化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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やっとじゃ〜〜〜やっとほのぼのが書けるようになるぅ〜〜!

シリアスの中を走り抜けられた〜!!!うおぉーーー


今回ら少し長めです。シリアスばかりだったのでその反動です。




18羽:「シリアスはもうお腹いっぱい。けど温度差がひどい!!の回」

 

 

 私達は呆然としてしまっていた。

 

 

 

 諏訪子様が………負けた……………。

 

 

「そ、そんな……………。」

 

 

 椿ちゃんが震える声で呟く。一番信じていた分ショックも大きかった筈だ。

 

 

 

 そこには血だらけで倒れている諏訪子様がいた。まだ命に別状はなさそうだが、これ以上は戦闘なんて出来ないくらいにはボロボロな状態で丸まっていた。顔は向こう側を向いていてこちらからは確認できない。

 

 

 

 私は頭の中が真っ白になったが、反対方向から動く影が見えたので反射的に私と椿ちゃんは構える。

 

 

 その影はやはり八坂神だった。

 

 

 

 八坂神神は満身創痍の様子で立ち上がると、私と椿ちゃんに向かって歩き出した。体力も残り少ないようでフラフラだ。顔も傷だらけで、私達と対して変わっていない。

 

 

 

 けど、何故か八坂神は満足したかのようにスッキリとした笑顔になっていた。

 

 

 

 段々と近づいてきて、そして、警戒している私と椿ちゃんとは裏腹に無防備に目の前に立つと、開口一番に突拍子の無いことを言いだしてきた。

 

 

 

 

「いやぁ〜参ったねぇ〜〜。いやぁ〜!!勝負には勝ったけど、戦いに負けるとは。諏訪子の言った通りだ。この戦は私の勝ちだけど、諏訪子とあんたらには敵わなかったよ。」

 

 

 

  「「…………へ?」」

 

 

 

 

――――

―――

 

 

 

 

 時は諏訪子と神奈子が全力でぶつかったときまで遡る。

 

 

 

 この時、神奈子は自らの負けを悟っていた。何故なら、自分よりも多い神力と、その呪詛による力、そして自分にはどこか足りないその地力による差が明確に出ていたからだ。

 

 

 倒れるまでは無かった筈の力、後出しの様に湧き出るその力、そしてその目に宿る闘志。どれをとっても負けており、最早心のそこから悔しさなんて感じないほどに負けを認めていた。

 

 

 

 

 しかし、神奈子は本当に満足していた。何故ならば自分の宿敵と言っても過言ではない程の者に負けて滅ぼされることに何の疑念も無かったからだ。

 

 

(満足した………最後は凄く楽しかったな…………。)

 

 

 

 そして、2人の拳同士がぶつかり合った。

 

 

 

 自分はこの時、滅ぼされると思っていて、拳がぶつかった後は目を閉じていたが……………

 

 

 

 

 

 (おかしい…………何故何も起きない?)

 

 

 

 

 

 目を開けると、そこには見覚えのない空間が広がっていた。

木造の神社の中にあるような本社のような。光が差していてやけにリアルさが出ているが、生き物や風の音が全くない静寂がそのリアルさを打ち消していた。

 

 

「ここは………」

 

 

「洩矢神社だよ。神力で一から再現した空間だけどね。」

 

 

振り向くと、そこには先程までぶつかり合っていた洩矢神、いや諏訪子が立っていた。

 

 

 分からない。止めを刺さず、こんなことをするのかは理解出来なかった。それもこのような大規模で精密な結界術と神力を併用しているのか。

 

 それは自らの力を無駄に消費させていることを意味する。

 

 だからそのようなことをするのか分からなかった。

 

 

 

 

「…………何故このようなことを?」

 

 

「それはその内分かるさ。今はのんびり待とう。」

 

 

 

 

 そう言って、諏訪子はまるでついてこいと言っているかのように境内へと黙り込んで出ていった。

 私はそれに従って諏訪子の後ろを歩いていく。そして、ある縁側に出ていくと、そこで洩矢神は止まった。

 

 私もそこで歩みを止める。するとさっきまで黙っていた諏訪子がひと言また話した。

 

 

「ここで今から起きることを見ていてほしい。」

 

 

 

