L社の技術を持っただけの擬態型一般人Aがキヴォトスで生き残るためにできること。   作:D-T45-45-1919JP

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あまり書いてて楽しい展開にならない場面で筆が進まない時はどうしたらいいか。

答えは簡単だ。

面白い場面を書けばいいのさ!!!!!

征け! 俺のポ○モン! 予知夢の前日譚!!!


というわけで初投稿です。




絶望の歴史 上

 

 

 

「結局のところ、私たちは彼の持つ技術をあまりに理解していなかったのです。神秘や恐怖、崇高、それの原本に限りなく近しい彼らは一般に“死”という概念を持ちません」

 

「故にあらゆる抵抗は無意味だった。不滅、不死、不壊。決して止まらず、止まってもまた時間が経てば復活する。彼らをどうやって制御し、収容し、利用していたのか、気になって仕方がありませんが……今となってはもう叶うこともないでしょう」

 

「ゲマトリアに残ったのも、僅か三人となってしまいました。私とゴルコンダ、そしてデカルコマニーのみ。ベアトリーチェはその傲慢の代償を払い、止まらぬ弾丸に撃ち滅ぼされ……マエストロはかの概念を『複製』し続けたことで、狂ってしまった」

 

「ゴルコンダは“先生”を主人公と表現していました。ここが学園都市という概念で存在する限り、その守護者である“先生”はあらゆる障害を打破する可能性を持っている。それは覆しようのない真実であり、つまるところ運命が描く脚本の方向性。この世界のジャンルでした」

 

「しかし……あなたは失敗した。あなたは彼の世界に踏み込むべきではなかった。あくまであなたの土俵で、あくまで学園都市で戦うべきだったのです」

 

「クク……クックック……“先生”の容姿で、ヘイローを持っている姿を見ると、どうにも滑稽で仕方がありませんね。この空間に侵入できたのも、かの天使の力が理由ですか。まぁ、どちらでも良いことです」

 

“生徒たちを守らないと……”

 

「――それが、今際の際の言葉ですか。クックック……やはり、あなたはブレませんね。最期まで、理解できなかったことが少しだけ残念ですが……この結末は彼をゲマトリアに誘ってしまった私の選択が生んだ結果であり――“先生”の言葉を借りるならば、責任」

 

 

「甘んじて、受け入れることと致しましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――夢を見る。

 

 

 多種多様な、キヴォトスでは見かけない装備を身に着けた生徒たちの姿。奇妙な機械が彼らを統率し、業務をしている様子が見えた。

 

 

『Delta210。T-09-86を使用しろ』

『Omega411。O-05-30の勇気作業へ向かえ』

『Beta021。O-03-93の洞察作業へ向かえ』

『Alpha136。T-09-09を使用しろ』

『Alpha001。O-03-89の洞察作業へ向かえ』

 

 

 死んだ目をしている者、希望に目を輝かせている者、緑色の液体を飲んでいる者、隈が酷い者、決意に満ちた顔をしている者。

 

 

 ……また、予知夢か。しかし、ここは……? 私の予知夢は対象を選択できない無作為なものが大半だが、その多くは私に関係するものだ。このような施設は今まで一度も見たことがない。

 

 場面が移る。

 

 ここは……廊下、か……!? 床にこぼれている無数の肉片。それらは微かに瑞々しさが残っていて、そうなってから時間が経過していることがわかってしまった。

 

 その傍らに立ち、廊下を通ろうとする生徒に襲い掛かる様子がおかしい生徒。手に持っているのは巨大な鉄製のハンマー、だろうか?

 

 ……ぅっ。なんだ、なんなんだ、この夢は……。胃の奥が暴れている。見てはいけないものを見ているような……。

 

「嫌だぁあ!!!! 死にたくない! 死にたくないよぉおおお!!! 死ぬ前に死ななきゃ! 死ぬ前に死なせてあげないと!!!」

「一体何を見たんだ?! 頼む、戻ってこい!」

『Rabbit992。Fatal321を鎮圧しろ』

「任せてくれ! 管理人!」

「死んじゃえ! 死ぬ前に死んじゃえ!!!」

「ッ……戻ってっ、来い!!!!」

 

 銀河の輝きを宿したような棒を振ると、その先から星のような輝きが射出される。その輝きは狂ってしまった生徒の身体に染み込むように爆散し、攻撃を受けている様子だった。

 

 殴り殴られ、数度の繰り返し。

 

 ヘイローが明滅している……? それにこの魔法のような現象は一体なんだ? しかし私の疑問が答えに辿り着く前に、事態は終息したようだった。

 

「ヴッ……あれ? あぁ……助けて、くれたんだ。ありがと」

「気にすんな。コントロールチームにさっさと戻ってちゃんと回復してこいよ」

「うん!」

 

 軽々と巨大なハンマーを背負い、去っていく生徒。それを見送る銀河の服を着た生徒。

 

「……あぶねぇ、アタシも死ぬところだった……。アタシも安全チーム戻って、回復してこないとな……。はぁぁ、金はたんまり貰えるけど、この仕事キツイな~……」

 

 手元にクルクルと星の杖を回し、彼女も去っていく。

 

 ……何なんだ、一体。何もわからない……。

 

 

 次に映ったのは恍惚とした表情でサボテンのような、浮遊する謎の存在に張り付き、死んでいく生徒。次に映ったのは足元から生えた茨に貫かれ、口から茨が生えて死んでいる生徒。次に映ったのは赤い弾丸に打ち抜かれ、死亡している生徒。機械の中に自ら身を投げ、ぐちゃぐちゃになる生徒。血液の風呂に引きずり込まれ、腕だけを残して死んだ生徒。

 

