スピンオフです。鬱要素が盛々ですので苦手な人はお控えするべきでしょうが、大切な回ですので読むとよろしいかと思います。
椿ちゃんの心情を深く読み取りたい人や椿ちゃん推しの人にとっては需要の供給になるのでおすすめです。まあ、良かったらどうぞ。
満月の夜の暗い森の中で。一人の濃い緑髪の長髪の女性が静かに歩を進めていた。
彼女は静かに、ただ静かに、無言で歩を進めていく。
そんな彼女の無表情な美しい女性の瞳は自身の濃い緑髪と同様に月の光に照らされて綺麗に輝いていた。
だが、それ以上に彼女から発っせられている沈黙による重圧によって、美しさよりも不気味さがより際立って見える。
彼女は静かに。ただ静かに歩いていた。一言も発さずに…。
やがて、彼女の目的地に近づいたのか、その女性は分かれ道で立ち止まり、やっとのことその美しい瞳で石碑を見上げ、そこに描かれている文字を読み取りながら独り言を吐く為に口を開いた。
「この先に村が2つ。さて、どちらかが今頃強力になっているだろう例の人狼がいるのでしょうね………………ならば、近い方から巡回していきましょう。
満月であるならば、人狼だけでなく、他の妖怪も凶暴化していて村を襲っていてもおかしくはない。なれば、どちらにせよ損はないでしょう。」
そう呟いた後、彼女は静かに左手のほうの道へと進んでいく。
そして、近い方の村へとたどり着けば、案の定、村へと向かおうとしていた妖怪の群れとそれに追いかけられている少年と遭遇した。
「わ、わぁ!?」
「「「ギャシャアァァァァ!!!」」」
静かだった夜に差した獣のような鳴き声。そして、目の前では襲われそうになっている一人の少年。対して、ポツンと佇んでいた彼女は、いつも通りに何も考えなくとも簡単に身体を動かし始める。
もう慣れているせいで、人が襲われそうになっていても何も感じなかった。何故ならば、このような場面など彼女にとってはいくらでも関わってきた状況だからだ。
「…………やはりですか。大巫女に頼んで他の村々にも巫女を派遣しておいて良かったようですね。」
そして、そう呟く彼女。目の前で洩矢神様を信じる民を見捨てる選択肢はない。彼女は自ら抑えていた霊力と神力を放出し始めた。
すると、その神力と霊力を察知したことで、彼女の存在を認識した畜生妖怪の群れだったが、半分程は目の前の少年という獲物を優先して逃げる少年を追いかけ続けるが、もう半分の群れの妖怪達は彼女に襲いかかろうとこちらに向かって来た。
「「「ギシャァァ!!」」」
それを狙っていた彼女は御幣を取り出して、静かに音もなく御幣を横に小さく一振りして、自らに向かってきていた畜生妖怪の群れ一閃して殲滅した。
― ゴオォ゙ ―
「「「ギシャャァァァ!?」」」
その瞬間、轟音が鳴り響き風が空気が蠢き出して巨大なうねりとなり、妖怪の群れを押しつぶすかのように高速で突き進み、妖怪たちを瞬くまに殲滅する。彼女が起こしたその攻撃の跡地には地面や森に大きなクレーターが起こっていた。
そして、そのまま彼女が起こした神力と霊力が吹き荒れる風の暴力は少年の近くへと殺到していく。その間、彼女はただ無表情に軽く語弊を振るのみ。最低限で最小の動きで最大効率を求めるかのような淡々とした動きだ。しかし、そんな彼女が繰り出す力は絶大でその身には神の如き力を宿していることが一目で分かるだろう。
彼女の濃い緑色の髪の毛や服が旋風によって吹き荒れる。
― ビュウッ ―
「うわっ!?…………ッ!?」
その風の暴力の塊は生き物のように高速で動いていって、少年のすぐ後ろに迫っていた妖怪の群れごと抉るような、霊力や神力が染み付いている衝撃波が、轟音と共に森を激しく揺らしながら突き進んでいく。
そして、目の前にいた十数匹の妖怪達や少年の背後にいた妖怪達は木っ端微塵になって肉片に変わって地面に落ちていく。
妖かしの肉はほっといておくと次の妖かしの温床となる。それは彼女にもこの近隣の村にとっても不都合だろう。
だから、彼女はそのバラバラになった肉塊を祓うためにも御幣を握りしめ、霊力と神力を御幣に再び込める。
そして、間髪入れずに彼女はもう一度御幣を振るうと、その肉切れ達は祓われて塵となり、その塵は彼女が再び起こした吹き荒れる突風によって飛んでいき、空の彼方へと消えて行った。
― ビュウ ―
そして、その時先ほどまで妖怪の群れに追いかけられていた少年は、彼女の起こした突風に尻もちをついていながらも、彼女に今更気がついたのか彼女に駆け寄っていく。
そして、少年は彼女目の前で立ち止まって感謝の言葉を述べ始めた。
