化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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 ふぅ〜疲れるぅ〜。

やっぱり思いますが戦争物は書くのが非常に面倒くさいですね。

 状況や戦法を絞り出すのに、過去の戦を調べたり、因果関係を合致させるために、頭を沢山使って、案を出しては捨てて。案を出しては捨ててを繰り返してやっと出てくるんですよね。

 正直言って今回のパートを書いてみて、戦記を創ってる人の努力を理解したし、尊敬するようになりました。

 だから、皆さんも戦争モノを書いてる人の文句をあまり言ってはいけませんよ?

「必殺、戦記ものバリヤ!!!」

 効果は簡単。読者はアンチコメが出しにくくなる!!!






15羽:「諏方大戦『破』①」〜絶望の淵〜

 

 

 小手調べは終わり、本当の戦が始まった。だが、そこは地獄だった。

 

 そもそも、何で今まで疑問に思っていなかったんだろうか?

 

 相手がゆっくりと進軍してきていた理由のことを。

 

 相手は、補給線を維持しながら進んでいたんだ。大軍にはそれ相応の補給が必要だ。まずは軍事物資を運ぶ者を雇う為の消費や食料の配給。それを届ける為の安定した補給路の確保。

 

 本来、他国への遠征を行う場合、移動する時に脱落者が少なからず出てしまう。それが大軍での行進なら尚更だ。

 

 だからこそ、国境付近で補給路の下準備を済ませ、わざわざ侵攻を開始してから補給路を延ばしながらゆっくりと侵攻していたのだ。

 故に、兵士の士気は安定して高く、兵装は強固であった。それは一兵一兵の質の向上を意味していた。

 

 

 結論。

 

 八阪神の手勢は数と質共に優れていた。

 対して、戦慣れしていない兵士が多くいて、一兵一兵の質の良くない私達洩矢神の手勢。

 

 その差は思う程に大きく、八阪神の手勢は私達洩矢神の手勢を圧倒した。

 

 それは私と椿ちゃんがカバーしきれない程の戦力の差を生み出そうとしていた。

 

 

 

「ぎゃあっ!?」「痛えよぉ!!」「母ちゃぁ゙ぁ〜ん!助けてくれぇ〜!!」

 

 

 目の前で、守りきれなくて敵の刃に襲われ倒れていく仲間達を見やる。状況は絶望的だった。

 

『早く!飛燕さん!!油断は禁物ですよ!!今は母上を信じて戦い抜きましょう!!』

 

『分かってる……あっ!!椿ちゃん危ない!?』

 

『えっ……キャアッ!?』

 

 私は椿ちゃんに当たるであろう流れ矢を防ぐ為に椿ちゃんを突き飛ばした。

 

 

『イテテ…………椿ちゃん?平気?』

 

『飛燕……さん?どうして………私を……庇って…………お、お腹から血が出てます!!早く手当てを!?巫女さん達が直ぐに対応してくれますから!!』

 

『何言ってるの?………椿ちゃん……私には必要ないんだよ。』

 

 

『そ、そんな…………しっかりしてください!!死んじゃ駄目です!!!』

 

 

 

 時間は2時間前に遡る。

 

 

 

――――

―――

 

 

 

「洩矢の戦士達ぃ!!聞けェ!!

 

 これから敵の本陣が迫ってくる!!恐らく今度の敵兵は先程の兵達の比ではないだろう!!数も多い!このまままともにぶつかるだけではとても勝てないだろう!!

 

 だが、勝つ方法はある!!

 

 私と八阪神の一騎打ちだ!!私が八阪神のいる所まで進軍する。それまでの間、私を護衛してほしい!!

 

 神同士では、一方の神がもう一方の神に決闘を迫られれば断ることは不可能だ!!だからこそ、これが勝ち筋となる!!

 

 だが、一騎打ちをしている間、周りの敵軍はお前達を少しでも狩ろうとし、襲いかかってくるだろう。

 その時にはお前達には大きな犠牲を伴う!!だが、これしか方法はない。

 

 そして、私は必ず勝つ!!

