化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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 場面転換は多少遅くなりますが、お二人にはのんびりデートをさせたかったのでご了承ください。


閑話休題(其の一):「守矢神社の御柱祭と肝試し回②」

 

 

 

 

 

 大急ぎで外れにある山林の道までたどり着いた私達は大汗をかきながら最初の守屋神社の鳥居門の前で息を整えていた。

 

 

 

 ― ワイワイ ―

 

 

 

「はぁ!はぁ!……やっと着いたぁ〜!」

 

「な、なんとか間に合いそうですね…………はあ、なんだか凄く疲れましたよ。私。」

 

「…………そうだね。あれだけ説教し続けたらそうなるよね。早朝からずっと動いてたから私も疲れたなぁ。ハア…、ふぅ………一度休もうか椿ちゃん?」

 

「………はい。そうしましょう。」

 

 

 

 私達の周りでは産道沿いで既に幾つもの店舗が立ち並んでおり、諏訪の国中の参拝客が二度目の開催となるこの御柱祭にて、今回から新しく追加された神輿が始まる夕方になるまでの正午から時間帯を屋台の商品や食べ物を買ったりして楽しむことで時間を潰そうとしていた。

 

 ここにいる民達は川越と木落しを見るよりも祭りの雰囲気を楽しみたい輩ばかりだ。

 

 そんな優しくも賑やかな人々の営みが繰り広げられるいつも通りでもいつもよりも楽しそうにしている光景が広がっている。

 

 そんな風景を私と椿ちゃんは眺めながら、近くの腰掛けに椿ちゃんと一緒に腰掛けに座って息を整えることに専念していく。

 そうして、私達は腰掛けに置いている身体を支えているお互いの手を静かに絡ませていつもより早く動いているお互いの心音を耳を澄まして聞きながら、心音を整えていった。

 

 

 ま、まあ……私は少しだけドキドキしちゃってたけど……。

 

 

 少し時が経って、息をやっとこさ整えることが出来た私と椿ちゃん。そこで私は『よいしょ』っと言いながら立ち上がり、同じく息が整ってきていた椿ちゃんに手を差し伸べることにした。

 

 

「それじゃあ、椿ちゃん。これから祭りの準備で沢山やることがあるだろうし、そろそろ行こっか?」

 

 

 昼前から正午辺りまでの間、ノンストップで私に説教を飛ばしていた椿ちゃんも、先程の猛ダッシュのせいで暗い感情は発散出来たらしく、有耶無耶になってしまっていたようだった。

 

 故に、既に機嫌が直っている様子の椿ちゃんは乗り気で私の差し向けた手を掴み返してくれる。

 

 

「はい、そうですね!」

 

 

 その時、機嫌を直してくれた椿ちゃんを見て、少しだけ調子に乗ってしまった私は悪戯心が出てきてしまい、そのままの勢いで椿ちゃんの体を社交ダンスのように優雅に優しくひっぱりあげて、倒れる椿ちゃんの腰を支えてあげる。すると、椿ちゃんは驚きの叫び声をあげた。

 

 

「キャっ!?」

 

 

 私は驚く椿ちゃんの体を、そのまま斜めの状態に抱き寄せて悪戯な笑顔でニコリと椿ちゃんに笑いかけると、当の椿ちゃんは目を見開いており、そんな私に見惚れている様子の椿ちゃんは、少し緊張した様子で声を裏返しながら私を見つめ返してくる。

 

 

「…………ひ、飛燕ひゃん?」

 

 

「フフフ…………どう?びっくりした椿ちゃん?」

 

 

 私が内心悪戯成功に喜んでいると、その間ずっと私のことを眺めていた椿ちゃんは、ふと我に帰って、珍しく顔を赤らめた状態でそっぽを向いてしまった。

 

 

「もう……飛燕さんったら、………酷いです。どれだけ私が心配していたのかを知らないのに、いきなりこんな悪戯をしてくるなんて。………凄く…胸がドキドキしてしまいましたよ?」

 

「そういう割には、随分と嬉しそうにしてるね?椿ちゃん?」

 

「もう…………飛燕さんは本当に意地悪ですね。これは驚いてこうなってるだけですぅ〜!」

 

「はいはい。私に惚れたって言えばいいのに。」

 

「ッ!!……う、うるひゃいでしゅ!!……あっ…。」

 

「…ふふ…………呂律が回ってないよ?椿ちゃん?」

 

 

 

 私がそのことを指摘すると、今度は少しだけイジケたような表情に変えながらも顔を赤くしたままの再びそっぽを向いてしまう椿ちゃん。そんな彼女の頬を私が愛おしそうに撫でていると、

