彼女は暫くの間は田舎でのんびり過ごすらしいです。
本編再スタートですね!
育てるには土地がいる!あまりフラフラ出来ないから周りに怪しまれないように住む場所がいる!住むには家がいる!!
……と、言うわけで!私今!人間に化けて暫くの間、近江の村の外れで定住生活することにしました!!
………………。
違うんだ!皆!ちゃんと旅はするから!!それに一次的に定住するだけだから!!文達が忙しくて相手してくれないからすぐ近くでスタンバってるとかじゃないから!!ほらっ!赤ちゃんだよ!赤ちゃん!!流石に一番大変な子育ての時期をあの老夫婦にばかりは任せられないからさ!!(少女言い訳中、パート1)
うヴン。とまあ。暫くは少し落ち着いた人間の生活をするってのも悪くないじゃん?妖怪の山の方のシェアハウスは今は皆、仕事やらなんやら出払ってるからさ。寂しいのよ!!天魔様や龍さんは天狗の里の仕事で毎日が忙しそうだったし!!
青娥さんや芳香ちゃんもほっといたら何処か言っちゃったし。ルーミアちゃんはここ暫くは青娥さん達と一緒に行動してるのか、行方不明だし!
兎に角、そう!!滅茶苦茶人肌恋しくて寂しいの!!迷いの竹林組はいつも通りかわいかったけど、ほらね?ずっと同じ場所に缶詰になるのは違うじゃん?最初は久しぶりに迷いの竹林に数カ月間滞在したけどさ!旅したくなるじゃん?ね?(少女言い訳中パート2)
………ん?最後のは違うかな?まあいいか?結局は私の行動の多くはその場の勢いとノリなのさ。ドヤァ
「スズ〜……ふぅ………以外と一人暮らしってのも落ち着くね。田舎での一人暮らしは隠居人暮らしにおける真骨頂。なんてね。ふふ。」
因みにここって、近江ノ国って場所らしい。
この時代の地名として言うのならば幾内。現代における俗に言えば要は近畿地方の村に私は少しの間居候みたいなことをしてるってわけ。
でも、ひどいよね。この地域。『近』って漢字があるのに令制国の区分けではここは東海動にギリギリ含まれていて、まあまあな田舎に属するってことになってるわけなんだよ?
少し西に国を跨げばすぐそこが幾内なのにさ。ひどくないか?お茶っおいしいね。ズズズ
「にしてもここ数年は穏やかな日々だね。…………まあ……野盗が時々私の家をつけ狙って来なければなんだけどさ………はぁ……。」
そう言って茶を入れていたお椀を足元に置いた私は、静かに左腕に装着しておいた隠し弓に腕に矢を装填させて、腰にいつも隠して差している短刀に右手をかける。
そして音すら立てずに立ち上がり、そのまま戸口まで足音たてずに移動し、そのままノンストップで戸棚を勢いよく開けた。
― バン ―
「やっちまえ!」
その瞬間、複数人の野盗達が戸棚を開けた私に向かった粗末な装備やらなんやらを持って襲って来た。
そこで、準備が出来ていた私は隠し弓矢を装着していた方の左腕を彼等に向けて放って幾人かの肩や足突き刺していく。
「ギャァァ!?」「いてぇッ!?」「ひっ!?」「隠し弓だと?なんだこの女!?」
そして、私は他の野盗の数人を怯ませた後に短刀を抜いて能力で自分を野盗達の背後にカーブしながら『飛ばして』背後から一人一人の首筋を次々とかき切っていく。
「ガッ!?」「グハッ!?」「この!?−ギャッ!?」
― ブシャ バタバタ ―
そして、全員が私の家の前で地面に血まみれだ倒れる。
その間、数秒に満たぬ時間である。
そして、私はそんな死人を横目に、血で汚れてしまった床を能力で野外の地面に『飛ばし』ながらため息を吐く。
「はぁ……今月でもう3度目だよ?来すぎだよ?そのせいで最近は対人戦ばかりやらされてさ?人間の身体で戦闘するのに慣れちゃったんだけど?」
もう、命のやりとりなんてザラで、必要なら他人の命を狩ることに何も感じなくなってきたよ。まあ、嫌悪感はちゃんとあるわだけどさ…………。
まあでも、この野盗達はこちらの命を狙ってきたんだ。こちらも応戦しないとやられるし、ここで取り逃したらここ数年間私が世話になってるこの村をはじめとして、老夫婦とかぐちゃんにまで被害が及ぶ可能性だってあるからね。
…………だから、仕方が無いとは言えさ?