 

長引くかもしれない!………それまで、耐えてくれるか?」

 

 

『うぉぉぉぉ!!!!』『洩矢神様ァァァ!!』『我らは神と共にぃーー!!!』

 

 

 『『『『ウオオオオオオオオオ!!!』』』』

 

 

「私についてこい!!共にこの国を守るぞぉぉ!!!」

 

 

 『『『オオオオオオオオオオ!!』』』

 

 

 

 「行きますよ?飛燕さん。私の先導お願いします!!私は兵達の先導をします!!」

 

 「任された!!」

 

 

 こちらが突撃すると分かれば、八阪神の兵達も動き出した。やはり先程とは違う。しっかりと訓練された軍人を元に程よく農民兵たちが鍛えられているのが分かった。

 

 そして、敵兵達は戦列を作って突撃している私達に向かってゆっくりと前進しながら槍矛を揃えるように突き出してきた。戦争の戦列の先頭の兵たちが構えるシーンでよく見る迎撃の構えだ。

 

 

 槍矛は集団で揃えて構えるだけで十分な脅威だ。このまま無策に突っ込めば先頭にいる全員が串刺しになるだろう。

 

 私が小5の頃、悪ふざけで親友に見せられた戦争物の映画。そこでは最前線の兵士達は大体が死んでいる。それはそうだ。前から後ろからも迫られて逃げ場も避けようとする場所も無いまま、味方からの肉壁として死んでいってしまう。

 

 槍や剣に串刺しにされた兵士の姿は正直言って今でも思い出すほどのトラウマを私と親友に残した。それ以降、私は元々グロいのは苦手だが、血を見るのも見たくない程、『そういう物』には敏感になった。親友はバトルジャンキーになっちゃったけど……それが親友がヤンキーになって不良たちを締め上げるようになった原点だった。

 

 

 だが、今回は違う。前世とは違って、ここは妖力や神力、霊力がある世界。それだけじゃ、私達は止まらない。

 

 

 ―アトマスティックバースト―

 

 

私の放った空気の塊の暴力によって、戦列の一部が吹き飛ぶ!!

 

そして、私と椿ちゃんを先頭に皆切りかかっていった。

 

 

 

 

 辺りは殺し合いが起こっていった。映画の様な滅茶苦茶な乱戦ではなく、集団規模での潰しあい。

 

私も、椿ちゃんとペアのように背中合わせになりながら能力や神力を使いながら敵兵を殲滅しながら突き進んでいった。

 

 

 特に、私達の方はその傾向が強かった。私達の今の目的は諏訪子様を洩矢神の所に運び出すこと。

 

 だから、犠牲を少なくするように皆で固まって、とにかく私達は八阪神のいる方向まで突き進んだ。

 

 そして、それは上手くいった。八阪神の兵士達はそのまま全軍突撃してくるとは思っていなかったようで、対応が間に合わず、私達の勢いと私と椿ちゃんの突破力に押し込まれてしまっていた。

 

 

 

 だが、それは相手の思う壺だった。

 

 やはり軍神。こちらの動きなどお見通しだったのだろう。八阪神のツルの一声の命令で、気が付けば一気に後方の部隊と前方の部隊を分断されてしまっていた。

 

 

 敵はこちらの戦力分散を狙ってこのまま各個撃破をするつもりだ。

 

 本当に、神様ってのはデタラメだ!!こんなの『神の目線』じゃなきゃ直ぐ様対応出来る訳が無い!!

 

 

 神は人間とは違う次元で物事を見る。例えるなら、一人称を見ながら俯瞰して物事を見ることができる。

 

 ようは戦略ゲームのプレイヤーが見るような神のような目線を神様は出来るらしい。元人間の私じゃ絶対に出来ない。本当の神業だ。

 

だか、この自体は起こってもおかしくはない。なぜなら、今私のやっている行為は相手からしたら自爆覚悟の特攻だ。当然、こっちに不遜な自体が起きることは覚悟していたが、それでも感情は人を揺さぶってしまう。

 

 

「こ、このままじゃ、後方の部隊が!!取り残されてっ!!救護班にいる大巫女さんや巫女さん達が!!」

 

 

 椿ちゃんは悲壮な叫び声を上げて動揺してしまっていた。

 それはそうだ。大巫女さん達の殆どが椿ちゃんが小さい頃から

お世話になってる『家族』のような人達。そんな大切な人達が危険な状況ならば誰だって動揺してそっちのけで向かってしまうに決まっている。私だったらそうする。絶対に。

 ただ、今だに攻撃の手を緩めないのは風祝としての今までの経験か、諏訪子様がこちらにいらしていることによる迷いの原因か……。

 

 が、戦争は感情的になっていった者から死んでいく。

 

 けど、私は心は人間でも精神構造は妖怪だ。小手調べでそれは自覚しているし、妖怪はそんなことで精神を揺さぶられない。だから、私は冷静だった。

 

 けど、人間は違う。殆どの人間は精神構造が弱い。そこをカバー出来なきゃ、あの『十六夜の月』の夜の時に諏訪子様に預けられた椿ちゃんの命を守れなくなる。

 

 だから、私はそれ以上の動揺を抑える為に声を張り上げた。

 

 

 

「私が救援に向かう!!椿ちゃん!!それまでは止まらないで!!

