L社の技術を持っただけの擬態型一般人Aがキヴォトスで生き残るためにできること。 作:D-T45-45-1919JP
やってることがもろ悪い大人で草。
なんて悪いやつなんだ……A!
列車の中で女子高生と密着し、長々とお説教おじさんした後テカるおっきい角を見せつけるなんて……!?
エッチなのは駄目ッ! 死刑!
傍から見ると一般人Aはこんな感じ。
こわっ
全身から漂う血の匂い。千切れたズボンにその血痕を見ればヒヨリの報告が嘘ではなかったことがわかる。
まさか本当に、足が生えたとでもいうつもりか……? 化け物め。
人を人とすら思っていない冷徹な目。褪せた金色の色が齎すその圧力はマダムに勝るとも……否、勝っているだろうな。事前情報では人間ということだったが、まさかこの男が人間であるわけがない。
命を消耗品程度にしか見ていないことなど、その目を見ればわかる。
悪魔の角を持つ煉獄の主。ゲヘナにはこのような化け物が棲んでいるのか。
「俺は君と話がしたかった。他の誰でもない、アリウススクワッドのリーダーである君と。だからこの時間を選んだ」
「……っ、何を」
全て、掌の上だとでも言うつもりか。
無駄なハッタリを……!
全ては虚しいものにすぎない。私の動揺も、この男の無駄な足掻きも、すべてが、そう――
「Vanitas vanitatum, et omnia vanitas……だったか。君たちは常にそう思っているのか? 興味がある」
その言葉に、微かに銃口が揺れる。
――なぜ知っている。どうしてそこまでアリウスの内情まで知っているんだ、この男は。アリウス自治区の情報を知るには実際に自治区に潜入したか、あるいはアリウスの人間から情報を聞くしかない。
だが自治区に潜入するにはトリニティ領内の地下に広がるカタコンベから特定のルートを通る必要がある。内部の人間が手引きでもしない限りありえない。
「……ああ。貴様の無様な足掻きも、この世界全てが無価値なものにすぎない」
そして今時期は外に出る任務があるメンバーは居ない。確認済みだ。
……なぜだ。その知識の出所はどこだ、A。
まさかマダムがこの男に? しかしそれならばなぜ私たちに命令を下した……?
「君の考えを当てようか。なぜこの男はアリウスの内情まで知っている。その知識はどこから得ている? 血痕を見るに足が吹き飛んだのは事実だ、しかしなぜ足が、報告は本当だったのか? そもそもどうしてアリウスの監視に気付かれた。なぜマダムは――」
「――黙れッ」
思えば不自然なことばかりだ。この男のいう通り、今回の任務は不審な点が多すぎる。
ぐりぐりと背中に銃口を押し付ける。減らず口を少しでも減らせたのなら儲けものだ。
「答えは簡単だ。アリウススクワッド。君たちの成績評価の時間だ」
Aは何の躊躇いもなく銃口を掴み、こちらに振り返った。
「……何を、言っている……!」
「一つ言っておく。俺は事前に知らせがあったが、監視がどのタイミングで来るのかは知らされていなかった。だから今回俺に勘付かれたのは君たちのミスだ。減点だな」
――その目。私たちの価値を無感動に見定めるその、悪魔の目……。
「槌永ヒヨリの狙撃の正確性は評価するが、致命傷を与えたと感じて手が止まるのは少し油断がすぎる。その後にも俺に当たる射撃がなかったのは本当に死ぬかもしれないと考えたんだろうが……未知の回復手段があることがわかり、行動を止めない様子が観察できたのならばもう一度撃つべきだったな。保険が効くから大胆な動きができる。これも減点だ」
「待って、くれ」
「続いて戒野ミサキと秤アツコ。小鳥遊ホシノという得体の知れない護衛を相手にして、足手纏いに数的有利というアドバンテージだけを頼りに脅しを掛けるのは迂闊だったな。観察眼……というよりも、注意力が欠如していると言った方がいいか。これも減点。だがあそこで撤退を判断できたのは良かった」
全員の名前を知っている。姫の名前すら……!
「最後に錠前サオリ。君だが……少し情に厚すぎる。俺が未知の攻撃手段を持っているとは思わなかったか? 千切れた足を即座に生やす技術を持った相手になぜそんな舐めた真似ができた? あぁわかっているとも。アリウスの教義が本当の意味でわかっていないんだろう」
「だから他のメンバーを置いて、単独で俺を捕えるという愚行に出た。大方槌永ヒヨリの動揺する様子に同情したんだろう? 後輩たちに悲惨な光景を見せたくなかったようだな」
「Vanitas vanitatum, et omnia vanitas」
「姫以外の消耗は全て些事にすぎないと忘れたか?」
そ、んな……。
「いつまで銃口を向けているつもりだ。サオリ。まだ評価を下げられたいか?」
私たちの忠誠を、能力を……試していたのか。マダムは。
だからこの男を使って、最後のチェックに入っていたのか!
