L社の技術を持っただけの擬態型一般人Aがキヴォトスで生き残るためにできること。   作:D-T45-45-1919JP

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筆が走ること走ること。



あと筆者はリンバスカンパニー未履修なのでうんちが漏れます。ブリュ






無意識に人格が薄れるのって怖くね?

 

 

 

 ブラックマーケットの人間はおそらく都市の人間の感性とそう遠く離れていないと見た。リスクとリターンを天秤に掛け、その日を必死に生きるために傭兵稼業とかやってると見た覚えがある。

 

 そして彼女たちには学籍がないから、必然的に賃貸契約などの契約もままならない。キヴォトスにおいて学園に所属していないということは無国籍であることに等しいのだから。

 

 それなりに能力があり、賃貸契約を結んでもまぁ多分支払えるやろ! OK! と判断される便利屋68とは違うのだ。

 

 そんな彼女たちだからこそ、つけ入る隙がある。

 

 ヘイローがないからだろうか。

 

 周りを歩く生徒たちやアンドロイドたちから怪訝な目で見られながらも移動を続け、ブラックマーケットへ歩みを続けている。途中、何らかのいざこざが起こったのか銃弾が目の前を通り過ぎるというハプニングもあったものの、何とか辿り着けそうだった。

 

 普通に心臓止まるかと思ったが、アインボディは全くの無表情が崩れない。

 

 ……つい数時間前までは簡単に涙を流せる程度の涙腺をしてたんだが……嫌な感じがしてきたな。俺はそもそもここまで頭が回る方だったか?

 

 ……。

 

 徒歩でブラックマーケットまで行くのはそこそこ骨が折れる。電車が使えるのなら、話は簡単だったのだが。あとアインボディが貧弱すぎるのもあった。

 

 そしてようやく辿りついたブラックマーケットは、なんだか酷く見覚えのある光景が広がっていた。綺麗な裏路地……そう表現するのが適切だろうか。

 

 ここで俺は金を稼ぎに来た。

 

 汚れた長いスカートを履き、死んだ目をしてくたびれている少女に声を掛けた。

 

 

「少しいいか」

「あ? ……大人? なんですかぁ? 仕事の依頼なら受けるが、そういう顔には見えねぇな」

「その服装を見るに、もう何日も安心できる場所で休めていないんだろう」

「……だからなんだって?」

「俺の持つビルで少し休んでいくといい。俺は大人で、君は子供だ。少なくとも、数日は面倒を見てやる」

「……は? それをしてテメェに何のメリットがあんだよ! 馬鹿にしてんのか!」

「勘違いするな。無償とは言っていない。支払う金額はお前に任せるが……俺の目的は俺が持つビルの内装は生徒から見て、どれほどの価値を持っているのか。それを知ることだ。アンケートついでに寝泊まりできると考えろ」

 

 これで食いつかなければ、別の生徒にアプローチを仕掛けよう。何、ブラックマーケットでは腐るほど寝泊まりする場所すらない生徒たちが居る。現状維持でも人は死なないのがキヴォトスだ。

 

 苦しみはするだろうが、別に捨て置いても問題は――

 

 ……いや、子供が寝泊まりする場所もなくて困ってるんだぞ。それ自体が問題だろ。

 

 感性が寄ってきている気がする。

 

「――テメェ、ヘイローがないってことは簡単に死ぬんだろ。偉そうな口効いてたが、そんな態度取って良かったのか?」

 

 銃口を向け、死んだ目をこちらに向ける生徒。

 

「大人がその程度の備えもしていないと、本当にそう思うか」

 

 その程度の備えもしていません。

 

 銃口が向けられても一ミリも驚かない心臓に恐怖しつつ、俺は無感動にハッタリを効かせ、少女の瞳を眺めた。アインのボディクソ度胸すぎるだろ。どうなってんだこいつ。

 

 ……まぁ赤い霧とか見たことあるしな、アイン。この程度ならビビるに値しないか。

 

 撃たれたら死にますけどね!!!

