作者「シリアスは色々な視点から描くことになるので話が進みにくいなぁ。やはり私にとってシリアスは敵ですね。」チラ
ウサ耳少女「もうすぐこの章の山場なんだから早く描けうさ。明らかに執筆速度が遅いうさよ?諏訪大戦の時よりも酷くなってるうさ。」
作者「あれはいいんですよ。諏訪大戦はほぼ原作要素と言っても過言ではなのでまだ書けるほうなんですが、今書いている戦いはオリジナル要素が多すぎて大変なんですから。」
ウサ耳少女「二次創作はそんなもんうさ。ノリで描き始めた作者が悪いうさね。」
作者「それはそうですね。頑張って走りきってみましょう。」ヤケクソ
皆の心が一つになった所で、さっそく私達は作戦会議を開く事になった。
「それで。どうするの?この少ない人数じゃ。戦況には影響しにくいけど?」
「それは簡単よ。敵の大将まで突き進んで真正面から叩き潰すすだけ。」
「ちょっ!?脳筋すぎでしょ!文!?」
「そうですよ。余りにも荒唐無稽です。文様。」
「冗談よ。さっきのはプランD。つまり最終手段。まずはプランAを話すわ。」
「いや、凄いッスね文様。あの一瞬で複数も作戦を立てるなんて………。」
「結局……冗談じゃないじゃん。」
本当に凄い。ずっと思ってたけど文って頭の回転が凄く速い。文が成長してから天狗の中で最速と自称していたけどこの頭の回転の速さならあながち間違いじゃないのかもしれないね…………。
だって自分の高速なスピードを維持するためにはその分だけの頭の回転の速さがないと上手く身体を操作できないだろうから。
「うるさいわね。いい皆?今の現状は、妖怪の山勢力を他地域の勢力が囲うようにして布陣しているわ。はたてにそこら辺は教えてもらったから確かよ。そうよね?はたて?」
「うん。凄くいっぱいいたのを何度か見たよ〜。」
「確かに、私が戦線を突破したときに妖怪の山を囲っているのが見えたよ。
けど、そうだとしてもあの包囲網の突破は集団でするならそうとうキツイよ?私は鴉に化けててあんまり目立たなくて、それで狙われにくかったから簡単に抜けられたけど。集団で動くと絶対にバレるからお勧めできないよ。」
「ええ。飛燕の言うとおり、数もあっとの方がずうっと上ね。総数ならこちらが一つとするなら相手は六倍よ。」
「六倍……………。」
諏訪大戦の時よりも数の差がずっと大きい。それも今回は一人一人が強力な天狗ばかりだ。実際の戦力差は相手が人間の時とは比じゃない。中々絶望的な数字の差だ。
「けど、あいつらには弱点があるわ。椛。」
「はい。それは部隊同士の連携です。それは第一次侵攻にて三ノ巡回隊にて、初めて交戦した時に分かりました。」
「そうよ。椛。あとの細かいことは現場の言葉に任せるわ。」
「はい。文様。私が臨時的に原隊復帰をした三ノ巡回隊は突然現れた敵勢力に襲われている巡回隊や警備隊の救助と援護、そして戦場の穴を塞ぐことを主とした任務を急遽任されていました。
要は遊撃隊です。特に私は『千里を見通す程度』の能力でその戦場の穴を見つけることを旨に精鋭と言われている三ノ巡回隊にて原隊復帰させられたという訳です。
そして、暫く広い妖怪の山の各地を転々としながら交戦を続けていましたが、様々な地域から来た指揮統計が全く違う天狗の勢力によって組まれた連合であったようで、上手く統率が取れていない様子でした。
そのお陰で、多くの巡回していた見張りの部隊はあの戦力差の状況下において、撤退、または敵の足止めをすることが出来たのかも知れません。
そして、もう1つ理由があります。それは私達が敵の第一次侵攻にて地上で交戦したその多くの敵が小妖怪の群れだったということです。
空での、戦線でもその点ではあまり変わらない様子で、空を飛べる妖怪を使役して編成させた畜生妖怪が主体の集団ばかりで、鴉天狗は私達が思っている数よりも少ない可能性が高いです。」