「っ、すみませんでした。上官に向けてこのような無礼を……」
「……ここまで大規模な遠征はこれまでなかったからな。まぁ、多少浮足立つのも大目に見よう。だがベアトリーチェには報告させてもらう。簒奪が上手く行こうが行くまいが、遅かれ早かれ必ず姫の命は必要だが……姫以外は相応の処分を覚悟しておけ」
――どういう、ことだ。
遅かれ早かれ、姫の命は必要……だと……?
「待っ、てくれ……待って、ください」
「これ以上アリウスの醜態を晒すつもりか」
「姫の、命は必ず必要というのは、一体……どういうことだ……!?」
「……何?」
「私たちが簒奪を成功させればっ、アツコは助かるという話ではなかったのかッ!?」
生贄として育てられたアツコだったが、それも私たちがエデン条約の奪取に成功し、トリニティとゲヘナを制圧できたのなら、生贄の運命を変えると、そういう約束だったはずだ。
そのために、そのために私たちは泥を啜り、血を流して――ッ!
「……教義にvanitasと謳っているくらいなのだから、幼馴染の犠牲など笑って受け入れる兵士を作っていたと思っていたが……ベアトリーチェめ。まさかそのような条件で君たちを動かしていたとはな。できもしないことをよくもまぁ、あの女らしいか」
「できもしないこと……だと?」
……どう、して……。
「説明するのが面倒だ。どうせ君もアリウス全体で見れば駒にすぎない」
冷たく言い放った大人に縋る。それしか、できなかった。
「頼む、教えてくれ……教えて、下さい……!」
「……ベアトリーチェの言葉に歯向かうつもりか? それがどれだけの重罪か、わかっているのか」
「――ああ。私は、あの子たちを救うことができるのならばッ、何だって受け入れる。だから、頼む」
……そうだ。私は、あの子たちを救うことができるのなら、何だって。それにこの男が勘違いをしているだけかもしれない。
彼女が、私たちを裏切るなど――。
「……ベアトリーチェが行おうとしている儀式は色彩と呼ばれる太古の厄災を呼び寄せ、自らを高次の存在に進化させること。色彩を呼ぶために、ロイヤルブラッドたる秤アツコの命が必要だ。代替手段などあるものか。ないからこそ、アレは太古の厄災と言われている。……バシリカに入ったことが一度でもあるなら、あの異様さがわかると思うが……ないようだな」
バシリカ。アリウス・バシリカのことか……姫がよく彼女に連れていかれているのを、私は良く知っている。
確定だ。この男はアリウスを知り尽くしており、そしてこの男が語る言葉に嘘はない……。
「そん、な……それならば、なぜ……私たちは、何のために――……そういう、ことか。全ては空虚、故に、Vanitas vanitatum, et omnia vanitas……」
全ては空虚。己が歩んできた道も、注いできたあの子たちへの愛も、全てが――。
「――さて、お喋りな教官である俺はその教義が気に食わないんだが、君はどうだ、錠前サオリ」
不意に、男の雰囲気が変わった。ひたすらに恐ろしい雰囲気はなりを潜め、代わりに何か……瞳の奥に、耐えがたい光が見えたような。
「……どういう、意味だ」
「俺には俺の計画がある。色彩なんて存在をキヴォトスに招かれてはたまったものではない。始めに言っただろう? 君を選んだのは俺の意志だと」
……は、ははは。そういう、ことか。
私たちも、ともすれば彼女さえも、この男の掌の上で。
差し込む夕暮れの光を背に、悪魔の角が不気味に赤く輝いていた。
「提案をしよう。君に決して断れないであろう提案をひとつ」
――私は、その日。
悪魔と契約を交わした。
A「(……なんかとんでもないことになってきてない? 大丈夫か??? これ。その場しのぎが重なりとんでもないことになってきてないか????)」
その通りだ。馬鹿が!!!
アルちゃんギフト補正が乗ったのもあるけど、ほとんどA自前の圧力という。
ぺら回しもここまで来ると感動的だな……だが無意味だ。変身ッ!!!
本当ならぺら回し失敗して背中から撃たれてごにょごにょする予定だったんですが思ったよりパーフェクトネゴシエーションだったのでこのルートになってしまった。
はーつっかえ!
本当にテクスチャさんがやる気出してて草生えるんですわ! クソッ、やはりテクスチャさんの力を地に貶めるのは難しいようだな……
おのれ、許さんぞ……陸八魔アル!!!
プロットも何もないアドリブで書いてるからなんとなくやろうとしてた展開が没になるんだぞッ!!! それで苦しむのは後の筆者なんだぞ!!!
原作知ってるかアンケート
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ブルアカは知っているがロボトミは知らない
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ロボトミは知っているがブルアカは知らない
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どちらも知らない
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どちらも知っている