化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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 いつか、原作で青雅さんの深掘りがいつか来ると思ってます。というか、原作の最新作の新情報が怖い。それで多くの二次創作が途中でエタッていってしまったのを見てきたから………。

 まあ二次創作のほとんどは飽きて辞めてしまった人やネタ切れになってしまったのも多いんですけどね。




11羽:「どこのお嬢様もお転婆なのは定番らしいけど、おぜうさまを見習おうよ!あれ?それはダメな例?③」

 

 

 

 宿に帰って一眠りして酔いやらを覚ました私達は、早朝の大興城へと忍び込もうとしていた。

 

 なんかこういうの一度はやって見たかったんだよね。お城の潜入とかワクワクとドキドキが止まらないね。

 

 

 

さあ!!始まった!!私達の宮廷潜入!!

 

 霊能力者はいるだろうが、今ここにいるメンバーのは粒揃いだ。負けることはないだろう。何故ならここにいるのは〜!

 

 

 『『気』を自由に扱い、岩を素手で砕く中国美人。気遣いの達人、紅美鈴。』

 

 『凄腕の仙人。道術の達人。謎多き中国麗人、霍青娥。』

 

 『何でも持てる力持ちアンデッドガール。たくさん食べるぞ宮古芳香。』

 

「そして、『神と妖怪を併せ持つハイブリッド化けガラスガール。飛んで火に入る黒柳飛燕』である。

 

 

 果たしてこのメンバーは潜入することに成功できるのか!?次回へと続く。まる。」

 

 

「「「…………………。」」」

 

 

 

「飛燕さん?……それ飛燕さんだけが死にそうじゃないですか?」

 

「緊張感がまるでないぞぉ〜?」

 

「何故か私達が恥ずかしくなるような二つ名ですわね。ムズムズしますわね。」

 

 

「こういうのは雰囲気だよ。『ロマンは何時でも大事うさ』って何処かの世界一長生きした可愛く賢い兎が言ってた。」

 

「それ『何処か』っていります?完全に特定してますよ。」

 

 

「珠世さんからの合図まで暇だな〜って思って。なんとなく実況してみた。」

 

「そ、そうですが…………。」

 

 

 

 そう、今私達はミッションイ◯ポッシブルみたいに、屋根の上で蕭ちゃんの従者である珠世さんの合図を待っています。

 

 

 私が鴉形態になって合図してもよかったけど、中国では縁起が悪いと言われることが多いから辞めておいた。

 それにしても遅いな〜珠世さん。

 

 そうそう。私達の仕掛けたイタズラの準備は終わったよ。中々これからが楽しみだね。キヒヒヒヒ。

 帰って、てゐにこのイタズラについて話せば爆笑間違いなしだろう。

 

 

「あっ!感じました!」

 

 

 私が少し先の未来の構図を思い描いていると、山に住んでいたお陰なのか目が異常に良い美鈴さんが珠世さんの合図にいち早く気がついて声をあげた。

 

 

「よし、行こう。皆」

 

 

 私の合図で私達は目的の塔のところへと屋根伝いに進んでいく。そして、たどり着いて、皆で立ち止まった後、青雅さんが道術を発動させた。

 

「では行きましょう。芳香ちゃん。」

 

「分かったぞ〜せいがぁ〜。」

 

 

「それじゃあお先〜♪」

 

「お先だぞ〜!!」

 

 

 やけに手慣れた様子で壁に入っていく2人。それだけでどれだけここに不法侵入していたのかがわかるよね。

 

 

「ねえ?少し前から考えてたけど、初めて青雅さんが侵入した時もこういう感じで侵入してたのかな?」

 

「………あの人のことですし、こんな感じなんですよ。では探索の続行をお願いしますね。」

 

 

 美鈴さんも入っていった。私も美鈴さんに続く。

 

 何度もこの感覚は慣れないな。壁って普通は通り抜けるものじゃないもんね。

 

 そして、壁の先へと進むと、どうやら屋根裏部屋のような少しホコリ臭い倉庫のだった。

 そこで、皆を迎えに来てくれていた蕭ちゃんと幾つかの服を腕にかけて持っている恐らく珠世さんと思われるが女性がいた。

 

 随分と美人だね。それにしても従者か……色々お願いを聞いてくれるなんて最高だね。………グヘヘ。

 

