化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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 ①「化け鴉と椛の名将棋」
 ②「お転婆天狗娘達と化け鴉のプチ冒険」
 ③「グ〜タラ娘とグ〜タラ鴉」
 ④「めぐむ様のお悩みと化け鴉」
 ⑤「稽古の日常」
 ⑥「生意気娘の夢の話と化け鴉」

今回は②です。



凄く今捗ってます!!肌ツルツルです!!我慢していた描きたいものが今凄く飛び出していってる気がします!!



閑話:「おまけ其のニ」〜天狗の里での日常回②〜

 

 

②「お転婆天狗娘達と化け鴉のプチ冒険」

 

 

 

 

「ほらっ!!行くよ!!椛、はたて、飛燕!!」

 

「待ってくださ〜〜い!!文様ぁ〜〜〜!!?」

 

「早いよ〜!!あやぁ〜〜〜!!」

 

 「カー!」

(待ちなよ、文。そんなに急いでもあんま変わんないよ?)

 

 

「良いのよ!!初めてのピクニックよ?こんなに遠出させて貰ったのは初めてなの!!盛り上がりなさいあんた達ぃ〜〜!!」

 

 

「興奮しすぎだよ〜!!あやぁ〜!!」

 

 

 今私達は龍さんに外出許可を貰ってピクニックに向かっている。特に行き先は決まっていないが、そこまで遠出はしないつもりだ。

 

 それに文はしてもはしゃぎすぎである。

 

まあ、仕方ないよね。文にとって、こんなに遠出するのは初めてだもんね。

 

 

 文は天魔様の娘であるため、厳重な警備の元過ごしてきたお嬢様である。こんなお転婆娘だが、育ちは良いほうだ。

 文の普段を見ていると信じられないと思うけど、文をよく見ているとわかる。私がジ〜と見ていたら本人には『何よ?』って言われて訝しがられたけど、丁寧な作法の自然な様を見ないと私も信じられなかったが結構なお嬢様だった。

 

 そんな箱入り娘がやっと初めての自由行動を許されたんだ。これくらい羽目を外すことくらい訳はないが、はたてや椛さんを置いていこうとするのはやめようよ。

 

 

「本当に、文様はぁあああ〜〜!!!」

 

 

椛さんの怒りの叫び声が天気の良い空に響き渡った。

 

 

 椛さんごめんね?私が提案したばかりに………こんな重荷を負わせちゃって。私も保護者としてしっかりするからさ。許して?

 

 

「あやぁ〜〜〜!待ってよぉ〜〜!!」

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

「ハァハァ………どうして3人はそんなに平気そうなんですか………」

 

 

「「鴉天狗だから?」」(鴉だから?)

 

 

「クッ………何処かであっけなく納得してしまっている私が許せない………。」

 

 

 

 そうだよね………よく考えたら元々狼天狗って陸上仕様だもんね。さっきまで、椛さんが私達に飛んで食らいつけている事自体が普通じゃないんだよね。それも、私達の分の昼食を背負いながら。

 

 本人はどれほど飛ぶための鍛錬をしていたのだろうか?文達に追いつくための努力は、決して生半可なことではなかっただろうに。

 

 

 本当にお疲れさまです…………。

 

 

(…………椛さん。洞窟探検する前に、少し休もうか。)

 

 

「ゼェハァ………是非お願いします。」

 

 

「椛、もう少し鍛えないとその内置いてかれちゃうわよ?」

 

 

「最速を目指してる貴方と一緒にしないで下さい………。」

 

 

「もみじぃ〜?大丈夫?肩貸してあげるから、私と一緒に休もう?」

 

 

「…………ありがとう御座います。」

 

 

 相変わらずとても良い子なはたて。前腕が翼で支えることすら出来ない私や、周りの新鮮な風景に興味津々になって忙しなく目を動かしている文とは違うね。

 

 

 

 

「…………ねえ?飛燕?どうしてさっきから私の頭に止まるの?」

 

 

 (え?それは文は私にとって『宿り木』だから……?)

 

 

「確かにそう言ってたけど………それ比喩表現じゃないの?」

 

 

 (…………ん?どっちもだよ?)

 

 

「…………もういいわよ。………飛燕の感情から本気なのは伝わったから。………っていうか!責めて肩にしなさいよ!?」

 

 

 そう言って、頭を激しくブンブンと振って私を振り落とそうとしてくる文。フッフッフッ、前世で鍛えられた芸能による私の絶対的体幹を舐めないで頂きたい。

 

 

「っ!?……なんでそんなに座っていられるのよ!!というか、早く退きなさいよ!!」

 

 (別にいいでしょうかぁ〜〜!?文の髪がフサフサで育った巣みたいで安心するんだよーー!!)

