前話の諏訪子様………尊すぎる………。
この戦、是非勝って欲しいですね。
軽い修行をこなしたら次はいよいよですね。ドキドキ
翌朝になり、酒瓶や盃を放置しながら縁側で寝ていた私と諏訪子様は起きてきた椿ちゃんにドヤされながら渋々と片付けを済まして、その間に巫女さん達と一緒に朝御飯の準備を済ましてきた椿ちゃん、そして巫女さん達と一緒に朝食を囲っていた。
「やっぱり、ツバキのご飯は誰の飯よりも美味しいねぇ。大昔のあの時を思い出すよ。」
そう言って、笑顔にご飯を召し上がる諏訪子様はまるで子供だ。そんな諏訪子様の様子を椿ちゃんも苦笑いしながら答えていた。
「『大昔』にいたじゃないですか。それに今の母上の言動が夫くさいですよ?」
「何言ってるんだい?ツバキは子供の頃、『大きくなったら母様と結婚したい』って―」
「母上っ!?」
「あはははははっ!」
見事な親子漫才だ。夫婦漫才も混じっているがこんなに穏やかな朝御飯は本当に久しぶりなんだろう。ギャーギャーと騒ぎながらも、皆表情は笑顔だ。
一緒に朝食を作っていた巫女さん達も凄くニコニコとした様子で楽しそうに騒ぐ2人の様子を見ていた。
どうしてそんなに笑顔なのか分からなかったので、巫女さんの中で一番位の高そうな大巫女さんに聞いてみることにした。
「ねぇ…どうしてそんなにニコニコしてるの?」
大巫女さんは私のほうに振り向いて穏やかな表情で答えてくれる。笑いシワの素敵な年齢が少しだけ高そうな顔が良い歳の取り方を表していた。恐らく40に入ったばかりかな?
「こんなに諏訪子様と椿様が笑顔で話している様子は椿様が子供の頃以来ありませんでしたから………私がこの職につかせて頂いた頃の風景を思い出しましてね………。本当に、お二人は……不器用な………。」
そう言って、涙ぐむ大巫女さん。辞めてください。朝から泣かせてくるのは。
* * *
そんなこんなで、朝食を終えた後。大巫女さんたちは戦の準備に戻る為にも神社の境内へと出ていってしまい、私と椿ちゃんと諏訪子様だけが部屋に残った。
今回は皆の顔は真剣だ。
「さて………まだ『例の軍神』はまだ動きはない。だが、着々と準備を進めているのは確かだ。勿論それは我々もだ。」
「ですが、敵国との戦力差は大きいですね。敵国はすでに幾つもの国を吸収しています。母上が危惧していたとおり、恐らくこちらの戦力差を一つと数えるとするならば相手は……」
「少なくとも五つ以上。戦力差は歴然だね。だが、ツバキ。まだマシな方だ。相手は色々な国に恨みを売ってるからね。従属神どもを国の守りに置かないとこちらに攻めてきても他国の神に背後を突かれるだけだ。」
「成る程………そうなると、攻めて来る神様は『その軍神』だけってことですね?」
「そういうことだ。飛燕。たが、甘く見るなよ?そもそも五つ以上の戦力差に加えて、あの『軍神』だ。あいつは自らの手だけで一つからあの国を作り上げるまでに至った歴戦の猛将でもある。単純な力技だけじゃなく、何かしらの策を講じて私達を翻弄してきてもおかしくない。」
「控え目に言ってしまえば、戦に不慣れなこちらが不利ですね。母上。」
実はこの国、今まで何処の国とも戦をしていない。『土着神の頂点』である強大な力をお持ちになる諏訪子様の抑止力だけでなく、自由に動け、自国だけでなく他国の民も救い、なんの代償も求めずに導いていった風祝の椿ちゃんの人望と友好な外交関係のお陰で周辺国とは友好な関係を築けていたようだ。
この前吸収されてしまった『乾』に纏わる神様の国もその国々の内の一つだったらしい。その権能による絶大な力で統治と信仰を得ていた神を、滅ぼしてしまったあの『軍神』のいる国は正直言って、この周辺国で今一番恐ろしい国と言っても良いだろう。
「ああ…その通りだ。ツバキ。だが、こちらには優れている点がある。飛燕とツバキだ。」
「成る程………。」
「ですが…諏訪子様。私と椿ちゃんでは『軍神』の相手をするには明らかに実力不足です。」
「それは知っている。なんせこの『土着神の頂点である』私と『同格』だと断言できる。私よりは格は少し低いがあの『乾』を司る神を吸収した奴だ。はっきり言うと、飛燕の言う通り『軍神』から見ると、あんたらは格下。正直勝負にもなりゃしない。」
「そこで、諏訪子様がその『軍神』を抑える代わりに私達が戦力差を埋める役割を担って欲しいという訳ですね。」
「そういうわけだ。数で勝られているならその差を質で埋めればいい。単純で明快な解決法だ。元々風祝であるツバキだけで埋めることは出来なかったが、飛燕。お前が加わるなら勝負としては三分七分から五分五分には持っていける。」
「実に『運が良かった』と言えますね。母上。」
「まるで『奇跡』だ。良くやったぞ。ツバキ。」
椿ちゃんは『娘』として『母上』に褒められて物凄く嬉しそうにしていた。ニヤニヤが止まっていない。