「お姉ちゃんは?駆けつけてくれた人?」
「そうです。………それで……貴方の村の様子は?」
「ヒッ………。」
助けられた少年は彼女の静かに見つめるその謂れにもない静寂の眼光に恐ろしを感じて怯えてしまうが、それでも忘れずに感謝の声をかけてくる。
「そ、その有難う………。えっと村は今ぁ……あっ!」
怯えながらも感謝するとは、少年の育ちがいいからだろうと彼女は独り納得することにして、その感謝を無表情のまま流して少年に村について聞こうと一方近寄ると少年は更に怖がってしまうが、そんな怯えてしまった少年はそれでも彼女の問いかけに答えてきた。
「ひっ!…妖かしの群れの半分は俺を無視して村の方に言っちゃったよ!!丁度、妖かしに襲われてるかもしれないよ!」
「そうですか……。私はそこに向かいます。貴方はまだ村に近づかないでください。物陰に隠れるかどうにかしてくださいね。」
「う、うん!そうすよ!ありがと!!お姉ちゃん!!」
踵を返した彼女は少年から再び送られた感謝の声に再び応えず振り返らず、少し考える仕草をしながら立ち去った。
その間も表情は無感情だった。
再び彼女は静かに歩き出す。考えごとをしながら。
「さて、妖かしはこれだけではないと聞きましたが………、確かにあの少年が言っていた通り、村の方にも妖かしが侵入している可能性がありますね。」
それにしても、程度の低い妖かしの群れだ。これは本命の方ではないだろう。しかし、これと役目の内だ。人を襲う妖怪を水々見逃すつもりはない。ここで見逃して更に力を付け始めれば被害は大きくなってしまうだろうから。
「恐らく、群れの元々の数の半分が少年につられ、もう半分が違う獲物に向かって進んだとすると、少年が追いつかれる速さを考えるとすると、ここから去った残りの妖かしはまだ村に到着していない。ならばまだ犠牲者は居ないはず。犠牲者が出ない内に間に合いますね。」
そして、結論を出した彼女は御幣を握りしめて一瞬で近い方の村へと駆け出したのだった。
* * *
無事、村を襲っていた妖怪の群れを一手間で握りつぶした彼女は村人達に駆け寄られて囲われるようにして感謝されていた。
………これも、いつも通りの見慣れた光景だ。
「息子が死ななくて良かったです。本当に有難うございやす。風祝様。」
「本当に有難う!お姉さん!!」
……………また人を救って感謝された。
だが、彼女にとってはそれが苦痛だった。
なぜなら、誰かに感謝される度に彼女の能力が彼女の逃げ続けていた罪を無理やりにも意識させてしまうからだった。
そして、その瞬間。村人達が移る視界が一瞬でフラッシュバックしてしまい、彼女の意識が薄まっていってしまう。
あぁ………いつもの奴だ。………もう慣れてはいるが、辛いもの辛い。見たくはない。だが、私の能力は権能は私にその罪の意識を、記憶を見せてくる。忘れないように、覚えせるかの如く。
そして、彼女は過去の記憶に意識を沈めていった。
自らの『罪を推し量る』ように。
――――
―――
―
『ねえ。母様?どうして私の髪は濃い緑色なの?』
小さい頃、訳もわからず実の母だった女性の部屋で実の母だった女性におめかしをされながらも、幼かった私はそんなことを実の母に聞いたことがある。
そんなことを聞いた私に、実の方の母は努めて明るい声で無理やり作ったかのようなぎこちない笑顔になって、こう答えてくれた。
『………それはね。椿。貴方が洩矢神様に選ばれた娘だからなのよ?』
『………ん?母様?どういうこと?』
この時の私は神の存在なんて知らなかった。けど、今でも悲しそうに、名残惜しそうに私を見てくる実の母の表情だけは理解できてはいた。
だが、この時の幼い私は分別など付くはずもなく、そのまま楽しそうに無邪気に話を続けていく。彼女にとってはとても残酷な会話を。
『でも、素敵なお服だね〜?母様〜?これも洩矢神様に選ばれたからなの〜?凄〜い!!』
物心つくかどうかの私はこの言葉の意味を全く理解できていなかった。ただ、素直に素敵な服を着れることを喜んでいた。
そんな無知で幼い私の丈の合っていない着物を来ている姿を見た瞬間、実の母は無理矢理にでも笑顔を捻り出していた筈なのに、私が喜んでいる無邪気な姿に途端に顔を悲しそうに涙で萎ませてしまっていた。
『椿……ごめんなさい。グスッ』
そう言って、実の母は泣きながら小さくて幼かった私の身体を抱きしめてきた。
『母様?………どうして母様は泣いているの?』
幼い私は泣きじゃくる実の母に困惑しながらそんなことを聞くことしか出来なかった。今思えばこの質問は実の母にとって、この質問が一番残酷で辛い言葉だったのかもしれない。
