(前回からの続きです。)
「私は言った筈ですよ?かぐや?私は『日が空の真ん中に昇り切るまでには買い物を済まして一度帰って顔を見せなさい。その後にまた遊びに行ってほしい』と?……ではかぐや?今の太陽はどうなっていますか?」
「はい。もうとっくの昔に真ん中を過ぎて完全に傾いています。……御婆様。」
「ええ。そうですよね?買い物はちゃんと済ませたことは褒めます。ですが、刻限まで帰ってこないのは明らかに駄目ですよね?かぐや?」
「やっ…私……別に…ちゃんと自主性はあるつもりだし…………そこまで厳しく……」
「かぐや?」
「………はい。」
「貴方が自主性があるかどうかは問題ではありません。こういうものは言われたことをちゃんとこなせるかということを試練として、貴方を親として試しているのはちゃんと事前にあなたに話しましたよね?」
「……はい…そのとおりです。」
今、私と青年は恐ろしそうに私達にお茶を注いでくれているお爺さんと一緒に、相変わらず違うベクトルの怖さを醸し出しているお婆さんと泣きべそをかきそうなかぐちゃんの二人の姿を眺めながらお茶を啜っていた。
にしても怖いな。論攻めでこうやって淡々とされながら次々に自分を追い詰められるのは…………。
………正直色んな意味で怖いです。お婆さん。
「はぁ…婆様……またこりゃ偉く怒っとるな〜?まだ夕方になる前までに帰ってきたんだから、そこまで眉を顰める必要もなかろうに。」
「まあまあ。お爺さん。一応お婆さんはちゃんと時間を設けてるんだからさ。怒る理由はちゃんとあるしなぁ。にしても………お婆さん。本気で都に行く準備を始めてるんだね。」
「まあのう。まさか儂が沢山の金塊を竹から授かった時に、『これはかぐやを姫にせよという啓示か?』と興奮してまくし立ててしもうてからお婆さん、そのことを本気にしてしまったからのう。
まだ、かぐやは8歳かそこらを過ぎたくらいでまだ数年後のことじゃのに、今にでも花嫁修業が本格的に始まりそうで冷や汗をかきそうじゃい。」
「う〜ん……?僕としてはそこまでかぐちゃんのことを厳しくする必要がないと思うんですけど………。」
「儂もそう思っとるんだがな?清太?………まあ、儂としても誰かの必要最低限の言いつけは守らぬよりも守るほうが良いと思っておるからのう。都とはそういう場所じゃ。しきたり守れんと自分の身すらも守れん場所じゃ。だから、婆様の言い分も分かるんじがのう〜………。
婆様も、儂と同じくかぐやにはのびのびと過ごして欲しいと思ってからそこまで厳しくするつもりないのじゃろう?」
「僕としも、そっちの方が良いと思います。兄貴分としてではありますけれど、やっぱり妹分のかぐやには、もう少しすくすく育って欲しいですからね。」
「そういえば、爺さん。都に行くのはいつごろ?」
「まだ先じゃ。まあかぐやがもう少し成長したらじゃろうから、数年が経ってからじゃな。」
「そっかぁ…数年後か……にしても、ここに私が移り住んでから8年か……もうそんなに経ったんだね…………ズズゥ〜」
「そうじゃな。お主が鴉の神様に招かれてこの村に来てからもうそんなに経った。色々とこの村も変わってそんなこと気にするような暇が無かったからのう。」
まあね。私が住みやすいように、金にがめつい有力豪族の狸爺さんと裏でタックを組んで沢山発展させたからね……。
ここ8年間で、受け入れや子沢山で人口も増えたし、食料の自給どころか交易とかも出来るくらい潤沢になっちゃったし。今頃あの狸爺さんはがっぽり儲けられてホクホク顔だろう。