「はぁ……また死体を処分しなきゃいけないじゃん。どんだけ来るのさ。面倒ばっか増えて大変だよ。本当に。」
実はこの村がある三重県ならび、今の名前の近江は野盗達の巣窟だったりする。
理由はいくつかある。すぐ近くに都があるから、律令制の前段階が整ってきたここ日本では幾内に多くの商人や旅人、はたまた税となるお米の租や各地の特産品である調、はたまた布を縫って納めるか都で労働する庸などなど。偶に北九州を守る為に徴収される防人の人たちや役人などが沢山ここを通ってくるわけだ。
そして、ここは東日本に住んでいる皆さんが都に行くときは必ず通る三重県です。もうお分かりでしょうか?そう。ここは物資の流通が盛んであり、野盗達にとっては獲物を狩るための絶好のスポットなのである。まる
………はぁ…。
一応、朝廷は幾内の中を有力豪族や国の兵士たちに見回りさせてるらしいけど、それでも野盗達が減らないのは最近は妖怪の活性化やら飢饉やらと段々人々の暮らしが悪くなったりしているかららしい。
野盗が増えるのは、いつだって飢饉などの多くの人々が苦しくなる時だ。
みんな裕福ならば、愉快犯が生えるのはともかく、こんなに沢山よ野盗が畑のように生えてくる訳がないのだ。
一応、そこら辺は私も考慮しているので、文達から教わった人間の嘘や悪意を見分ける妖術を普段から使って、難民とか、生きるか死ぬかの瀬戸際で仕方なく野盗になった人とかに対してはちゃんと更生の余地を残すために、ただの悪党達とは別に態度を変えてたりはする。
そこで、私の降伏勧告やこの村に寝るための居所や食べて生きていける為の用意をするという提案に聞き耳を持たずに襲いかかってくるのなら、それはもう仕方が無いだろう。理性の無い人間は言葉の通じない獣と化してしまうのだから。
せめてものの救いは、善悪関係なく生き物はこの土地の栄養になれることだろう。
ここの数年で、こんな感じで近くにある世話になった村での私の立ち位置は、村の用心棒みたいな立ち位置になっていたりする。
またはこの離れ小屋から新しい住人を度々よこしてやってくる問題児であり、何でも屋みたいな感じな役割かな?所謂アウトロー寄りの役割でもある。
ここ最近の時代では、確か持統天皇を中心にして朝廷による庚寅年籍によって人々の戸籍が作られてしまったせいで人々は勝手に他の土地に移り住めなくなったりしちゃったせいで、重い税から逃げるために流浪や逃亡をしてしまう人たちが多かったのだ。
因みに画面の先にいる高校生諸君。
今行った歴史的な単語は定期テストとか共通テストに出ますからね?だから、ここで語った租調庸や流浪や逃亡の歴史的な言葉の意味を覚えておきなさいよ?(メガネクイッ)
で、話を戻すけど、その他の土地から流浪や逃亡してきた人をうちの村では、秘密裏に受け入れて生産量増加を図っているのだ。
そう、これが悪党か野盗を見分けるのと話が繋がる訳だ。
勿論、ここの土地の土地を管理してる郡司や、この土地を治めている豪族に時々訪問してくる国司とかには嫌な顔をされるけど、ここらへんを治めてる有力豪族さんに、税よりも多いお金やこの土地の作物を送っているおかげで黙認されていて、流浪者や浮浪人を受入れ続けていても何も言われていない。
現代だったら完璧な汚職だね。
でも、この時代はこんなこと当たり前に起きている暗黙の了解なので、現代における生きているだろう皆さんは余り気にしてはいけない。それに、この土地で出来たの作物とか公益とかで朝廷に直接治めている税の額は、お陰様で他の国の地域よりも断然多いため、朝廷からは寧ろ嬉しがられているようだ。やはり、この世はがめつい世の中でもある。