 そう言って、洩矢神社の中を見やる諏訪子。訳も分からなかったが私もただ言うとおりに諏訪子が向いている方向を見る。

 

 

 そこには誰もいなかった……が、暫くすると3人の少女達が本社の玄関から入ってきた。

 

 全員が手に幾つかの竹を持っている。

 

 何やら話ている様子だが、声は聞こえない。しかし、とても楽しそうに話ているのが3人の表情から分かった。

 3人は見たことのある格好……いや、戦の時に気になっていた3人だった。先頭に洩矢神と現人神、そして何故か平気でここにいる中途半端な化け鴉。

 

 

「…………ここはね。私の記憶の中を再現したものなんだ。つい数日前のなんてことない日常なんだけどね。」

 

 

そう言って、とても良い笑顔で話す諏訪子。分からない。

 

 

 

「何故………どうして…?」

 

 

「取り敢えず見てみなって。」

 

 

 

 

 諏訪子の言うとおりに、もう一度3人が話している様子を見やると、中途半端な化け鴉が縁側に向かってスタスタと向かってくるがそれは私と諏訪子のいる方向だ。

 内心こちらに気づかれると思っていたがそんなことはなく、口笛を吹いている様子の化け鴉は私と諏訪子をそのままぶつかったりしないまま通り抜けていった。

 

 

 

………どうやら本当に記憶の中の空間にいるようだ。

 ただそれだけの空間。罠や害意のある空間ではない。私に何かを見せたいという目的だけの空間。

 

 

そして、残った2人もポカンとした風な顔を見せた後、おずおずと化け鴉の後についていって縁側の外にでる。

 

 

「そろそろ声もつけたそうか。少しだけ消費が激しくなるけどね。まぁ、大丈夫でしょ。」

 

 

そう言った諏訪子が何か変化させる。すると、急に声が聞こえてきた。あの化け鴉の声だ。

 

 

『フフ〜ん!!今に見てくださいね?これを使って流しそうめんって物を作るんですよ。』

 

 

『『ながしそうめん?』』

 

 

『そうです。まあ…………由来は知りませんがそうめんという小麦で作った細長い食べ物を水で流し、流れてきたそうめんを拾って『つけダレ』というものにつけて食べるんです。』

 

 

『へぇ〜…それでこの竹を水を流すのに使うってわけ?』

 

『そうめん………成る程……聞いたことないですが美味しそうな名前です。』

 

 

『そうめんは巫女さん達に教えて、今作ってもらってる所だから、作り終える前に、その竹を使って水を流す台を私達皆で一緒に作って行こ〜う! オーー!!』

 

 

『神に造らせるとは……なんというか…………。』

 

 

『まあまあ、諏訪子様。ここにいる全員が神様なんですから。』

 

 

『確かにそうですね。それに、神様以前に私達はもう『家族』のようなモノですからね。余り気にすることでもないですね。』

 

 

『ちょっ!?ツバキ!お前を嫁にした覚えはないぞ!!』

 

 

『早とちりは辞めてください。諏訪子様。私と椿ちゃんは列記とした友達ですよ。』

 

 

『何ぃ〜〜〜!?貴様、飛燕。私ののツバキが気に入らないだと?どう言う了見だあーー!!?』

 

 

『ちょっ!!母上!?色々と混雑してますよ!!』

 

『そうですよ!諏訪子様!!取り敢えず、その呪いを納め―ギャァァァ!!』

 

 

『悪霊退散だぁぁーー!!!!』

 

『うぎゃあーーー!?』

 

『ひ、飛燕さぁ〜〜〜ん!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………色々とごちゃごちゃしているな?」

 

 

「アハハハ………ま、まあいつものことさ。」

 

 

 

私はジト目で隣にいる諏訪子を見ると、その諏訪子は白黒した目で後ろの頭をかいていた。

 

 

 なんというか……拍子抜けというか…………。

 

 

 

 

「どう?肩の力は抜けた?」

 

 

急に、そんなことを言ってくる諏訪子。なんだ?

 

 

「何を言って?…………確かに抜けているな…………。」

 

 

「そう。良かったよ。」

 

 

 

諏訪子はそう言って、どこか安心したかの様に、はにかんだ。

 

 

よく分からない。なぜ、私は……この風景を………なんなんだ?この心の中で滲んでくる温かいものは……?

