ノネムさんは根がいい人なんですけどね。種族柄どうしても嫌味ったらしくなっちゃうからそのツンデレ属性が好きです。そこでこの全員人当たりがいいメンバーに絡まれて、無理やり振り回されながらもなんだかんだいって笑顔になるっていうね。
最高ですよね。でへへへへ。
「な、な、…………な……………!?」
「『な』?どうしたの?」
「なしてまたここに来てるだ〜!!飛燕〜!!!」
「えへ♪また来ちゃった。ほら?一緒に食べよう?美味しい鹿肉だよ?」
「普通に流すな!!この前喧嘩したの忘れてねえのか?あの時は済まなかったけどな?あの時『次会うときは覚えてろ〜!!』って言ってたオラの舌がまだ全然乾いてねぇよ?正直、恥ずかしくて今絶対オラの顔が赤いと確信出来るんだけど?」
「あ、そうだ。紹介がまだだったね?水色のヒラヒラを纏った青い道士服の人が霍青娥さん。そこの横で座ってるキョンシーが芳香ちゃん。そして、私の膝の上でジャッキーを食べてるのがルーミアちゃん。」
「よろしくお願いしますわ。」
「よろしくだぞー」
「よろしくなのだ〜!!」
「よ、よろしく…………いや、無視するな〜!どう見ても会話が噛み合ってねぇ!というか人様ん家でなにくつろいでるんだ?」
「ほら、扉閉めて。折角暖まった空気が逃げちゃうから。ね?」
「さりげなく私の指摘を流すな!というか背中を押すな!!私はまだ喧嘩の件は許してねぇからなぁ?」
そう言いってプンスカプンスカしながら無抵抗で私に背を押されて仕方なくみんなの食卓に加わって座るネムノさん。ぐふふふふ。気がついてるよ?ネムノさん。ネムノさんの目が、さっきから私が作った鹿料理に目が行っているということは。
「はい。どうぞ♪お椀ですわ。」
「あ……ども…………。オレはネムノって言うだ。よろしく?」
「よろしく〜。ほらネムノ〜!ほら、軟骨なのだ〜!!」
「カルシウムをとるといいぞ〜!!」
そのまま困惑しながら皆から食べ物を渡されるネムノさん。流されやすい性格は健在のようだね。
「―パリ―……上手めぇなこれ?ってか、おめぇ等チームワーク良すぎでねえか!?くっ…上手くて手が止まらねえよ!!労働の後の飯が上手くてぇ……エック、ヒック。ゔめぇよぉ〜。」
「はいはい。沢山あるから急がないでね。」
「………ゔん。わがったよゆっくり食べるべ。あぁ……ゔめぇ……。」
よし、何とか出だしは駆り出せたね。というか。どうしてそんなに泣いてるんだろうか?
「どうしてネムノは泣いているの?」
私の疑問を代わりに答えてくれたルーミアちゃん。やっぱり純粋な子供はこういう時は強いよね。
「オラァ今日は朝飯抜きになっちまってな。なんだか知らねえけど近隣で火山が噴火したりしてよ。それが誰かの仕業らしくて今日は皆で後始末だったんだよ。本当に許せねぇ。あむ。ゔめぇなこの鹿肉。どうやって作った―………だ?」
余りにも図星で、皆がそっぽを向く。但し、芳香ちゃんを含む殆どのメンバーは食べ物を口に含む手はとめていない。というか急いで自分の分を口に含みだした。食い意地が凄い。
その皆の反応に、泣き顔を晒していたネムノさんが何かを察して怒り出した。
「な、おめぇ等……犯人はおめぇ等だったのか!?」
「や?ね?詳しくは私達じゃないけど、事故みたいな感じかなぁ、……ア、アハハハ〜。なんて…………ノネムさん?」
「くぅ〜!!許さねえぞ〜!!全員今から直れぇ〜!!」
「わ〜!!逃げろ〜〜!!!」
「追いかけっこか〜?楽しそうだぞ〜!!」
「ふふふ♪私は一旦食休み致しますわ。ご馳走様ですわ飛燕さん♪」
「お粗末様です…………え!?皆逃げ足速くない!?」
鬼包丁を手に取った怒れるネムノさんにいたずらな笑顔で全員が足裏やら庭へと逃げ出していく。青雅さんに至っては大人気なく壁に穴を開けて芳香ちゃんと一緒に逃げていった。
「え?私は?ちょっ―」
「何処に行くさ飛燕?まずは訳を聞いてやるべ?逃げることもないぞ?」
逃げ遅れた私はノネムさんに肩を掴まれてしまっていた。あっ……これは終わったな。
「えっと………ごめんちゃい。ネムノさん。」
