化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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注意書き:おまけの(必須)がついた回を見てからこの回を観ることを推奨します。



 始まりましたね。第二章。ここから沢山の原作キャラと絡まして行きたいです。これからが楽しみです!!


「偉い人に人気者だけどただの化けガラスだから…え?『そんな化けガラスがいるか』って?確かに」の章
プロローグ:「ネリアが咲くいつの日へ」


 

 

 

 

 

 

 

 今私は、椿ちゃんの部屋の中にいた。神奈子さんと諏訪子さんと一緒に。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう……皆さん。そんな顔をしないで下さい。」

 

 

 

 

 

 私達が見ている方向には、寝そべっている椿ちゃんがいた。辛そうにしながらも無理やり笑顔を作って、私達を安心させようとしている。

 

 

 

 

「ツバキ。もう……そんなに無理をしなくても良いんだよ。ちゃんと気持ちは伝わってるから。」

 

 

「椿。もう無理はしないでくれ。最後くらいは楽にしなさい。」

 

 

 

 

「そうですよね………私ったら。そんなこと分からないほどに、随分と老けてしまって。」

 

 

 

「そんなことないよ……。椿ちゃんは今でも綺麗だよ。全然老けてないよ?」

 

 

 

「ふふ……もう。飛燕…さんたら。こんなシワクチャなおばあちゃんなのに。本当に……私のことが好きなんですね?」

 

 

「ゔん。大好きだよ。」

 

 

 

「知ってますよ。…沢山………沢山。伝えてくれましたから。」

 

 

 

「ゔん。私も……沢山貰ったよ。椿ちゃんの愛。」

 

 

 

 

 

 

「…………飛燕さん。……おかあさん。……神奈子様。私はあなたに『私自身』を魅せることは…………出来ましたか?」

 

 

 

「ああ……本当に忘れることなんて出来ないくらい沢山魅せられたよ。ツバキ。」

 

 

「グッ………椿。お前の『幸せ』は楽しかった。私も忘れないよ。絶対に。」

 

 

「ゔん。凄く魅力的だったよ。椿ちゃん。だがら……いがないでぇ…椿ちゃ〜〜ん!うあぁぁ〜〜ん。」

 

 

 

「もう。飛燕さんったら………我儘なんですから。」

 

 

 

「沢山冒険するから!!ごれがら………沢山。だがら。もう一度あって沢山お話しよう!!語り尽くせない程沢山冒険話を作っていくから!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは……………良かっ…………た…で………す。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、ゆっくりと目を瞑って眠りにつく椿ちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 その最後はとても幸せそうで、満足そうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つ、椿ちゃん!?椿ちゃ………ん……………。」

 

 

 

 

 

「ツバキ!?」

 

 

 

「椿………。そうか………逝ったか…………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6代目風祝。東風谷椿。齢九十 死去。

 

 

 

死因:寿命。この時代では珍しい。死因だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 煙が立ち上っている。椿ちゃんを送る煙の火が。この時代では珍しい火葬。椿ちゃんの頼みですることになった火葬。

 

 

 

 

 

 

 

 

「椿ちゃん。最後は意外な我儘を言ってきたなぁ……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『最後に、飛燕さんと同じ目線になってみたいです。飛燕さんのように、自由な空の旅をしてみたいです。』

 

 

 

 

 

 

 

「まさか………こんな突拍子のないことを言うなんて。椿ちゃんらしいっちゃそうだよね。」

 

 

 

 

 

 

 私は、椿ちゃんの遺体が入った箱が燃えていくのを神奈子さんと諏訪子さんと一緒に見守っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「本当に、大巫女と同じくらい。可愛い私の娘だったよ。」

 

「ああ……あれ程私達の記憶に残るような人間なんて滅多にいないだろう。本当に私達に『魅せたまま』逝ってしまったよ。」

 

 

「神奈子さん………諏訪子さん…………。」

 

 

 

 

 

「飛燕。」

 

 

 

 

 

「はい……諏訪子さん。」

 

 

 

「娘を幸せにしてくれてありがとう。『約束』を最後まで守ってくれて私は嬉しかったよ。本当に………娘は幸せ者だよ。ほんどうにぃ……。」

 

 

「諏訪子ったら。我慢せずに泣けば良いんだよ………グスッ………皆、椿がいなくなって悲しいんだから。」

 

 

 

「……………寂しくなるよ。大巫女もツバキもいなくなって。」

 

 

 

「…………はい。」

 

 

 

 

「そうだ。飛燕。ツバキから。手紙を授かっていたんだ。ほら……。」

 

 

 

 

「手紙?」

 

 

 

 

なんでだろう。この時代。まだ紙はほとんど作られてない貴重なものだった筈。そんなモノを取り寄せるなんて…………

 

 

 

 

 

私は、諏訪子さんからその手紙を受け取り。手紙を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

『背景。私の愛しい飛燕さんへ。

 

 

 

 

 

 この手紙を飛燕さんが開いているということは、もう私は飛燕さんの前から去っていることでしょう。

 

 

 

 

 この手紙を描いているのは少し、気恥ずかしいですね。今ここにいる私は生きているのに、死んだ後を想定して書いているんでしょうから。

 

 

 

 

