化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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 ちょっとした息抜きパート回です。まあ、次のパートはシリアスになるので………。

 
 まさかの初代の稗田家当主が登場か!?






37羽「博麗神社?なんすかそれ?ウチは守谷信者なんでそういうのはイイっす①」

 

 

(次回からの続きです)

 

 

「で、それでどうにかして、あやぁを独り立ちさせたいってことになったってことなの?」

 

「そうよ。」

 

「う〜む……天魔様には伺ったがなぁ…大体概ね。文が独り立ちするのを反対していたからな。」

 

「そういえば大天狗様、天魔様は文様が独り立ちをするのに反対である理由はなんと仰られていたんですかか?」

 

「…………秘密だ。少なくとも、暫くは点でも動くつもりはないだろう。永遠に独り立ちさせないという点には反対だが、暫くという点については賛成だ。」

 

「………お母さん。」

 

 

 龍さんはそう言って、有無を言わさないような姿勢を見せながら、茶を啜って一泊を置いた。

 

 

「文。」

 

「…………はい。龍様。」

 

「私が天魔様を説得させてみせる。だから、今はまだ我慢してくれ。」

 

「………はい。」

 

 

 ………う〜ん。文、絶対に不満そうだ。感情からして凄い鬱憤がある。でも、文がちゃんと引き下がってくれたのは龍さんなりの真摯な姿勢があってこそなんだろう。

 

 

「さて、重い空気はこれまでにして買い出ししたときに少々小耳にはさんだ話をお話いたしますわ♪」

 

 

 少しだけ静かになった食卓の空気を変えるためか、青雅さんがわざとらしく私と文にウインクをしながら話始めた。

 

 

「ほう?それはなんだ?」

 

「なんでも、少し遠くに、そして少し近くに神教の建物が建てられたと聞きましたの。」

 

「神社?」

 

「ええ。そうですわ。纏わられている神様は何かは分かりませんけど、確か、名前は『博麗神社』と聞きましたわね?」

 

 

………へぇ〜〜?博麗神社?

 

 

 

 面白そうだ。行ってみようかな。

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 私達は、青雅さんから最近近所に新しい神社が完成したとかなんとかと聞いたので、そこに向かっていた。が、場所がいまいち分からなくて迷っている状態だった。

 

 文達天狗組は独り立ちのための試練のための修行を始めたらしく、それで忙しいので天狗の里にお留守番である。

 

 

「む〜?ここらへんだって椛ちゃんから聞いたんだけどな?一体何処にあるんだろう?」

 

「さぁ?わかりませんわ。それにしてもここら一帯は妖怪が結構多いですわね?飛燕さんが仰っていた八雲紫?とかいう大妖怪のせいですの?」

 

「あ〜ね。どっちかというか、元々ここらは妖怪が多い土地だからね〜。だから地上には居りないほうがいいよ?直ぐに妖怪と出会って襲われるから。」

 

「わかりましたわ。芳香ちゃんの餌場にはもってこいというわけですのね。」

 

「それは楽しみだぞ〜〜せいがぁ〜!!」

 

「………………。」

 

 

 う〜〜ん………教えないほうがやっぱり良かったのかな?ここらへんの妖怪が食い尽くさせそうで怖いんだけど。

 

 

「で、何処に向かっているのだ〜?お姉さ〜ん?」

 

「そうだねぇ。取り敢えず人里が近くにあるから博麗神社の場所を聞き込むためにもそこに向かいたいんだけど……ルーミアちゃんがなぁ。人里の人間を受け入れてくれなさそうなんだよなぁ。」

 

 

「う〜ん?どうにか出来ないのか〜?」

 

「攻めてルーミアちゃんの妖力をどうにか出来ればいいんだけどなぁ。」

 

 

 意外と妖力を隠せる妖怪は少ないみたい。化け妖怪や大宴会の夜に私の口噛み酒を強奪していった見知らぬあのヒトみたいにあれくらい妖力を隠せれば人間に察知されないんだけどなぁ。如何せん人間達は妖力だけには敏感なんだよなぁ。

