化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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 ①「化け鴉と椛の名将棋」
 ②「お転婆天狗娘達と化け鴉のプチ冒険」
 ③「グ〜タラ娘とグ〜タラ鴉」
 ④「めぐむ様のお悩みと化け鴉」
 ⑤「稽古の日常」
 ⑥「生意気娘の夢の話と化け鴉」

今回は⑤と⑥です。やっとおまけで一番描きたいものが書けた。(意味深)

なお、ギリギリな描写がありますが、R-15ですので大丈夫です。安心して百合を味わってください。⑤は凄い刺激的な百合で、⑥は健全な百合です。お好きなほうをどうぞ。





閑話:「おまけ其のニ」〜天狗の里での日常回④〜

 

⑤「稽古の日常」

 

 

 文やはたてがまだ寝静まっている夜明け前、まだ太陽の光の残痕が夜空に僅かに現れるくらいの薄暗さの中、私は天魔の屋敷の玄関から出て、稽古場へと向けて翼を広げて飛び立った。

 

 

 この時間だと、夜の番をしている勤務中の天狗の皆さんぐらいしかいないため、比較的静かだ。いつもは賑わっている街並みも人通りなどほとんどなく、巡回中の鴉天狗や狼天狗がいるのみ。

 

 

 

 そんな静かな空間を私は通り過ぎていく。時々巡回中の天狗に見られるので軽く『かぁ〜』と挨拶してみると、軽く挨拶を返されるだけで職質のようなことはされていない。

 そもそも私がこの時間帯、いつも稽古場へと向かって飛んでいることは巡回中の天狗の皆さんは慣れていることもあり分かっているので、軽い笑顔で挨拶を飛ばしてくるだけだ。

 

 街の巡回中の天狗の人達は気の良いヒトばかりだ。天狗の里の外側で巡回している妖怪の山担当の天狗人達は、その警備の重要性から少しだけお硬いが街の中ではそこまで気をはらないでいい。せいぜいやるのは治安維持だけだから。

 

 これも龍さんの管轄内の部下だからかもしれない。あの人は、本当に里の為に色々なことを率先としてやるし、部下達の面倒見もいいから職場の風通しが良いんだよね。だから皆こんなに親切だし、仲良くなると優しくしてくれる。

 

 こう言うとき、多くの天狗の皆さんに沢山話しかけて仲良くしておいて良かったと思う。仲良くした結果の役得だ。他の大天狗の管轄の部下だと、どこか気が張り詰めてるから特にね。

 

 

 そして、静けさに支配された中心街を抜けた私は、畑や田棚が増えていく地域に入っていく。ここでは農家をしている天狗の人が早朝から雑草を刈るための鎌をその手に持って農業作業をしている。

 

 時々見られる天狗の手先と言われている鎌鼬達が、天狗の稲刈りや雑草刈りの手伝いをしているのを見て、可愛らしさにほっこりとしながら跳んで行き、通り過ぎた。

 

 

 やがて、私は暗闇に紛れてまだ誰もいない稽古場に辿り着いた。私は高度を下げながら目的の人達を探してキョロキョロと稽古場内を見渡す。

 

 すると、剣術の稽古をしている椛さんとそれに付き合って色々な技を教えている様子の龍さんの2人が誰もいない稽古場で鍛錬をこなしているのが見えた。

 

 

(あっ、いたいた。お〜〜い!椛さぁ〜ん。龍さぁ〜ん!)