………私としては複雑だけどね。
「という訳だ。陣の左右に配置、または二人一組で動いてもらいながら陣の穴埋めに動き回って貰う予定たが、飛燕。お前は神力が使えない?そうだろう?」
「はい。妖怪として過ごしてきた私は使い方を知りません。」
「幾ら、妖力が神力に隠されていたとしても流石に妖力を使えば兵士達は嫌でも気がつく。かといって固有の能力に頼ってばかりでは、体力と精神力、共に限界は出てくる。それも殺し合いが続く戦争だ。そのなかで体力はともかく精神力をすり減らし続ければ身も保たん。短期決戦ならば、凌げるだろうが長期戦に、なればまず命を落とすか戦力外になる。
戦とは単なる単発的な殺し合いではない。戦略の一つだ。そなたが無理をし過ぎ、倒れればそれは戦術の乱れとなり、それは少しずつ広がりやがて戦略的に乱れる。それは我々の負けを、意味する。飛燕。お前はその大事な駒の1人なんだ。倒れても死ぬようなことを安安行わせると思うか?」
「…………確かにそうですね。」
確かにそうだ。私はてゐ達との一ヶ月間の修行で能力を鍛えたと言っても、『たったの』一ヶ月間だ。技や知恵を大きく伸ばせても根本的な『体力や精神力』は大きくは伸ばせない。これまでの幾つかの戦闘で多少伸ばせたとしてもせいぜい少量だ。
私の妖力を極力使用しない、能力を主体とした戦闘には『ある弱点』がある。それは諏訪子様が指摘していた『長期戦』だ。
使い続けて1時間や2時間で済むならば耐えれるが、それ以上は無理だ。妖怪として成長していけば、もっと体力などなら伸びていくがまだまだ体力や精神力は成長途中だ。それを直接私の戦闘を見ていない筈の諏訪子様に簡単に見破られてしまったのは文字通り諏訪子様は『格』が違うからだろう。
「だか、その問題は解決できる。習得していないなら、習得できるようにすればいい。幸い神力の使い方に精通しているのが近くにいる。ツバキとこの私だ。二柱の神々が直々に英才教育教育を叩き込んでやるから感謝しろ。なに、戦までに間に合わせるさ。」
そう言って、ニヤリと意地悪そうに笑う諏訪子様。
………あっ、これ、絶対『口づけの件』の腹いせにイビられるやつだ………。
「安心しろ。殺したり使えなくしたりはしないよ?まあ、文字通り『戦までは使い潰す』とは言ったがな。覚悟しろ?」
「………ハイ。」オワター
椿ちゃん…あのそんなにワクワクした顔をしないで。
多分椿ちゃん。憧れのある『師弟』ごっこを想像してる顔なんだろうけど、実際はただのスパルタ修行だと思うから………。
* * *
「ギャァァァーーー!!?!、助けてーーー死ぬぅ〜〜〜!!」
「さあさあ!!お前はそんなに弱い存在なのか!?この神聖な滝の落水に抗ってみろ!!」
「無理ですって!私元は妖怪ですから!!今現在浄化されてるのを肌に感じてる最中何ですか!!」
「大丈夫だ!!この滝には妖怪が嫌がる効能はあるが祓うまではいかない!!但し、痛みや冷たさは織り込み済みだろうが。」
「ギャァァァ!!やっぱり私のことまだ恨んでますね?ギャァァァ!!!」
「無駄口叩いてないでさっさと集中しろ!!これは神々の修行だぞ?そんな生半可な気持ちで神力が使えるようになれると思うなよ?」
「意外にも話せる余裕はありますね。私もまだまだですね!!」
「これは話してないからっ!!魂の絶叫だからね!?」
「私もそれくらい出来るようにならなければ!!」
「チガァーーウ!!そうじゃなーカボボボボ!!」
「あっあちゃ〜……飛燕がたくさん水飲んでる。妖怪なのに、神聖な水を………まぁ〜、一応神様でもあるから大丈夫かな?」
背景、前世のお母様、お父様。私は今世と前世初めての滝行を椿ちゃんと並んでしております。
古代から続くこの修行法は、現代では山伏などが主に行っている神聖な修行。その効能は精神力を鍛えるだけでなく、穢れを落とす効能も含まれています。しかし、実はこの滝行は危険な行為なのです。今にもわかることですが、滝行をしていると時々思わぬ事故が起こることがあります。
「痛い!?死ぬ!?これ私滅サレちゃうよ!!ヤバーい―グハッ!?」
「あっ…運が悪いな〜飛燕。大きな流木に当たるなんて。」
そうです。流木が時々落ちてくるので長時間の滝行はお勧めできないんです。画面の向こう側の皆さんもそのことは留意して体験してみてくださいね。多分しないだろうけど。
「だ、大丈夫ですか飛燕さん!?」
「大丈夫、大丈夫。少し痛みが出たくらいだからね。」
「ひ、飛燕さぁ〜〜〜ん。頭から、ち、血がぁーーーー出てますーーー!!!」
* * *
ふぅ〜私って何でこんなにオチに使われるんだろうな……。
解せぬ。
「どうだい?少しはその煩悩を落とせたんじゃないかな?」
「神の修行ちゃうんかい!!」
「確かに……これは一般の巫女さんたちの精神統一の修行の一つですもんね。私もやったのは小さい頃でしたし。久しぶりにやりました。」