お陰で、ここは道祖神に祝福された土地って言われるようになったからね。本当に裏で色々頑張ったよ。まあどれもこれもかぐちゃんが過ごしやすい村にしたかったという目的の為に、私が裏で駆けずり回った努力の結果だしね、程良い結果ではあるんだろう。
………いや、だから私は化けガラスだっての。
「………そういえば、月女姉さん。月女姉さんは婿はどうするんですか?月女姉さんも、そろそろいいお年頃になるんでしょう?」
「ブハッ!?……ゴホッ!ゴホッ!…清太くん!急に言葉で刺してくるじゃん。」
「確かにそうじゃな。お前、今は歳は幾つじゃ?」
「に、…………20前半かな?」
嘘です。320歳以上です。ハイ。
「いや、お主初めてここに移り住んできた時は20手前とか言っておらんかったか?」
「僕もそう思います。というかいつからその姿なんですか?僕が成人した後もずっと姿が変わらないですよ?かぐちゃんを産んでから八年以上は経っているんですよ?」
「14歳くらい?……。」
((ジト〜))
「……………あ、アハハハハ。」
………そこら辺考えてなかったな。私。もう少しぐらい見た目とか変えたほうが良かったかな?でも?髪とか伸ばしたり、少し大人ぶって縛ってルーズサイドテールとかにしてるんだけど……?
というか、お爺さん?貴方は私の秘密を知ってるんだから誤魔化す側でしょ?なんでそっち側になってるのさ?
………え?私の脇が甘いことに対する呆れ顔ってこと?
「ま、まあ?乙女の秘密ってことにしておいて?ね?」
「まあいいです。僕は月女姉さんのことは、あまり詮索するつもりはないので。
けれど、生き遅れるとか辞めてくださいよ?村の男達が貴方を取り逃したりした時には、皆悔しがることになっちゃいますよ?ズズゥ〜。」
「その気遣いに本当にいつも感謝してます清太くん。まあ、そこら辺の関係は大丈夫だよ?私としても、かぐちゃんが育ちきると確信するまでは、ちゃんとしっかり線引きしてるからさ。ズズゥ〜。」
い、言えない…………。少しは勘付いていそうなのに、深くは踏み込んでこない、その清太くんの気遣いに私は何も言えない。本当に感謝してます。
「まあ、その時は清太。お前がコイツを嫁として受け取れ。」
「「ブブ〜〜!?」」
「ゴホッ…いや、お爺さん。何故僕が?」
「そ、そうだよ!いったいどういう風の吹き回し!?」
え?いや?お爺さん?私が人外なことを知ってて言ってるんですか?分かりやすくからかうようにニマニマしてさぁ〜?
ねえ?わざとだよね?わざとだよね?ねぇ?お爺さん?
そう私は、顔を赤くして動揺してシドロモドロになっている清太くんに見つからないように今度はジオ目をお爺さんに返すが、お爺さんはわざと知らんぷりを決めて、お得意のお茶目さを発揮して始めた。
「この八年近くの余りお主等を見てきたが、お主等はなんだかんだいって仲良しじゃろう?
それに清太の齢は今年でもう16じゃ。そろそろ嫁を探しても良い年頃じゃろう?なら、丁度良かろう?」
「えっ!?お、お爺さん?あの?ぼ、僕は……その……。」
「初心じゃが、別に取り作る必要はないわい。それで、親は月女のことをどう言っておるんじゃ?」
いやいやお爺さん。ホントにからかいすぎだよ?清太くんとはそういうのじゃないからさ?
私は清太くんとの関係は甥とお姉さんの関係はと思ってるんだからね?
「……まだ話に出てくるくらいしかありませんよ。僕は長男坊じゃないので、親は縁起を結ぶことはまだそこまで言ってこないんです。それよりも田畑の働き手として家に残りって欲しいようですよ?寧ろ、他の兄弟姉妹の半分も婿として他家に吸われているので、これ以上は余り欲しくない感じでした………。」
ほらね?やっぱり清太くんも少し困ってるじゃん?お爺さん?少し悪戯がすぎるよ?ね?やめよう?
