戦闘回は難しいですね。ほのぼの系なら幾らでも描けるんですけど………。
今回は、軽い鬱要素があります。(できれば書きたくなかった。)
「ゔぁぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ああ!!ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!!許して!!もうしないからぁ゙ぁ゙ぁ゙!!あァ゙ぁ゙あァ゙ぁ゙!?」
ち、ちょっと待って!どういう状況!?それにさっきの頭に入ってきた情報は何なの?
私が今理解出来ていることは、風祝ちゃんが何かの能力を使ったこと。そして、その能力の影響で風祝ちゃんが取り乱し叫び声を挙げたことだ。そして、あの私の中に現れた情報。まるで私の罪の意識が具現化したみたいな………。
と、とにかくこの人が苦しんでる。どうにかしないと訳も分からないまま終わっちゃう!!
私の能力で何か出来ることは………あった!
私にこの人の痛みと苦しみを飛ばす!!けど…初めてやる応用だ。出来るかどうか分からない。修行中は初めてやる応用はほとんどが中途半端な効果までしか出来なかった。けど、ぶっつけ本番だ。
「やれば出来る。やれば出来る。イメージだ。」
…………かなりの痛みを私も味わうだろう。
「あはっ、私おかしくなっちゃったのかな……。」
誰かがこの現場を見れば狂ってると言われてもしょうがない。私は自分から苦しみを味わおうとしてるんだ。この人のように死にそうな苦しみを。
この人を見捨てる選択もある。さっきまで敵対していた。誰も文句は言わないだろう。けど、私は未来で知ってる。どの戦争でも、どんなに殺し合いをしても最終的には人は皆和解してるって。だから私だけは許せないだろう。ここで見捨てた自分を。
「ここでこの人が死んだら仲直りも、この人をもっと知ることも出来なくなっちゃうんだよね!ならやるんだ!後で、後悔が残るくらいなら!あなたの名前も聞いてないんだから!!起きたら聞かせてもらうよ!!」
私は、この人の手を握り絞めて私自身に向かって能力を発動させた。
* * *
暗い空間の中、で私は目を空けた。
「ここは………、何処?」
辺りを見渡してみても、何もない。
何となしに私は歩き始めた。それ以外に出来ることはないから。
暫く歩いていると、僅かに赤白く光っているものがあった。
「なんだろう?」
ただ……………、これに私は触れなきゃいけないということは無意識に分かった。
そして、訳も分からず私はその手でその光に触れた。
場面が変わった。
ここは…………集落?まったく見覚えのない場所だ。だとすると、風祝ちゃんの記憶?
今、目の前には風祝ちゃんをそのまま幼くしたような子供と一人の男が広場で話をしていた。
『ねえ?どうしてあなたは人をころしたの?』
子供は純粋に疑問に思って、聞いただけのようだが、一方の男の方は顔を青白くさせていた。
『○様………な、何故それを………?』
『う〜ん、お母様に言われた私の「能力」ってものをためしてみたら、なんとなくわかったの!!』
『く、クソッ。このクソガキが……。俺が秘密にしてきたことを………こんな人が多い場所でバラシやがって………』
男にとってそれは、誰にも知られてはいけないことだった。飢えに飢えて仕方なく子供を捨ててしまったことが。
この時代ならたった『それだけのこと』だったが、ここではそれは重罪。バレればこの集落から家族諸共追放されて途方にくれるのは目に見えていた。そして、当てが無くなればその先に待っているのは死あるのみだ。
『殺してやる………殺してやる!!』
男は殺すつもりはなかったが、恨み言を吐きながらこの子供に詰め寄るくらいには激昂していた。それが相手がここら一帯に君臨している神の子供だとしても。
近くに待機していた護衛達が慌てて詰め寄ってくるが、男が子供の裾を掴むのが明らかに速かった。
『きゃっ!!』
『◯様!』
護衛達の声と子供の悲鳴が重なる。
この時の子供には、何故男がこんなにも怒っているのか分からなかった。しかし、自分が危ない状況なのはなんとなくわかった。
子供はパニックになった。そしてそのパニックが子供に宿る『能力』を起こしてしまい、『不運な事故』を引き起こした。
『自らの命惜しさに、自己の子を捨てた罪』 重
『他の命を軽々しく扱った罪』 重
『罪から逃げようとする罪』 軽
『物を盗んだ罪』 軽
「人に嘘吐き陥れた罪」中
『約束を反故にした罪』軽
『愛する者を裏切った罪』中
『良からぬ噂を立て、相手を追い詰めた罪』中
『罪をごまかし、罪を隠そうとした罪』中
『――――――』
『――――』
『――』
『え?』