『ごめんね。………………椿。私、貴方を産んだ母親なのに、これからは母親として接してあげられないの。』
『?』
本当に幼かった私は今一母の言っていた言葉の意味を理解できていなかった。けど、私を抱きしめていた実の方の母の、その身体の震えから、なんとなく気持ちだけには気がついていたようで黙りこくってしまう。
そんな幼き私に彼女は震える声で私を震える体で抱きしめながら私に話しかけてくる。
『ごめんなさい。………これが私が母親として最後でいられる時間なの。…グスッ。』
『……どうして?…………母様は母様じゃないの?』
『ごめんなさい。グスッ。……さあ。おめかししましょう?椿?今日は椿が生まれ変わる素晴らしい日なんだから。』
拙い言葉で質問をする私に謝るだけで、実の母は泣きじゃらした目を拭いながら子供でも分かる作り笑顔を私に向けて、おめかしを進めていった。
私がその実の母の言葉の意味を知ることになるのはこの後のすぐのことだった。
* * *
母様と共に私は、私よりも背が少しだけ大きい女の子と対面した。
因みに、母様は彼女のことを洩矢神と呼んでいるのが小さい頃の私の耳に入ってくる。
そして、母様とその女の子が喋り始めてからは、時間が経った後、私はちょこんと洩矢神社の本堂の真ん中へと洩矢神様と一緒に座らされていた。
目の前には家族が、私以外の東風谷家の者達が、仕事をする時の神職用の服装で、いつも私と洩矢神様に向かって頭を下げて跪いている。
この時の私は色んな疑問が湧いては出ていっていたが一番分からなかったことは、
どうして母様や父様は頭を下げているの?
ということだった。
あれ程、幼かった私に偉そうな態度をとっていた兄様達や私にお世話を焼いてくれた姉様達も今では他人のような装いで頭を下げている。
それが私の混乱をさらに増進させていく。
そんな混乱を極める私をよそに、私の斜め後ろに座っていた女の子の姿をしていた洩矢神様が、難しい言葉を使って唯一頭をあげることを許されていたらしい私の実の母と父と話をしていた。
やがて、話し合いは終わって、解散の時が来た。
皆解散して立ち上がって本堂から出ていこうとしたので、私は丈が長すぎて動きにくい綺麗な服装でヨタヨタと歩いて必死になって母様についていこうとする。
『母様!置いて行かないで!!』
私の声に気がついた母様は一瞬立ち止まって深呼吸をした後、振り向き他人行儀の笑顔を向けて私に笑いかけてきた。その姿はよく私に向けていた親愛な笑顔ではない。
彼女の笑顔は愛想笑いのような私から逃げるかのような悲痛な拒絶の感情が僅かに見え隠れしていた。
『風祝様。私はもう貴方様の母親ではありませんよ?…それに、貴方様はこれから洩矢神様の御娘として、ここにお残りになられるのです。』
『……………母……様?』
この時から"母様"は『母様』ではなくなった。
戸惑う私に、目の前の母様だった女性だけでなく、隣にいた父様だった筈の神主からも声をかけられる。
『そうですよ?風祝様。風祝達は私達とはもう違う存在になっているのです。
故にこれからはここで住むことになると事前に申したではありませんか?』
『……父様?……え?…それはいったいどういう…?』
『いいえ。私は父様ではありません。貴方様はこれから洩矢神様の御娘になられるのです。どうか、御理解くだされ。』
そう父様だった神主が、私の頭をよく優しく撫でてくれていた父様たった彼は私にそう告げた。そんな彼は笑顔だったのに声だけは震えていた。
それと同時に、一度は立ち止まって私を名残惜しそうに見つめいた兄達や姉達は踵をかえして、逃げるかのように静かに歩いていって、本殿から消えていってしまう。父様だった男性と母親だった女性もそれに続いて消えていく。
『母様!父様!皆!!置いてかないで!!うわぁぁぁ!!!』
そうして私は、訳も分からないまま、本殿から去っていく東風谷家を必死に追いかけようと泣き出しながら走り出す、大巫女と呼ばれていた女性にその小さな体躯は簡単に引き止められてしまう。
そして、東風谷家は大巫女の手元で泣きわめいて暴れる私を置いて、そのまま本殿から出ていってしまった。
閉まる本殿の扉から涙で揺れる視界にかすかに見えた境内を歩く家族達の背中は少しだけ震えていたように見えた気がした。
― バタン ―
* * *
暫くの間泣いた後、疲れるように眠っていた私は、夕日が沈んで暗くなった頃に静かに目を覚ました。
あれ?ここは………私のお家……じゃ……ない?