私もご挨拶と、このことを提案することを兼ねて、手土産持参に会見したことがあるんだけど、その有力豪族さんは結構がめつい人だからからなぁ〜。
その豪族さんは根は優しいんだけど、いかわせん金にがめつい。幾内の貴族とは潤沢な資源を利用して賄賂なりなんなりを沢山送ってご機嫌取りばかりして有力な伝手ばかり増やしているから、いくらこの土地だけが栄えていても他国の地域から口出しされない。
そして、どんどん自分の所に沢山人がくれば、その分自分の治めてる領土が賑わうし、そしたら自然と自分に入ってくるお金が増えるから、何よりも豪族さんは私の提案した流浪者や浮浪人の受入れ政策を促進している。
こんな感じでがめついくせに、その豪族さんはそのくせ近江国の民に納めされている税だけはけっこう安くしてるもんだからそれなりに民にも人気はあるし、この数年間で、凄く結構栄えてきて、それを祝うために祭りも自腹で主催するようになってきてから住民達の不満もめっきり減ってしまった訳だ。
やっぱり、かなりの策士の狸爺だよあの人。けど、金にがめつくて人気取りが上手であることは、ある意味立派な領主の証拠だし実際そこまで悪くないことなのかもしれない。
まあ、それを利用してかぐちゃんが住んでる村が豊かになるようにするために、狸爺の豪族さんに色々な知識を与えてもある意味化かして操ってる私が一番の悪なのかもしれないけどね。
まあ、まだまだ幼いかぐちゃんにはできる限り幸せに成長してほしいからね。文とはたてを娘として思う天魔様や龍、椛ちゃんの親心がなんだか分かった気がするよ。
け、決して親バカとかじゃないんだからね!!
そんな呑気なことを考えている内に、死体をあらかじめ掘っておいた地面に入れ終えた私は、火打石と藁を利用して火を灯し始める。
― ボアッ ―
そして、少しずつ火が上って煙が上がってきたので、焚き火用の薪を穴に幾つかばら撒いていき、更に火の勢いを増すようにしていった。
すると、生き物の死体が焼ける少し嫌な匂いが辺りを充満しはじめていった。
けど、もうこの数年で何度も慣れた作業だ。最初は鼓動と緊張が止まらなかったが、今はもう慣れて日常の一部に変わってしまっていた。
「にしても……段々死に関して何も感じなくなったのはこの時代に染まってきたって訳なのかな?」
でも、悪い気分じゃない。確かに前世の価値観だとしたら凄く嫌な気分になるのは今でも変わってないけど、割り切るというかなんというか、そうしないと死んじゃう場面が多かったから仕方なくって感じで順応したんだなと思うんだ。
「さて、この人たちの亡骸は燃やし終えたし、お供えしたら村の方に行こうかね?あのおてんば娘。また他のいじめっ子のことをいじめてなきゃいいけど。」
そうして、独り言を吐いた私は、完全に野盗達の死体が燃えたことを確認して、盛り土から木で出来たスコップを使って被せていき、その作業を終わらした。
そして、軽く水浴びした後に匂い消しの薬草や能力で完全に自身に少しついてしまった死臭の匂いを『飛ばし』て、のんびりと村の方へと向かって行ったのだった。
* * *
少しだけ荒れていた林道の枝や石を道の外へと放り投げながら私は少しずつ整理されてきていた村への道を進んでいた。
こうして少しずつ道に邪魔な石や枝をせっせと歩か度に取り除いていけば、段々と道が出来ていくのだ。
道に生えている雑草などは毎日同じ道を歩けば次第になくなっていくので放置している。
へへ。最初は獣道でしかなかったこの道も、山道くらいには広まったし歩きやすくなってきたね。
さてさて、今日の野盗たちも片付けたことをそろそろ村の方に報告しに行かないと。
『そん面倒なことをコツコツとせずに、誰も周りにいないなら飛べばいいじゃない』と思っただろう?ワトソンくん?
