化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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 こう言う歴史背景のある舞台が好きなんです。こういうのも実は描きたかった!!




9羽:「どこのお嬢様もお転婆なのは定番らしいけど、おぜうさまを見習おうよ!あれ?それはダメな例?①」

 

 

 

 大興城。この都市は後秦が滅んだ後、隋が建国されたときに首都と決められた、古代の当時の都市として、世界で一番大きな都市と言われていた。

 そして、後の唐の時代には長安と命名されるようになる。

 

 

この都市の名前なら歴史を勉強している人は知っているかな?

 

 

 結構有名だと思うよ。日本史と世界史どっちも出てくるハズだから。やっぱり、当時で最大級の都市と言われただけであって多くの人々が住んでいて、町中が活気に満たされているな〜!!

 

 そんな町並みを眺めながら明徳門をくぐり終えた私達は、朱雀大路を歩きながら小さな感嘆の息を漏らしながら歩いていた。

 

 

「おお〜!これが隋の首都かぁ〜!!」

 

「これは………凄いですね………。」

 

「うふふ。いつ見ても人が作る町は素晴らしいですわ。」

 

 

「おお〜〜!?食べ物がいっぱいだぁ〜!!あれ食べていいか〜〜?せいがぁ〜?」

 

「芳香ちゃん。人は食べちゃだめよ?後で色々な食べ物買ってあげるんだから。」

 

「分かったぞ。せいが〜!」

 

 

 化粧をして人間に変装している芳香ちゃんが両手をフルフル振りながら楽しそうにしている。キョンシーだから動きがぎこちないが綺麗な化粧もあってそれもそれで人形のような可愛らしさがあった。お札はおでこに貼り付けてあるけど、バンダナみたいので誤魔化している。

 

 

 あ〜!!可愛いいな〜!!因幡ちゃん達と同等と言ってもいい可愛さだよ!!抱きしめたい。その笑顔。

 

 

「まぁ待て、私。少し前に青雅さんに許可してもらって愛でれたんだから我慢だ私。」

 

「飛燕さん?」ゴゴゴゴ

 

「はい。スミマセン。」

 

 

「それでは、休みも兼ねて観光致しましょうか?」

 

「良いですね。まずは市場に行ってみましょう。」

 

 

「賛成〜!」

 

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

 

 

 宿を借り終えた私達は、人混みの途切れない市場を進んで行った。丁度、朝貢の為にきた使節団が来ていたらしく、して様々な催し物を繰り広げながらパレードのようなことをしているその風景はお祭りの独特の雰囲気を醸し出していた。

 

 この時代の中国は朝貢貿易によってアジアの各地から物品が届く為、色々な品物がこの市場へと運ばれてくるのでその様々な昔の貿易品や動物を見ているのはとても楽しいと思えた。

 

 

 ― パオーン ―

 

 

 

 この声は!

 

 

「ん?何の音でしょうか?皆さん!!こっちです!速く来てください!!」

 

「美鈴さん。そんなに急いでも仕方ないよ〜。ほら!行こう芳香ちゃん。」

 

「ん〜〜?いいぞ〜?飛燕〜。」

 

 

 はしゃぎ回る美鈴に手を引かれながら芳香ちゃんの手を引く私。そして、芳香ちゃんは青雅さんの手を引いて今手を離せば逸れてしまう程の人混みを掻き分けながら進んでいく。

 

 

「ぱぉ〜〜〜〜〜ん!!!」

 

 

 人混みの前に躍り出るとそこには元気に声をあげた象が様々な国からくる使節団の行進の中で歩いていた。

 

 

 

「大きな生きものですね!!妖怪でもないのにこんな生きものがいるとは!!」

 

「おぉ〜〜〜!!大きいぞせいが〜〜〜!!!」

 

「あれは確かゾウって言うんだよ!!哺乳類っていう種類の動物の中で世界で一番大きな生きものだよ!!」

 

「そんな生きものが………山籠りなんかしないほうが良かったのでは…………」

 

「へぇ〜〜!!!」

 

 

 はしゃぎ回る私達の最後尾で芳香ちゃんに手を引かれるままに宙に浮いていた青雅さんが楽しそうに笑った。

 

 

 

「うふふふ〜♪皆、随分とはしゃいでいますわね。」

 

「それははしゃがないとね!こんなに人が多いところなんてここだけだから!!」

 

「その通りです!!こんな楽しいことを味わえるなら参加しないのは損です!!」

 