 

 

 私の『飛ばした』声が届いたのか、一度鍛錬の手を止めた2人は私が鳴いている方向を見て、いい汗を流しながら笑顔で手を振ってくる。

 

 

 …………2人に流れるその流れる聖水。朝の水分補給に持ってこいだから、もらってもいいかな?グヘヘヘ。

 

 

「おお〜〜?今日も来たんだな?おはよう化けガラス殿。」

 

 

「おはようございます。飛燕様。今日もいたしますか?妖術の扱い方を。」

 

 

 この二人は本当に真面目だ。こうやって、いつも誰もしないような太陽の昇らない時間帯から自分の力を高めようと努力している。私も見習わないとね。旅には自分の他にを守れる力がないといけないし。

 

 

(うん!!今日もするよ!!二人ともよろしくお願いします。)

 

 

 

 私は、文との戦闘で実感した。今の私では、力の強い存在に襲われれば一溜まりもなく捕食されてしまうということを。だから、少しでも力を身につけておきたい。そのためにはまずはこの身に宿る妖力と『飛ばす程度の能力』を鍛えるべし。

 やれることはやって置いて損はないよね。

 

 

「そうか。なら、今日も私から教えよう。椛はそのまま私が教えた技を往復して覚えておけ。「はい。」

 さて、いつも通り妖術について教えよう。妖術を使えればそこらの畜生妖怪程度なら簡単に追い払えるからな。だが、化けガラス殿。そなたはまだまだ妖力が少ない。だから、少しでも妖力を増やす鍛錬をするといい。増やし方はこの前教えたな?」

 

 

(はい。確か、効率が良いのは人間に恐れられること。ですよね?今回についてはとにかく妖力をカラッカラにするまで放出するんでしたっけ?)

 

 

「そうだ。しかし、化けガラス殿。これは留意しておけ。妖怪は基本的に妖力がなくなれば、無防備になる。襲われれば一溜まりもなくヤられるだろう。そして、妖力で回復も出来ない。その時に致命傷を受けたら他の生き物のように簡単に息絶える。」

 

 

(成る程………では妖怪として生き残るには常にコマメに妖力の量の管理をして戦闘中で妖力を切らさないように立ち回るということですね。)

 

 

「ああ、そうだ。妖怪は致命傷を受けてもそれ相応の妖力さえ残っているならば、幾らでも死ぬことはない。

 特に、物理的な攻撃についてはそうだ。しかし、ここで注意しなければいけないことがある。」

 

 

(なんでしょうか?)

 

 

「『特別な力』だ。例で述べると霊力だ。神力、地域によっては呪力や魔力というものもあるが、同じようなものなので割愛する。

 一般的に出会うものを優先的に話そう。霊力とは主に人間だけが使える力。全員が使える訳でないが、数十人に1人は使えるという力。恐らくその人間にとっての先祖の霊の力が宿る力だ。このような力は私達妖怪の弱点となる力でもある。勿論神力もだ。   この2つの力で攻撃された妖怪の傷や精神は治りにくい。」

 

(成る程。それが人間の妖怪に対抗する力というわけですか。)

 

 

「まあ、使えるものは限られているので、近づかなければ払われないだろう。さて、今日の教えは終わりだ。次は実践だ。妖力を解放してみろ。」

 

 

(はい!………う〜〜〜〜ん…………プハッ!?)

 

 

どうやら私の妖力が切れたようだ。スッカラカンだと感じて放出出来た妖力が出てこなくなった。

 

 

 

「やはりか、妖力の量が少なすぎるせいで少し放出するだけで無くなってしまったか………。まあ良い。その少なさなら一刻ほどの時が立てば全快するたろう。椛。」

 

 

「はい。」

 

 

「今度は椛。そなたが教えろ。」

 

 

「では、私からは固有の能力について再びお話致します。この能力のついては文字通り『固有』です。なので、私からは飛燕様の能力についてはお話出来ません。ですが、飛燕様と私の能力には少し共通点が御座います。」

 

 

(え?そうなの?)