村という閉鎖空間をなめちゃいけないよ?ワトソンくん。
この村という狭い空間では皆が生きるために沢山色んな所を移動している。特に、村ではムラからノラにかけて、村人達による共同地域だ。木ノ実を拾うため、罠をかけるため。道具の素材を集めるため。理由は様々だ。いつだって皆生きるためにそこら辺をほっつき歩いているのだ。
だから、いつ何処で誰が見てるのか分からないんだからね?
普段からこういう油断は禁物なのである。こうやっていつも警戒していればボロが出にくくなるんだって。マミゾウさんが行ってたよ。
流石マミゾウさんだ。普段から佐渡から出歩いて人を化かしているだけあってこういうコツはよく知ってるよね。
五十年前の御子さん達の件で、痛い目をみたってのに懲りないんだから彼女は生粋の化け狸なんだろう。
そんなことを考えている内に、いつの間にか村の近くまでたどり着いたのか、ノラの田んぼで田植えをしている村の人たちが見えてくる。
すると、彼等彼女等はそんな初夏の暑さで出てくる額の汗を手拭いて作業をやっと終わらて休んでいる村の人達の内のユメさんコメさん夫婦が、私がきたことに気がついて大手を振って私に挨拶をしてきた。
「お〜い!月女(つきめ)さ〜ん!今日もいい天気だねぇ〜?」
「今日も賊か妖怪でも、出たのかいな〜?」
「暑くなってきたから、月女(つきめ)さんも気をつけてなぁ〜?」
今日も皆、私のことを笑顔で受け入れてくれる。普段から閉鎖的で排他的な村人達がこうやって私のことを村の一員として笑顔で受け入れてくれるのはとても有難いことなのだ。
因みに月女さんとは私がこの村で名乗っている偽名だ。しばらくはこの名前で生活するので、今のうちに慣れておいてね?
「はいよ〜!気をつけるよ。……所でさ?コメさん?村の村長さんはどこかにいるかな?」
「いつもの家にいるってよ?」
「教えてくれてありがと。ユメさんもコメさんも畑仕事、頑張ってね?」
「そっちこそ、いつも本当にありがとなぁ〜。」
「ん?なんのこと?ユメさん?私、最近ユメさん達に何かしてあげれてたっけ?」
「いやぁ〜?お陰で最近ここらでは穏やかで暮らしやすくなったのは、詳しくは知らねえけど、なんでも月女さんのお陰なんだろ?
今だって、畑仕事ばかり手伝わされた子ども達も余裕が出来て、最近は笑顔で遊ぶ余裕が出来ただよ。だから、その分も込めてありがとなぁ〜?」
「そうだそうだ。女房の言う通りだ。本当にありがとな?月女さんや。」
「あ〜?そういうことね。……はぁ……また村長さんったら、口を滑らして。秘密にしておいてって言ったのに。」
「あははは。月女さんよ?村長さんは難儀な人だけど、あれは中々人情な人だから、気に入ってる月女さんのことを自慢したくなるのは仕方あるめえ。」
「そうねぇ〜。貴方。……それで?このあと予定があるなら少し内の家でゆっくりするか?」
「ううん。これから仕事があるからさ?気持ちだけ受け取っておくよ。ユメさん。それじゃあ二人ともまたね?」
「おう。またな。」
「またねぇ〜。」
そうして、私はノラから村へと歩を進めていく。
月女さんね。適当につけた名前だけど、まあまあ気に入ってる名前でもある。
一応、暫くはこの名前で過ごすことになるけど、一応使い分けすることにしたのだ。これは色々な理由があるのは、今も諜報活動している文達に見つからないようにするためでもあるのだ。
別に文たち本人には私がここにいること自体はバレてもいいけどさ、唯でさえ人妖神の多くの者達に名前が知れ渡るようになってきた私が安安とバレたら色々と面倒なのだ。
まあ、文は私との契約でここにいることはバレバレだけど、文は気を使って知らんぷりをしてくれているので実質セーフだよ。……多分。
はぁ…でも、五十年前の八大天狗異変で活躍したことを期に、最近は中小妖怪の私のことを東西古今で名の知れる大妖怪かと噂を信じて勘違いした妖怪達が、自分の名を挙げようと私を探すようにこぞって襲ってくるようになってさ。
本当に気が重いよ。
あれもこれも、五十年前で文と共に異変で大手柄を挙げてからだ。そこから妖怪の山の住人達を初めてとした妖怪達に私と文の名前は知れ渡り、今ではこの妖怪の全盛期での一番勢いがあるルーキー的な立ち位置に収まってたり、してなかったり。
兎に角、今は騒がれるのは勘弁なのだ。かぐちゃんが住んでいるこの村がひどい目に遭う可能性は出来るだけ排除しなければいけない。
ところでさ?ねぇ知ってる?巷で私と文を合わせて妖怪達に称された二つ名を。
その名も『風神大妖』だよ?文と私の特徴を汲み取ってるお陰で言い得て妙な感じだけどさ。もう少し二つ名に手心しようよ?