目を落として顔を真っ赤に染めてしまった清太くんを横目に、私は一生懸命目配せを配るが、お爺さんはニヤリと居間の方をチラリとみながら更に悪戯げにやらう。
「ハッハッハッ………そうかそうか?逆にいえば、なら?まだ話は出ておらんというわけじゃな?
まあ、うちのかぐやは都に行くのは決まっておるし、かぐやについてはお前にはやれんが、お前の横の姉貴分の女用心棒の懐は空いておるぞ?よかったら儂からお前の家に縁起の話を出しておこうかのう?」
「ちょっとーー!お爺様ぁ〜〜〜!!私の月女は清太兄にあげちゃ駄目だからね〜〜!!私が都に行ったら、今度は召使いとして扱き使ってやるんだからぁ〜〜!!」
その瞬間、かぐちゃんは私に勢いよく抱きついてきた。
― ヒュ〜ン ガシッ ―
「うわっ!?……か、かぐちゃん!?急に飛びつかないでよ〜!?ビッビクリしたぁぁ〜……てっ!?ああ!?お茶がこぼれちゃったじゃん?」
「………あれ?かぐちゃん?お婆さんの説教はどうしたんだ?」
「今さっき終わったわよ、清太兄?
にしても、いい身体してるわね月女?その身体、やっぱり相手いるんでしょ?なら、答えなさいよ〜?ウリウリ〜。」
私の弱点を数々の悪戯で知り尽くしているかぐちゃんは私の一番の弱点である脇腹を、優しくこちょこちょとしだした。
「キャッ!かぐちゃん!くすがらないで、アハハッ。」
私は笑い転げてしまった。その姿をお爺さん達は呆れの目線を向けてくる。
「………なあ、婆様や。一応、説教はしておったんじゃろう?なんか全然反省してなさそうなんじゃが?」
「………う〜ん?…反省の意は示してはいるんですが、本人は説教が終わればケロリと元気を取り戻すんですよ………はぁ……都に行くまでにもう少しおしとやかになったほしいものなんですが……。」
「まあ……切り替えが早いのは良いことじゃし、かぐやは物覚えも良いから一度間違えて、儂等に怒られたり注意したことは繰り返さんからなぁ………。」
「ええ。それが、私としては少し肩透かしですけど………まあ、貴方がそういうのなら、確かにその通りでしょうけど……やっぱりもう一度説教をしたほうがいいかもしれませんね?あんな端ない行為を義兄弟とは言え、目の前でやるとは…………。」
「あ、アハハ……まあ?仲の親密な身内同士のじゃれ合いじゃし?そこまでは儂等は踏み入るべきじゃなかろう?…まあ…顔を赤くしてしまっている清太には気の毒ではあるが………。」
「アハハハッ!ヒー!!ヒー!!」
「この!この!この!その相手を教えなさぁ〜い!!月女!そいつに言ってやるのよ!月女は私の従者だって!!」
「い、いやっ!?別に従者しゃとか―アハハハッ!!ちょっ!?攻勢を強めないで!?アハハハッ!?」
「幸先不安じゃな……。」ボソり
「………そうですね。あなた。」ボソり
「……か、かぐちゃん。嫁の貰い手とか本当に大丈夫か?」ボソり
こんな感じで、日々の穏やかな日常は過ぎ去っていったのだった。
* * *
こんな感じでのほほんと伸びやかに過ごして4年が過ぎた今年の夏となった。
そう、かぐちゃんが都に行く年になったのだ。
そのくらいの年月が経てば、気がつけばかぐちゃんの齢は十二歳となっていて、随分と肉体が大人びてきた気がする。
今までは天使のような可愛さだったが、今では村の若い男達を中心に求婚されるくらいの絶世の乙女になった訳だ。
美人度なら、文のお母さんもとい、天魔様といい勝負だけど、そのかわりなのか、本性というか元の性格がなんかダメな感じな点がどっこいどっこいなのである。
絶世の美女は大体はダメな女になってしまっているのは何故だろうか?