 

 

 

「このっ!!暴論鴉!!とにかく邪魔っ苦しいのよ!!乗るのはいいから肩にしろーー!!」

 

 

 (いやだぁーーー!!!)

 

 

 ― ギャーギャー カァーカァー ―

 

 

 手で私を振り払おうとするが私は軽く自分を『飛ばす』と、フワリと擦り抜けるようにして、文の幼気な手を避けて頭に座る。

 

(フッ!まだまだ私の方が上手のようだね。せいぜい悔しがりな。私に勝つのは500年早いのだよ。)

 

 

「キィーーー!!ムカつくぅーー!!?」

 

 

 

 

「………本当に、なんであんなに2人は体力が有り余ってるんでしょうか?」

 

 

「さあ?………仲良しだからかなぁ?」

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

 今私達は、少し深そうな洞窟の前にいます。たまたま小休憩中にはたての念写と椛さんの千里眼で見つたもので、結構大きめだ。

 

 

「へえ〜!!これが本で読んだ洞窟っていうものなのね〜!!」

 

 

「あれ?あやぁって来たことないの〜?」

 

 

「私は行かせてもらったことないわよ。天魔の屋敷か、修練所しから行かせてもらったことないから。………はたては言ったことあるの?」

 

 

「もっと今より小さい頃かな?お母さんと一緒に行ったことがあるよ?あやぁがお仕置きで屋敷の中でお留守番してたときに。」

 

 

「あ…………あの時ね。確か私何をしたんだっけ?」

 

 

「えっとぉ………確かぁ、お母さんとは別の大天狗にぶつかったときに、私を庇ってくれたんだけど………」

 

 

 そこで言い淀むはたて。代わりに、さっきまで私達の安全を確保する目的で千里眼の能力で周りを探索するために、集中してどこかを見ていた椛さんが会話に入ってきた。

 丁度探索が終わったらしい。私も一応周囲は警戒してたけど、椛さん程の探索能力はないので、余り意味がない。本当に申し訳なく思う。

 

椛さんお疲れさまです。

 

 

「ええ、そうです。………他の大天狗様全員に向かって『はたてにあやまりなさいよ!!この薄ら馬鹿!!』と啖呵を切ったんですよ?」

 

「えっ!?昔の私ってそんなことをしてたの!?」

 

 

(えっ!?そんなことしてたの文!?)

 

 

「そうですよ。私も丁度お二人のお世話を任されたばかりの頃でしたね。あの時は本当に肝が冷えましたよ。

 龍様がすかさずお二人に拳骨をしていなければ、いつ殺されていたか分かりませんからね。………他の大天狗様達は、本当に恐ろしい人達ですから。」

 

 

 それを聞いて、急に顔を青ざめる文。そりゃそうなるよ。それにしても、小さな頃の文は肝が据わりすぎてるよね。

 

 

「昔の私……どうかしてたわ………。」

 

 

「でも、あの時のあやぁは凄くカッコよかったよ?私の為にあんなことを言ってくれるのがナヨナヨしてる私には眩しく見えたんだ〜!」

 

 

そこで、言い淀んでいたはたてが代わりに話してくれた椛さんの話を引き継いで言う。その顔は何処か誇らしげだ。

 

 

「ふんっ、その時の私は、どうせこう思ってたのよ。『これくらい怒りなさいよ!!はたて!!』って、どうせ私はイライラして大天狗様達に当たっただけよ。」

 

 

「ふふふぅ〜〜。そうかも知れないねぇ〜〜?」

 

 

 顔を赤らめながら不機嫌そうに鼻を鳴らす文と、楽しそうにニコニコと文を見るはたて。流石、幼馴染だね。何もかもお見通しなようだ。お互いに。

 

 かく言う私も文のこの気恥ずかしい感情を感じているが、知らないふりをするのがいいかな。わざわざ問い詰めるのは野暮ってもんだし。

 

 

「さて、いい話もしましたし、そろそろ昼ごはんにしましょう。そして、その後、ここの洞窟に入りましょう。手荷物は出来るだけ減らした方が良いですから。」

 

 

 かくして、私達は昼食を食べた。皆とてもいい笑顔で幸せそうだった。

 

 私?木ノ実とか果物を食べたよ?私は化け鴉だけど、基本的にそこらの鴉と変わらない。いくら鴉が雑食性でも食べちゃいけない食べ物もあるから、このピクニック中に道中見つけた食料拾ってきて椛さんに預けさせておいたんだ。