 

「……そう、だよな。ごめん、なさい。え、えっ、と……さっきの話って、まだ……いいん、でしょうか」

「ああ。ついてこい」

「あ、はいっ」

 

 金持ちを装うのは難しくなかった。元々傍若無人な、控えめに言って空気読めない人間であるアインのボディはとんでもないほどに役者な身体だ。

 

 事前に近場のビルの入り口に重なるように設置しておいたE.G.Oの扉まで連れていき、中へ案内する。

 

「ここだ。元々は研究所だったが、今は廃墟だな」

 

 廃墟と言うには設備が綺麗なままだが、そこは適当に嘘でも吐けばいい。

 

「っこ、ここが……ちょっと、雰囲気悪いっていうか」

「物々しいか」

「その……はい」

「すまない」

「いやっ! 別に悪口言ってるわけじゃねぇ! あ、ない、です」

「……そうか。だが、俺は君の感想を否定しない。好きに言っていいし、お前が感じた快適度をそのまま家賃にしろ」

 

 ぶっちゃけ家賃収入で金を稼ぐという目的はフェイク。いや、小銭稼ぎの面もあるから小目標って言ったところか。どちらにせよ大きな問題じゃない。

 

 どうせ金が入らずとも、この少女からエンケファリンを生成できれば些細な問題に成り下がる。

 

 エネルギーの売却先は複数考えているが、主に必要としているのはやはり調月リオだろうな。城塞都市エリドゥをフルで稼働させるには膨大な電力が必要だろうが、それをセミナーから横領した金だけで為すには規模が大きすぎる。

 

 一部の機械や監視カメラだけが動く省エネで城塞都市エリドゥは建設されているはずだ。

 

 調月リオとは最高でも懇意にしている取引先という関係性に抑えたい、でなければ余りに便利すぎる都市の技術に呑まれてしまうだろうから。

 

 血塗られた技術は俺だけが使えばいい。

 

「君が寝泊まりするのはこの部屋だ。極力この部屋で過ごしてほしいが、君にも用事があるだろう。自由に出られるから、好きにしろ」

「あ、あぁ……うん」

「他に質問はあるか?」

「……えっと、監視カメラみたいなのがあるんだけど、アレって……」

「機能していない。見た通り電気もついていないからな。気になるなら壊してもいい」

「わかっ、た」

「他は?」

「ない……です」

 

 よし。とりあえず収容が完了した。あとは彼女からどれだけのエンケファリンが抽出できるかが問題だ。

 

 彼女にはどの作業が効率が良いだろうか。

 

 洞察。本能。抑圧。愛着。これら四種からそのアブノーマリティに適した作業を行い、エンケファリンを溜めるのがロボトミーコーポ―レーションというゲームの本懐だったが……。

 

 生物として生きている彼女は、全体性を獲得しているアブノーマリティとは異なり、特定の作業が常に効率が良い、というわけではないだろう。

 

「……あの、何?」

 

 とりあえず、腹を空かせていることはわかるが……無一文の俺では本能作業として食い物を与えることもできない。となれば、ひとまず洞察作業をすべきか。

 

 施設には一応、緊急用の予備バッテリーがある。これを使えば、ZAYIN程度のアブノーマリティ一体を世話するくらいなら10日ほど持つだろう。

 

 この電力は呼び水であり、もし失敗した場合……ロボトミーコーポレーションは自らの足で立つことができず、外部からのスポンサーを受け入れることになるだろう。

 

 そうなった場合……いや、そうはさせない。都市の構造をこの世界にまで持ち込むわけにはいかないのだ。

 

「いや。少し世間話でもしようかと思ってな。君はどうしてそんな汚れていたんだ」

「……私は、……仲間、が。捕まったんだ……助けようと思ったけど、私一人じゃ、どうしようもなくて……そのまま、何日か経って、今って感じ」

「そうか。仲間を失っていても諦めなかったのか」

「別に、そういう前向きな理由ってわけじゃない。現に私は何にもできなくて、仲間たちが帰ってくるはずだった住処もっ、奪われて……何にもっ、できなくてっ!」

 

 ……泣きそうになっている少女にバレないよう、カウンターを確認する。

 

 E-Boxは全部で10。やはりZAYINクラスだ。

 

 PE-Boxが2、NE-Boxが3か。PEはポジティブ・エネルギー、NEはネガティブ・エネルギーだ。ゲームだと作業結果の良し悪しが左に表示されていたが、実際も同じらしい。

 

 あまり失敗したくないものだが、管理手順を確立するまではそれも難しいだろう。T社による技術は存在しているため、ループを重ねる方法もできなくはないが、アレには膨大なエネルギーが必要となる。