「許すかぁ〜このアホの化けガラスがぁ〜〜〜!!!!!」
― カキーーーン ―
「ギャアアアアベラ〜〜〜!!?!」
― キラーン ―
今日も平和だ飯がうまいね(白目)
* * *
ひとしきり怒った後はため息を吐きながら『本当におめえは懲りねえ奴だ。』と呆れられ笑顔で結局は許してくれる優しいノネムさん。ホントスンマセン。
ほとぼりが冷めたのを感知して直ぐ様戻ってきた面々は皆で火鉢に当たりながらささやかな皆でお泊り会を開いていた。その布団達の多くは布団は私の神力で作った布団だ。流石にノネムさんは一人暮らしを基本としているので、家にはやっぱり予備が一つくらいしかなかったので多少の体力は使うが複数人分の布団を用意することにした。こういう時神力は便利だね。
因みにノネムさんは少しだけ嫌な顔をしていた。ホントごめんね?今日は泊まらしてほしいんだ。と、ねだってみると渋々だけど了承してくれた。流石に冬の夜中へと引っ張り出すのは気が引けたのかもしれない。
「それで、どうしてまた来たのか?」
「まあ、少しの間。会ってなかったからね。あの娘に顔見せも兼ねてかな?」
「はぁ……何度もあの建物には近づくなった言ってたんだけどな?あそこは危険だ。やめといたほうがいいべ。」
「へへへ…だってあの子寂しがり屋だから偶には会わないとさ。それに初めてあった同族の神様だからさ。」
「先程から言っていた『あの娘』とは誰ですか?それに私達は何処に向かっているのかしら?」
「それ私も聞きたかったのだ〜!!」
あ〜?確か、まだ皆には話してなかったんだっけ?そうだった。話してなかったね。
「えっと、簡単に言えばよくわからない三角型の建物だよ。ピラミットみたいな感じかな。そこに私の同族みたいのがいるんだ。」
「「ピラミット?」」
皆やっぱり聞き慣れてない言葉だよね。そもそもなんでエジプトとかしかないのにここ日本にあるのかな?世界の七不思議である。
「まあ、そういう反応をするよね。私も初めて見たときは驚いたから。」
「それで、その同族というのに合うのかしら?」
「そうだよ。面白い子でさ。まあ、説明するよりも直接会ったほうがいいでしょ?ネタバラシは詰まらないし。」
「そうね。明日を楽しみにしてるわ♪」
やっぱり青雅さんとは気が合うな。この人も自由を愛する人だからなのかもしれない。絶対青雅さんも気に入ると思うから合わせてみたいな。ついでに友達になってもらおう。
「で………話は変えるが、いつもの冒険話はまだか?ここに泊まるなら話くらい聞かせてけろ。」
「冒険話?」
「最近、始めたのとなんだけど。私、色んな所に行って冒険譚を語ってるんだ。」
最初は迷いの竹林の皆や椿ちゃん、そして文達にしか話してなかったんだけど、意外にも好評だったからちょっとした小遣い稼ぎみたいなことをしてる。かといっても、料金とか旅に役立つものなら何でもいいので、ヒノキの棒でも話してたりしている。この時代、インフラが整っていない大自然ばかりだから、皆それぞれのコミュニティで独自に暮らしていて横の繋がりが薄い。だから小さな世界で暮らしているから、こういう違う世界のお話は需要が高かったりしている。
だから、そこら辺の農村で立ち寄った際には子供達を集めて冒険話を話しているって訳だよ。
定住生活をしているノネムさんも実は私が体験した冒険話のファンである。けど、ノネムさんは素直じゃないから私がここノネムの小屋に立ち寄る時に泊まる賃金として寝る前に話してるんだ。
種族全体として外の世界には触れようともしない山姥なのに、娯楽として楽しんでくれるうれしいよね。
『さっきからソワソワとしてるな』って思ってたらそういうことか。ごめんねノネムさん。久しぶりにここを立ち寄ったから決まりごとを忘れてた。
「じゃあ……今日は、諏訪の国で起こったある4柱の神々のドタバタ劇を話そうか?」
皆、興味津々に耳を傾けてくる。眠そうにしていたルーミアちゃんやぼうっとしていた芳香ちゃんまでこちらに目線を向けてくる。ふふ…ちゃんと話すから急かさなくても大丈夫だよ?