 

「全員揃ったの?それでは挨拶からせんとな。珠世。」

 

「はい。私は蕭様が皇后様となられてから従者を務めさせて頂いている珠世と申します。よろしくお願いします。」

 

 

 そう言って、珠世さんは両手の手の平を胸の前で重ねてお辞儀をしてきた。中国でいう敬愛を示す挨拶の仕方だ。

 

 

「私は紅美鈴と申します。」

 

「霍青雅ですわ。」

 

「宮古芳香だぞ〜!」

 

「黒柳飛燕だよ。よろしくね〜。」

 

「よろしくお願いします。美鈴様、青雅様、芳香様、飛燕様。何かしら分からないことがあればご申付ください。」

 

 

「安心せい。ここは珠世に頼んで人が来ないようにしている。取り敢えずこれを着てくれ。」

 

 蕭ちゃんの言葉に連動して珠世さんがピンク色の服を出してきた。それを私達は受け取っておずおずと着替え出す。

 

 ん?乙女達が人前で普通に着替え出すなって?いいのいいの。ここには女性しかいないし、私以外はわざわざ性的に着替えなんか見ないからね。グフフフ。美女達の着替えは何時でも目の保養になるね。

 

 

 それにしても、この色……少し酷いな。

 

 

「うげ……ピンク色?私の紺色のイメージカラーと真逆じゃん。」

 

「う〜ん?私も赤毛なので被ってますね。意外と着たら似合いますかね?」

 

「私は遠慮しておきますわ。元々上等な服装なので少し目立つだけにとどまりますから。」

 

 

「文句を言うでない。従者の服装じゃ。珠世。上手く紛れさせろ。私は遣隋使の式の準備があるからの。」

 

「了解致しました。では、皆様。侍女部屋へとお連れ致します。についてきてくださいませ。」

 

 

 そうして私達は、珠世さんに侍女部屋へと連れられていった。

 

 

 

 * * *

 

 

 

 大極宮の中ってこうなってるんだ?凄いねこれは。

 

 よく整えられた庭園に、人によって作られたようには見えないほどの池。その池を囲む砂浜や廊下など、寝殿造りの基礎と言えるような素晴らし建築を私達に見せてきた。

 

 

「おお〜!!凄いぞー!せいが〜!」

 

「芳香ちゃん。シーよ?」

 

「分かったぞ〜」

 

 

 『従者になる』と書かれているお札を貼られている芳香ちゃんがはしゃぐのを青雅さんがほほ笑みながら口元に人差し指を当てているのを横目に、珠世さんが話始める。

 

 

「皆様にはこれから丁寧な言葉遣いをお頼み申し上げます。何故ならこれから『皇后様の従者』という身分として働いて貰うからです。つきましては、従者部屋へと入った後、私の言葉遣いも多少変化致しますが失礼をお許しください。」

 

 

「いいよいいよ。私達が迷惑かけてるんだからそれくらいなら協力するよ。ね?皆?」

 

「分かりましたわ。芳香ちゃんのお札に追加で書いておきますわ。」

 

「はい。私はいつも通りですね。」

 

 

「では、これから切替えていきます。うゔん………これから貴方達には式場の準備をして頂きます。途中から貴族や官僚の方も来るかもしれませんが。頼みましたよ?」

 

 

「「「はい。」」」

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 そんな感じで、式の準備を他の女中さん達と共同で終わらせた私達は、蕭ちゃんの後ろに珠世さんと一緒に待機させられていた。

 

 それにしても、蕭ちゃんの言っていたことは本当だったようだ。蕭ちゃんは正妃なのに、側室よりも煬帝よりも全然位置が遠い。本当に正妃として扱われているのか疑うレベルには遠い。

 

 昔からどの国でも一番偉い人から近い人ほど位が高かったり、親しい人である証明だった。だけど、煬帝の近くにいる女性は側室の女性達ばかりだったからだ。

 

 そして、進行役の臣下が始まりの声をあげると一国ずつ使節団が入ってきて、多少の会見を済ましては式場の待機場へと退場していった。

 

 幾つかの国の分の会見が終わった頃。遂に倭国からの使節団がきた。

 

 

 うわ〜〜!!!遂にあの有名な場面が見れるんだ!!