お陰で、ここ数年、襲われながら過ごす羽目になったんだからさ。……あれ?昔から襲われまくってるのは変わってなくない?
まあ……修行になったのは事実だからあんまり言えないけど、流石にひっきりなしに来すぎなのである。
と、考えながら村の人たちに挨拶をしていたら、村長さんの家についたらしい。
ついでに私の両手には、何でも屋とか萃香さんから貰ってる口噛酒で稼いだお金や村長さんから貰っている用心棒の報酬で買った手土産やらなんやらで埋まっていた。
………え?いつの間に?…はぁ〜またかぁ〜。
気がつけば、私は村の人達やこの村を訪れる商人達に商品を掴まされてしまい、いつの間にか散財しているのはいつものことだ。
けどこの時代、商人達による信用って最も大事な者なので、詐欺の類が全く無いので品物の質だけはいいから、ガセ商品を掴まされていないのでもう気にしないことにしよう。
「おっ?……ついたね。」
そうして、私は村長さんの少しだけ周りよりも広い屋敷の戸口を優しくコンコンと叩くことにした。
「お〜い!村長さ〜ん!今日の分の報告しにきったよ〜?」
― コンコンコン ―
『おう、月女か?ちょっと待っとれ。』
そうして私は声をかけると、村長さんの声が家の中から聞こえてきた。
― ガタガタ パタ ―
少し経つと戸棚が開いてしかめっ面の村長さんの顔が現れたので、いつも通りに私は村長さんが口を開く前に、直ぐ様村長さんの手にいつの間にか私の手に握っていた数々の手土産をいつもお通りの笑顔で手渡す。
「やぁ?村長さん?久しぶりだね?はい。手土産だよ。」
「お、おう……すまんなこんなに…………てっ!?
これ殆どがこの村の名産品じゃろうが!?そんなのこんなにいらんわい!!お前が可愛がってる竹取りの翁夫婦のあの生意気なガキンチョに渡せ。」
「アハハ。やっぱりバレちゃったか?少し買いすぎたから少しは貰って頂戴よ〜?」
私が悪戯顔で図星を突かれたことをおちゃらけた様子で誤魔化していると、顰めっ面な村長さんは渋々片手に持てる分だけ受け取って、残りは私に返しながらため息交じりにここ数年で達者になってきたいつもの皮肉口を叩き始める。
「はぁ…毎度毎度こうやって儂や村の奴に貢ぎおって。もう少し愛想やらなんやらの分別を持たんか?
お前さんは村の者達に何言われてるか知ってるか?『お人好しで子持ちの未亡人娘』じゃぞ?それを聞くたびに儂がどういう気分になるか分からんのか?」
「アハハ…………ま……まあ?案外当たってるし、私は何でも屋で村の用心棒みたいなもんだから何も言い返せなぁ〜……それで、仕事の件なんだけど?」
「アホ。そうやって、いつもお前は忙しそうにする奴じゃな?もう少しのんびり生きろ。
それだからお主は生き急ぎすぎなのだ。内の女房を見てみろ?今頃お前さんが来る頃だろうから、のんびりいつもより多い朝飯でも作ってる待ってるわい。お前さんも内の女房ののんびりさに少しは見習え阿呆たれ。」
「いやぁ〜?……でもなぁ〜?…ひっきりなしに動くのが私の性にあってるからなぁ〜?」
………村長さんは少し気難しい人だけど、村長の奥さん曰くただの照れ隠しなので気にしないで良いんだとか。
今のだって村長さんの本当の言葉の意味を訳すと、『今日もご苦労さん。いつも忙しくすませちまってすまねえな。少し中に入って女房が作っえる朝飯でも食べていきな。』である。
もう少し素直になりなよ?文でももう少し分かりやすくツンデレをするよ?