世の法則?にしても、少し不釣り合い過ぎじゃないかな?まさか……作者のせいへ……
………はっ!?電波!?
という話が出たということは皆さんお察しだろう。
そう、かぐちゃんはこの4年ですっかりと我儘な性格の小娘に育ってしまったのである。
なんだろう……小さい頃の文とデジャブ感が否めないんだけど?
「お〜い?かぐちゃ〜ん?いったい?何日外に出てないの?いい加減、膝から頭をどけてほしいんだけど?」
「いやー!!もういいの!私は村から出たくないのよ!!
都も気になって仕方なくてそれはそれで、行きたいけど!このまま、本を読みふけったり書いたりして、すやすやと惰眠を貪りながら、後は永遠にこうやってヒビを過ごして行きたい!!」
「そりゃ、無理だよかぐちゃん?かぐちゃんがいい大人になる頃にはお爺さんとお婆さんも本当にいい年頃になるんだよ?」
「働いたら負けだと思います。」
「はぁ………なんとなく言いたいことは分かるけれど、このままだと、いつか独り身になっちゃうよ?私もいつまでかぐちゃんの世話が出来るかなんて分からないし。ほらっ!立ちなさい!かぐちゃん!少なくとも自立性は持たないと!」
「ギャア〜〜〜ッ!?現実は嫌いよ!そんなもの見せないで!その正論を聞くのはニートにはつらすぎるのよ!!」
「こら?かぐちゃん?わがまま言わないの。」
「いぃ〜〜〜やぁ〜〜〜だぁぁ〜〜!!!!」
私は私の膝下にへばりついて離れないかぐちゃんの身体をどうにか押しだろうとするが、中々とれない。
にしても、かぐちゃんって意外と腕力が凄いね?
今の身体が人間の身体ではあるけれど、それでも人間一人ならば、ヒョイヒョイと掴んでは投げて掴んでは投げてという感じに、簡単にどうこう出来ちゃうのにさ。
引きこもりの運動不足になっているだろう小娘の筈なのに、いったいどこからその力が出てくるのか。本当に不思議である。
「………というか、私の普段から使ってる言葉に毒されてるなこれ。
と〜に〜か〜く!この村で過ごす今年の最後の夏のお祭りなんだから!!行かないのは勿体なさすぎるよ?いつまでも清太くんを待たせるな!!」
「まだ、お昼が過ぎたくらいじゃない!!もう少し後でいいじじゃない!!」
「もうだよ!後一二時間で始まるんだよ!!」
「いぃ〜〜やぁ…〜〜〜!!!私はこのまま月女の膝の上でのんびり甘えながら過ごすのよ〜〜〜!!」
「いい加減行かないと!清太くんを他の女に取られちゃうよ?良いの?」
「それはそれでなんだかムカつくー!!少なくとも、清太兄は私が都に行くまでは絶対に彼女は作らせない!
なぜかって?それはこの村で月女のせいで爆増中の同世代のリア充共を身近にこれ以上増やさないためなのよーー!!ワハハハッ!リア充なんて皆爆ぜろーーー!!」
「いたっ!なんで私がお腹にポカポカ集中攻撃を食らってるのさ?