その後は、恐ろしかった。男は悶え苦しみ、血を吐き絶叫して絶命した。
その血は子供の服にかかっていた。
『あ、ああぁぁぁ゙!!!』
子供は悲鳴を上げた。
また場面が変わった。
今度は、広場の正式のような場。そう現代で言うならば裁判所のような場所で一人の女性は立っていた。
私はその隣に立っていた。急に現れただろう私に誰も見向きをしない。まるで幽霊になった気分だ。
目を閉じていた女性やがてその綺麗な目を開けて、口を開いた。
『あなたは、この村の村長とその家族を惨殺しただけでなく、その罪を友に擦りつけて村人に殺させた。この国の掟により、あなたは死罪となります。』
『ひ、や、辞めてくれ!!死にたくねぇ首刎は嫌だ!!!』
『それは、貴方の友や殺した相手には言われたのですか?今の貴方と同じ心境の筈です。罪を償いなさい。』
『く、クソッ!!このバケモノめ!!死じまえ!!!』
男は罵声をその女性に浴びさせるが、女性はその言葉を無視して、厳重な態度で兵士達に命令する。
『さあ、そこの罪人を連れて生きなさい。』
『お前のその力なんて誰も幸せに出来ねえ!!!なあ、『その力』で幾つの『罪のある生き物』を殺してきた!!よく俺を裁けるな?『人殺し』!!』
『ッ!?…………………。』
『さぞかし、人の罪を裁けて清々しいんだろうなぁ!?黄泉で、てめえが落ちてくるのを先に楽しみに待っててやるよ。』
『早く行け!』
『クソッ。』
男は兵士に連れてかれていった。
それは男にとってただの負け惜しみの恨みの言葉だった。それは女性自身も理解していた。元々、この力を使えば人に恨まれるのは必定。だから幾らでも罵声は辛うじて受けてきた。それが彼女なりの贖罪だったから。
しかし、連れて行かれる直前の男の言葉に彼女の心は今までま抑え込んでいた『罪』の重圧に負けそうで悲鳴を上げていた。
『……………………。』
『風祝様。今回も素晴らしい采配でした。』
『これで私達は安心して暮らせます。ありがとうございます。』
『これからもご沙汰をお願いします。』
『いえいえ、洩矢神様のお力によるものです。私は私なりの力でそれを手伝わさせて頂いたまでです。』
『まあ!なんてご謙遜な御方。』
この『沙汰』が終わった後。女性は、喜ぶ村人から感謝の言葉をたくさん受けていた。女性は素直に喜んでしまう自分が腹立しかった。
人の役立つことをした。感謝された。
人を助けた。感謝された。
民を苦しめる妖怪を退治した。感謝された。
多くの人に救いの声を届けた。感謝された。
私の布教の成果によって段々国が大きくなっていった。
洩矢神様に『風祝』として感謝された。
彼女は、『風祝として』正しき人生を生きてきた筈なのに、それが『正しき道』を歩めると信じてきた筈なのに、皆に慕われ導く彼女にはその空虚な心の隙間は、埋まることはついにはなかった。
それでも彼女はただ働き続けた。『それが幸せ』だと思って。
『なあ……、○○○。そう、『あの時』からお前は無理をし続けてないか?』
何処かの神社の本殿の中から子供の声が聞こえてくる。その声には、あどけなさなど欠片のない壮厳さをかもしだしていた。本殿の中は影になっていて誰がいるのかは分からない。
しかし、この国を治めてる『洩矢神』だと思う。何故なら風祝がその人に向かって、頭を下げながら座っていたから。
『いいえ。そのように思われますか?』
心からそう思い込んでいるつもりだということはこの十数年間の生活で分かっていた。気恥ずかしくて本人には直接言えない親心だったが、本人が『何事も問題もない』と言っているので、洩矢神はこの話題を取りやめることにした。
本人は自分に嘘を付き続けていた結果。自覚など全くなくなっていたが、中々一歩踏み出せないお互いの譲り合いによってその違和感が無くなることはなかったが………。
二人にはそうしてしまうだけの立場の違いがあった。片方は『洩矢の土着神』。もう片方は『現人神である風祝』。二人がその立場に縛られており、血の繋がりがあるのに関わらず親子の関係を築けることが出来なかった。
それでも、洩矢神は歩み寄ろうとし続けた。
『……………昔の子供の頃ように、『お母さん』や『お母様』と、呼んでも良いんだぞ?○○○。お前にはその権利も資格もある。』
『滅相もございません。』
だが、風祝は拒絶した。それが己の心を傷つけることを自覚せずに。洩矢神はそれを指摘できなかった。彼女は今危ない均衡の上に成り立っている。当事者の1人である洩矢神には何も出来ない。
『…………そうか。近いうち、私は戦に出る。』
『やはり、………最近巷で噂の?』
