえっ、!?」



多分こんな感じ。

ゲヘナの生徒っぽい変な角付けてるのも一役買ったかもしれない。


テクスチャの力があれば、きっと大丈夫だ。だってテクスチャだぜ? あのテクスチャさんなら多分やってくれるよ。あのテクスチャさんだもん。


あとロボトミー社は肉の提灯とかいう害悪どうにかしてくれ。

やってくれ、必要だろ。

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