 

 この後の洞窟探検が楽しみだ。

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

「おお〜〜!!これが洞窟の中なのね!?」

 

「文様。お気持ちは分かりますが、ちゃんと妖術の火は途切れないようにしてください。真っ暗で誰の手もつけられていない洞窟は唯でさえ危ないんですから。」

 

 

「え〜?全く聞こえないないわ〜〜〜?」

 

「ちょっ!!危ないんですから………って!?あっ!?」

 

「あやぁ、危ない!?」

 

 

 テンションが高かった文は調子に乗っていた椛さんの注意を聞かずに、洞窟内を飛び回っていた。

 が、その文が通って出来た僅かな風で、空気の動きが出来てしまい、脆かった部分が崩れてしまったんだろう。

 大きな鍾乳洞石が文の頭上に振ってきてしまっていた。

 

 

 手荷物があり、とっさに動けなかった椛さんの代わりに私は自分を『飛ばして』文の前に飛び出した。

 

 

(あやっ!!危ない!!!)

 

 

 

「ん?……きゃあ!?」

 

 

 

 文は油断していたようで、落ちてきた鍾乳洞石がぶつかりそうになった瞬間に気が付き、避ける間もなく悲鳴を上げた。

 

 

 

 

 ― ガラガラガラ ―

 

 

 

 

 

 

 

(ハァ、ハァ………なんとか間に合ったぁ〜〜〜!!!)

 

 

 よ、良かったぁ〜〜〜。私が咄嗟に動けていたお陰で文の前に躍り出ることが出来、なんとか落ちてきた鍾乳洞石を弾き『飛ばせ』た。

 

 

「あぁ……私………。」

 

 

「文様〜〜!!ご無事でしたか!?」

 

 

「あやぁ〜〜!!大丈夫だった!?」

 

 

ヘナヘナと地面に落ちて腰が抜けたように座り込む文に、心配そうに駆け込む椛さんとはたて。私も文達の前に着陸する。

 

 

「………うん……無事よ。皆、安全して………。」

 

 

「良かったぁ〜〜〜!!」

 

 

 (文っ!!)

 

 

 

 

 ― バチンッ ―

 

 

 

 放心している文の無事を確認し、私とはたてが安心していると、椛さんが無言で駆け寄ってきて急に文の頬をビンタした。

 

 

「も、椛……?」

 

 

 普段なら出るだろう怒りよりも困惑が先行した、文は目を白黒させながら椛を見る。

 

 

「文様!!何をしてるんですか!?何度もダメだと言ったじゃないですか!?私は………貴方のことを………うゔぅ……。」

 

 

そう言って、椛さんは涙目になりながらも気にせずに文を抱きしめる。

 

 

対して、文はシドロモドロしながら、優しく抱きしめ返した。

 

 

「本当に………心配したんですから…………文様。貴方に何かあったら私は…………」

 

 

「ごめんなさい。椛。」

 

 

「………二度と、二度とこんなことをしないでください。」

 

 

「わかったから………恥ずかしいから………二人が見てるから。」

 

 

「これは、皆を心配させた貴方への罰です。だから、もう暫くこのまま耐えいて下さい。」

 

 

「……………うん。」

 

 

 

 

 

 片方はまだ幼い身体、もう片方は一人前と言ってもいい身体。

 

 そんな身長差のある2人は身体を寄せ合い、座り込みながら、お互いを抱きしめて顔を交差させる。

 

 そんな二人を、私とはたては何故かほんわかしながらで見ていた。

 

 

「まるで、本当のお母さんと子供みたいね………。グスッ。」

 

 

(うん………、これくらい普段から素直になればいいのに。)

 

 

「う、うるさいわよ!!2人とも!!そんな目で私を見るな!!私は列記とした大人の女の子なのよ!!」

 

 

(そんな泣き顔で言われても………ていうか言葉に矛盾が存在してません?)

 

 

「あや……泣いてるの?」

 

 

「ちょ、ちょっと心が揺さぶれちゃっただけだから気にしないで。……………もうそろそろ離れて椛。」

 

 

「………わかりました。グスッ。」

 

 

「あぁ〜〜もう〜〜〜!ほら泣かないで?貴方がしっかりしてないと誰が私たちを止めてくれるの?」

 

 

 

 

 泣き顔から『仕方ないな〜』と言い出そうな笑顔に変わった文は、まだ泣き止んでいなかった椛さんの目を優しく布地で拭き取っていた。

 

 

 

 

 

 まだ幼い姿の文が背伸びしながら泣いている椛さんの顔を拭いているその姿に、私の脳内に電流が走った。

 

 

 

 私は今、凄い性癖の極みに辿りつこうとしてるかもしれない!