「あれは、夏の頃だったかな?肝試しを国中を上げてしてた時だった。」
「―え?その後はどうなったのだ〜!?」
「お〜?凄いぞ〜!」
「甘酸っぱい恋愛。素晴らしいですわね。」
「………その後はどうなった?飛燕?」
「ここからが本番だよ?そして、その正体は―」
「ヒャア〜!そんなことがあったのか〜?」
「わぁ〜!そんな娘、会って見たいぞ〜!せいがぁ〜!」
「そうね。芳香ちゃん。いつか会える時に良いわね?」
― アハハハ ―
こうやって話をするのは楽しいし、私の話で盛り上がってくれるのも嬉しいものだ。これからも続けよう。
今日もゆっくりと夜は更けていく。楽しくもハラハラのあるお話が進みながらもわ笑いや悲鳴に包まれながら乙女達の歓声の声を響かせながら。
そうそう。ルーミアちゃんと芳香ちゃんは途中で眠気に負けて寝てしまったことを追記しておこう。それを皮切りに皆クスリと笑ってから話を切り上げて皆で布団に包まって眠りについたということも。
* * *
ノネムさんの家で一晩を過ごした私達は、元の目的である謎のピラミットを目指して出発した。ノネムさん私達との別れ際に『次は勝手に来るんじゃねえよ〜!!』って泣きながら手を大きく振ってたけど、あれって行ってもいいの?ダメなの?一体どっちなんだろうか?
やっぱり山姥の考えていることは分からないや。
そんなこんなで原生林の上空を突き進む私達、霧が少しだけ出ていて見えにくいが、それも冒険心を擽られるような風景のなか私達は本来の目的地へと向かっていた。
「ふぅ……確か……ここらへんだった筈…………あったよ!」
そこには、ピラミットが原生林の中にポツンと立っていた。どちらかと言うと、マヤ文明のような見た目だ。
そして、皆を連れて高度を段々落としながら接近していくと、ポツンとあったピラミットが段々と大きくなってきて、目の前に行くと、かなりの大きさのピラミットがそびえ立っていたのが分かる。
「おぉ〜〜!!凄いのだ〜!!!」
「まぁ!」
「おぉ〜〜!!」
皆が物珍しい建物に歓声をあげる。そもそも日本では湿気が強い環境であるため湿気に強い木造の建築物が主体なので、すべてが石で出来た建物は仏像以外は少ない。
だから、皆には本当に未知の存在として映っているのだろう。私は前世から記憶があるから見慣れているが、その新鮮さは少しだけ羨ましいところである。これがグローバル化の弊害か……。
まあ、前世のことなんか考えても仕方がないので気にしないでおこう。
「よし!皆。ついてきて!!」
そして、私達はピラミットへと突き進んでいく。こうすることで自ずから会えるのだ。
「ちょっとまって君達ぃーー!!!」
女性と少女の中間のような声が聞こえてきた瞬間、突然私達が進んでいる道がスッと消えてしまい、結界のようなもので阻まれてしまった。勿論彼女の『道を通さない程度の能力』によるものだ。
そして、結界の内側から声の主が聞こえてきた。
「ここから先は立ち入りですよ。どうしても通りたければ―って!?飛燕さん!?」
そこには、ファラオのような見た目をした女性が立っていた。彼女は道神馴子(みちかみ なれこ)私と同じ道祖神だ。ただし、私みたいに妖神混合ではなく、純粋な神様だ。けど、つい数十年前から生まれたらしくて生まれたての神様だ。