 椿ちゃんは今度はむずむずとしながら目を泳がしてしまうので、その反応が凄く可愛らしいく感じてしまい、思わず私は椿ちゃんの頬に軽くキスをお見舞いしてしまった。

 

 

 そしたら今度は椿ちゃんの顔の熱が溜まって手に顔を埋めてしまう。その姿に更に私は悪戯心を刺激されてしまう。

 

 

「やっぱり椿ちゃんは恥ずかしがる姿も凄く可愛いよ。いや、全部の姿の椿ちゃんが可愛いよ。」

 

 

「うゔ………言わないでください。飛燕さん……は、はじゅかしい……でしゅ………。」

 

 

 

 自分の顔から両手を退かした椿はそう言って、頬を赤らめたまま本当に恥ずかしそうに私をいじらしく見てくる。それがどうしようもなく可愛くて仕方がない。

 

 

 椿ちゃんってどうしてこんなに可愛いんだろう…………。

 

 

 

「ハハハッ…………それじゃあ、今度こそ行こうか?」

 

「…はい。むぅ〜。今すごく顔が赤くて赤くて……本当に、本当に………飛燕さんはどうしていつも急にそうやってドキッとさせた後に、私を恥ずかしい気持ちにさせるんですか?…むぅ。絶対に夜になったらやり返してやりますからね。」

 

「ふふ………いつもでしょ?でもさ。椿ちゃんのその嬉しそうにもしている可愛らしい反応が好きだからね?

 だからさ、どうしても悪戯したくなっちゃうんだよ。でも、ごめんね?…許して?朝のことももう反省してるからさ。」

 

「……ふんっ…飛燕さんの朝のことは許してあげていますよ。私は優しいので。フンッ……。」

 

「ありがとね。椿ちゃん。」

 

 

 椿ちゃんからお許しを貰った私は、まだ顔を赤らめている椿ちゃんの態勢を彼女の腰を支えてゆっくりと元に戻す。

 

 その仕草にいつもより緊張して顔を赤らめてしまってモゴモゴと『ありがとうございます』と言う椿ちゃんの反応に、『どういたしまして』と返した後、クスリと椿ちゃんの恥ずかしが表情をもう一度眺めて楽しんだ。

 

 そうして、椿ちゃんの少し細くとも綺麗な手を握りしめたまま周りで私達を生暖かい視線で見てくる人々の存在に、私も顔を赤らめてしまいながら、椿ちゃんと共に守屋神社までの産道を歩いていく。

 

 

 その間は恥ずかしさもあって、椿ちゃんと私に会話は無かったが、そこに2人の間には気まずいとか言う感情は少しもなかった。むしろ、椿ちゃんと一緒に歩くだけでとても楽しく幸せに感じている自分がいた。

 

 

 なお、途中で見つけた駒回しのお店に寄ってしまったのは仕方がないだろう。椿ちゃんが興味津々にそのお店で遊んでいる子どもたちのことを見てたからね。だから、遅れることを覚悟して椿ちゃんを誘ってみたらキラキラとした目になったからさ、そんな椿ちゃんの姿を見ちゃったら仕方がないよ。

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 そうして、他にも色々と買い食いしながら人混みを掻き分けていって守屋神社に辿り着くことが出来た私達は、本殿で待機していた大巫女さんに『もう、何処をほっつき歩いていたんですか?時間が押しているんですよ!早く着替えてください!!』などと、どやされながら2つの着替え用の格子に別々に移されていった。

 

 

 そして、私達はそれぞれの格子へと別れた私達はその中に待機していた巫女さん達に着物の着替えを手伝って貰って着替えさせられてもらっていく。

 

 

 格子なので椿ちゃんの姿は見えないけれど、声は普通に聞こえるので、ぺちゃくちゃと二人してくっちゃべりながら着替えやらお化粧やらをしていく。いわゆる女子トークである。えへへ。前世では親友以外とはしたことないからこういう身近なことでも凄く楽しいなぁ。

 

 

「最近は飛燕さんから攻めてくれるようになって、とても嬉しいんですよね〜?何かしら心変わりでもあったんですか?飛燕さん?」

 

「ちょ、ちょっと椿ちゃん!…私だってさっきの悪戯は冷静に考えると恥ずかしかったんだから蒸し返さないでよー!」

 

「ふふふ♪嫌です。あの時の飛燕さんの姿は一生の思い出にします。なんならこの神社の家宝にしましょうか?」

 

「グッ〜椿ちゃんの意地悪ぅ〜!」

 

「さっきの仕返しですー!べー!」

 