 

 

「さてさて、もう少し見てみようか?」

 

 

 私の心の動揺を気にしないかのように諏訪子は続きを促してくる。正直いって少しだけこの空間が怖かった。

 

 

 余りにも緩やかで暖かくて心地よい空間………。

 

 

 それは、今まで争いと闘争、そして殺し合いしか知らなかった。神奈子にとっては全く知らない初めての体験だった。

 

 

 

 故に、怖い。しかし、ずっとこの空間にいたいと思ってしまっている自分がいる。

 

 

 彼女が混乱しながらも、それでも記憶は流れる。神奈子と諏訪子を連れて。

 

 

 

 

『諏訪子様は一番下を支える低い所の台を作ってください。椿ちゃんは諏訪子様の手伝いを。私は細かい竹の切り分け作業をしますので、後は順に大きく竹の台を作って生きましょう。途中からは私と椿ちゃんで作っていきましょう。』

 

 

『ん〜?遠回しに私の体型を悪く言われているような…?』

 

 

『母上っ!!早くやりましょう!!なんだか楽しそうです!!』

 

 

『ちょっと待って、ツバキ。わ、分かったから服を引っ張るな。布地が伸びる!!』

 

 

『いやぁ〜おじいちゃんに竹の加工を教えてもらって良かったなぁ〜。こういう時に、こんな技術が役立つとは思わなかったよ。ありがとう、おじいちゃん。』

 

 

 

ワチャワチャしながらも楽しそうに作業を進めていく少女達。

その表情はとても楽しそうだ。

 

そして、何度か倒れたり失敗しながらもなんとか少女達は『流しそうめん』なるもの装置を完成させた。

 

 

『よしっ!!完成だぁ〜!!!』

 

 

『凄いですね!!これの規模を大きくしたら灌漑施設として役立てそうです!!』

 

『けど、ここらは水が豊富だからいらないんじゃない?』

 

『……あ。確かにそうですね。』

 

 

『難しいことは考えないで、一緒にそうめん流しましょう!ちょうど巫女さん達もそうめんとつけダレの容易も終わったようです!』

 

『そうですね!流しそうめん。楽しみですね。』

 

『所で水はどうするの?』

 

 

『フッフッフッ……諏訪子様、それについては大丈夫です。ここに流れる湧き水を使います!!』

 

『罰当たりだな……私はここの神様なんだけど……?』

 

『母上。それは皆神様ですので。』

 

『そうだった。』

 

 

『それじゃあ、お二人は大巫女さんと巫女さん達を呼んできてください。私は水を流せるようにある細工をしますので。』

 

 

『細工?』

 

『まあまあ、それは秘密です。』

 

『ふ〜ん?』

 

 

 

 記憶の中の諏訪子と現人神が巫女達を呼び出す為に台所へと離れていった後、化け鴉はふう〜と息を吐いた後、何か青色の中が空洞になっている長い縄?を神力で錬成した。

 

『チューブはこの時代にはないからね。それにこの技術も。』

 

 

 そして、その『ちゅーぶ』といった縄のような物の片方を湧き水が出てくる場所に垂らして、もう片方は一番高い台の近くに持っていった。

 

 

 神奈子は、その光景を見てこの時戦慄した。

 

 なんと、何度か息をちゅーぶなるものに吹き込み吐いただけで、水が勝手に出てきたではないか!?

 

 

「なっ!?」

 

 

 私は何か別の興奮を覚えた。

 

 知りたい。なんだそれは。どういう仕組みだ?これを知れば色々な事が出来るな。

 

 

そんなことを考えていると諏訪子は難しい顔をして話しかけてきた。

 

 

 

「本当にこれについては後で聞いてみたけど、詳しく説明されても余り分からなかったよ。けど、彼女は神として妖怪として若いのに色々なことを知っている。まぁ、今はそんなことはどうでもいいけどね。」

 

 

「……まあいい。後で本人に聞かせてもらうか。生きているだろうしな。」

 

 

 

 そうして、出てきた水を台の上に流していると、丁度巫女達を連れてきた諏訪子と現人神が出てきた。

 

 

 