というか、私は今頃お爺さんと一緒にお祭りの準備に取り掛かってるお婆さんに頼まれてるんだよ?『出不精のかぐちゃんをちゃんとここまで引っ張り出してね。』ってね。
だから貴方のお願いは乳母として、貴方を育てた母としても私は見逃せませんからね?」
「そんな私が知らない所でどうこうしても私は知らないわよ〜〜!聞ぃ〜こえなぁ〜い!!」
「私はかぐちゃんを引っ張り出せないと、お婆さんに怒られちゃう。それに、私はこういう時はどういう行動をとるか、分かるよね?かぐちゃん?」
「…………ん?それはいったいどういう―」
「―とことん徹底抗戦じゃー!このアホな私の可愛い娘め!!このボケェーーーー!!」
私は疑問符をあげていた少し大人びてきたかぐちゃんの身体を無理やり起こしあげて、反応させる間もなく直ぐ様立たせる。
「きゃーーー!?」
すると、訳もわからずに悲鳴をあげいたかぐちゃんは、私の胸に蹲る形で顔を赤く染め上げてしまっていたが、直ぐに我に帰ったようで、赤い顔はそのままに不満顔でその可愛いほっぺたを膨らませながらブーブーと不満を垂れてきた。
そんなにお姉さんを誘惑してるのなら、今すぐに食べちゃうぞ?
「人でなし!人のの頃何処かに置いてきたでしょ!!なんで日陰者の私を日の下に戻すのよ!この鬼月女!!……くっ…それにこの胸……なんでこんなにまた大きくなってるのよ!キィ〜!ムカつくぅ〜〜!!!」
「はいはい暴れない。暴れない。私のお胸が成長してるのは
かぐちゃんが普段からしょっちゅう、お風呂の時や一緒に寝る時に沢山揉んでくるせいなんだからね?あと、かぐちゃん?寝間着は着替えとくからそのまま立っててね?」
「くっ!かんなにがっしりと捕まっちゃったら、動こうとしても動けないわよ!!というか月女!無駄に力強すぎなのよ!!」
「そりゃあ、妖怪退治とか村の用心棒をもう十数年はやってるんからね?当たり前だよ。だから諦めてお縄にかかりなさい。
それに引きこもりのあんたじゃ逆立ちしても私には力で勝てないよ?負け犬は吠えるのは定番だけど、今回は別に叫ばなくてもいいからね?」
「きぃーー!悔しいーーー!!この!胸め!」
「油断したかぐちゃんが悪い。あと、両手で私の左右のたわわを幾らだって揉んでもいいけど、ジッとしてなよ?おめかししてるんだから?……それともおっぱい飲む?」
「この年になって飲まないわよ!ちょっと気にはなるけど……祭りやだぁー!!」
「毎年毎年、祭りの前はどうしてそんなに嫌がるのさ?参加したら楽しみだすくせに。……ン、ちょっと?どこ弄ってるのさ?かぐちゃん?そこは駄目だからね?」
「リア充を無理やり見せつけられるんだも〜ん!!その内いない存在として認識出来るようになるけど、それを考えだけで虫唾が走るもん!!だから嫌なの!!それはこの当てつけよ!ふんっ!」
「なら、誰かと試しにでも付き合えばいいじゃん。…ン……ふぅ…ふぅ………それに?かぐちゃんの美貌なら幾らでも相手は見つけられるでしょ?……ハァ…ハァ…もう直ぐ結婚適齢期になるんだから直ぐに相手は見つかるよ……あの?かぐちゃん?なんで無言で私のたわわの敏感な所を?」
「……………。」
「お〜い?かぐちゃぁ〜ん……ンッ……ね、ねえ?…どしたの?」
なんか、かぐちゃんが私のたわわ弄りに夢中になってしまってようだ。
結構身体がやばめだけど、寧ろ全く抵抗しなくなったんだからおめかしやお化粧を進めるチャンス!!
だから、その間はかぐちゃんの攻勢に身体をビクつかせて身体をくねらせながら変な声を出しそうになりながらも、私はなんとか耐えながら幾らか着替えさせやすくなったかぐちゃんの服を用意していく。
因みに、この時代の結婚の貴族の子女の適齢期は12歳以上からだ。故にかぐちゃんはそろそろそういう時期に突入することになる。恐らくかぐちゃんもそれを恐れてなのかもしれない。
……いや、小さい頃から毎年こうやって私の手を焼かせてくるんだから関係ないか。手がかかる子は可愛いけど、ここまで可愛くて手がかかる子なんて小さい頃の幼い身体だった文くらいしか私は他の例を知らないからね?