 

 

 でも、とても胸がポカポカするんです。きっとこの手紙を呼んでいる貴方は私との別れを悲しんでいるのに。

 

 

 

 

 

 

どうですか?当たってますか?』

 

 

 

 

 

「椿ちゃん………当だっでるよ。本当に寸分違わないでぇ…。」

 

 

 

 

 

 

『もし、当たっているなら……それは私は本当に幸せ者ですね。こんなにも愛して貰ってるなんて。

 

 

 

 

 

けど、飛燕さん。貴方にはやるべきことがあるんでしょう?』

 

 

 

 

「ゔん………。その通りだよ。」

 

 

 

 

『貴方は誰よりも自由な『化けガラス』です。そして、私に幸運を運んでくれた愉快な旅の神様です。

 

 

 

 なら………私との別れの追憶は程々にして、旅を続けて下さいな。私はいつも貴方と共にいるから。

 

 

 

 何処に行っても、私は貴方の心の中にいますから。

 

 

 

これからも沢山旅を楽しんで私を楽しませてください。』

 

 

 

 

 

「ゔん。ゔん………そうだよねぇ゙椿ちゃん……グスッ…。」

 

 

 

 

 

『今まで私と一緒に居てくれてありがとうございました。飛燕さん。

 

 

 

 

 

   いつまでも愛してます。  貴方が愛した椿より』

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はその場で泣き崩れてしまった。恥も外聞も関係なく泣きじゃぐった。

 

 

 

 

「わだじぃ……これがら一生懸命生ぎるがらぁ〜〜!!いつまでも見でいでね。椿ちゃん!!!」

 

 

 

 

 

 

「ゔぇェ゙ぇ゙ェ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!」

 

 

 

 

 そうだ。こんなにナヨナヨしてないで『一生懸命生きて』みよう。どんなに泥臭くても生き足掻き続けよう。満足しないで、沢山沢山、楽しもう。今の生を。

 

 

 

 

 けど、今は沢山泣かせて。今はもういない貴方に精一杯甘えさせて。大丈夫だよ椿ちゃん。すぐに立ち直るから。安心して。

 

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

 

 

 国を挙げて宴を開いて、皆で飲み明かした後の翌朝。私は朝早くから、守屋神社の鳥居をくぐっていた。

 

 

 

 

「もう行くのかい?飛燕?」

 

 

 

 皆が寝静まっていたはずなのに、さっきまで寝ていた神奈子様が私を出迎えてくれていた。

 

 

 

 

 

 

「………はい。神奈子さん。」

 

 

 

 

 

 

 

「……………そうか。飛燕にとってはとくに辛いからね。ここに来るのは。………………暫くの間はここに来ないんだろう?」

 

 

 

 

 

 「っ!?……………そうですね。けど、『暫く』の間です。その内ここに来ますよ。今は少しだけ、離れていたいので。」

 

 

 

 

 

「そうか……………済まないね。諏訪子がここに居なくて。あいつ、いつもは酒に強いのにあんなに悪酔いしちゃってな。起こそうとしても起きなかったんだ。」

 

 

 

「いえ……………、諏訪子さんが一番悲しんでおられましたから。大巫女さんでも辛そうにしていたのに、あれ程お酒で取り乱した姿は初めて見ましたから。」

 

 

 

「ああ………本当に、あの時の諏訪子は……凄く、悲しそうだった。」

 

 

 

 

「けど………神奈子さんがこれからもついて居るんでしょう?それに、新たに大巫女さんを拾ったと聞いていますので、教育に忙しくなりそうですから。また暫くは大丈夫でしょう。」

 

 

「これから暇しないのは、諏訪子にとっては幸運だった。」

 

 

 

 

「本当に別れというのは辛いです。」

 

 

 

 

 

「ああ……………本当に、種族が違うってだけで、こんなにも辛いんだ。それが親しい者なら尚更だ。」

 

 

 

 

 

「ええ………けど、後悔はしませんよ?

 

 

 寧ろ自慢に思ってます。あんなに素晴らしく、輝かしい生き様を見せてくれる種族は人間意外にもいませんから。

 

 それを見届けられるなんて素晴らしいことだと思いませんか?」

 

 

 

 

 

「そうだな…。本当に眩しく映ったよ。あの子達は。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて………行きますかね。諏訪子さんに私が出立したこと言っておいてくださいね。」

 

 

 

 

 

「ああ……言っておこう。今度こそお別れだな。」

 

 

 

「いえ…………ここでは『また』ですよ?」

 

 

 

「……そうだな。『また』会おう。飛燕。」

 

 

 

「はい。『また』会いましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 そして、私は勢いよく飛び立った。

 

 

 

 雲の上を越えて。誰よりも早く。誰よりも輝かしい紺色の翼を羽ばたかせて。

 

 太陽なんてに負けないくらい高く高く飛びあがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな私のくちばしには1輪のネリアが咥えられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 ここでプロローグは終了です。



 第二章は、金曜日と土曜日の1週間分の書き溜めを放出する形にします。簡単に言えば0:00を最後にしてそこから逆算して順に投稿する感じですね。

 毎日投稿は難しいんですよね〜。忙しくなるので仕方がないんですよね。この時期は。



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