 

 

「飛燕様の『飛ばす程度の能力』と私の持つ『千里先まで見通す程度の能力』この二つにはどちらも"視野"を『飛ばして』いることです。」

 

 

(成る程………。)

 

 

 

 椛さんの『千里先まで見通す程度の能力』は、遠くまで視野を増やせることが出来る。確かにこれは視野を『飛ばす』と言ってもおかしくはない。

 

 

「やはり、このように能力は想像力次第なのです。特に飛燕様の能力は抽象的な能力なので、様々なことに利用できるでしょう。

 私が視野を『飛ばす』ように、飛燕様は物を『飛ばす』ことができると思います。

 なので、一度触れた石を一度地面に置いてみましょう。この後は飛ぶまで繰り返しの想像力を鍛える鍛錬となります。」

 

 

(分かったよ。椛さん。やってみる。)

 

 

 

 私は椛さんが先んじて用意していた複数の石を触った後、目をつぶり、頭の中で石が1人でに『飛ぶ』イメージをつくる。

 

 

「おお!………飛燕様。お流石です!」

 

 

 目をつぶっていてその光景を見てなかったが、どうやら成功したようだ。

 

 

(え!?本当!?)

 

 

 

 「あっ………。」

 

 

 喜んで目を開けた瞬間、思わずイメージの集中を解いてしまった結果、一方行に『飛んで』いた石の1つが地面に落ちてしまった。

 

 

(ありゃりゃ……落ちちゃった。)

 

 

 

「まあ、よく出来たほうだ。初めて能力を使った時の小さな頃の私よりはマシさ。

 その時は星の星座の一部の位置を狂わせてしまったからな。あの時は焦った。当時、まだ就任なさる前の天魔様と一緒にアタフタしていた光景が目を潰れば今にも目に浮かぶよ……………。」

 

 

 その時の龍さんの笑顔はとても綴やかで美しかった。

 

 

 それにしても、こんな完璧そうなヒトでも最初はそうだったんだと思うと、この失敗なんて可愛く見えてきた。

 

 

(………随分と仲良しだったんですね。天魔様と。)

 

 

「ああ……、今はもうお互い大人になってな何かに縛られてしまったからな。こう言う失敗も許されなくなってしまった。だから、まだ若い内に失敗しておいたほうが得なんだ。」

 

 

「大天狗様の言うとおりです。私も初めてこの能力を使った時は何故か、第三者の視点から戻れなくなってしまい、1週間自分自身の姿を見ながら行動しなければいけなくなったこともあります。あの時は凄く違和感しかありませんでした。」

 

 

な、なんと!?椛さん。そんなゲームキャラの操作視点みたいなことを体験してたのか…………。

 

 

(こういうことでしょうか………『失敗は誰にもある。皆最初は初心者なんだから。』と。)

 

 

 

「そういうことだ。めげずに続ければ出来るようになる。椛や私だって剣術など最初は出来なかった。これは日々の鍛錬だ。」

 

 

(繰り返しが大事なんですね。)

 

 

「そうです。取り敢えず、妖力が回復するまではこの能力を使って先ほどの石を度『飛ばす』ことを、沢山練習してみましょう。慣れが大事ですから。」

 

 

(了解!!)

 

 

 

私は僥倖者だ。こんな親切で私に寄り添ってくれる2人の師匠に教えてもらえるなんて。

 

 

 この後は、沢山練習した。お陰で朝日が出る前には、少しだけ能力の使用のコツが分かるようになった。そのことを知った椛さんと龍さんは、まるで自分のことのように笑顔で喜んでくれた。ありがとう御座います。お二人とも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある程度稽古も済ませて、帰る前に皆で休んでいたとき、イタズラ心が出てきた私はなんとなく口を開いた。

 

 

 

(所で、喉が渇いたので龍さんの汗を頂いても良いですか?)

 

 ヘッヘッヘッ!!そろそろ欲しくなってきたぞ?その首元の聖水がぁ〜!!(変態レベルMAX)

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ん?別にいいが?」

 

 

「え!?」

 

 

 そろそろ明るくなってきた空に、椛さんの驚き声が響き渡たった。

 

 

(………いや、良いんですか?)

 

 

 

 私の冗談が冗談で言ったことを怒りもせずに、何故か笑いながら了承してくれる龍さん。

 

 

 な、なんか、ガードが甘くないですか?