あと…そろそろ返ってこないかな?かぐちゃん?
「お〜い?かぐちゃぁ〜ん?私のたわわが大好きなのは知ってるけれど、そろそろ返ってきて欲しいんだけど?」
「……ハッ!?………ふ、ふんっ!……私に釣り合う奴がこの村にいないからその気も起きないわよ!というかロリコンばかりねこの世の中!早すぎなのよ!まだまだ成長途中よ!!」
おっと、ちゃんと意識がこっちに帰ってきたようだ。まあ、手はずっと私のたわわに吸い込まれるかのようにして揉んだり弄り倒したりしてるけど…………。
「はいはい。そうだねそうだね。……なら清太くんは?結構な好青年じゃん?」
「はっ!何を冗談を!!あの清太兄と?馬鹿おっしゃい。
というか、ただでさえ着替えるのは違う意味で嫌なのよ!!こっちは真剣よ!祭りでおめかしなんてして村を渡り歩いたら、村のジジイどもからも変な目線で見られることになるのよ!!なんか嫌じゃない!!」
「そりゃあー。そいつは男の性だよ。あれは本能に刻み込まれてるから気にしないようにすれば大丈夫。
余程、露骨に見てこない限りは、私達にはあまり害なんてないんだから。寧ろ、自慢に思えば良いんじゃない?実際、かぐちゃんはちゃんと美人なんだからさ?」
「何を偉そうに!このモテ女が!!まあ、そろそろ生き遅れるあんたにはもう縁がなくなるんでしょうけど?や〜い!生き遅れー!ば〜かば〜か!!」
「その挑発には引っ掛からないからね?どうせ、今私を動揺させて隙を見計らって逃げ出すか、あわよくば私の情報を引き出そうとしてるでしょ?かぐちゃん?乳母になってまで手塩にかけてきた愛しい私の娘の手口は全て知り尽くしてるんだからね?」
「……チッ、バレてたか…。」
「あっ!舌打ちしたね?はぁ……私か清太の前以外では辞めときなよー?お婆さんが見たら説教されるんだからね?」
「そんなこと誰がするものですか?そもそも、誰が御婆様を進んで怒らせるのよ?
優しいお爺様ですらも私にあんなキツい説教をしたことないのに、怒ったら滅茶苦茶怖い御婆様にもするわけないでしょ!」
「いや……私と清太にはするんだ………。」
「それは………月女と清太は……一生のマブダチでもあるから。」
「はぁ…その美貌で急にデレてこないでよ!なんかムカつく!というか早く大人になれ!!そしたらその時は真っ先に襲ってやる!襲ってやる!」
「きゃっ!急に、服を脱がしてをこないでよ!月女!色々な意味で勘違いしてビックリしちゃうじゃないじゃない!!」
「………はぁ……かぐちゃん……まだまだ身体は子供なんだよなぁ………はぁ………。」
「急に萎えるな!私の肌着姿見たのなら少しは高揚くらいしなさいよ!!毎日見てるからってそれはでしょう!!というか!今の言葉どういう意味よ!!なに?殆ど自分の娘にも欲情するような駄目母ですか?そうなんですかぁ〜?」(笑)
「はいはい。私のたわわをずっと揉み続けている貴方には言われたくないないかなぁ〜?