「それもそうね♪なら私も精一杯楽しみましょう♪」

 

 

「わっ!?」

 

「ちょっ!?」

 

「ん〜?」

 

 

 青雅さんは私達を連れて急に使節団のパレードに加わってきた。そして、仙人が扱える道術(タオイズム)を駆使して、急に曲芸をし始めた。

 

 音楽に合わせて踊ったり飛んだりしている使節団の上で水で構成された龍を作り出し、その龍がまるで本当の龍かのように動かしだす。

 

 

 ― ワーー!! ―

 

 

 パレードを観戦していた民衆がその摩訶不思議な光景に歓声をあげる。

 私達もその風景に感嘆としていて我を忘れていたが、直ぐ様気を取り戻してニコニコと楽しそうにしている自称仙人へと向き直った。

 

 

「ちょっー!!青雅さぁ〜ん!!私達が目立つのはヤバいって!!」

 

「ふふふふ。あら?飛燕さん?私は私なりに楽しんでいますのよ?それに、皆龍のほうに注目していて私達を観ていませんわよ?」

 

「実際にそうですが〜!!それで良いんですか〜!!」

 

「大丈夫ですわよ。美鈴さん?ちゃんとお祭りに参加していれば誰も怪しみませんわ。そもそも祭りは神様も参加するような行事ですわ。今さら仙人やら道祖神やら妖怪が紛れようと、実害がない限り誰も気が付きませんわ。」

 

 確かに元々こう言う行事は神様を楽しませたりする為に生まれたのが源流だけど〜!!いいや!!目立っちゃったもんはしょうがない!!

 

 

 

「…………もぉ〜〜!!こうなったらヤケクソだーーー!!!」

 

「なっ!?飛燕さん!?」

 

 

 美鈴さんの静止の声を背後に、私は抑えていた神力を解放してサーカス玉のような球体を錬成し、その上に乗っかりながら飛び跳ねまくる。

 何度も身体を回転させたりひねらせながら回転したりして、更にステッキ状の棒と回る駒を生み出して駒を回転させながら棒の上に乗せたり投げたりして、その曲芸を披露していった。

 

 

 それに合わせるように、青雅さんの作り出した水龍が飛び跳ねる私の周りを駆け巡るように青雅さんの操作が入ることで、幻想的な風景を生み出す。

 

 観衆が更なる熱狂に包まれる。

 

 

『神様だ〜!!』

 

『神々が降臨なさったぞ〜!!』

 

 

『『わぁ〜〜〜〜〜〜!!!』』

 

 

 人々が私の放出する神力に反応して、観衆がどよめくと共に一斉に盛り上がった。もうなんかヤケクソだけど元々祭りは神々のモノだ。私がいても大丈夫だろう。

 

 

「おお〜!!凄いぞ飛燕〜〜!!!」

 

「飛燕さんまでぇ〜〜〜!!」

 

 

 楽しそうに曲がらない腕をプルプルと振る芳香ちゃんとアワアワとよくわからない悲鳴をあげる美鈴さん。私はそんな2人に丁度落ちてくるタイミンに合わせて2人肩に手で触れた。

 

 

「こうなったら道連れだよ!!」

 

「わぁっ!?」

 

「きゃあ!?」

 

 

 2人は私の『飛ばす程度の能力』で飛び上がった。それを青雅さんが道術(タオイズム)で作り出した水流でキャッチする。

 

 

「楽しんで貰うよ!!覚悟は出来た?」

 

「もう私もできましたよ!!こんな目立ってしまったらやるしかないじゃないですか!!」

 

「楽しそうだ〜!!」

 

「よしきた!!青雅さん!!」

 

「分かりましたわ!」

 

 

 青雅さんが水のクッションを解いた瞬間、私は同じくサーカス玉のような者を錬成して落ちる2人の足元に発生させた。

 それを理解したのか2人はそれに上手く着地して、思いっきり飛び跳ねた。

 

 水で出来た沢山のイルカが現れて2人に合わさって空中で1回転することで光景を色立たせた。

 

 

『『ワァーーー!!!』』

 

 

 観客も楽しんでいる。突然の乱入者に困惑していた様々な国の使節団も調子づいて私達に合わせるように楽器を鳴らしていく、踊り子達や舞を踊る者達も、動物や馬に乗った役人までも各々の役割を熟しながら舞台を盛り上げていく。

 

 今この場では、国籍や種族や生まれの身分など関係なく皆が楽しんでいる。

 

 