『ああ。新参者の『軍神』が勢力を伸ばし初めてな。ついこの前、あの『乾』の神も打ち負かし、そのまま『乾』の神もその国も吸収したようだ。最近ここら一帯も視野に入れて、行動してきていると、他国にいる信者から報告があった。』
『お前も、備えておけ。すでに巫女達や兵士達には伝えている。』
『ハッ。』
『この戦。もしかしたら負けるやも知れない。覚悟はしておけ。』
『………御冗談を。』
『分からん。相手は新参者と言えども『軍神』戦では相手に分がある。だが、その前に、○○○。お前はある村に行ってくれ。どうやら妖かしが暴れているようだ。不運なことに今から行けばちょうど満月の夜には着いてしまうだろう。心配するな後詰めも準備する。』
『感謝致します。』
『戦のこともある。無事に帰ってこい。』
『はい。』
そうして、『娘』は本殿から退出した。
今度は場面は変わらない。
しばらくして、洩矢神は一見独り言のように、誰かに話しかけるように話しだした。
『……ハァ……。このままでは、私の娘は持たない。この状態では戦などさせられないか。最悪命を落とすだろう。』
そして、洩矢神は私のいた位置の方向を見た。実際は、暗闇で判別出来ない。しかし、直感でわかった。
蛇に睨まれたカエルのように、私の背筋に凍るような震えが通り過ぎる。
『なあ、道祖神の『祖』よ?そなたなら上手く娘を『導ける』だろう。頼むぞ?』
えっ?
私は気が付けば元の世界に戻っていた。
さっきのは何だったの?私は記憶に干渉してたの?そして、洩矢神はどうして私を見れたの?気がついていたの?過去の話なのに何故干渉し合えるの?
そんな疑問が頭の中を巡り回っていたが、そんな私に答えを出す暇なんて無かった。
何故なら、この瞬間、私に言いようもない程の、激痛と苦しみが身体中を駆け巡ってきたからだ。
―バリバリ―グリグチャ―
「う、うぁ゙ぁぁぁぁぁぁ゙!!!」
い、痛い!!本当に死んじゃう。彼女も今辛そうに苦しんでいるということは、私が能力で『飛ばす』までは少なくともこれの倍は苦しみを受けていたんだ!!
けど…彼女の痛みは確実に減っているはずだ!!反応はさっきよりも心無くだけど、小さくなってる。
そして、私は次の作業に移った。
私の苦しみを地面に『飛ばして』いく。少しずつ。痛みで集中力を持っていかれるが、少しずつ減らしていく。
「ハァハァハァ…………。次。」
そしてこの一連の作業を繰り返す。
私の能力は自分に対する効果は簡単に及ぼせるが、他人に効果を及ぼすには自分を媒体にしなければ効果は発動できない。まだまだ練度不足なのかもしれない。本当はこの能力を使いこなせば簡単に出来るようになるのかもしれない。
嫌だ。逃げたい。辛い。痛い。怖い。出来ない。『死ぬ』よりも痛い。
けど、私が苦しむだけでこの人の苦しみを減らすことは出来る。
だからあの苦しみがまだまだ続くことに対してためらわず私は自分に苦しみを『飛ばした』。
「ぐ、ぐあああああぁぁぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!」
彼女の能力『罪を推し量る程度の能力』にはある条件があった。『断罪の万量』による『罪の裁き』は裁かれた当人による『正しく生きようとする志』によって同じ罰でも効果が異なる。
本来『裁き』とは罪を行った者当人ではなく『罪』事態を裁き、当人と罪を遠ざける為の儀式。なれば、当人の志で裁きは下され、生きるか死ぬかは当人の『志』によって変わっていく。
少なくとも、この2人には『正しく生きていこうとする志』があった。
諏訪子様は母性がある方が良き。異論は認めない。
暫く後の話になりますが、もしこの小説で登場する天魔様の性格はどうな風がいいですか?参考程度に教えてください。
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めっちゃ頑固親父風の父ただし親バカ
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めっちゃ頑固親父風の母ただし親バカ
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すごいポンコツ仕事は出来る父ただし親バカ
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すごいポンコツ仕事は出来る母ただし親バカ
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怠惰で不器用影で色々してる父ただし親バカ
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怠惰で不器用影で色々してる母ただし親バカ