L社の技術を持っただけの擬態型一般人Aがキヴォトスで生き残るためにできること。   作:D-T45-45-1919JP

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本当は軽ーくちょっと悩んでますよー的な描写してAとミカとの話にするつもりだったのじゃが思ったよりも筆が進んでしまったのじゃ。これも全て曇りが似合うミカが悪いのじゃ。


そろそろガラナサワーを飲まないと死ぬぜ!!!!!


というわけで初投稿です。



ピンク色の憂鬱

 

 

 

 朝が来た。

 

 トリニティの朝はいつだって目が覚めるほど綺麗だ。

 

 カーテンの隙間から差し込む光の束は、空気中を舞う埃さえも銀色の粒子に変え、世界が今日も正しく清らかに始まったことを告げている。

 

 しかしベッドに横たわったままの聖園ミカにとって、その光は自分の汚れを暴き立てるためのスポットライトにしか思えなくなっていた。

 

「……また、寝られなかったなー……」

 

 乾いた自分の声が、静まり返った自室に虚しく響く。

 

 三日間。

 

 あの日、あの裏路地で引き金を引いてから、ミカの時間は止まったままだった。

 

 思い返す。

 

 自警団の子からは「怪我を負った大人は生きている」という連絡があったけど、それが何の言い訳になるんだろう。命を奪いかけたことは変わらなくて、銃を目の前で奪ったことには変わらなくて、

 

 その罪を象徴してるみたいに、あの拳銃はずっと机の上に存在している。

 

 

 目を瞑れば、ほら。

 

 ――――べっとりと壁についた血痕、咽るような鉄臭い匂い、激痛の中、必死に這いつくばって動いていたことがわかる伸びた赤黒い色の痕跡。

 

「っ……はぁ……っ……」

 

 喉奥がきゅっと締まり、まるで自分のものではないように胃の奥が蠢いた。吐き気を抑えるように口元に手を当てる。吐き出したら、少しは楽になれるのかもしれないと何度も思った。

 

 でもしようとは思わなかった。この小さな苦しみを吐き出してしまったら、罪が軽くなってしまうような気がしたから。

 

 過ちの証明。犯した罪。

 

 しかし罪を犯した私に、いまだ下される罰は、ない。

 

 

 でも、それももうすぐ終わりだ。

 

 罪には罰が下るのが、当たり前なんだから。

 

 セイアちゃんからは昨日、「先日の大人が君に会いたいと言っている」と、まるでお茶に誘うような気軽さで告げられた。

 

 私に殺されかけた大人が、わざわざそのことをセイアちゃんに秘密にして私に会おうとしている。そこにどんな意味があるのかはわからないけど、私を憎んでることは間違いない。

 

 確かにあの大人は死んではいないんだろうね。

 

 死んでない。

 なら、いいじゃん。

 いつも通りに笑って、ちょっとやりすぎちゃったって謝って、それで終わり。

 

 ……そんなわけ、ないか。

 

 のっそりとベッドから出て、机に置かれた拳銃に触れる

 

 あの大人から奪ってしまった、デコレーションだらけの拳銃。

 

「……あつい」

 

 指先から伝わってくるのは冷たさじゃなかった。

 じわじわと皮膚を焼くような、それでいて心臓を冷やすような、矛盾した熱。

 

 ――人殺し。

 

 銃がそう囁いている気がした。

 

 たくさん血が出てた。血痕からですらわかるほどに、大量の血が。

 

 「生きていた」なんて、誰かの優しい嘘なんじゃない?

 

 本当はもうあの大人は死んでいて、幽霊になって、私を呪うためにセイアちゃんに化けて嘘を吐いたとか。

 

「……何、考えてるんだろう。あは」

 

 そうでなければ、おかしい。

 

 あんなに撃たれて、あんなに血を流して、それでも殺人鬼と会おうなんて。

 人間じゃない。

 

 ……そう。あの人は私が殺したから、人間じゃなくなったんだ。きっと。

 

「……酷いなぁ、セイアちゃん」

 

 シーツに顔を埋め、毛布に包まる。

 

 セイアちゃんから招待を受けたと言われたとき、二つ返事で「オッケー☆」と返してしまった。そうしなければ、自分が犯したこの罪は一生消えてくれないと思ったから。

 

 笑っていれば、まだ取り返しのつかないことにはなっていないと、自分を騙せると思った。

 

 けれど、身体は正直だったみたい。

 

 スマホの黒い画面を見れば、目の下には隈が浮いていて肌は蒼白い。死人みたいな顔だ。

 

 ――でもあの大人はもっと酷い顔をしてたんじゃない? 酷いことするよね~☆ 人殺しってさ? あなた()はどう思う?

 

「……」

 

 ミカはふらふらと立ち上がり、洗面台へと向かった。

 冷たい水を顔に叩きつけても、脳裏にこびりついた血の匂いは消えない。

 

 今日、会わなきゃいけないんだ。

 

 

 そっか。

 

 

 銃を返さなきゃ。

 

 

 そして――

 

「……なんて、言えばいいの?」

 

 ごめんね?

 痛かった?

 私が悪かったから、許して?

 

 そんな言葉を吐く自分の姿を想像するだけで、反吐が出そうだった。

 

 窓の外では、朝の鐘が鳴り響いている。雲が一切ない、晴れ晴れとした晴天。

 

 罪人が裁かれるには良い日かもしれない。

 

「……あはは。最高の朝、ほんと」

 

 ミカは震える手で、いつものドレスを手に取った。

 内側のドロドロした罪悪を、綺麗な布地で覆い隠すために。

 

 

 






なんかミカ曇りすぎじゃない? と少し思いましたが、実際に自らの手で、助けを求めようとしていた相手をぶち転がし、武器まで奪ったのならこのくらいなる気がしないでもない。

自分の感情に素直で、そして優しい子ですから。

幼馴染であるセイアを殺した時の方がショックデカいに決まってんだろ! という内なる声が聞こえなくもありませんが、原作ではミカはエデン条約を控えており、またアリウスを引き入れていたので、セイアの死をきちんと悲しみ、己の罪を自覚する暇もなかったのではないかと思います。

罪悪感と後悔、苦しみ、それらを忘れるのにちょうどいい目標もありましたからね。

あとロボトミー35日目まで来ましたが黄昏装備強すぎて草が生えますねぇ! というかプロムンQ&Aを見て少し思ったことがありまして……
黄昏装備フルセット職員でクリフォト抑止力下のALEPHもしくは「爪」と同格らしいですが……爪2体と調律者と全アブノーマリティ脱走を全部討ち取った赤い霧はマジで何なの……? 

赤い霧でした。


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