 と、取り敢えず………ゴーサインは確かに貰ったので、緊張しながらも私は龍さんの肩に止まって、龍さんの首筋辺りに垂れていた汗を頂くことにした。

 

 

 ご褒美なのかな?これ?

 

 

 

 

 

 ―ぺロリ―

 

 

  「……ン…。」

 

 

 

(…………あの……どうしてその扇情的な喘ぎ声を出すんでしょうか?)

 

 

 

 

「き、気にするな…………少しだけそなたの舌がくすぐったいだけだ。続けろ。」

 

 

 

(さ、際ですか………。)

 

 

 

 ―ペロリ―

 

 

 

  「………ァ………ン………。」

 

 

 

 

 

 イタズラのつもりだったのに、何故か私がドッキリされてるような気分になるんだけど………ほら、隣で椛さんが赤らめた顔を、両手で隠してますよ?

 

 まあ、目のあたりを隠せてないんだけどさ………。

 

 

 

 私の舐めるタイミングに合わせるように出てくる龍さんの決して外では出てはいけないような扇情的な喘ぎの声が、他に誰もいない稽古場に響き渡る。

 

その声以外はなにも聞こえない、静かな空間が辺りに広がっていった。

 

 

 

 

 

 

 止まらなかった。なぜかは知らない。別に人の汗なんかそこまで美味しくない筈なのに、この時の私は龍さんの柔らかく白い肌に流れる汗を夢中になめとっていた。

 

 椛さんが目の前で見ている筈なのに、龍さんの喘ぎが激しくなるのに、私はそんなこと気にも留めないで、ただただ夢中になって龍さんの肌を舐め続けてしまっていた。

 

 

 

 

 熱くなった私達の身体を拭ってくれる涼しい風が、私達の間をゆっくりと撫でるように通り抜けていく。

 

 

 

 ― サァーー ―

 

 

 

 そして、"その行為"は私の喉が潤うと同時に、龍さんが快感に負けて腰を抜かしてしまうまで続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (あの………その……ありがとうございました。)

 

 

 

「ハァハァ………ん………そ、そうか?……ハァハァ……。」

 

 

 

 足をM字に大きく開いて、顔を赤らめて喘ぎに近い声を出しながらも私に微笑んで答えてくれる龍さん。

 

 

 龍さんのその妖艶な姿に自然と下腹部が熱くなってしまっていたことに気が付いたことで、私は理性をなんとか取り戻した。

 

 

 

 ハッ!?わ、私は………さっきまで、一体なにを………?

 

 

 

「………ハァ…満足したか?」

 

 

 (あ…………はい。)

 

 

 

 その刹那、丁度太陽の光が差し込んできて、龍さんの赤みがかった大人の妖艶な笑みと身体の細部がはっきりと見えるようになった。

 

 

 その時の龍さんは凄く綺麗で、服を着ているはずなのに汗で濡れてしまい薄く透けたことで、その下腹部にある"女性の身体のカタチ"が際立っている姿が私の瞳にくっきりと映ってしまい、思わず心臓が高まってしまった。

 

 

 

 そして、私の"時"が少しだけ止まってしまった。

 

 

 

 ― ドクン ドクン ―

 

 

 

「困ったことがあったら言え。化けガラス殿のしたいということは出来るだけ叶えてやる。」

 

 

 

 (…………はい………分かりました。)

 

 

 

「うむ。恩人に報いるなら多少のことは気にない。だから遠慮なんて要らないからな、化けガラス殿。そなたの好きなときに甘えてこい。」

 

 

 

 (………その………ハイ……。)

 

 

 

…………これから龍さんに対しては少し慎重に事を進めようと思う。このまま甘えてたら簡単に一線を越えてしまいそうだ。

 あまりにもノーガードだからこれじゃあ私が抑えられなくなっちゃう。

 

 

 