えっと、………確か………母様が言ってた神様っていう偉い人がするんでいるお家だっけ?
そう考えながらも、幼い彼女は静かにあたりを見渡していく。
そこには年端もいかない小さな少女が一人で暮らす部屋にしては時間帯も伴って、篝火の周り以外は光なんてない暗くて広すぎる部屋。
孤独と恐怖に彼女は涙を零して小さくしゃくり声を零してしまう。
「ヒック……グスッ……母様ぁ〜……父様ぁ〜。兄様ぁ〜何処にいるの〜?」
先ほどまで眠りについていて、泣くための体力を取り戻していた幼かった少女にとっては、それだけでも泣いてしまうには十分すぎる恐怖だった。
少女の泣きじゃくる声が空間に響き渡るがそんな少女の近くには誰もいなかった。いつもは椿が泣き止むまで構ってくれる家族は今はいない。何度呼んでも彼等彼女等は今までのように泣きわめいても中々現れてくれない。
それが…それが、幼子にとってどれ程辛いことになのか。悲しいことなのか。
「グスッ………ヒック……グスッ。」
その後は少しの間少女が声もあげられず一人静かに泣くことしかできなかった。
そして暫くすると、部屋の入り口あった木製の襖がゆっくりと開く音と共に、よく構ってくれた一番上の姉と同じくらいの若い女性の声が聞こえてきた。
―スス―
「失礼いたします。椿様。」
開かれた襖を見ると、明かりを灯した持ち物を傍らに置いて鎮座している非常に若々しい女性が私を静かに見つめているのが自分の泣き腫らした瞳に映った。
えっと……確か………家族へと向かう私を引きとどめていた人だったっけ?
………でも、名前は分からない。大巫女としか私は知らないから。
「えっと………大巫女で…あって……た…け?」
「はい。そうでございます椿様。では、今一度自己紹介をさせて頂きましょう。
これから貴方様を教育するようにと貴方の母上である、洩矢神様からお御付されました。『大巫女』と申します。これから貴方に様々なことをお教えする予定ですのでご了承ください。、」
彼女の言葉は私にとっては難しくて、今一分からなかった。けど、"もりやしん"っていう偉い人が、これから母親になるということと、大巫女と名乗った彼女がこれから私を育ててくれることだけは幼い私には何とか理解することが出来た。
「う、うん……。」
なんとか言葉の意味を飲み込むことが出来た私の様子に大巫女は満足そうに頷いてから静かに私に頭を下げてこう言った。
「これからは現人神、そして風祝様として過ごすことになられます。不便はありますでしょうが、私や洩矢神様がお支えいたしますので、どうか、これこらよろしくお願い致します。」
そう言って、大巫女と名乗った女性は幼かった私に綺麗な洗練さレタッチていた仕草で頭を下げてきた。
この時から、私は半分は人では無くなったのかもしれない。
* * *
数年後、背も小さかった娘が段々と活発になり生活に慣れてきた頃。洩矢神との親子のような関係を築けるようになっていた。
少しずつ成長していた私は、洩矢神様と一緒に仲良く朝食を食べていた。小さい頃の私は活発で、色々な知識を吸収していった。
そんな物分かりが良い娘である私のことを、お母様はよく可愛がってくれていたのは覚えている。
「お母様〜〜!!」
「なんだい?ツバキ?」
「私ね?…大きくなったらお母様と将来結婚したいなぁ〜!」
「ふふ………そうかそうか。なら、ツバキが大きくなったら結婚してやろう。」
「ほんと〜?、やった〜〜!!」
「じゃあ、まずはツバキ。少しずつ色々なことを学んでいきなさい。沢山物を食べても消化していくんだ。」
「は〜い!!」
「よ〜し、よ〜し。いい子だツバキ。今日は初めての街や村々巡回の日だが、護衛や巫女もツバキの周りにはいるから安心しろ。だから私や大巫女がいなくてもしっかりと風祝としての役目を果たすんだよ?」
お母様は私の頭を良く撫でてくれた。今思えば少しずつ大きくなる私を確かめる為にしていたのかもしれない。
「うん!」
そうして洩矢神様と私は仲良く会話をしながらのんびりと朝食を終わらせた後、洩矢神に笑顔で手を振られて見送られて、幼い手を振り返しながら、左右を護衛に挟まれて鳥居の真ん中を潜って洩矢神社から笑顔で出立したのだった。
この時の私は子供の記憶の中で、最後の、一番平和で楽しかった記憶だったのかもしれない。
そして、初めての役目で私は一つ目の罪を犯した。
『幼少の時期に、人を理不尽に殺した罪』 重
椿は自分の部屋にて布団にくるまり震えて閉じこもっていた。
今日………初めて人をこの手で理不尽に殺してしまった。
お母様に告げられた私の能力。『罪を推し量る程度の能力』。それが暴発してしまって…いや、私は人を、民を、殺してしまった。