それも、そんなこと言ってないでちゃんとお着替えしましょうね。『かぐちゃん』?」
「ねぇ!今の言い方めっちゃトゲあったわよ!いつもあんたに悪戯してる日々の仕返しなのね!?ねぇ?仕返しなのね!?そんなのね!?」
と、まあいつも通りのギャーギャー2人で仲良しプロレスを、しながら騒いでいく傍らでは。
私はかぐちゃんの服をいつもの布地の服からかぐちゃんと出会ったあの日の日付を記念として、毎年あげている今年のお祝いである絹製の着物に着替えさせていく。
「…………手つきが際どいわよ。月女。」
「へへ……バレましたか。」
「私の美しい淫らな身体に発情するのはいいけど、程々にしなさいよ。一応母親でもあるんでしょ?」
「まあ?乳母で義母でもあるけどね?………にしても、相変わらず、自分のことに関しては自信満々だね〜?かぐちゃんは?まあ、許可を貰ったんで、遠慮なくしていただきま〜す。」
「当たり前よ?この世で一番美しいのは私なんだから。……って…遠慮はしなさいよ?」
「はいはい。グフフフ……あ〜…かぐちゃん……めがっさ可愛いなぁ〜……。」
まあ……でも、私の知り合い皆揃って美人だったりめっちゃ可愛いからなぁ……。
かぐちゃんは確かに軍を抜いてめっちゃ可愛いけどね。いかんせん中身がかなりのゲスインだからなぁ……。
まあ、それでも愛しい我が子だ。それくらい多めに見て愛するのが親だろう。
まあ、改善は繋がすようにするけどね?
「今、失礼なことを考えてたでしょ?月女?」
「ソウデモナイヨ。」
「……本当?」
「ホントダヨ。」
そんなこんなでお爺さんが有力豪族の狸爺から譲り受けた軽化粧のおめかしをしこんでいくと、かぐちゃんのお転婆で子供っぽい雰囲気は急変して、段々と大人びた雰囲気を醸し出していった。
* * *
そして、すべてが終わった後に、かぐちゃんは自分の変貌ぶりに少し緊張しながらも、背伸びをするように私にヒラヒラと自分の姿を見せてきた。
「……………つ、月女?…どうかしら?これ?」
薄い紅色の着物に、薄手の紺色の帯と、少し長くなってきた綺麗な黒髪を可愛らしい団子風に後ろ髪を纏めて、私から借りている簪を挿した彼女はかなりの美少女だと言える。
私に相手が一人もいなかったら思わず襲ってたかもしれない。それくらい、魅力的で子供ながらも大人な魔性な雰囲気が漂っているのだ。
いや、子供相手にはさすがにしないけどさ?
「うん……凄く綺麗だよかぐちゃん。」
「……そう。まあそんなの当たり前だけど………………ありがと月女。」
そう言って、かぐちゃんはモジモジとさせて顔を赤く染め上げさせながらも私に俯きがちにそう言ってくるので、私は内心『ヤバい!内の娘が可愛すぎて昇天しちゃう!誰だよこんな可愛い娘に育てた親は!?……いや!?私達じゃん!?』と、考えながら、少しキザに丁寧な礼を返した。
「どういたしまして。おみそれいたしましたよお姫様。」
「………急にキザになるわね。月女?」
「ふふ…………良いでしょ?」
「ええ、まあ私の将来の従者候補にしては悪くない出来の礼の仕方よ?」
もう、我が子みたいに思ってたかぐちゃんだけど、ちゃんと着こなしておめかしすれば、いつもの千人が振り返る程の美貌は更に増して、めっちゃ可愛いんだよね。デヘヘ。
と、いかんいかん。リアル光源氏計画をしてるつもりはないんだよ。私は。
少なくとも、私はかぐちゃんに癒しと人間の温もりを求めてるんだからさ。文や影狼ちゃんに対してじゃないんだからあまり過ぎた欲情は駄目でしょ?私?