 死亡、死亡、死亡、死亡死亡死亡死亡死亡死亡死亡死亡死亡死亡死亡。

 

 無限に積み重ねられ続ける死体の山が、延々と見え続ける。何度も、何度も、焼き付けるように、忘れられないくらいに。

 

 もう、やめてくれ……! 予知夢ではない、ただの悪夢か? きっとそうだ。

 

 既に死んだはずの生徒が、再び死に直す光景を何度見たことか。

 

 失われた命は戻らない。この世界の絶対法則。

 

 きっと、ただの悪い夢だ。そうに違いない。

 

 

 また、場面が切り替わる。

 

 

 これは……先生か。以前にも視た覚えがある。アビドス廃校対策委員会の小鳥遊ホシノに目を付けたゲマトリアから、先生は小鳥遊ホシノを救い出していた。

 

 ……そうか、少しだけ見覚えがあると思っていたが、ここは小鳥遊ホシノが拘束されていた部屋の雰囲気とよく似ているのか。

 

 となれば、ここはゲマトリアの実験施設と言ったところだろう。

 

 しかし……あまりに凄惨すぎる。何度見たことか、尊厳も慈悲も何もない生徒たちが死んでいく様を。ヘイローが砕け、既に死んでいる生徒の肉を貪り、貫き、焼き、解体し……思い出すだけで胸の奥が淀んでいく光景を。

 

 止めなければならない。きっと、この光景を先生が知っていたのならば、私の同じ決意を抱いたことだろう。

 

 未だに顔を合わせて話したことはないけれど、あの黒服を相手に啖呵を切った先生なら。

 

 

『こんにちは、先生。送ったメールは見ていただけたかしら』

「“うん。ミレニアム、ゲヘナ、トリニティの経済的に貧困した生徒たちが帰ってこないんだね”」

『そうよ。そしてこれはこの三学園に限った話じゃないみたい。その他の学園からも行方不明者に関する届け出が連邦生徒会に届いているらしいわ』

「“シャーレの出番だね”」

『そういうこと。行方不明者の捜索は今まで各学園で行っていたけれど、事態の深刻さを共有したことで私たちは合同作戦を計画している。しかしトリニティとゲヘナの軋轢は先生も知っている通り。ミレニアムが間に立つことはできるけれど、どうしても摩擦は生じてしまう』

「“……そこで、シャーレの権限を使いたいわけだね”」

『もし危険な犯罪に巻き込まれていた場合、事態は一刻を争う。ゲヘナとトリニティの下らない諍いで命が失われることはあってはならない。作戦会議の場所は明日の正午、ミレニアムサイエンススクールを予定しているわ。詳しいことはメールに乗っているから、お願い先生。力を貸して』

「“わかった。こっちでも力を貸してもらえる生徒が居ないか、聞いてみる”」

『……ありがとう、先生。そういうと思ってた。じゃ、また明日に会いましょう』

 

 

 空崎ヒナ。ゲヘナの風紀委員長。

 

 ……ティーパーティからの助力願いもあったようだね。ナギサはこの事態を重く見ているようだが……おそらく事態の終息だけが目的ではないだろう。

 

 共通の問題を通してゲヘナ、そしてトリニティの勢力が先生の下、お互いに力を合わせることができる一世一代の大チャンス。それは小さなエデン条約とも捉えることができる。

 

 この事態に共同で対処することで、エデン条約の説得力を補強する布石。

 

 しかし万魔殿が素直に頷くとは思えないけれど……風紀委員長の空崎ヒナが先生への伝令として出ていたところを見るに、上手いこと言い包めたか。もしくはそもそも万魔殿を通していないか……どちらにせよ、中々に食わせ物のようだね、空崎ヒナ。

 

 ……これだけ大きな規模で各学園が協力したことは、私が覚えている限り歴史上で何度かある程度だ。本来ならば各学園で密かに対処し、できたとしてヴァルキューレ預かりで各学園の治安維持組織が細々と情報共有をしていた程度だっただろうが……

 

 この事態を起こしたものは時機が悪かったね。エデン条約を前にしたナギサが、こんな絶好のチャンスを見逃すわけがない。

 

 しかし、そうか……私の見ていた未来と、随分異なる未来になりそうだ。

 

 不信の種は確かにある。だが既に協力し、成功したという希望があるのならば。その希望の種を白洲アズサはきっと見逃さない。

 

 ……良かった。私が見た未来が現実になることはなさそうだ。

 

「“……どうしようか。ゲーム開発部の新作がまだだし……力を貸してもらえないかな”」

「“この作戦はユウカも知っているだろうし、開発部に今まであんまり顔を出さなかったのはこの作戦があったからかな”」

「“頼み込んでみよう。ユウカならきっとわかってくれるはず”」

「“A.R.O.N.A。みんなに連絡をお願い。……うん、みんなに”」

 

 ……私も、誰かを信じるという気持ちが欠けていたのかもしれない。

 

 まだ、やり直せるだろうか。

 

 

 しかし、夢は終わらない。

 

 

 







未来の世界線セイアの夢。

この世界線のAは一般人要素が薄れ、Aとしての合理性と冷徹さだけがピックアップされてしまったタイプのAです。

せっかくだしチェックポイント使ってるとこ見たいとか、地獄に興味がありそうな読者ニキがちょこちょこ居たのでこの今作はこのルートに。

え? 未来の前日譚がなんで、今作のルートを決定するのかって? それは……


A……せめて一般人の知識くらいは残しておくべきだったね……知識さえあれば、先生に敵対するなんて馬鹿みたいなことをしなくて済んだのにね……。


一話で書こうかなと思いましたが長くなりすぎるので分割。流石に下で終わってくれると思いますが……果たして。


原作知ってるかアンケート

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