「………完全に八つ当たりコース一択じゃないですか?」
「なに、神力の使用は立派で崇高な精神を伴うからね。根本的な所を清めなきゃ使えないよ?だから穢れの多い人間は神力を使えないのさ。現人神でもなければね?代わりに人間は霊力を持ってるけどね。」
「な、成る程……だから飛燕さんは滝行を行ったんですね。根本的には、妖怪という種族。神力はあっても穢れは残る。」
「まあね。だから神力をずっと使いたいなら滝行は度々やりな?辛いだろうけど。必要な手段だからね。まあ、私達純粋な神々はそんなことしなくても出来るようになるからね。」
「ず、ずるい!!」
「私の八つ当た、意図はあるからちゃんと言うとおりにしな。」
「今、八つ当たりって言おうとしてたよね!?」
「ソレジャア、次行コウカナ?」
「無かったとにしたよ。この神様。ねぇ!?」
* * *
修行ヤバすぎ。何なのさアレ。スパルタを遥かに超えてるんだと思うんだけど。リアルで『獅子は子を谷底に落とす』をされるなんて思わないじゃん。
結局、諏訪子様の修行と称されたイビリは終わり、夕方頃にはちゃんと神力の使い方を教えてくださいました。
なんだ…結局あの修行の殆どが意味ないじゃん。有効なのは滝行だけだよ。マジで………。
「そうだね。神力は簡単に言えば人々の信仰という『思い』を元に力として生まれる。そこら辺は妖怪の恐怖と変わらない。妖怪のアンタなら分かるだろ?」
「成る程……妖怪も恐怖を、元に妖力を作りますもんね。コツは同じなんですね。」
「そう。けど…妖術みたいに複雑じゃない。大事なのはこうできたらいいなという『思い』だ。そして、利点がある。」
「何ですか?」
「神力には消費っていう概念がない。」
「!」
マジか………神力スゲー。そんなの使いたい放題じゃん。そりゃ相性の悪い妖力を使う妖怪達は神様のことを恐れるわけだ。そんなのボコスカ撃たれたら跡形もないじゃん。
「何故なら使った先から信仰している者達から安定されて供給されるからね。けど、逆に使用に体力をある程度使う。使う量によって疲れる程度も呼応する。まぁ、力が強い神は体力なんて無尽蔵にあるから気にしないけどね。この私みたいに。」
だから信仰神は信仰を大事にするんだ。恐怖と種族としての名が知り渡っていれば存在出来る妖怪と違って、信仰の多さが神の力にそのまま通じるから。
神の世界でもそこら辺は世知辛い世の中なんだな。
「成る程……流石に全てが上手くいく話なんて無いんですね。」
「そうだよ。そしてこれは一番理解して置いて欲しいんだよ。神にも叶えられない願いはある。幾ら神が万能でも全能じゃないからね。」
「……………。」
そう言った時、諏訪子様のと椿ちゃんは実感があるのか何処か悲しそうな顔をしていた。
「まぁ…これについては実感しないと分からないからしょうがない。この戦争で嫌でもわかる。」
「……はい。心に留めておきます。」
「まあ、このこれらを留めてくれていれば後は自分で出来るようになる。
取り敢えず頭の中で想像して、それを形創る練習していって欲しい。ツバキに手伝って貰え。ツバキも人に教えることは自分の成長に繋がる。久しぶりの修行だと思って付き合ってくれ。」
「はい。承りました。母上。」
「そして、飛燕。お前が頼りだ。戦争に巻き込んだのは済まないがもう諦めてくれ。今は神力の修行のことに集中して欲しい。私はこの後は戦の準備で忙しくなるからね。」
「はい。励みます。」
そうして私は修行を行った。自分だけじゃなくて、守るべき者達の為にも。
いよいよ古墳時代の大きな山場。頑張ってドキドキ溢れる文章を書けるようにします!!
←(自分からハードルを上げに行く作者の図)
暫く後の話になりますが、もしこの小説で登場する天魔様の性格はどうな風がいいですか?参考程度に教えてください。
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めっちゃ頑固親父風の父ただし親バカ
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めっちゃ頑固親父風の母ただし親バカ
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すごいポンコツ仕事は出来る父ただし親バカ
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すごいポンコツ仕事は出来る母ただし親バカ
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怠惰で不器用影で色々してる父ただし親バカ
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怠惰で不器用影で色々してる母ただし親バカ