私の返り血で染まっていた手や身体が必死に洗った綺麗になったはずなのに鉄の匂いが鼻にこびりついて忘れられない。
相手のもがき苦しんでいる表情が忘れられない。
相手が血を吐いて、目から血の涙を流していたのを忘れられない。
死ぬ前に相手が睨みつけていた表情から恐怖に移り命乞いの顔に変わっていったあの時の表情が忘れられない。
身体が震える。目の前で死んだあのおじさんの死に際の顔が忘れられない。
まだまだ年端もいかない少女には辛すぎる罪。
その罪悪に少女は押しつぶされそうになってしまっていた。
その時、自分の部屋の前から足音が聞こえてきて、その足音は自分の部屋の襖で立ち止まった。
「ツバキ。入るよ?」
「……………。」
椿は恐怖で何も答えられなかった。お母様に怒られると思って。それよりもただもう一度捨てられるのかと思ってしまって。
そんか私の心配を他所にお母様はその無言を了承と受け取って、ゆっくりと入ってきた。
― スッ ―
「ツバキ。此度の件は既に大巫女から聞いている………その……、」
「……………。」
「正直、私からは何も言えない。相手は多くの罪を犯した罪人だった者で、私の大事なツバキに傷をつけようとした者だった。
それだけで十分に死罪だったんだ。だから、ツバキは初めて風祝として仕事をしただけでもあるんだ。
……………辛いことだろうが、たったそれだけなんだ。
だからツバキ。あまり、重く受け止めないでくれ。」
少しだけ幼さを残すその言葉からはお母様としてだけではなく、洩矢神様としてでの気の使い方をも感じられる。
その時、私は罪悪感とホッとしてしまったことに自己嫌悪感を味わってしまっていた。
「…………お母様………私はどうすれば、正しくいられるんでしょうか?」
ただ、その時の自分は罪滅ぼしがしたかっただけだ。しかし、少しでも報われようとしている自分が嫌いだった。
この手で殺した者。あの男性はもう帰ってこないんだ。
私の手は汚れているんだ。
そうして、弱音を吐く私に洩矢神は一瞬黙りこくった後、静かにこう言った。
「ツバキ。お前は死にたいと言いたいのか?」
「………………。」
「冥界で穢れを消せば罪は消えるだろう。だが、それは死に直結する。そしていつか魂は黄泉へと送られていき、そこで記憶は少しずつ消え次の生となって魂は巡っていくんだ。
ツバキ。お前は人間だ。だが、半分とはいえ神でもある。
神は万能だが、全能じゃないんだ。神だって間違いは起こす。それに、ツバキに比べれれば、私が犯した罪など、断然多い。……これでも、上手く言葉では伝えられないのは済まない………。
兎に角、ツバキ。お前の罪はたったのそれだけのことなんだよ。だからそれだけのことで自分が死ぬかのようなことを言わないでくれ。……………頼むツバキ。」
「…………はい。お母様。」
人外だからこその人との価値の違いといえるような洩矢神様からの優しい言葉。
筋は通っているし、気遣いもまだ幼かった私にも分かっている。
しかし、この時の私は自分と向き合うことが出来ず、罪に対する思いについて、少しも納得出来なかった。
お母様は……人外だ。人ではない。私も人なのに人じゃない。
罪悪感に追い詰められていた、この時の私は余裕なんてなかった。
…………なら、人ではない私は死ぬだけでは罪は償われないだろう。なぜならば私は神なんだから。もし、死んでもこの罪悪感から抜け出せないのなら死んでも意味はない。
なら、正しく生きてみよう。私のこの能力で罪を扱って罪から逃げてみよう。
この時、この瞬間から私は変わってしまった。人を殺し、その罪悪感から大きく歪んでしまっていた。
「"洩矢神様"…………。」
もう………………私は人としてではなく神として、権能の化身として、これから人間を裁こう。
「…………なんだい。ツバキ。」
そう……私が正しくあるために。
「………私はこれから正しくあろうと思います。"洩矢神様"。」
「ッ…………………ツ、ツバキ?」
再び黙り込むお母様に私は流していた涙が乾いていくのを感じながらムクリと包まっていた布団から這い出ていき、そのまま私はお母様へ、いえ、私は洩矢神様へと向き直った。
「これから行うという一人前になるための修行。より一層努力いたします。」
「…………………。」
「よろしくお願いいたします。洩矢神様。」
その時の洩矢神様はとても悲しそうでどのように声を出そうか苦心していたような表情だった。
* * *
『これらを自覚しながら償いをしない罪』 重
― ザー ―
目の前で滝が轟音を鳴らしている中、私は他の巫女候補の少女と同じように並び立つ列に混ざってその滝の中に入って滝行を行っていた。