『なんだそれ?これが細工?』

 

『そうです。』

 

『凄いですね!まるで奇跡です。』

 

 

 巫女達も大巫女も歓声を上げている。それもそうだ。まるで一つの生き物のように大きな建物のような置物が独りでに動いているように見えるからな。

 

 私はいつの間にか夢中で見ていた。戦や殺し合いでは味わえない興奮が合った。

 

 

大勢が集合したことで、皆が、それぞれ食事の準備をしていく。そして、全員が位置についたあと、化け鴉はそうめんを流し始めた。

 

 

 

『それでは流しますよ〜!!』

 

 

『なんだか楽しくなってきたな!!』

 

『そうですね。母上!』

 

 

 

初めての体験で、慣れない様子だが、大巫女達も皆笑顔で次々と、流れていくそうめんなる物を箸でとっていく。

 

神器である箸を使うなど、かなりの罰当たりだが、この神社の神が許しているので良いのだろう。

 

 

そうして皆が『流しそうめん』を楽しんでいく。

 

 

 

「ここからが私が本当に見て欲しい所だ。」

 

「ここからか?」

 

「どうせなら、私達も楽しもうか。『流しそうめん』」

 

「……出来るのか?記憶の中だろう?」

 

 

「出来るに決まっているだろう?私の味の記憶も再現すればいいだけだ。どうやら忘れているようだが、神は万能だからな?」

 

 

 言って諏訪子は自慢げな顔をした後、縁側に向かって歩いてきて、縁側にあった誰も使っていない残っていた箸とツユダレの入った竹筒の入れ物を2つずつ持ってきて私に1つずつ渡してきた。

 

 

「さて……幾つか皆が逃した流しそうめんが合った筈だ。少しだけなら私達もありつけるぞ?

 これでもそうめん合戦は白熱していたから多い方だ。少ないのは我慢してくれ。」

 

 

 

 私は意味も分からず諏訪子の行動を真似し始めた。記憶の中の彼女らのそうめんの取り方を見ながら私も同じ風に取ろうとする。

 

 

 が、先に諏訪子に取られてしまった。諏訪子はその横取りしたそうめんをツユダレに浸けて、それはそれは美味しそうに啜った。

 

やけに腹が立つな…………。

 

 

「あっ!?それは私のそうめんだぞ?」

 

 

「やっぱり美味しいな。流しそうめんは。ほらもう、そうカッカしなくても大丈夫さ。神奈子。こういうものさ。それにちゃんと直ぐに次が来るよ。………ほらっ次が来た。」

 

 

「そうか?………来ているな。」

 

 

諏訪子が見る方を見ると、そうめんが流れてきていた。

 

 

 今度は諏訪子に盗られなかった。目の前のそうめんを啜るのに夢中だからだろう。しかし、私のことを応援するかのように声かけをしてくる。

 

 

「ほらっ!今だよ。」

 

 

 そんなことをしても無駄だろうに、私にとってはこんなものどんな武器を扱うことよりも簡単だ。それは神ならば殆どが簡単に出来る。普段から人間が箸を捧げてくるからな。

 

 

 だが……そうされても悪くない気分だった。

 

 

 スイッとそうめんを掬い上げる。自分でも完璧な動作でそうめんをとれたと自負しているほど完璧だ。

 

「やったね。」

 

「ふんっ、こんなことは容易だ。これくらいでは喜ばん。」

 

 

「まあまあ、食べてみなよ。」

 

「言わずとも食べるさ。そう急かすな。」

 

 

 そうして、私はそのそうめんをツケダレに軽く浸して勢いよく啜った。

 

 

「……………確かに、美味しいな………。」

 

 

…………正直驚いた。この喉にツルリと通る感じ、中々に良い。ツユダレも巫女達の腕が良いのかこのそうめんの味を引き立てていて、夏の昼間には丁度いい爽やかさがある。

 

 

「そうだろう?何故か、味だけじゃなくて心の底でも美味しさを感じない?」

 

 

「………ああ。……これがお前が教えたかったことか?」

 

 

 

私がそう問いかけると、彼女は『チッチッチッ』と舌を何度も鳴らしながら人差し指を振った。

 

 