取り敢えず、龍さんは大人の包容力が凄いことが分かったよ。 

 

 

 

 

 

「あのう……ひ、飛燕様………私のは、大丈夫です……か?」

 

 

おっと、さっきまで空気とかしていた椛がい………た……ね…。

 

 

 (…………………。)

 

 

 

 私が振り向くと、そこにはさっきのことを見ていたせいで発情してしまっていた椛さんがいた。

 そうだった。狼天狗って発情しやすかったのを忘れてた。

 

 

 焦った私は直ぐに椛さんのほうを向く。そして、椛さんのその姿に息を飲んだ。

 

 

 初心な表情で恥ずかしそうにどもりながら軽く俯くその姿は、年頃の娘の初々しさがにじみ出ていて、僅かに残っていた私の理性を溶かしにかかっているようにしか見えなかった。

 

 

 こ、これは………ヤバい。

 

 

「た、足りなければ………その…私のを、お使いください。」

 

 

 (だ、ダメだよ……椛さん。もうこれ以上は私が……………。)

 

 

 

 明らかに誘われているのがわかる………け、けど。これは龍さんにやっちゃった手前、結構断りづらいし。そ、それに………椛さんだけには嫌だとは言えないし………。

 

 

 ………一体どうしてこんなことになったんだろう。

 

 元々ただの冗談のつもりだったのに……。

 

 

「………だ、だめですか?」

 

 

椛さんの物足りなさそうな上目使いを見た私は、断ることなんて無理だった。

 

 

(その………よ、よろしくお願いします。)

 

 

「………はい…こちらこそ……。」

 

 

 

 

 真面目で誠実な二人には慎重に動こう。じゃなきゃこっちがたじろぐことになる。けど、遅かった。もう私には理性はほとんど残っていなかった。

 

 そして、私はのぼせて何も考えられないままの頭で椛さんへと近づいていき、彼女のびっしょりと汗で濡れている鎖骨付近を舌を使って優しく撫で始めた。

 

 

 「ヒャッ!?」

 

 

 悲鳴と共に、椛さんの身体が震えて軽く跳ねるが、そんなことを私は気にすることなんてする余裕などなかった。

 私は、椛さんの身体の熱を冷ますためだけに身体の内側から吹き出てくる塩水が溜まる溝を、定期的なタイミングで舐めとっていくことに集中していた。

 

 

 

「うゔぅ……飛燕しゃま………擽ったいでしゅう……キャッ!?だ、大天狗さまぁ?」

 

 

いつの間にか私がいる反対側に移動していた龍さんが、悶えている椛さんの反対側の鎖骨を舐め取り始めた。

 

 

「ん?………なんだ?椛?」

 

「な、なぜ……大天狗さまも………。」

 

 

「………たまには部下を労わなければいけないからな。」

 

「いけません!大天狗様。おふざけは……ん…ち、力が……。」

 

 

 私達に両方から攻められてしまった椛さんは、目を白黒しながらヘラヘラと腰の力を失ってゆっくりと座り込んでしまった。

 

 今思えば、それは彼女にとっては、私達の行為を防ぐために残された最後の抵抗の意思だったかもしれない。

 

 

 

けど、それだけじゃ私達を、止めることは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝日が完全に登り、汗を沢山流した私と龍さんと椛さんは。少しだけ気まずい雰囲気のまま、一緒に川の水で身体の汗を黙々と拭いあった。

 

 

 

お互いの身体や心の中に残る火照りを一生懸命鎮めるために。

 

 

 

 

 その時の私は2人の裸体ばかりを気にしてしまったのは仕方ないことだと思う。うゔう……静まれ私の煩悩……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ⑥「生意気娘の夢の話と化け鴉」

 

 

 

 

 

 その後、ゆっくりと歩いて天狗の里の中心街に入る頃には、私達はいつも通りの雰囲気に戻っていた。

 