 

 

「開門!!」

 

 

 ― バン ―

 

 

 立派な式場の扉が開かれて、小野妹子を先頭に使節団の代表数名が入ってきた。

 

 この時代、日本は野蛮な国そう、倭(野蛮な)国だと言われていたけどそんな気配など微塵もなく、妹子さんや他の特使達は綺麗な衣に包んでいて歩き方も式にあった歩き方だった。

 

 

 ふう〜!使節団の行進の祭りで知り合ったけど、妹子さんやっぱり若いね〜!あの年でこんな立派な役目を受けてるんだから凄いよね!!

 

 本来私達従者達は胸の前に手を合わせて頭を下げていなきゃいけないけど、私は少しだけ顔を上げていたせいで、妹子さんと目が合ってしまった。

 

あっ!?ヤバい!!あれは完全にバレちゃってる。

 

 

 目を見開いて一瞬固まった妹子さん。直ぐに我に帰って止めていた歩みを戻すが、私の方をジト目で見ていた。

 

 

え、エヘヘへ………こんちわ。妹子さん。昨日ぶりだね?

 

 

 妹子さんには私達が旅人だと話しているので完全に訝しげられているわ。私がこっそり会釈をすると妹子さんが顔全体で『そこで何をやっているんだ』と伝えてきたので、軽いジェスチャーで返事する。

 

 

体験で従者やってます。ドヤッ

 

 

 あっ!ジト目が更に強くなった。それじゃあ睨んでるのと変わらないよ妹子さん。

 

 

 

 けど、もうすぐ目の前に煬帝がいるので頭を切り替えたようだ。さて、事実では聖徳太子の送った文章のせいで煬帝は激昂したようだけど、実際はどうやって切り抜けたのかな?

 

 時代の有名所を見れるのは凄く興奮するね。まるで歴史の観測をしてるみたいだ。

 

 

 見物である。ワクワク

 

 

 そして、使節団の特使の一人が進行役の人伝に聖徳太子の手紙を渡した。

 あの聖徳太子のことだ。あの手紙には丁寧な文字で漢文が書かれているんだろう。それも中国からしたら逆撫でする要因になったのかもしれない。

 

 

 案の上、煬帝は激昂した。

 

「なんだ!?こんなふざけた手紙の内容は!?馬鹿にしているのか!?倭国の者は???」

 

 

 

 まあ…内容が内容だもんね。『日出ずる国の倭国から日沈む国の貴殿の国』って書いてあって、そして、『対等にしようぜ』って書いてあるんだから。

 

 まあ要約すれば、『私の国はこれから発展するけどあんたの国ら直ぐに滅びるよ?私の国とよろしくね。因みにタメで付き合おうぜ!!』って言ってるのと変わらないだろう。アジアで一番強大な国であると自負していた隋にとってはほぼ煽りである。

 

 まあでも、実際は隋はこの後直ぐに滅びるし、倭国と呼ばれた国は日ノ本と言われる程には発展していくんだけど。

 

 

 あれ?聖徳太子さんって未来予知でもしてたんですかね?

 

 

 私が解説している内に、煬帝は怒りまくって手紙を投げ捨てていた。

 

 ん?……なんかおかしくない?事実では何とか怒りを鎮めて流される感じじゃなかった?

 

それにしても臣下達のどよめき具合がおかしいんだけど……。

 

…………いやな予感がする。

 

 

私は急いで2人に思考を『飛ばした』

 

 

(美鈴さん!!青雅さん!!)

 

 

『なんですか?飛燕さん?』

 

「………これは?飛燕さんの声でしょうか?」コソコソ

 

(そうだよ!!2人とも聞いて!私達が仕掛ける予定のイタズラ。今からしてもらってもいいかな?)

 

『……まあ、いいですが?謁見が終わって一段落したらじゃないんですか?』

 

(ごめんね!予定変更ってことで!!)