「まだ出てはいけませんよ。皆さん。集中を切らさないように。巫女となることは人とは違う交渉な存在になること、穢れを落とすこと。故に、煩悩は捨てなさい、」
やがて、修行が終わり、巫女候補達が大巫女から呼出されて滝から出ていき最後に残った椿は暫くの間滝に打ち付けられていた。
「椿様………………。」
大巫女は静かに滝に打ち付けられている彼女を心配そうに見やっていた。
この修行は自分との限界を試す謂わば試練のような者。
故に、限界を感じた早いものから大巫女が巫女候補達の表情からすぐに察知し、出る許可をだしているのだが、彼女だけは未だに限界が出ていない。
もう、数時間は経っている。なのに、彼女の表情からは苦悶の表情一つもない。
それは才能か、それとも彼女の罪悪感か。
彼女を見ている他の巫女候補達の少女達からは心配の表情が出ている。
この修行は精々1時間が限界なのだ。それ以上だと身体が凍傷になってしまう。冬に入る前の末秋なら尚更だ。
このままでは死ぬ。だが、この巫女の儀式は途中で取り上げてはならない。儀式の邪魔や中断を決行しようものなら確実にミシャグジ様の祟りに遭うだろう。
しかし、彼女は静かに日が沈むまで滝行を行いっていた。
だから、大巫女はそれでも出てこない彼女に焦ったミシャグジ様に頼んで、滝から彼女を救ってもらったが、
ミシャグジ様と駆けつけてきた洩矢神に助けられた彼女は私達の前まで歩いた後、直ぐに気絶するかのように倒れてしまった。
私の一人前になるための修行を告げる、始めの儀式はこうして合格した。
* * *
そして、修行を開始してから数年後。
五年以上の修行をこなした後、15の成人の儀を行った私は。民達から本格的に奉らわれることになった。
『風祝様〜〜!!』
『今年の作物の育ちにお恵みを〜〜〜!!』
『私の娘を殺した奴を裁いてくだされ。』
『奴が俺のモノを盗んだんだ!!お願いだ!!奴の罪を暴いてくだされ!!』
『多くの罪を理不尽に裁いた罪』 重
『ひ、ヒィッ〜〜!!勘弁してくれ!!オレはまだ人間に手を出したことも危害を加えたこともねぇ〜!』
『………………。』
『お願いだ!本当なんだ!!ただ、この食べ物を盗んだんだだけなんだ!!』
『……………我が権能よ。罪を図る権化よ。今この場におられる哀れな罪人を救い給え。』
『う、や!?辞め!?』
―『万量の断罪』―
― ブオン ―
『ぐぁ!?ぎゃあ〜〜〜〜〜!!?』
『強い人間がいるって知り合いから聞いたんだけどよ?てめぇが強い人間か?……おう、そうか?一応言っておくが、鬼は強い人間が好きだ。だから、今から俺と尋常に―』
― ズバッ グチャ ―
『ハァハァ!な、なんでそんなに必要に追ってくるんだい!!あんたの国からからかなり離れてるんだよ?
それに、私はただ、人間の子供を幾らか殺してつまみ食いした後、そこらの村の方大勢の大人を食べてただけってのに!!そこまで恨みを持たれる理由はないよ!!』
『…………………。』
『ハァハァ……無視かい!!………だが、この七尾の妖狐である私を追い詰めれるくせに……いい加減、何か言い返すしてたらどうなんだい!!』
― スタスタ ―
『くっ!…また無視か!………舐めるな!お前の魂も食べて乗っ取ってやるよ!!クソっ!死ね―』
― ズバ グシャア ―
『てめぇの能力なんか!誰にも幸せに出来ねぇ!!』
「………………いつ私は報われるのでしょうか。」
『他の生を安易に乱した罪』 中
―
―――
――――
「風祝様どうかいたしましたか?少しだけぼ〜としておりましたが……………?」
気がつけば記憶の渦からは戻ってきていて、私を囲っている村人達に心配そうな顔を向けさせてしまっていた。
「いえ………ただ、疲れているだけでしょう。」
私が止まってしまっていたのはほんの一瞬だけだったようだ。
このフラッシュバックは一瞬で彼女に罪の全てを見せつけてくる。思わず村人達がいる前なのに、彼女は濃い緑色の瞳を閉じて眉間の間に手を当ててしまっていた。
もう………ここに入って数カ月は寝られていない。
そんな疲れという弱みを僅かでも見せてしまったことに気がついた村人が心配を強めて両手を握ってきた。
「………なら、一度休んだほうがいいんじゃねぇですか?」
「そうだ。お礼も兼ねて少しだけだけど村の食べ物を分けてやりますだ。」
その瞬間、私の手が血塗られている幻想を見て、思わず握られた手を引いてしまう。
「私の手に触ってはいけない!?貴方達が穢れてしまいます!!」
大声をあげた私に村人達が静かになるのに気がついて、冷静を取り戻した私は、自分の震える手を恐る恐るもう一度見ると私にこびりついていた血は消えてなくなっていた。
今のは……私の罪の意識が私に見せた………幻想?