 

 私だって前世で人だったらそんな存在がいればビビるし色々と警戒しちゃもうわなぁ。それが今世の人達は妖怪がいることが日常化してるから余計に敏感だし。

 

 それに、これから行く人里は妖怪退治屋が多く住んでいて、力の弱い妖怪にとっては危険な地域だ。ルーミアちゃん自身は大妖怪だから妖怪退治屋に会っても返り討ちにするだろうから多分大事だろうけど。わざわざ妖怪騒ぎを起こす必要もないだろうし。

 

 

 う〜んどうしようかな〜?

 

 

 

 

 ………………。

 

 

 

 

 

 と、いう訳で私達、大芸能者風の服装に変装してみました。因みに神力で頑張って作成しました。ふぅ。結構体力使ったなぁ。時間も結構使ったからもう既に昼間だよ。早く行かないと人里で寝泊まりすることになる。そしたら私とルーミアちゃんの正体を妖怪退治屋に感づかれる可能性が上がっちゃうのは不本意だ。

 

 だから早く行かないと。

 

 

 

「おお〜?面白い格好なのだ〜〜!!」

 

「ふふふ……こういう格好。何故かワクワクさせてくれますわね………。」

 

「おぉ〜?おお〜!!」

 

 

 皆、面白い格好にワクワクしている。面妖な仮面を顔に被って服装は布で色々と誤魔化しておいた。これで妖しいだけの旅の芸能集団という言い訳をつくことができるだろうし、この仮面、実は妖力と神力を含ませているから、これを『妖怪避け』ってことにすればルーミアちゃんの妖力も誤魔化せるし、その手に詳しい人ほど混乱するはずだ。

 

 この呪術感の強い布で姿を隠せば芳香ちゃんの不思議な動き方もそれ以上の妖しさで包括されるからなんとかイケると思うんだ。

 

 

「よし!行こっか。」

 

 

 

 

 まぁバレてもこのメンバーなら直ぐに逃げられるでしょ。青雅さんは特に対人間なら凄く強いし。襲われても大丈夫だね。

 

 

 でも、あそこ妖怪に関しては結構シビアだからなぁ。

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 著名:第一冊『幻想郷縁起』

 

 著者:初代稗田家当主 稗田阿礼 

 

 引き継ぎ:歴代稗田当主

 

 

 1ページ目

 

 名義:謎の石道神を信奉する大芸能集団

 

 目撃頻度:幻想郷創設元年から数年又は数カ月周期で人里へと来訪してくる。

 

 

 第一発見者:門番を担っていた術士達。

 

 説明:妖怪なのか、神なのか、それともある集団が引き継ぎながら芸能を維持しているのかは不明である。

 時々里へ現れて冒険章と共に奇妙な芸能を披露し、人々を楽しませる。そのかわりに旅必要な必需品を里から買い入れた後に人里から出ていく姿が住人達に目撃されている。

 

 危険度 低

 

 人間友好度 高

 

 

 追記:但し、これは推測でしかないだろう。背丈が来る度にそれぞれ違うことが多く、集団の長以外は来訪する度に毎回中身が異なる。逆に長だけが変わらないのはおかしいが、中身や正体も分からないので代々引き継いでいるのか、同一人物なのか確認が取れない。故に不用意な干渉は控えることをお勧めする。その特徴的な布地の内側には何が潜んでいるのかは分からないから。 

 

 危険度 低

 

 人間友好度 高

 

 追記者:3代目 稗田(黒く塗りつぶされてしまっている)

 

 

 

 追記:人里にて暴れる妖怪を鎮める不思議な道具や力を持っていることが人里の住人達や術士(妖怪退治屋)から報告される。その妖怪を制圧出来る力や道具の保持から人里では感謝の声、または危険視している声が人里で広まっているようだ。故に一応のため危険度を中に変更する。

 

 危険度 中

 