「……私が君に教えたいことはそれだけじゃない。それはこの後直ぐにはっきりとわかるさ。」

 

 

「?」

 

 

 

 

『あの〜、皆さぁ~ん!!私の分も少しは残してくださいねぇ〜!何せ私も久しぶりなので〜!!!』

 

 

 

『ごちゃごちゃ言ってないでさっさと次を寄越せ!飛燕!』

 

『飛燕さぁ〜ん。私、この流しそうめんというもの、幾らでも食べれそうです!!』

 

『巫女達も楽しんでいるようで、この場にお誘い頂きありがとう御座います。所でお次は来ないのですか?』

 

 

 

『ちょっ!?、ちょっと!?皆さんガッツキすぎでは?大巫女さんも実は気に入ってるね?隠しきれてないよ?食欲が!!』

 

 

『飛燕さん!!早く食べたいです!』

 

『ほらほら、私をもっと楽しませろー!!』

 

 

『私の分、絶対に残らないじゃん!?良いよ別に……私は食べたことあるし………またいつかやればたべれるしぃ〜………シクシク。』

 

 

 

『…………一段落したら私や巫女達が順番にかわりますよ。飛燕様。』

 

『本当!?マジで?ありがとう大巫女さん!!』

 

『いえいえ。私は少食ですしね。』

 

『マジ神様だよ!!』

 

 

 

 大巫女は神様に『神様』呼ばわりされてしまい若干顔が引きつっているが、基本穏やかそうだ。

 

 恐らく、普段の生活ではこの者が一番の大人として機能しているのだろう。そう考えた神奈子だった。

 

 

 

そうして、記憶は楽しそうに流れていく。

 

 

いつの間にか自分もその中にいるかのように夢中になっていた。

少しして、諏訪子が、話しかけてきた。

 

 

「どう?今君はどう感じているかな?神奈子?」

 

 

…………悪くない気持ちなのは確かだ。しかし、私はこの感情を知らない。

 

 

 

「………ああ。正直どう言い表せばいいか分からない。しかし、なんなんだこの胸の奥からにじみ出る心地の良いモノは……。」

 

 

 

「今……君は『幸せ』なんじゃないかな?」

 

 

「…………『幸せ』?」

 

 

「ああ、そうだ。こう胸の内側が暖かくなるモノだよ。暖かくて気持ちの良いずっと浸っていたい心地よさを感じることだよ。」

 

 

 

「そうか………。これが『幸せ』というモノか。」

 

 

「そう。私達と一緒にいればこうやって沢山幸せを得られる。どうかな?この幸せは?」

 

 

「ふふふ、案外悪くないな。」

 

 

「……やっぱり今の君の笑顔は凄く綺麗だよ。まるでお日様みたいだ。ずっと見ていたいくらいだ。」

 

 

「な、急になんだ!わ、私を口説いているのかっ!?」

 

「そうと考えてくれてもいいよ?」

 

「な、なっ!?ふ、ふしだらな!!」

 

 

 いつの間にか私はこんな穏やかな笑顔になっていることに気が付いて恥ずかしくなり、そして口説かれていることに自分でも満更ではないことを自覚してしまい更に恥ずかしくなり、顔が芯から熱くなるのを感じた。

 

な、何を急に……!?

 

 

「ふふっ……別に冗談ではないよ。私は君に伝えたいことは本当にこのことなんだ。」

 

 

「な、なんだ?」

 

 

「私と『家族』になってくれないか?この幸せを私と一緒に味合わない?」

 

 

「………。」

 

 

「神奈子。君は昔の私と同じだ。『幸せ』を知らない。昔のあの時の私だ。だからこそ、私は君に『幸せ』を教えてあげたい。勿論………『愛』も。」

 

 

「『愛』?」

 

 

「そう……まだ実感出来ないと思う。けど、私も最初はそうだった。私達と過ごす内に分かるようになる『幸せ』の1つだ。だから、私と家族になって欲しい。」

 

 

「…………。」

 

 

 言っていることはわかる。私と家族になるそれは契るということだ。顔が熱い。

 

 

 

「…………やっぱり、駄目かな?」

 

 

 

 

 くっ!?その子犬のような目線を辞めろ。この色女!!