 最優先はこのまま前方の部隊に紛れている諏訪子様を八阪神の前まで運び出すことだよ!!

 後方に取り残された人達もそれは分かっている筈!!寧ろ敵兵の意識が分断されて、前の方の陣が薄くなってる!!

 

「でも!?私も―」私を信じて。

 

絶対に救い出すから!!だから諏訪子様を任せたよ!!」

 

 

 

「はいっ!!!必ず届けます!!!」

 

 

 

 そうして、私は鴉型に戻って1人取り残された者達の救援へと向かった。

 

 

 

 * * *

 

 

 

 一方、後方に分断され、残されてしまっていた兵士や巫女達は臨時に指揮をとっていた大巫女のお陰で、何とか陣を組み、自分達の身を守ることに成功していた。

 

 それに、相手も、前方の部隊のほうに洩矢神様がいるのは分かっているのかこちらの圧力は比較的少ないのも取り囲まれて、勢いを潰されていながら食い破られていないことが最たる理由だった。

 

相手の最優先は洩矢神様の身柄なのだから。

 

 そして、もう一つ大きな理由があった。それは指揮を執っている大巫女を中心に巫女達が霊力による術や結界術で後方の部隊を守っているのが大きかった。

 

 部隊を球円のように丸ごと囲っているわけではないが、それが敵の侵入を、大きく阻む小さな策や壁の役割を果たしていた。

 

 

 しかしらそれでも長くは続かない。結界術は体力を大幅に消費する。このままでは巫女達の体力が持たない。常用している霊力による術はあまり攻撃には向かない。元々人ではなく物の怪を退治、又は封印するための術だ。

 

 それに、守ってばかりでは意味がない。攻撃が最大の防御だというように、このまま亀のように守っているばかりでは死までの時間を延ばしているだけだ。

 

 

「邪魔な壁だな!!無理やり壊せ!!どうせ人が作った何かの術だ。攻撃し続ければ疲弊していつかは壊れる!!」

 

 

 そして、優秀な指揮官である将達が最も脅威的だ。戦慣れしているのもあり、対応が早く、こちらの弱点を速やかに暴き出して兵達に命令している。

 

 

(このままでは全滅。しかし、我々が囮になれば諏訪子様が八阪神の元に辿りつける。もとより妖怪退治に身を捧げた身。いつでも死ぬ覚悟は出来てます。それは部下の巫女達も兵士達も同じ。だから、今は少しでも耐えて敵を多く引きつけることを優先しましょう。)

 

 大巫女は時間を稼ぐことを重視し、自らの命を捨てる選択肢を視野に入れて指揮をとっていた。

 

 

 そして、巫女達の限界が訪れようとした時、大巫女は自らの命を投げうつことで発動できる大結界を発動する覚悟を決めようとした。

 

しかし、絶望に追い詰められた自分達のことを神は見捨てなかった。

 

地面から大蛇が、飛び出して自分達の周りの敵兵を蹴散らした。

 

「ミシャグジ様!?なぜ!!」

 

 

その大蛇は洩矢神様が使役し、頼っている最も高位な呪詛神。いわゆる従属神だ。それが何故かこちらに来ていた。

 

 

そして、私達を一瞥したあと、フワリとミシャグジ様は消滅した。

 

 

 恐らく、一次的な召喚。

 

 元々洩矢神様が力を使わないのは軍神との直接の戦いに備えて、力を消費しないためだった。それを投げ売ってまで私達を救ってくださるということはそれ程私達を大切にお思いなさっているということ。

 

 

(これでは、命を簡単に捨てられなくなってしまった。……洩矢神様は私の心なんて、全てお見通しだったようですね。。)

 

 

 元々親が両方死んでしまったせいで孤児になり、路頭に迷ってしまって死を待つだけであった所、洩矢神様に拾って頂いたこの命だったが、『まだまだ捨てどころではない』ということなんだろう。

 

その考えは当たった。最近椿様に初めてできたご友人である鴉の道祖神様が私達の救援に現れたからだ。

 

その鴉の神様は敵兵が怯んでいる所をその武器を使って多くの石を撃つことで薙ぎ祓い、こちらが立て直す隙を与えてくれた。

 

 