「はぁ……そうやって誰に対しても世話ばっかしとると、あらぬ方向にに勘違いされるんだぞ?
それなのにお前は周りに愛想ばかりじゃ。だから、お主は村の男共からひっきりなしに目をつけられるのじゃ。今年で何人目だ?新しく移ったきた村の男や娘に求婚された人数は?」
ギクッ……うゔ…その話はやめてよ村長さん。それ結構大変何だから。
大体全部断ってはいるけれど、その後のアフターケアが大変なんだから。
具体的に言うと、アプローチしてきた娘と男をそれぞれ似合いそうな縁組として紹介していたりしている。
お陰でここ数年のこの村でのご祝儀と新婚の夫婦の数はうなぎ登りに増えている。まさに私は縁結びの神様である。
凄いね諏訪子さん。椿ちゃん。春宮の願掛けの効果が何故かここで起きてるよ。
「アハハ…耳が痛いな。それじゃあ、お言葉に甘えて奥さんの手料理でも私の料理の参考にさせてもらおうかな?」
「………おい、あからさまに話を変えようとして逃げるな小娘。まだ話は終わっておらんぞ?」
「あ〜!知らな〜い!今の私しゃ、村長さんの女房さんが作ってる朝ご飯の匂いしか頭の中には入ってたこないからさ〜!し〜ら〜なぁ〜い!」
「はぁ……脳天気の阿呆娘め。これで力が変にあるからたちが悪い。もっと身を固くせんか。内の女房をお主のことで心配させるでないわ……ブツブツ。」
「わぁ〜!聞こえないな〜!」
うゔ……本当に耳が痛いや。でも、本当に大丈夫だよ。村長さん。最近の私はちゃんと身を固くしてるつめりだからね?
尚、この脳天気化けガラスの『つもり』は一般的な基準に対していささか雀の涙程度でしかないというのは、言うまでもないのは言うまでもないことだった。
* * *
「で、仕事の件だけど、今朝の早朝も野盗の集団は八名くらい来てたよ。今回は悪党しか居なかった。
後は、夜間から夜明けあたりのここらあたりを彷徨いてた妖怪の数については……言うまでもないよね?」
「ああ。言う必要はない。他の用心棒で雇ってる術者からも妖怪については同じく数え切れん程の報告が来とったわい。
この前も郡司の役人様が襲われそうになったとか言っておったわ。護衛を伴っていなかったら死んでおったとも話しておったよ。………にしても……増々と少しずつ野盗の数が増えとるな。」
「うん。そうだね。そこら辺は私が教えてる自警団の青年達にも後で言っとくよ。」
「ああ。よろしく頼む。にしても最近は特に忙しくしとるな?ちゃんとあ奴に対して、構えてはおるのか?」
「えと…………誰に?」
「何を言っておる?かぐちゃんとかいう生意気な娘のことしかあるまい?」
「………あ〜?……えと?最後に会ったのは二日前だから…。」
「丁度ぐずり出すか、はたまた癇癪を起こす頃じゃな?」
「…………ヤバい。」
あちゃぁ……もうそんなに会ってなかったのか…………。
「………うん。なら丁度いいし、会いに行こうかな?………モグモグ…にしても千由李さんの料理はこれまた美味しいね。なんだろう?奥さん?もしかさて腕をあげたかな?」
料理をすべて運び終えた後は私の隣にベットリとついてきた村長さんの奥さんに、私がそう話しかけると、四十は過ぎてるのに最近は肌艶が良くなってきた奥さんはニコリと私に笑いかけてこう言ってきた。
「ええ。沢山切り盛りしてるんですよ?最近は貴方が来る週に二度のこの日を待ち望みにしてますからねぇ〜。内の夫もそのようで、貴方が来る朝方はずっと落ち着かない様子で居間にいるんですよ?」
「ま、まて!?千由李!………そんな訳があるか!というか、最近『元から美味い飯が増々うまくなったな』……と思っとったら、月女の為じゃったのか!?」
「ええそうです!それはこんな健気なこの子のためですよ!あなた!!なのにいつもあなたは素直に優しく対応すらしないで!!