 人間友好度 高

 

 

 追記者:7代目 稗田(黒く塗りつぶされている)

 

 

 追記:記された謎の集団の長は同一人物であり、人の寿命を明らかに超えていることから人の理の存在ではないことが本人と当主直属による数百回に渡る歴代当主との交流の語りから情報を上手く引き出すことが成功し、遂に判明した。そのことは歴代当主の記載に基づいて確信することができる。

 しかし、未だに住人達に危害を加えることもない様子から危険度は低に引き下げ、友好度はそのままとする。但し、これはスペルカードルールに基づいた判断なので、不用意な接触は控えることは変わらない。

 

 危険度 低

 

 人間友好度 高

 

 追記者:9代目当主 稗田阿求

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう昼間に近いってのに、急に霧が出てきて太陽の光が弱ってきた頃。2人の退治屋はその不思議な空気の中、冷や汗をかかずに妖怪退治の道具を握りしめて辺りを警戒していた。

 

 

「今日は霧がかかってるな……不気味だ。」

 

「ああ。そうだな。こういうときほど変なのがここに集まってくるんだ。」

 

「退治屋の俺達としては万々歳だけどよ。ここらの妖怪は力が強いやつもいる。流石に事前の準備なしに化け物と真正面から戦うのはキツイぜ。」

 

「まぁな。そう言えばよ。最近噂に聞くんだが幻想郷って地域がが今の年から出来たらしいな?」

 

「ああ。その話か?お前さん、あんまり話を聞かないタイプだな?」

 

「いやな、うちの所は妖怪退治一筋だからな。世間様に近づく暇もねぇから仕方ねぇんだよ。」

 

「なるほどなぁ。まあ一応教えておくけどな。その幻想郷ってのはここも含まれてるんだってよ。」

 

「おいおい。幻想郷ってのはここら一体のことだったのか?」

 

 

 男は今回の門番の相方の余りにも情報不足な様子に、呆れて思わず溜息を立ててしまう。いくらお前さんの一族が山奥を拠点にする物好きな一族だからってそれはないだろう。

 

「そうだよ。寝ぼけたこと言ってんじゃねえよ。まあ、俺も始めて聞いたときはそんな感じだったからな。そういう反応を示すのは仕方ねぇけど。」

 

「はあ?ここの土地の当主様は何を考えてるんだ?」

 

 

 首を傾げている相方。この相方のように人里の皆は幻想郷の創立と人里の傘下の表明に首を傾げただろう。この妖怪が多いだけの辺境の田舎にいきなりそんな辺鄙な名前がつけられたんだから。その名目が『幻想のための幻想による土地』と来たもんだ。妖怪なんてそこらにいる幻想っていうほどのもんじゃないし、俺達は幻想でも何でもないってのに。変な話だ。

 

 

「知らねぇよ。まぁ、あの人は物好きだからなぁ。噂じゃ天皇様にそういう神様とかの話を編纂するように申し付けられたこともあるっとかなんとか。」

 

「ん?天皇様って?」

 

「はぁ…ここらの奴等は皆こんな感じなのか?それとも都から来た俺達の一族だけがおかしいのか?」

 

 

 自分の一族は稗田家がここを納める為に移り住んだ時に一緒に移り住んで来た所謂『取り憑きの家』だ。だから都や中心についての情報に詳しい。まあ、時々都から妖怪退治の依頼が来るからな。

 

 この男の一族は貴族の護衛に選ばれるほどの力ある一族だった。ある意味現代でいうエリート思想があり、内心、若干田舎であるここの者達を見下している。

 

 

 実際、このポンコツだが腕は確かであるここら一帯で一番有名な一族出身の男に引けを取らない程の腕前である。故にこの里の門人を務めることができるというわけだ。

 

 しかし、根は優しいのかこの無遠慮な男の世話を焼き始めて、はや数日。すっかり無知で無恥な相方にこの男はほだされていた。

 

 

