L社の技術を持っただけの擬態型一般人Aがキヴォトスで生き残るためにできること。   作:D-T45-45-1919JP

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おいおい、死んだわ。






第五の古則

 

 

 

 トリニティの午後の陽光は、あまりにも穏やかで、毒気が抜かれる。

 

 高級な茶葉の香りに包まれながら、俺はアインの無機質な感情を滲ませない声で、世間話のつもりで言葉を投げかけた。

 

 もうちょっと愛想というか、さ。なんかあるやん?

 

 親しみやすさとか大事だと思うんですけどね……このボディ全然言うこと聞かないのよ。

 

「優雅にお喋りしている暇はあるのか? 連邦生徒会長が失踪してトリニティも連日ぶっ続けで正義実現委員会が働き詰めと聞くが。ホストの桐藤ナギサも大変だろう」

 

 世間話と、一般的な労いのつもりだった。だが、セイアがカップを置く微かな音が、やけに鋭く響いた。

 

「……ふむ。やはり君は私の元々見ていた未来を知っているようだ。私の『予知夢』を前提に話していたのは、既に知っていたからなのだね。合点がいったよ」

「――なぜ、そう思う」

 

 ……え? 今の会話のどこに確定要素があったの!?

 

 内心の動揺を鋼の表情筋で押し殺す。だが、セイアの賢しげな瞳は、既に俺のボロを完璧に捉えていた。

 

「その反応で確信したよ。何せ、現在のティーパーティーにおけるホストはこの私なのだから。彼女がホストの座に就くのは私が襲撃され、死亡してからだよ」

 

 ……マジかよ!! そうだったの!? ナギサ様がずっと実務を取り仕切ってるイメージが強すぎて、完全に勘違いしてたわ!!

 

 というか死亡してからって……いや、アレか。アズサが寝室まで侵入してる場面を見たことがあるのか。だから死んだと判断したのかね。

 

 足掻く自分を知っていたのなら、セイアは原作で絶望していなかっただろうし。

 

「既に知っている事実と、知らないはずの事実が混濁する――未来を知っている者あるある、と言ったところかな。まさかこんな話をすることになるとは、君の存在を知ってから驚くばかりだ」

「……はぁ、勘弁してくれ。俺はキヴォトスに来てから二週間くらいなんだ」

 

 観念してため息を吐く。情報を知っている傲慢が、逆に無知を露呈させるとは。未来を知る者特有の落とし穴に、俺は真っ逆さまに落ちていた。

 

「ふふ。しかし、そうか。ならば君は楽園の名を冠したアレを知っているのだね」

「エデン条約のことだな」

 

 口を滑らせた序いでだ。隠すだけ無駄だろう。

 

「ああ。太古の経典に出てくる楽園の名を冠した条約……。連邦生徒会長のいつもの悪趣味なネーミングだが、君は七つの古則を知っているかな。その五つ目に、まさに『楽園』という言葉が出てくる」

 

 セイアは椅子に深く腰掛け、語り始めた。

 

「楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか」

「一つの解釈として、これを『楽園の存在証明に対するパラドックス』であると捉えることができる。……そこで君の解釈を聞きたい。深い意味はないよ、ただの興味本位だ」

 

 ……出たよ、ブルアカの禅問答。

 

 原作の“先生”なら、ここで「証明できないから信じる」といった、子供たちの可能性を肯定する答えを出すだろう。だが、俺は先生じゃないからな……。

 

 その答えは“先生”が教えるべきであり、俺ではない。

 

「……そうだな。これは、そもそも証明することが不可能な問いだ。極論を言えば楽園が存在するしないに関わらず、我々はそれに到達することは決してない」

 

 俺の言葉に、セイアが眉をぴくりと動かす。

 

「故にこの矛盾に満ちた問いは……、楽園に辿り着けない者たちに向けて贈られた“課題”、のようなものなんじゃないか」

「課題……か」

「楽園を失った絶望を突きつけられ、それでもなお、自分が今いる場所をマシにするための……届かない理想を追い続ける過程に意味を見出すための課題、と言ったところか」

 

「……楽園に辿り着けない者たちへ贈られた課題……。証明の是非の問題ではないと。私にはなかった発想だ。……ふふ。君との話は思考が澄み渡るようだね。さて、少し休憩でも挟もうか――」

 

 セイアが微かに微笑み、張り詰めていた空気が緩んだ、その時だった。

 

「セイアちゃん居る~? ナギちゃんにケーキ持ってったんだけど忙しいからって断られちゃってさ~☆」

 

 扉がノックもなしに景気よく跳ね飛ばされる。

 

 入ってきたのは場を華やかに彩るような桃色の髪と、眩いばかりの笑顔。

 

「一緒に食べ――」

 

 ピタリ、と。

 

 少女の動きが止まる。その爛漫な瞳が、セイアの対面に座る俺を捉えた。

 

 アインの冷徹な顔。

 そこから生える、アルとお揃いの禍々しい悪魔の角。

 

「……なんで角を生やしたゲヘナの大人が居るのかな?」

 

 聖園ミカの笑顔から、温度が消えた。

 

 ぎゃ、ぎゃぁぁぁぁ!!!! で、出たぁぁぁぁ!!!!!????

 

「ミカ。彼は私の客人だ。無礼はよしてくれたまえ――」

「あはは、セイアちゃん。いいよ。説明は後で聞くから」

 

 ミカは手に持っていたケーキの箱をサイドテーブルに置くと、銃をゆっくりと握り込んだ。

 

「まずはその、セイアちゃんの目の前の大人を片付けないとさ☆」

 

 

 死ぬのではなくて????

 

 

 







思ったより筆が乗ったため進みませんでした。あとA……お前、ついに死ぬのか……?


こいつ小難しい話ばっかりしてんな。



あと預言した未来について、今後語ることがあるのかわからないので筆者の想定をここに置いておきます。

基本的にあの世界線ではロボトミーコーポレーションで収容したことのある全てのアブノーマリティが収容違反を起こしています。そして試練も

預言した未来では、セイアは肉体を持っていないためWhiteダメージとBlackダメージ、そして少しのPaleダメージしか受けていません。

めっちゃ受けてて草。

ちなみにトリニティに存在する生徒が全属性分のダメージをある程度負うとALEPHたちの終末とはまた別のタイプの終末が訪れます。セイアちゃんも肉体を持ってたら結構ヤバかったという事実。未来ではセイアちゃんが先に死んでいたので、7つ目の最後のトランペットが足りず審判は起こりませんが……まぁあいつら居る時点で……うん。

Redダメージ、Whiteダメージ、Blackダメージ、Paleダメージ。

騎士たちの力によって第1から第4までの封印が一息に解かれ、黙示録に記された怒りの日が訪れるでしょう。もしかしたら、L社のTrumpetに反応して最後のピースが揃うかもしれませんが……白夜も居るからな……裁きVS裁き、新世VS新世になるのか?

まぁオーバーキルが続くだけなのでええやろ!!! 既にあいつら出てきてる時点で滅亡確定☆ 死体撃ちみたいなもんや!





原作知ってるかアンケート

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