「まあ、少なくとも私が安心しなくてもいられるまでは居てあげるよ。」
「なら、『ずっと』ね月女。」
「ずっと?」
「そうよ。ずっとあんたは私の元にいなさい。」
「ふふ。そうできたら良いね?」
「……その笑みと言い草的に……私への挑発ね。そのお宝の誘い、あえて受けて立ってやるわよ?私の従者?絶対にそのお宝を捕まえて私のモノにしてやるんだから。」
「はいはい。我が愛しい娘は母親を独占したくなる年頃ですな……いやはやいやはや。可愛いですなぁ〜?」
「あっ!また流した!こっちは本気なのにいつも大人気なさすぎるわよ!!」
「子供が何か臭いこと言ってるな〜。こういう時は大人として流さないとな〜!」
「きぃ〜〜〜!!私は本気なのよ!!」
「はいはい。少なくとも暫くはかぐちゃんの元にいるんから大丈夫だよ(笑)」
にしてもずっとか…………私もそうだったら良かったんだけどなぁ……人間は儚い生き物だからなぁ。
永遠ってのは、中々難しいよかぐちゃん。
…………もう…私は椿ちゃんを失って悲しみも寂しさも沢山味わってるし……。
「馬鹿にしたわね!ドロップキックを食らわすわよ!……あれ?どうしたの?月女?」
「……………。」
「お〜い?どしたの?月女?急に黙って?」
………そういえば祭りか…7年ごとにやってた御柱祭りを思い出すよね……。
「月女?本当にどうしたの?」
「…………。」
もう、椿ちゃんが居なくなってから46回目だっけ………。いや、一昨年の春にやったから47回目だね。
まあ、そのうちの幾つかは〇〇ちゃんとだけどね。でも…あの子ももう亡くなっちゃったからなぁ。
………はぁ……ここ数年は私が担がれる神輿の席は私一人が座るだけだから、少し寂しいんだよなぁ〜………まあ、大事な祭事だし、欠席はしないけれどさ…………。
「お〜い?月女〜〜〜?どうしたの〜?」
「ん?……あぁごめんね。かぐちゃんの着物姿を見てたら、少し昔のことを思い出してね。」
私がそんなことを口走ると、かぐちゃんは顎に指を添えて探偵ばりに考え出し始める。
ふふ……名探偵かぐちゃんの登場だ。
と、まあ、地頭はとてもいいかぐちゃんは直ぐに思いついたようで、少しくらい表情を帯びながら結論を出してきた。
「………そう?やっぱり思い出すのは昔の月女にとっての相手なの?」
「ふふ……御名答。まあ……ただ、昔のことを思い出しただけ。ただ、それだけだよ?だから、かぐちゃんはそんなに気にしたくてもいいよ?」
「………。」
やっぱり、かぐちゃんは凄く頭がいいのね?
でも、ここでする話じゃないよね。なら、話を変えるとしますか。この話をまだまだ子供のかぐちゃんにするってのは気を利気後れするし………。
「それじゃ?準備も整ったんだし、いい加減祭りの方に行こっか?そろそろ清太くんも家の前に来る頃だろうし。」
私がはぐらかすように話を変えると、黙ってしまっていたかぐちゃんは元の元気を、取り戻しすかのようにいつもの調子に戻った。
「そうね!今日もリア充を高みから見て、一緒に嘲笑いに行くわよ!月女!」
「ね?かぐちゃん?…………それって、私も毎年やらなきゃ駄目なのかな?」
(次回に続く。)
読者の皆様にとっての女オリ主のイメージを教えてください!
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可愛い! ここに皆入れてね!
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格好いい! そう?まあそれもありだね?
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美しいね! エヘヘー分かってんじゃん!
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変態! でも変態なお姉さんは好きでしょ?
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人情姉さん! 私についてきな!君達!
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大人なお姉さん! 妥当だよねー!うふふ♪
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乙女だよ! 分かってるねー!
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人妻最高! 良い子の皆は入れないでね?
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未亡人最高! なんか投票欄が怪しくない?
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もっと強くなれよ! あっはい、頑張ります
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ポンコツだね。 ん?これは褒め言葉?