「分からないたならいいさ。兎に角。お偉い様だよ。ここの当主の支配を命ずるほどな。」

 

「へぇ。所でよ?あの目の前のヘンテコリンな集団はなんなんだ?」

 

「ん?」

 

 

 相変わらず頭は悪いが退治屋としての腕はいいこの男。今まで都で活躍してきた俺達一族に比肩するほどの腕前だ。こうして異変を察知することなどは一歩前に出てくる。だからこそ気難しいこの男は相方のことを受け入れられたんだろう。

 

 そんなことを思いながら、その手に持つ鎌や札を取り出しながら前を向くと、そこには確かにヘンテコリンな格好をした集団がいた。

 

 皆前時代の古めかしい呪術的な格好をしており、4人ほどいる被り物を来ている集団の背丈は大小様々だ。

 

 

 そんな明らかに妖しい集団がゆっくりと歩いてきている。それだけで門人としての役割を発揮する理由に足りていた。

 

 

 

「おい!そこの奴等。止まれ!!」

 

 

 この男が鎖鎌の武器を構えて、大声を上げると謎の集団はスッと不自然までに静かに止まった。

 

 

「何者だ。」

 

「はい。私達は旅する芸能者です。ここには旅路の為の補給を目的に芸能を披露しに参った次第です。」

 

 

 集団から一歩前を出て、そう語った代表者らしい者の声は異様なほど不気味だった。男か女か分からない、何かしらの術で変えられた声。

 

 人なのか?それとも人ならざる者か?妙だ。妖力だけでなく他の力も感じられる。その隙のない出で立ちから俺達の同行者の場合もある。どうする?

 

 

 男は混乱する。相方も異様な空気に呑まれてしまっており、使えない。兎に角、相方に報告に行かせて後は、この集団を人里に入れるのかどうか当主に判断してもらうまで時間を稼ぐしかないだろう。

 

 

「おい。お前は当主様にこのことを知らせてこい。俺はこいつらを見張って置く。判断を仰げよ?」

 

「お、おう。」

 

 

 そう言って、門の内側へと進んでいく相方を確認したから俺は集団の代表へと向き直って、隙を見せないように身構えた。

 

 

「しばし待て。」

 

 

 

 男は手汗を滲ませてその集団達の一挙一動を見逃さないように睨んだのだった。

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 私達は門番の人達の指示通りに大人しく待っていると、先程の門へと向かった門人の後から、護衛を伴ったなんか偉そうな人が門から出てきて、私達を見やる。

 

 

「当主様!?」

 

 

 そして、その男の人は私達をみた瞬間、護衛の静止に構わず私の前に現れて笑顔で挨拶をしてきた。

 

 

「おお〜〜!なんというか珍しい存在だなぁ〜〜!!やはり直接見に来て良かったよ!!私は稗田阿礼(ひえだのあれ)。初代稗田家当主だ。」

 

 

「………よ、よろしくお願いします。」

 

 

「なんだ?ちゃんと礼儀があるじゃないか?私には妖怪には見えないな?力がある妖怪はわざわざ私達人間に関わろうとしない筈だしな。よし。人里の入場を許可しよう。」

 

 

 

 そう言って、輝くような笑顔で私に笑いかける青年。周りの厳重な空気と余りにも不釣り合いなほど明るい男だった。

 

 

 そんな男と対面した私の感想はこうだった。

 

 

 

 ず、随分とカジュアルな人だなぁ。こういうのが晴れ男って言うんだろう。まぁ、今は霧なんだけど。

 

 

 

 

 随分とフレンドリーなんだね?

 

 

 

 

 

 

 

 





 うちの読者層だとやっぱりほのぼの回目当ての人も一定数いるっぽくて、シリアス回だと読まない読者さんが少しだけいらっしゃるのが勿体なく感じますね。
 まぁ好みの問題なので強要はしませんがこの小説だと少ないシリアス回は大事な回ばかりですし、物語に深みが出るんで出来れば読んで欲しいですね。
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