 天魔の屋敷に戻ってきた丁度その時に寝ぼけ眼で起きてきた何も知らない文とはたてが訝しながら私を見てきたけど、明け方の『あのこと』は流石に言えないなぁ〜〜〜。

 

二人にはまだ早いからね。

 

 

 その後は、朝御飯を頂いた。その後は色々沢山遊んだり、妖怪の山の外側を冒険したりして過ごして、そしたらいつの間にか日が沈んでいた。

 

 

 

 

 

「ふぅ〜〜最近はご飯が美味しく感じるわね?なんでかしら?」

 

 

(成長期たからかな?私も背が伸びる頃に食べる量が増えたからね〜〜。あっ!?)

 

 

「いや、あんた鴉でしょ?成長期なんて………ああ、そうか。鴉って羽化してから大人になるまでの成長が早いんだったわね。そりゃあよく食べたんでしょうけど。」

 

 

夕食後、今は文と私で一緒に天狗の里の夜道を散歩しています。

 

 

油断して人間の頃の事を言ってしまった私は、焦っていたが、どうやらうまく文が勘違いしてくれたようだ。

 

 

 あ、焦ったぁ〜〜!!

 

 

 流石に言えないよね?私には転生した記憶があるってこと。と、取り敢えずそのまま流そう。

 

 

 

(ま、まあねえ〜〜!あの時は親に面倒を掛けまくっちゃったんだよ〜。)

 

 

「確かに、あんたなら迷惑掛けまくってるでしょうね。飛燕って意外とポンコツだから。」

 

 

(ポ、ポンコツ!?私が?)

 

 

「そうよ?だって朝食のときとか結構箸を落とすし、よく跳んでるときに壁にぶつかってるし、特に今日の朝は酷かったわよ?何回も落としてたし…………。」

 

 

 (ア、アハハハ……………。)

 

 

 

 い、言えない。文の育ての親の存在の二人と少しエッチなことしてたこと………。そして、朝食でその余韻に浸ってたことは、絶対に言えない……。

 

 

 

「………なんか?飛燕、さっきから緊張してない?」

 

 

 ―ドキッ―

 

 

 あっそうだった。文には私の感情丸わかりじゃん。これはやばいぞ。早く誤魔化さなきゃ!!

 

 

(いやぁ……別に?ただ少しだけね?これからのことを考えちゃってね?)

 

 

 

「ふ〜ん?…………はたてと同じくらい能天気な飛燕が?先のことを?

 

………まあ良いわ。その『これから』ってこの里を出てから?」

 

 

 

(………うん。まだまだ生まれたばかりだからさ、夢とか目標なんて『旅をする』とか、漠然としたものしか見つかってないんだ。)

 

 

 ご、ごまかせた〜〜〜〜!!『嘘から出てくる誠』ってこれのことを言うんだね?なんか意味が違う気がするけど、この不安については本当のことだからセ〜〜フ!!

 

 

 

「なぁ〜〜んだ………そんなことなのね?」

 

 

 

 (……………そんなこと?)

 

 

 

「そうよ。夢なんて結局は生きていく上で不必要よ。ただ生きる為に欲しいだけで。」

 

 

 

 (………………。)

 

 

 

 

 確かに文の言う通りだ。人は夢に生きるけど、夢ばかりを見ないで現実からそらしてはいけない。けど、どうして文は『そんなこと』って言ったんだろう?

 

 

 私のそんな疑問に答えるように、文は一息ついてから続きを言う。

 

 

「夢なんて『叶ったらいいな〜〜』くらいの願望でしよ?それに、これからなんて誰にも分からない。不安に思ってもしょうがないでしょ?」

 

 

ニコッと笑顔で励ましてくれる文。その言葉と笑顔で、私の不安やさっきまであった早朝のコトなんて吹き『飛んで』言った。

 

 

 (うん……確かに考えてもしょうがないよねぇ〜〜!!)

 

 

「そう。けど、夢は持っちゃいけないわけじゃないわ。私にも夢はあるからね?」

 

 

(へぇ〜〜?文に?夢?どんな?)