 

 ZAYIN程度のアブノーマリティが生み出すエンケファリンでは管理が成功したとしても2,3日戻すくらいが限界だろう。それにアンジェラも居ない分、俺はプロトコルを弄って記憶を持ち越せるように調整する必要もある。

 

 クリフォトカウンターも2あり、余裕があるな。

 

 脱走はおそらくないし、脱走したとしても危害を加えてくることはないとは思うが……妙な違和感がある。

 

「少なくとも、一つ言えることがある。何にもできなかった、なんてことはない。なぜなら君は俺と出会い、仲間たちを迎えられる安全な住居を手に入れたからだ。自分で言うのもなんだが、言い値で住めるのは破格だぞ」

「……うぅ、ぐず。私に、もっと力があったら、仲間も、捕まらなくて、済んだのかなぁっ」

「……ちなみに、どこで捕まったんだ?」

「あ、あの日、私たちはっ、トリニティで金稼ぎしようと思ったけど正実に見つかって、がむしゃらに逃げた。でも、そこから変な雰囲気の地区まで行って、そこでっ!」

「君の仲間は囮になり、君を逃がしたというわけか」

「う゛ん˝ぅ……!」

 

 ……アリウス自治区まで入ってしまったのか。となるとまず間違いなくベアトリーチェに見つかったことは間違いない。偶然入っただけの生徒はたまたま学籍を持たない都合のいい存在だったわけか。

 

 どうだろうな。死んでいるかもしれない。

 

 死なずとも、何らかの実験に使われていてもおかしくない。運が悪いな、だが都市とはそういうもの――

 

 でも、ここは都市じゃない。だから、まだわからないか。

 

「きっと、帰ってくる。君が辛い思いをしても、ちゃんと迎えられるようにするくらい良い仲間なんだろう。君を独りにするような人間ではないはずだ」

「ぅんっ! うんっ!!!」

「ハンカチの類は持っていないからな。これでも使え。俺はそろそろ他の仕事がある。次会うときまでにその顔をどうにかしろ」

 

 白衣を脱ぎ、泣き顔で酷いことになっている少女に被せて外に出る。

 

 その前に、声を掛けられた。

 

 ……嘘を吐くのはあまり気分が良くないな。だが仕方がない。必要な作業だ。

 

 振り向き、彼女の言葉を待つ。

 

「なんだ」

「……その、ありが、とう」

「――――。……感謝は家賃に反映させてくれてもいいぞ」

「それはいやだ!」

 

 少しは元気になったようだ。俺はそのまま収容室を出て、管理室へと向かった。初めての作業の結果を詳細に確認してみれば、かなり成功しているようだ。

 

 ……成功しすぎだな。ブラックマーケットで生き延びてきた生徒が、まさか初対面でこんな不愛想で怪しい男に内心を曝け出すか? 通常の心理状態ではあり得ないだろう。

 

 アブノーマリティは特定の作業を行えば必ず決まった反応を示す。確率によって反応が変わることはあるものの、そういう現象だ。幻想体としての全体性を獲得し、普遍であり不変であるアブノーマリティは現象であるが故に法則が決まっている。

 

 アブノーマリティならば初めて会った人間が作業しても決まった反応を示すだろうが、今回は生きている人間が相手なんだぞ。

 

 時間を掛けてゆっくりと信頼関係を築き、そこからようやく感情が揺り動くはずだ。

 

 ましてや先生のような懐に入る特殊能力を持っているわけでもない。なんならアインの仏頂面で無感動ムーブは信頼を得るにあたって邪魔にすらなっているはず。

 

 俺の洞察作業でどうしてここまで……。

 

 

 ……ん? なんだこれ。エンケファリンが3つも溜まって……? 

 

 

 

 これは、何だ?

 

 

 

 

 

 

 








ライブラリーオブルイナ頑張って進めてるんですけどマッチ売りにすら三回くらい負けました。難しすぎて、草ァ! 戦闘システムよくわかってないから、弱点見てそれに応じたデッキをその場で組んで戦うしか勝てないンゴねぇ!!!


単語が違うとか、そういうご指摘があればどんどんください。筆者ニワカです。

あと感想もどしどし下さい。ニヤニヤします。

需要ないって? おう、そうだな(豹変)

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