けど、その割には色々と情報を知っているけど馴子さん曰く背後にある謎のピラミットから情報を得ることが出来るらしく、色々と知っている博識者なのだ。ただ未だに常識は育っていないので要注意だ。
彼女は探検家を連想させるネメス風の大きな襟が付いた茶色のジャケットにショートパンツを履いており、足元は丸とバツ型の柄がそれぞれに縫ってある黒いソックスと茶色のブーツ。
頭部には道祖神の像を抽象化した模様の、丸い装飾のついた冠を被っている。
姫カットの青髪で髪の末端部分を金色の装飾で何個も結んでいて紫さんに似ていた。顔にはフェイスペイントのように目元に三角の模様が入っていて日本には場違いだがどこかエジプトの神様を思わせてくれる。チミちゃんもにもフェイスペイントがあったけど何かしらの関係があるのかな?
耳には鍵のモチーフが2つ付いたピアスを着けていて、異国の文化であることを強調させており、この前私と一緒に考案していた「?」や「マルバツ」をモチーフにした杖を持っていた。
「やぁ、久しぶりだね?馴子(なれこ)。元気にしてた?」
「ええ。それはまた元気でしたよ?所で後ろにいる人達は誰でしすか?」
「今日は新しい問答者を紹介しに来たよ。」
「霍青娥ですわ。」
「宮古芳香だぞー!!」
「ルーミアだよ。よろしく〜!!」
「『霍青娥ですわ』さんと『宮古芳香だぞー』さん、そして『ルーミアだよ。よろしく〜』さんですね?どうぞ、よろしくお願いします。」
「「「………………。」」」
「ちょっ!?違うって!!馴子!ほらこの前、私言ってたじゃん。接続詞とか伸ばし棒は名前に含まれないって。」
「え?そうでしたか?」
皆、余りにも馴子ワードが強烈すぎて唖然としてしまっている。まあ常識が全く違う人と初めて会うと最初は分かるよね。別世界の住人なんて案外皆こんなもんであるが、馴子は結構酷い部類だ。
こうしてポンコツな所がある。私よりもポンコツなので困る。まだ私のほうがもう少しドジは踏まないよ?
「そうだよ!!………はぁ。取り敢えず、自己紹介の続きをしよう。」
「はい。分かりました飛燕さん。どうも初めまして飛燕さん。私は道神馴子と申します。よろしく―」
「ちょっと待ったー!!もう馴子さん。私にじゃなくて『皆に』だよ!!」
「え?あ?そういうことですか?日本語って難しいですね?」
ゼェゼェ……本当にグダグダだ。これは後でもう一度対人間用のゼミが必要のようだ。今度こそ常識を叩き込んであげよう。
ここの聖域の住人は皆癖が強くて大変だ。面白い人達なんだけど節度があるじゃん。もう少し加減してよ。
「ふふふ♪………なんだか寸劇見たいですわね?確かに飛燕さんが言っていた『面白い子』ですわ♪」
「アハハハッ!!面白いのだぁ〜!!!」
「あれ食べていいのかせいがぁ〜?」
「芳香ちゃん。何でも口にしようとしちゃダメよ?」
「分かったぞ〜せいがぁ〜?」
(続く)
最新作の中で人気キャラですが、二次創作では扱いが難しいですよね。特になぞなぞが…………。あ〜考えると胃が痛い。