「……………風祝?本当に大丈夫ですかい?」
「…………………お気遣い感謝します。では、私は任務を授かっておりますので、これから近くの村へと行かなければいけません。故にこれにて。」
「え?……もう言ってしまわれるんですか?」
「風祝様!!」
「風祝様!!」
様子のおかしいだろう彼女を心配し、引き留めようとしてくる村人を、彼女は動かない限界に近い身体を無理矢理動かして無表情なまま突っぱねて背を向ける。
「………任務ですので。」
「うわっ!」
霊力と神力を解放して村人たちを畏怖させ、立ち去ろうと歩みを進めながら、私はふと思った。
そういえば、私はいつから笑って、いつから寝ていないんだろうか?
「今代の風祝様は恐ろしい御方だな………」
そのまま無言で去っていく彼女の背中を村人達は恐ろしげに見つめるのだった。
* * *
一人、畑の合間を縫って歩く緑髪の女性。彼女は静かに息を整えながら寝ることもできなくなり、日々溜まっていく疲労で動かぬ身体を霊力と神力で無理矢理動かしていた。それを無意識に行えているのは大巫女による教えのお陰なのか……それとも彼女の癒えぬ罪悪感がそうさせているのか。
そんなことを気にする余裕もなかった彼女は動かぬ頭の中では任務のことを考えていた。
しかし、ここの村の方は………ハズレだった。
だが、収穫はあった。私が後回しにした隣の村に人狼が出たという噂を聞きつけた。それだけでも十分な成果だ。
「………………私はまだ終われない。正しくいるためにすすみ続けるんだ。」
だが………………本当は私は気がついていた。既に身体は限界だ。ここで意識を留めなければ死ぬということを。
だが、一度でも気を抜けばここで行き倒れるだけだ。そして、ここで道半ばで死ぬだけだ。
だから私は歩き続けた。これまでもそうしてきた。
「…………私はまだ死ねない。正しくあらねば。」
その時、後ろから小さな足音が近づいてきて少し後ろの方で少年の声が聞こえてきた。
「お姉ちゃん!!本当に村を救ってくれてありがとう!!」
その声に私は思わず立ち止まってしまった。
……………が、振り向けなかっま。いや、その気力もなかったのかもしれない。
確か…………村に駆けつける前に助けた少年だったか?
そう思い出しながらも、彼女は前をただ向くことしか出来なかった。彼女は後ろを振り向くのが怖かった。
そんな私に少年は呑気に話しかけてくる。そう、呑気に。
「名前を聞いてもいい?お姉ちゃん?もうすぐ生まれる妹にかっこいいお姉ちゃんの名前をつけたいんだ。」
…私がかっこいい?この少年は私に憧れを抱いているのか?