「大丈夫だった。大巫女さん!!」

 

 

 こちらが立て直せた所で私に向かって降りてくる飛燕様。お人柄が優しいこの御方は私達を優先して救出しようとしてくださったようだ。

 

 本当に優しいお人だ。この優しさが椿様の心の冷たい雪を溶かしてくれた温かさのその芯なのだろう。

 

 戦の最中なのに飛燕様の姿を見て思わず笑顔になってしまう程には私も絆されていたようだ。

 

 

「大丈夫です。それよりも巫女達の体力が減っているようです。」

 

「分かった!!それまでの少しの間、私が足止めしてくる!!」

 

 

 そう言って、紺色の鴉に変化してさっさと敵兵達へと飛び立っていく飛燕様。世話しなく動き回る様はある意味神らしくない。本人は妖怪でもあると言っていたが………。

 

 

(どうして貴方はそこまでして人に寄り添えるのですか?)

 

 

 戦には関係ないことを考えてしまうくらいには肝が据わっている大巫女だった。

 

 

 

 * * *

 

 

 

 ふぅ〜。良かった。何とか大巫女さんの部隊の合流は出来た。

 

今は足止めをすることを集中しろ。

 

 

 私はその両手に持つ拳銃をしっちゃかめっちゃかに撃ちながら敵兵達の命を奪いとっていく。

 

 この武器は元々は昔見た、家族を悪党に殺され、復讐を誓った女性達がカーウーマンになって成敗するという内容の映画を元に作った武器だ。前世で似たような経験があったので少しだけ古い映画でもCD屋見てしまった事があった。

 

 その時に出てきた拳銃を元に再現して作った代物だが、火薬とかは使ってないので推進力は能力で代用している。

 

 元々ロマン溢れる作りを再現するためにてゐと悪ふざけで作ってみたのが誕生理由だが、今ではこの二丁の拳銃は相棒である。

 

 名前はつけている。白いのが『白幻』。黒いのが『黒妖』だ。安直だけど格好いいネームセンスだと思う。

 

 

 

 そして、能力はイメージだ。

 

 だから私は一番印象にあるこの二丁を使うことで石の弾丸の威力を高める為のイメージアップすることで『最初期の石を投げるくらい』の遅さと威力から『音速を越えた速さと岩を砕く程』の威力へとバージョンアップさせることが出来たのである。

 

 まだ威力なんて現代の銃くらいしかないのでこの人外魔境の強敵が溢れる環境では、中々活躍出来ていない不憫さが若干あるが、このような多くの敵と退治する時では大活躍だ。

 

 

心無しか武器達も活躍の場ができて喜んでいる気がする。私そんなにカッコつける柄でもないんだけどね……。

 

 

 

 けど、それだけじゃ火力は足りないので、時々軽めの威力を『アトマスティックバースト』を小出しにことで相手に大巫女さん達に大勢接近させる隙を与えない。時々撃ち漏らして少しは近づいてしまう敵兵もいたが、少数なので洩矢の兵士達が対応くれているので問題はなかった。

 

「気にするな、今の私の役割は大勢を足止めすること!!」

 

 

 ― ダダーーーーン ―

 

 

 

 

 

そうして、足止めを続けて数分後。

 

巫女さん達の体力が回復したようで、大巫女さんが声をかけてきた。

 

「行けます!!」

 

「よしっ!!椿ちゃん達に追いつくよ!!!」

 

 

私は思いっきり風を飛ばして八阪神の兵士達を軽く吹き飛ばした。

 

 

「さぁ!!反撃の時です!!!洩矢の戦士の意地を今見せましょう!!」

 

『『ウオオオオオオオオオ!!』』

 

 

 

 

(次話に続く。)

 

 

 




 

作者」「ほ、ほのぼのが……ヤラれた!メディーック、早く来い!!……生きろ。まだ死ぬな!ほのぼの!?一緒にコミケ行くって言ってただろ!?」


㋭「す…済まねえ…俺の出番はここまでかもしれない………」


作者「俺がお前を殺させない。待ってろ。直ぐに助けを呼んでやる!!それまで寝るな!!意識を保て!!」


シリアス「ケヒヒヒヒッ。今は俺の時代だ〜!!!」




 ギャグとほのぼのが書きてぇ…


暫く後の話になりますが、もしこの小説で登場する天魔様の性格はどうな風がいいですか?参考程度に教えてください。

  • めっちゃ頑固親父風の父ただし親バカ
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  • 怠惰で不器用影で色々してる父ただし親バカ
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