 

 こ、これは伝説の大人の女性と子供の逆転現象なのか!?こ、これこそが………新しい世界か?

 

す、素晴らしい!!芸術だ!!新発見だ!!

 

 

 

 

 

 ―ガラガラ―

 

 

 (ん?)

 

 

 

 ―シュ〜―

 

 

 私が新しい世界の扉を開いて拍手喝采していると、洞窟の奥から何かしら大きな生き物が動いているのに気が付いた。

 その影の正体は気になるけど、私は鳥目なので暗いと先が見えない。たがら、今だに気づいていない皆に聞いてみることにした。

 

 

(ねぇねぇ?ここら辺って大きな動物とか妖怪っていたっけ?)

 

 

 

「いましたけど?確か……ここら辺は森の主と言われている大蛇の妖怪がいるとお聞きしました。それがどうしましたか?」

 

 

「どうしたの?飛燕?」

 

 

「敵襲ですか?飛燕様?」

 

 

「…………私『風』で読み取れちゃった。」

 

 

 疑問顔を浮かべるはたてに、切り替えて警戒しはじめる椛さん、そして能力で何かしら悟った文。私はその文の言動にビクビクしながら話を続けた。

 

 

(ほら、後ろを見て欲しいんだけど。これってその『森の主』って奴じゃないかな……………?)

 

 

 皆と共に私が後ろを振り向くと、妖術の火の光に反射した光沢のある物体が動いている姿。

 

 

「もしかして………森の主なんじゃあ…………。」

 

 

 ゆっくりと文とはたてが妖術の火を、その太い胴体の上部へと移動させた。

 

 

 すると、丁度その生き物の顔が私達の瞳に映った。

 

 

 その暗闇から姿を現したデカいヘビのような何かの正体。その『森の主』。そう、4つ目がある巨大な大蛇がいた。

 

 

「シャアアアアアアア!!!!」

 

 

 その大蛇は私達を合わせて一気に丸呑み出来そうな口を4つに開いて威嚇してきた。

 その異形な姿と恐怖感に思わず私達は悲鳴を上げてしまった。

 

 

 

 

 

「「「きゃ、キャア〜〜〜!!?」」」(ギャァァァーーー!?)

 

 

 

 

 

 

 

 その後、私達はなんとか逃げ延びて、天狗の里まで死に物狂いに急いで帰った。

 

 

 

 

恐ろしい体験だったけど、なんだかんだいって楽しかったな〜〜。

 皆ボロボロな服装で逃げ帰ったから、龍さんにしこたま怒られてね。けど、皆最終的に笑顔になって今日の不幸を笑い飛ばしたんだ。

 

 

 この姿を見ていると、やっぱり私はこんな日常が大好きだと感じちゃうよね。

 

 

 

 

 これからも沢山お出かけしよう。

 

 

 

 

 

 

 そう思いながら私は、今日の日常に満足して明日の朝日が来る景色を想像しながら目を閉ざした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






作者「うへえ〜!!気持ちぃ〜〜!!ほのぼの最高〜〜!!」

??「作者はほのぼの禁断症状が出ています。誰かっ!?誰か!?お医者様はいらっしゃいませんか?」

医者「はい。私は医者です。」

??「本当ですか!?是非作者を見てください!!」

医者「わかりました。う〜〜ん………?」

??「ど、どうでしたか?」

医者「治りませんね。この病気。末期症状です。」


??「そんな!?」



―バタン―


シリアス「ア〜ハッハッハッ!!!!」

??「だ、誰だ!?」

シリアス「もう大丈夫だ!安心しろ作者。何故かって?私が来た!!!」


作者「わ、私に近寄るな〜〜〜〜!!!」



おまけの『天狗の里での日常回』パートの中で一番気に入った回を教えてください!!このパートを全部読んだ後にお答えしてくださると光栄です。

  • ①「化け鴉と椛の名将棋」     
  • ②「お転婆天狗娘達と化け鴉のプチ冒険」
  • ③「グ〜タラ娘とグ〜タラ鴉」
  • ④「めぐむ様のお悩みと化け鴉」  
  • ⑤「稽古の日常」
  • ⑥「生意気娘の夢の話と化け鴉」
  • 全部好きだよバカヤロー!!
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