 

 

 

 

 

「………よ、よろしく頼む。」

 

 

「ほ、ほんとか!?神奈子!?」

 

 

「か、勘違いするなよ?私はこの『幸せ』が欲しいだけだ!!『愛』というものも分からん!!それがどんなものかも知らん!!

 

 

 だが、それはお前がこれから沢山教えてくれるんだろう?」

 

 

 

 

「!?…………そうだよ!!

 

 だからさ、こんなくだらない戦争なんてさっさと終わらしてさ、私と一緒に過ごしてみよう?

 

 勿論、ツバキや巫女達も一緒だよ!!あの泥棒鴉はいつまでいるかは分からないが、一緒にいればとても楽しい筈だ!!絶対に幸せにするからね!!神奈子っ!!!」

 

 

 

「わ、分かったから………その歯に浮くようなことを……。」

 

 

「楽しみだなぁ〜〜神奈子との生活は!!絶対に楽しい『幸せ』のなるぞー!!」

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

暫くして、記憶の中の少女達が楽しんでいるのを二人で見ていたとき、諏訪子は口を開いた。

 

 

 

「この空間が終わればさ。私は押し負けてその衝撃で、多分気絶するよ。」

 

 

「そうか……この空間を作る為にか………。」

 

 

 

 この神は本当にお馬鹿さんだ。戦っていた相手をこんな大舞台を用意してまで口説き落とすとは………今は辞めよう。折角顔が赤くなくなっていたのに再発してしまう。

 

 

 

「そう。神奈子との対話の為に大幅に体力を使っちゃったからね。だから私との決着が済んだら、戦の後始末は頼んだよ?」

 

 

「任せろ。」

 

 

「あと、私が気絶した後、私達に駆け寄ってくる者達に要点だけは伝えておいて欲しい。そうしないとボコボコにされるからね。」

 

 

「ん?……分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

――――

―――

 

 

 

 

「「……………へ?」」

 

 

 

 

 二人とも呆けた顔をしている。それはそうだ。あの一瞬であの空間を作り込むことは余程の長い年月を生きた神でも中々出来ない。

 

 

 それを知らない者にとってはこうなるのは当然だ。思わず私は滅多にしない苦笑をしてしまっていた。

…………あの色神め、こうも武神である私を手玉にとり、垢抜けさせるものだ。

 

 

諏訪子のお願いどおり、今はこれだけは言っておいてやろう。後は諏訪子が目を覚ました後、勝手に教えるだろうからな。

 

 

「そうだな!詳しい話は諏訪子に聞け。私では到底説明出来ない。だが、安心しろ。もう危害も何も加えない。特にツバキ。お前とはこれから私と家族となるからな。」

 

 

 

「「…………へ?」」

 

 

 

 

 諏訪子の奴、こいつらが来ることを見越してたな。私に余力が無い事を分かってて。

 

 これでは脅迫だ。まるで『私と家族にならなきゃ呪っちゃうぞ』と、言われている様な気がした。いや、確信犯だな。

 

 

 

 

「あの色女め。これでは家族になるしかないではないか。」

 

 

 

 

 戦の処理の後が楽しみだな。

 

 

 

 

 その時の八坂神の表情はとても『幸せ』で『嬉しそう』な太陽のような笑顔だった。

 

 

 

 

 

 





こんな感じです。まあ、神様なので基本何でもありですね。

読者さんの納得出来た諏方大戦の仕上がりなのかは分かりませんが、少なくとも作者は悪くはない仕上がりだと思いました。


 それにしても、諏訪子様と神奈子様のカップリングの二次創作が少ないのはとうしてですか!?


 やっぱりおねロリは需要あると思います。広めていきましょう!!カナすわ!!




次回は宴会になりそうです。尺的にそうなりそう。


暫く後の話になりますが、もしこの小説で登場する天魔様の性格はどうな風がいいですか?参考程度に教えてください。

  • めっちゃ頑固親父風の父ただし親バカ
  • めっちゃ頑固親父風の母ただし親バカ
  • すごいポンコツ仕事は出来る父ただし親バカ
  • すごいポンコツ仕事は出来る母ただし親バカ
  • 怠惰で不器用影で色々してる父ただし親バカ
  • 怠惰で不器用影で色々してる母ただし親バカ
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