 

 

「ふふ♪……分かりましたわ。では始めましょうか?」

 

『仕方ありませんね!やりますか!!』

 

 

 

 

煬帝が手を上げて衛兵を呼ぼうとした時。

 

 

 

 

 青雅さんが道術で生み出した火で三本足の鳥のフォルムを作り出して、美鈴さんが大『気』を操作して火を酸素と水素を沢山集めることで勢いをまさせる。

 そして、私達がその三本足の火の鳥を『飛ばし』た。

 

 

 元々人が困るようなイタズラをしたくなかった私は、縁起事を兼ねての楽しいイタズラをしようかと思っていた。

 

 そこで考えついたのが、中国では三本足の鴉という太陽の象徴として神聖な鳥を式の時に頃を見て飛ばしてみることであった。

 

 誰も悲しまない皆が喜ぶイタズラだ。それを謁見が終わって皆で宴のような物を開いている時に出そうとしていた特大のイタズラだった。

 

 けど、ここでやった方がいいと直感で感じた。このままじゃ、隋と倭国が戦争のような状態になるかもしれないから、そして、

何よりも妹子さん達が酷い目に遭って欲しくなかったから。

 

 

 火を纏った鴉が天井のない空へと飛んで消えていく姿に謁見の間の人々は皆騒然としていた。煬帝ですら開いた口が塞がっていなかった。

 

 

「あ、あれは………金烏なのか……?」

 

 

 一人の臣下が口を開くと、皆がざわつきだした。それはそうだ。なんせ神霊に近い存在だ。突然そんな神霊が目の前に現れて飛び立っていったんだ。後は分かるでしょう?

 

 

「こ、これは………倭国のことを金烏は本当に祝福しているのか?だから『日出処の天子』なのか?」

 

 

 わなわなと汗をかいた煬帝が独り言をこぼす。

 

 

「……もうよい。これが事実なら、金烏が祝福した国にとやかくする事もできん。交流は認めよう。倭国の使節団は下がれ。」

 

「ハッ!」

 

 

 やったね妹子さん。何とかなったよ。肝が冷えただろうけど、後は何とかなるから頑張ってね。

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

「アハハハッ!!それは傑作うさね。こんなことしてるのかい?飛燕は!?」

 

「うふふふ♪でしょ?彼女面白くないかしら?行動が読めない。予想外な行動ばかりをとるけど、突拍子のない破天荒なことをして場を乱すのよ。面白い娘でしょう?」

 

 

「あんたのこと少しだけ誤解してたみたいうさね。八雲紫。」

 

「そうでしょう?彼女にちょっかいかけたくなる気持ちは分かるでしょう?」

 

「気に入る気持ちは分かるうさ。飛燕は面白い。だから一緒にいて飽きないうさ。ずっと見たくなる気持ちもわかる。八雲紫。お前もそうなんだろう?…あ、うさ。」

 

「ええ。そうよ?けど、それだけが理由じゃないわ。」

 

「………あ〜だいたい分かったうさ。」

 

 

 

 スキマで飛燕の行動を観察していた2人の妖怪は悪い顔で見合う。

 

 

 

「やっぱり貴方とはいい関係を築けそうね。因幡てゐ。」

 

「悪巧み仲間は増えるだけうれしいうさね。取引は公平にするうさよ?条件は飛燕に危害を加えないこと。」

 

「ええそうね。それは大前提。要求ですらないわね。」

 

「……やっぱりあんたは良い取引相手のようだね。よろしく。」

 

 

「こちらこそ♪…………ようこそ『幻想郷』へ。『迷いの竹林』。うふふふふ。」

 

「お邪魔するうさ。『幻想郷』。キヒヒヒヒ。」

 

 

 

 

 狡猾で賢い妖怪は笑い合う。楽しみを見つけて。それは悍ましい笑い声だった。

 

 

 

 

 





◯知っとくと為になる歴史の豆知識

・冊封体制

 中華思想に基づく「冊封体制」と呼ばれる、朝貢(貢物を献上)と冊封(爵位の授与)による主従関係(宗属関係)を基本としている。中国を世界の中心とし、周辺諸国が臣下として服属する体制である。
 古代の東アジアで中国の王朝が周辺の諸民族と取り結んだ関係と、それによってできた国際秩序を指す歴史学上の用語。中国の皇帝が周辺諸国の首長を冊封して、王や侯の爵位を授けさせた。

・朝貢

 東アジア 朝貢は、主に前近代の中国を中心とした貿易の形態。 中国の皇帝に対して周辺国の君主が貢物を捧げ、これに対して貢物以上の褒美を与えるという中国の権威を示す為の貿易。


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