 

 お互いにいつもとは違う非日常にワクワクしながら格子越しに楽しくお喋りをしていく。

 

 

 おかしいな。いつもより気分がハイになってるな〜。やっぱり人間が開く祭りだからなのかなぁ。

 

 因みに、私が提案してから毎年開かれるようになった迷いの竹林での盆踊りは除く。あれは祭りでも人間が一人もいないじゃん。だからノーカン。

 

 

 

 

 ………祭り用の着物なんて前世で親友と大学で祭りに行った以来だから、久し振りで緊張するなぁ……………。でも、そのかわりにそれ以上の高揚感が私と椿ちゃんから湧き出てくるから凄くワクワクするんだよね。

 

 

「飛燕さん!また違う女の子のこと考えてましたねー!焼けちゃいますよー!」

 

「アハハッ。バレちゃったか。……相変わらず勘が鋭いねー。けど、違うよ椿ちゃん。ただ、昔の思い出に少し耽ってただけだよ。」

 

「ブーブー。誤魔化しても私には分かるですからねー!」

 

 

 少し誤魔化してみても椿ちゃんには御見通しのようだった。そうだね。今は椿ちゃんが目の前にいるんだから集中しないとね。

 

 

 まあ、文や影狼ちゃんは忘れないけどねー。

 

 

 文達、凄く祭りに行きたそうにしたからなぁ〜〜〜。今頃、悔しがってるんだろうなぁ。

 

 

 まあ神様や人間と、妖怪は種族として基本的には敵対してるからなぁ。そこの所は仕方ないけど連れていけなかったのは少しだけ心苦しいけど、まあその分私が楽しむべきだよね。

 

 

「今度は文さん達のことを考えてましたねー?」

 

「ギクッ……なんでわかるの?」

 

「フッフッフッ〜♪必殺、女の勘です。」

 

「マジですかい。」

 

 

 

 マジですか……………エスパーですかい?椿ちゃん?怖いよ。女の勘って怖いね……。私は勘が鈍いから羨ましいよ。

 

 

 

 

 

「黒柳様。ソワソワしてしまうのは仕方ありませんが、もう少しジッとしておいてください。お着物が上手く仕込めません。」

 

「あっ、ごめんね。巫女さん。」

 

 

 椿ちゃんと話しながらそんなことを考えていると、無意識に身体をソワソワとしながらクネクネとさせていたらしい。そのことで、私は着替え担当の巫女さんに叱られてしまった。

 

 

 

「クスクス………飛燕さんたら、そんなに緊張してしまって。私達とのお祭りがそんなに楽しみなんですかー?」

 

 

 すると、隣の格子から椿ちゃんがからかうような笑い声と共にそんなことを言ってくる。

 

 

 

「風祝様?貴方は人のこと言えませんよ?そんなに身体をソワソワと動かないでください。」

 

「ごめんなさい。巫女。むぅ…巫女ったら〜!バラさないでくださいよ〜!!」

 

 

 

 恐らくだが、今頃椿ちゃんの顔は羞恥心によって真っ赤に染まっているんだろうう。その光景が格子越しなのに見える見える。

 

 私と私の手伝い担当をしている巫女さん達はそんな椿ちゃんの顔を想像した後、お互いの顔を見合わせてクスリと笑い合ってしまった。

 

 

 

 ―クスクス―

 

 

 

「あっ!そっちで笑い声が聞こえました!今、私のこと皆で笑いましたね!?私は聞き逃しませんでしたからね?笑った人は正直に申し出てください!」

 

「風祝様?」

 

 

「うっ…………すみません。」

 

 

 

 

 そのやり取りに私達は笑いを堪えきれなくなってしまい巫女さん達や私は皆、声をあげて笑ってしまい、手や身体が震えてしまっていた。

 

 

「「「アハハハッ!」」」

 

 

「…うゔぅ〜…今凄く恥をかいた気分です…うゔ………。」

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、お互いに謎の応酬を繰り返しながら着々と着替えを終えた私達は気を利かせてくれた巫女さん達が退出して行った。

 

 故に、この部屋に残ったのは椿ちゃんと私だけだ。

 

 

 最後は最終確認だ。よしっ。問題はなさそうだね。

 

 

 私がやっと普及してきた鏡で自分の姿に満足そうにしていると、隣の格子から恥ずかしくなってしまって少しの間だけ静かだった椿ちゃんの声が聞こえてきた。

 

 

 

「飛燕さん。………そっちは着替え終わりましたか?」

 

「うん。…そっちは?椿ちゃん。」

 

「こちらも準備は終わりましたよ。」

 

 

 