何を今更。私にそんな感情を送っても無駄だ。その感情ですから幻想に過ぎないだろう。そうなんだ私は罪人だ。正しくあろうとしてるだけの罪人だ。
だが、彼女は溢れそうになる言葉の濁流を飲み込んで、少年に向かってなんとか消えかかっていた気力を振り絞ってゆっくりと振り向く。
あぁ………私はどうして逃げられないんだろうか。ここで無視を決め込んでこのまま突き進む進むだけでもよかっただろうのに。
ああ………言いたくない。私のことなど気にしないでほしい。憧れなんて以ての外だ。憧れるほど煌めいていないだろうに。
だが、その感情とは裏腹に私の口は勝手に開かれていた。
「私の名前は『東風谷椿(こちや つばき)』。………罪を犯す女です。」
ああ……………言ってしまった。
この時の私は少年の表情をまっすぐと見れなかった。私は少年の首より下しか、視界に収めることが出来なかった。
きっと失望したんだろう。だが、それでも良い。少年にとってはいいはずだ。
しかし、少年の反応は私が思っている想像とは違かった。
「うん。いい名前だね。罪を犯す女か…………かっこいいね。エヘヘ。」
余りにも驚愕して思わず、少年の顔を覗いてしまった。
その少年の顔は痩せこけていて、貧乏な生活を送っているように見えるが、まるでそのことを全く気にしていないかのような活発でわんぱくそうな、それでいて正義感が強そうな真っ直ぐとした顔立ちをしていた。
……………将来素晴らしい大人になるだろう。
その少年の姿に、動けなくなってしまっていた私に、少年は更に話しかけてきた。
「お姉ちゃん。お姉ちゃんに何かあったのかは、僕は知らないよ。それに、疲れることもあるけどさ。いつかは………いつかは報われるから。絶対に諦めちゃだめだよ?」
「……………………。」
その言葉の心意に私は気になって、少年に聞き返してみることにした。心の内から溢れかえりそうになる怒りを必死に抑えながら。
「………………貴方はどこからその自信がお有りになられるんですか?」
「それはまあ、…………僕だって、今は貧乏でひもじいよ。生活は辛いし、お父さんの薪割りの仕事の手伝いは痛いし重いしいいことなんて一つもない。けど、これから妹が出来る。これを思うとで辛いこともひもじさも軽く消し飛んだんだ。」
「………………………。」
「だから、そんなかっこいいお姉ちゃんの名前をつけて挙げるんだ。だってお姉ちゃんはかっこいいんだから。それにいつか、お姉ちゃんも報われると思ってさ。暗そうにしてるお姉ちゃんを励まそうとしたんだ。」
………………少年にとって、妹が出来ることはとても明るく救われるかのような嬉しい出来事になるのだろう。
だが、私は少年の言っていることを全て否定したかった。『お前は私よりも幸運だろう?』とか、『勝手に私の苦しみを『疲れ』と明言するな。巫山戯るな!!』とか。
私は忘れてしまった作り笑いを絞り出しながら、なんとか表情を取り繕いながら、少年に笑いかけてこう言った。
「いつか………いつか。私の頑張りが報われると良いですね。」
その時、少し遠くの方。そう今から向かおうときていた村から大きな戦闘音が聞こえてきて、最後に大きな音が聞こえてきた。
― ダダーン ―
村の方で大きな異変が起きている。そうであるのならば、私はそこに向かわなければいけない。風祝として。
恐らく、このまま疲れ切った体でいけば、最後に向かうことになるかもしれないあの場所に。
「………どうやら、そろそろ向かわなければいけないようですね。ここでお別れです。」
「……そうみたいだね。お別れだね。」
「………その前に少年。」
最後にこう言わなければならない。『妹の名前を私の名前にしてはならない』と。
「うん?……どうしたのお姉ちゃん?」
「…………………もし、もし。私がこの後も生き続けることが出来ていたら。そして、いつか会える日が来るのならば。
その時は貴方のこれから生まれるだろう妹の椿の元気な姿をこの『東風谷椿』に会わせてくださいませんか?」
「……ッ!…うん!!」
私が言いたくもないのに口走った言葉に、嬉しそうに月明かりよりも明るい笑顔を見せる少年。
下らない。私にはそんな価値も憧れを抱かれて恩人として名前を継がれる権利も資格もない。
……………なのに、私は何故?
自己嫌悪に魘されて頭痛が私を襲ってくる。
私はそんな価値もないんだ!!最後まで許されてはいけないんだ!!私は、私は!!
そう自身に言い聞かせ、自分の心に嘘を吐きながら、彼女は静かに振り向いて。彼女は踵を返して前を向き、重すぎる身体を引きずる様子もなさそうに歩き出した。
『自分に嘘を吐き続けた罪』 軽
「お姉ちゃ〜〜〜ん!!約束だからねぇ〜〜〜〜!!!」
少年の声に振り向くことなく、静かに彼女は恐らく最後になるだろう責務を果たしに森の奥へと最後の力を振り切るように駆け足で向かっていくのだった。
死を覚悟し、そして、僅かにだが『救われたい』という心を彼女の内側に徐々に芽生えさせながら。
良かったら第一章の諏訪大戦付近のお話を見返してみてくださいね。見方が少しだけ変わりますでしょうし、より深く椿ちゃんの心情が分かるようになると思いますので。
さて、次回の『閑話休題:「守矢神社の祭りと肝試し」』になります。
今回の話で暗い感情になってしまった人はそのモヤモヤを次回の話で発散してください。
読者の皆様にとっての女オリ主のイメージを教えてください!
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可愛い! ここに皆入れてね!
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格好いい! そう?まあそれもありだね?
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美しいね! エヘヘー分かってんじゃん!
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変態! でも変態なお姉さんは好きでしょ?
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人情姉さん! 私についてきな!君達!
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大人なお姉さん! 妥当だよねー!うふふ♪
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乙女だよ! 分かってるねー!
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人妻最高! 良い子の皆は入れないでね?
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未亡人最高! なんか投票欄が怪しくない?
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もっと強くなれよ! あっはい、頑張ります
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ポンコツだね。 ん?これは褒め言葉?