(ああ………楽しい。私はこう言うことができるからこそ、旅をしたいんだ。)

 

 

 私も入れて皆の顔は心の底から笑顔だった。いや、このお祭りに参加している者全員が笑顔だった。

 独特な管楽器の才色豊かな音が流れるなか、私達は祭りを楽しんでいった。

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

 祭りの屋台や演し物も全て回り終わった頃。辺りは夕方になっていた。

 

 様々な国の朝貢使節団による見世物が一段落しても未だ冷めない祭りの人々の熱の余熱を浴びながら、私達はゆったりと気持ちのよい疲れと余韻を味わいながら汗を拭きながら河川の石垣の上で並んで休んでいた。

 

 それにしても、倭国の使節団とは仲良く慣れてよかったな〜。なんとあの小野妹子さんと知り合えたからね〜!

 

 凄くない!?あの小野妹子だよ?義務教育では誰もが知ることになる有名人だよ!!いや〜嬉しいね〜!!じゃあ、聖徳太子とかもいるのかな?

 

 ヒャア〜!日本に帰るのが楽しみになってきたな〜!!

 

 

「ぷひ〜〜!!あ〜〜!!楽しかった〜〜〜!!!」

 

「ふぅ……楽しかったですね。」

 

「ふふふ♪やっぱり目立って、羨望の目線を受けるのは楽しいわね。」

 

「楽しかったぞ〜〜!!!!」

 

 

 今はゆっくりと祭りの屋台で買った食べ物を消費中って感じだね。代金は蟻の妖怪の鉱石を売ってたんまり儲けさせて貰った分です。

 

 いいよね。こういう時は皆人外だからか食べても太らないっていうこのドリームボディ。成長するとしたら胸とかだろう。私も十分はあるけどDカップにはいきたいな。このままじゃ文に胸の大きさが抜かされる可能性があるからね。

 

 だから、楽しみながら沢山食べるのである。全国の乙女達よ。私達を恨むな。この羨ましぼでぃーを恨め。

 

 

 「牛肉の串焼きかしら?食べたことない粗雑な庶民の味ですが、意外と美味しいですわね?」

 

「ぜいが〜!!私も食べさせろよ〜!!」 

 

「ごめんなさいね。芳香ちゃん。ほら。あ〜〜ん。」

 

 ―パク―

 

「お〜〜!!美味しいな〜〜!!!」

 

 

 

「こっちも美味しいですね?この『かれ〜』という食べ物は。」

 

「あ〜ね。なんかインカ帝国?かな?っていう国から来た食べ物だね。ゾウとかもそうらしいよ?」

 

 

 

「ゾウ?とはなんぞや?妾に教えてくれぬか?ハムッ………美味しいなこれは?これが庶民の味か?」

 

 

「「…………ん?」」「あら?」

 

 

 私達が見知らぬ声に気が付いて振り向くと、そこには沢山あった料理をつまんでいる高級そうな服をきたお嬢さんがいた。

 

 

「なんじゃ?お主ら?揃いも揃って変な顔をする。それともなんだ?妾が勝手に飯を食べたことに腹を立てたのか?いいじゃろうが、これだけあるのだ。祭りなのだ少しくらい分けてくれても。」

 

 中国人っぽいのは分かる。顔つきや服装からもそうだろう。ただ問題はその高級そうな服装だ。完全に皇帝の妃が着るような高価な布地だということだ。

 

 

…………そして、絶世の美女だった。

 

 

「えっと……お嬢さん?お名前は?」

 

「蕭(しょう)だが?何だ?」

 

 

 ((蕭皇后がポップしたーー!!!))

 

 

 分からない人に向けて説明するけど、蕭皇后とは隋の煬帝の妻とされている女性の名前だ。詩人としても有名な人だったらしい。そして、伝説の美女として有名で、知力や文才など多才な能力を有したと言われる人だ。彼女に惹かれた中国人も少なくないという超有名人だ。

 

 それが、何故か私達の屋台の食べ物を食べている。あのう…イメージが崩れそうですなんですが?