 

 

「そうっ!!私には沢山の事を調べてそれを皆に知らせるって夢があるの!!」

 

 

 

 ……この数週間が経って、初めて会った時から文は凄く変わった。こんなにも元気で可愛らしい笑顔なんてしなかったから。これを見ていると、私の些事なんて『風』の様にあっという間に消えていってしまった。

 

『風を操る程度の能力』か………本当に私達はお互い似ているのかもしれない。

 

 

 

(それって……新聞記者のこと?)

 

 

「新聞記者?なにそれ?けど、多分そのことだと思う。

 

 これはね?飛燕との真月での約束を元に考えたの!飛燕はさ。これから沢山の旅の体験を通して私に物事を教えてくれるでしょ?」

 

 

(うん。)

 

 

「だから、私も大きくなったら、もっと沢山冒険して見聞を広めたら、飛燕みたいに多くのことを『あの時の私』に近い人達に届けて上げたいの。そう『こんなに楽しいことがこんなに沢山あるよっ!!』て。」

 

 

 とても素晴らしい夢だと思った。そして、私が文の夢のオリジンになれたことが凄く嬉しかった。

 

 

 

「私も最初はなかった。日々をなんとなく生きてきたけど、いつの間にか見つかった。

 飛燕も気づいたらいつの間にか見つかってるかもしれないでしょ?だからさ。そんなに気張らず生きてみたら?」

 

 

 (……………うん。)

 

 

 

これじゃあ、どちらが大人か分からないな。片方は100歳の子供。もう片方は25歳の大人。けど、そんなデコボコだから私達はうまくはまり合ったのかもしれない。

 

けど、やっと決心がついた。私は私がしたいことをしよう。

 

 

 

 (私………明日の朝には、出発するんだ。)

 

 

「そうなのね…………、いつ頃に決めてたの?」

 

 

(ついさっき。文が私に言ってくれたとき。『気張らず生きよう』って。)

 

 

(明日、旅を再会したらさ。文が言ってくれた夢のような、私の夢をこれから探してみようかな。)

 

 

 

「………ありがとう。飛燕。」

 

 

 

 

 

 

 この時、なんで文は感謝の言葉を述べてくれたのかは分からない。けど、心の中で感じる文の感情は凄く温かみがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 人は昨日を振り返らず、前に振り返るべきなんだ。

 

 

 

 だから、私は旅に出ることにしたんだ。

 

 

 

 

 

 (………明日の出発に備えて、今日は早めに寝ようか。)

 

 

 

 

 

「そうね。そろそろ帰りましょう。はたて達が屋敷で帰りを待ってるから。」

 

 

 

 私と文は右の翼と左の腕を出し合って自然のように手を繋ぎ合い。そのまま周りのヒト達に見せつけるように帰りの夜道を歩いていった。

 

 

 

 

今夜の夜風は何故か暖かく、緩やかだった。

 

 

 

 

 

 

 






 ⑥はこのパートの最後までを見てくれた読者への私なりのプレゼントです。中々ギリギリをついたので内心ヒヤヒヤしてますけど。
まあ、18禁はつかないでしょうが、R-15判定は絶対付きますね。

 客観的に見れば、女性同士でただ首を舐めあってるだけなのでセーフです。(確信)



次は『迷いの竹林の日常回』のパートです!!


おまけの『天狗の里での日常回』パートの中で一番気に入った回を教えてください!!このパートを全部読んだ後にお答えしてくださると光栄です。

  • ①「化け鴉と椛の名将棋」     
  • ②「お転婆天狗娘達と化け鴉のプチ冒険」
  • ③「グ〜タラ娘とグ〜タラ鴉」
  • ④「めぐむ様のお悩みと化け鴉」  
  • ⑤「稽古の日常」
  • ⑥「生意気娘の夢の話と化け鴉」
  • 全部好きだよバカヤロー!!
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