「なら、………お披露目だね。」

 

「ええ。………そうですね。」

 

 

 

 私達は静かにお互いの格子をあげていったのだった。

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

 

 私の瞳に映った飛燕さんの姿は…………。

 

 

 

 とても………とても美しく映っていた。

 

 

 

「どう……かな?椿ちゃん……………?」

 

 

「はい。………………とても美しいです。飛燕さん。」

 

 

 

 

 

 薄化粧だが本人は普段は絶対しないと言っていた筈の、今の彼女の美しい顔には少しだけ厚く化粧がされていて、元々大人な雰囲気な彼女の魅力を更に1段階あげていた。

 

 椿はそれだけでお腹の下腹部が燃えるような熱さを覚えてしまったので、今そうしてしまうと折角の着物が乱れてしまうことに気が付き、慌ててその煩悩という名の愛の発散を抑えるためにも彼女の着物の方を見ることにして誤魔化そうとする。

 

 

 そして、着物の方とはいうと、いつもの男気のある洋服と本人が呼んでいた服装とは違い、今日の彼女の着物の色は主に夜空を思わせるような紺色を主として、所々で紫色と白色のヒエンソウをそのまま模写しているかような刺繍が入っていた。

 

 それを締めるように真っ白な白い帯を腰に巻きつけていて、爽やかさと大人らしい雰囲気にとても似合っていた。

 

 

 はぁ…………どうして飛燕さんはこんなに愛らしくてそして可愛いんでしょうか……………。

 

 

 

 マジマジと舐め回すようにうっとりと見ていた私の視線に対して、少しだけ居心地が悪そうに恥ずかしがってモジモジとさせながら身体をくねらせる飛燕さん。

 

 

 

 

「飛燕さん。……………本当に……凄く綺麗です。」

 

 

 

 

 

 一度は押さえた煩悩を爆発させてしまっていた私は、いつの間にか飛燕さんに近づいていてその綺麗な唇に自分の唇を押し当ててしまっていた。

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゆっくりと近づいてきた椿ちゃんの唇と、私の唇が重なり合ってその優しくも温かい感覚に夢中になってしまう。そして、彼女の装飾された綺麗な顔や香水のような匂いが漂ってきて凄く刺激的でそれが私達のいつもの深い方の口付の勢いを増していってしまう。

 

 

 

 

 ― チュク クチュ チュク ―

 

 

 

 椿ちゃんは今度は私の口の中に舌を入れて、私の唇を絡みとってくる。

 

 

 

 少し時間が経つと、椿ちゃんは唇を私の唇から離して、瞳の奥をハートにさせながら続きを求めようとしていた私の唇に人差し指を置いてからニコリと笑いかけてきた。

 

 

 

「ふふ………飛燕さん。この後は祭りのあとです。だからここでお預けですよ?」

 

 

 そう言って、椿ちゃんが私から離れていく。

 

 

 その寸止めを味わった私は椿ちゃんのその意地悪に堪らなくなってしまう。

 

 

 

 

 はぁ~~~/////

 

 

 

 

 椿ちゃん、私がМなの本当にわかってるなぁ〜////

 

 

 

 焦れったくて焦れったくて仕方がなくて。全身が火照っている。下腹部が疼きと共に強く塗れてしまい、それで蒸れてしまって熱くて熱くて仕方がなかった。

 

 

 

 けど、椿ちゃんも我慢したんだ。なら、私も我慢しないとね。

 

 

 

 

 そんなことを考えながら私は本殿の入り口で待っている椿ちゃんへと駆け寄って、椿ちゃんの片腕に自分の腕を巻きつけながら境内へと向かっていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

(次回へと続く)

 

 

 






 ふぅ…………。執筆のノリが良いです。私は以外と恋愛とほのぼのが好きなのかもしれません。

 さて、次回は久し振りに諏訪子さんと神奈子さんのイチャイチャも描きたいですね〜。

読者の皆様にとっての女オリ主のイメージを教えてください!

  • 可愛い! ここに皆入れてね!
  • 格好いい! そう?まあそれもありだね?
  • 美しいね! エヘヘー分かってんじゃん!
  • 変態! でも変態なお姉さんは好きでしょ?
  • 人情姉さん! 私についてきな!君達!
  • 大人なお姉さん! 妥当だよねー!うふふ♪
  • 乙女だよ! 分かってるねー!
  • 人妻最高! 良い子の皆は入れないでね?
  • 未亡人最高! なんか投票欄が怪しくない?
  • もっと強くなれよ! あっはい、頑張ります
  • ポンコツだね。 ん?これは褒め言葉?
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