 

 

 

「あの?もしかして夫は煬帝(ようだい)という名前だったりしませんか?」

 

 

 美鈴さんの質問に目を見開いて『よく知っているな』とでも言いたそうな意外そうな顔をしていた。

 

 

 あ〜これは確定ですわ〜。

 

 

「よく知っておるな〜!私の夫はこの隋で最も偉い皇帝じゃ。」

 

 

「少し待っててくださいね。」

 

「うむ?よいぞ?」

 

「皆〜集合!!」

 

 

「ヤバいよどうするよ。完全にスリーアウトだよ。確定で皇后様が来ちゃったよ!?」コソコソ

 

「どうしましょう?町中で聞けば煬帝という皇帝は暴君ですよ?その妻を怒らせて間接的にそんな人を怒らせるようなことがあれば………」コソコソ

 

「うふふふ……国から総出をあげて命を狙われますわね♪」

 

「パク………お〜!美味しいぞ〜!この干しイカは〜!」

 

 

「「…………………。」」

 

 

 ((ヤバ〜〜い!!!!))

 

 

 

「何をいつまでブツブツと話し合っておる。それよりもお主ら、素晴らしい見せ物をしておったな。」

 

「ん?そうですよ?」

 

「素晴らしい出来であったぞ。私もこっそりと見せてもらったからな。」

 

 

 まさか……この姫様、一人で来たのかな?

 

 

「ありがとう御座います。…………所で、護衛などは?」

 

 

「………………はぐれた。」

 

 

 

 Oh…………HAGURETAですか…………。

 

 

「皆〜!!また集合〜〜!!!」

 

 

「どうしましょうか?これ?」コソコソ

 

「これは実は結構危ない状況なのでは?」コソコソ

 

「運悪くこの場面を護衛の人に見つかれば、少なくとも皆仲良く牢屋行きかもしれませんわね?」コソコソ

 

「なんだ〜?これは〜?水餃子というのはおいしぞ〜せいが〜!?」

 

「取り敢えずは、この姫様をどうにかしないと。」コソコソ

 

「では、人当たりの良い飛燕さんに任せましたよ?」コソコソ

 

「オーケー任された。」コソコソ

 

 

 

「はぐれちゃったか〜〜そうか〜〜。危ないよ?」

 

「うむ。だが、私も元々は貧困していたからな。庶民に馴染んでおる。だから多分大丈夫じゃ。」

 

「いやっ!?バレてるから現在進行系で!!」

 

「大丈夫じゃ。所でゾウというのはなんなんぞ?」

 

 

 だ、ダメだこの姫様……早く何とかしないと……。

 

 

「分かったよ。ちゃんと教えるから、用が済んだら一緒に護衛の人を探すよ?」

 

「まあまあ、そうは言わずに少しだけお主らと行動させてくれ。」

 

「それ、絶対に居座る気満々でしょ!!いいけどさ〜!あんた皇后だろ!!良いのそれで!?」

 

「良いのじゃ。祭りくらい羽目をはずさせてくれ。妾も色々と溜まっておるのだ。」

 

 

「…………。」

 

 

 

 

 やっぱり姫様だもんね。そりゃあ宮廷暮らしだから、高級な暮らしが出来ても堅っ苦しい生活になっていまうのだろう。こんな美人さんが物憂つげにしているのだ。これは相談に乗らないのは乙女が廃るね。

 

 

 

「うゔん。別に聞かんでもよい…お主らに話しても―」

 

 

「訳を聞きましょうか?蕭ちゃん。」

 

 

「な、なんじゃお主……急に食い気味じゃな……?それに『ショウちゃん』て………妾は一応皇后なのだぞ?」

 

 

 私は背後からくる美鈴さんの黒い感情を感じながらも気にせず蕭ちゃんの両手を握ったのだった。

 

 

 

 

 

(次話に続く)

 

 

 

 






作者「こう言うシチュエーション一度は書いてみたかったんですよ。あのお姫様とか宮殿の妃とかと街や宮廷内を巡る奴です。夢がありますよね。」

赤髪美人「ていうか飛燕さん。目移りし過ぎでは?良いんですか?パルっちゃいますよ?」

作者「いや……そのぅ〜彼女は可愛い物に目がないんですよ。ほら、恋愛の意味じゃなくて……可愛がるほうで………。」

赤髪美人「………飛燕さんが好意を持ったヒト達に襲われがちな理由がなんとなくわかりましたよ。」ギラ

作者「いや……勘弁してください。永遠の18歳の少女に酷い目に遭わされたばかりなんですから。」

赤髪美人「大丈夫です。作者さんは生かしておきますよ。これから私の為にも役立って貰う予定なので。それに、飛燕さんには後でその内しっかりとこの罰は与えますから。パルパルパルパルパル―」




作者「ヒエッ………優しい人を怒らせるのは辞めよう。後が怖いや。」






 
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