気に入ってるのなら!もう少し態度を正直に優しくしなさい!このぶきっちょな石頭!!」
「くっ!う、うるさい!お前こそ、5人も子を育てあげたの母じゃろうに!その小娘にベタベタ触りすぎじゃ!
それにお前は村長である儂の妻だろう!威厳を保つ体裁くらいは少しは保たんか!」
「ふん!貴方が最近、村長の仕事ばかりなかまけて私にあまり構ってくれないのが悪いのですよ!
だから、自業自得です!今は私の料理を加えて私と月女さんとの乳繰り合いを私の料理を食べながら指を構えて見ていればよいのです!」
「それは仕方なかろうが!この村を守ることはお前も守ることに繋がるんじゃからな?それに、お前はそろそろいい年になったじゃろう?なのに色々と我儘いうな!」
「詭弁です!いつもいつも貴方はそうやって、逃げるんですから!もう少し私にも素直になってください!」
「っ!……い、いつも素直にしておろうが!」
「全然してません!足りませんよ!!」
「してる!」「足りません!」
朝の食卓から平和な内容な夫婦喧嘩が止まらない止まらない。
いつもこんな感じの仲良しの夫婦喧嘩だ。
朝からこういう喧嘩出来るって平和な証だよね。この村に住んで、守るようになってから、こういう風景を見てるとなんだか守ってきた甲斐があるってもんだ。
でも、朝食の味が甘くなってきちゃって、そろそろ味が分からなくなるから、この二人の夫婦喧嘩を止めないとね。
「まあまあ、朝から仲の良い喧嘩見せつけないでよ。二人の気持ちは分かってるからさ。いい加減ご飯冷めちゃうよ?
せっかく美味しい朝ご飯なんだから喧嘩しないでちゃんと温かい内に食べちゃおうよ?」
「「喧嘩の元凶の(月女さんが言うのはおかしいです!)お前が言うでないわ!」」
「ええ………、そこで私に矛先が来ますか?」
なんとも夫婦揃って素直じゃない人たちである。ちゃんとお互いに対する惚気話は時々聞いてるからさ。もう少し仲良くしなよ。
* * *
さてさて、週に2回の近況報告をしながら朝食を済ました私は、仲良し夫婦の村長さんの家から手荷物を増やされて村長さんの家を出るには、少しだけ日が昇ってしまっていた。
「よしっ……先ずはこの手荷物どうやってなくそうか?」
このまま捨てるのには余りにも勿体ないけど、このままこれから山の方にも移動するのには余りにも両手が塞がってるしなぁ……。
どうしたもんか?……う〜ん?幸い食べ物ばかりだし、どこかに都合よくこの沢山の食べ物を食べてくれる沢山の消費者達は居ないかな〜?
― きゃーきゃー わーわー アハハ ―
そんなことを考えていると、遠くで村の元気な悪ガキ達が男女問わずノラや駆け巡っている声が聞こえてきた。
おっ。そういえばいるじゃん。いつもこういう時都合良く消費してくれるわんぱくな存在が。
(次回へと続く。)
最近、1羽1羽が、長く成りがちですね。
なお、次回からですね。皆大好きニート姫の本格的な登場は。
読者の皆様にとっての女オリ主のイメージを教えてください!
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可愛い! ここに皆入れてね!
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格好いい! そう?まあそれもありだね?
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美しいね! エヘヘー分かってんじゃん!
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変態! でも変態なお姉さんは好きでしょ?
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人情姉さん! 私についてきな!君達!
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大人なお姉さん! 妥当だよねー!うふふ♪
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乙女だよ! 分かってるねー!
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人妻最高! 良い子の皆は入れないでね?
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未亡人最高! なんか投票欄が怪しくない?
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もっと強くなれよ! あっはい、頑張ります
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ポンコツだね。 ん?これは褒め言葉?