なるほど………だとしたら数だけで見れば脅威的だけどそこまで質が高いというわけではなく、そしてそれぞれが違う勢力ばかりで連携が上手く出来ないということなんだね。
「そう。椛の言った通りよ。私が参加してた会議で聞いていた時の話も同じ感じだったわ。相手は雑兵ばかり、敵方の天狗の数だけなら、精々私達の四倍かどうかね。後は有象無象ばかり。ビビる必要もないわ。それでも十分驚異的な数だけど。」
「四倍か………ちょっときついけどそれなら何とかいけそうだ。」
「そして、相手の連携が取れてないわ。そもそもそんな状態で包囲網を作れると思っていること自体が寧ろおかしいわ。
これじゃあ、連合全体の指揮の統制だけでもキツイってのに、自ら難易度を自ら高めているんだから。」
「そうなると………一つ一つの包囲の壁は弱いってことになるのかな?文?」
「そうよ飛燕。そこで、私達はその包囲網の一つを潰すの。それも独断で。これがプランAよ。」
「あれ?プランDとの違いは?聞いた感じ、全く同じふうに見えたけど?」
「簡単よ。プランAは敵を少数精鋭で撹乱して、それで出来た穴を突破。そしたら私達は包囲網の外を迂回して敵の背後を取るの。」
「けど、あやぁ。敵の布陣は凄く綿密。敵の大将達は、慎重派っポイし…………どうにかしないと穴は作れないよ?」
「はたて。いい所を突いたわね。確かに相手は慎重派。恐らく相手の想定はジワジワと妖怪の山の勢力を削った後に、弱った私達妖怪の山の勢力を一気に攻めて制圧するという感じね。でも、私達はその逆を突くの。」
文は私の方を見て、自身ありげに質問してくる。
「そこで、飛燕。あんたと一緒に来たっていう仲間が包囲網の外にいるんでしょ?」
「うん。そうだよ。」
「連絡は取れるかしら?」
「えっと……ちょっと待っててね…………。」
この能力の使い方は私が鴉で人語を話せなかった頃から本当にお世話になっている。
だって、今でもこうやって少し遠くなら知っている相手に自分の思考を『飛ばせ』るようになるからこれほど使い勝手のよい方法はないだろう。
文との契約との性能面では劣るけどそれでも知り合いなら少し遠くまでなら遠隔で話せるんだ。
私は、逸れてしまった青雅さん達に思考を『飛ばし』た。
(青雅さ〜〜〜ん!!ルーミアちゃ〜〜ん!!芳香ちゃ〜〜〜ん!!)
私が脳内で話しかけてみるとすぐに青雅さん達の声が聞こえてきた。
* * *
一方、その頃。飛燕に置いてかれてしまっていた青雅達は、茂みに隠れながら妖怪の山の異変をのんびりとした様子で眺めていた。
3人が見つめる先には沢山の魔魅魍魎が妖怪の山を囲っていて、遠くの妖怪の山の方からは激しい竜巻が吹き荒れており、それらが妖怪の山の風景を乱しているため上手く妖怪の山の状態の観察が困難だった。
状況判断がわからないまま巻き込まれるのは不味い。だから3人は静観の構えを取ることにしたのだった。
その結果が退屈だった。常闇の妖怪や芳香ちゃんも流石にこの場面で遊ぶ気にはなれないようで、ジッとしている。お札に命令を書かなくて済むならそれはそれでいいだろう。しかし……
「暇だぞ〜!せいがぁ〜!」
「暇なのだ〜〜!仙人〜〜〜!!」
「そうよね。やっぱり凄く暇なのよね♪」
兎に角暇なのだ。突然訳も分からず道案内役であるあの化け鴉に置いてかれてしまって右も左も分からないまま立ち往生。今はなんだかよく分からない妖怪同士の大戦争ときた。流石の青雅もこれでは霹靂するしかなかった。
「う〜ん?どうしようかしら?このまま私達も戦場に行くのは自殺行為でしょうし……どうにか飛燕さんと合流出来れば私達も動けるんでしょうけど…………?」
その時、急に聞き慣れてきた声が全員の頭の中で聞こえてきた。
(青雅さ〜〜〜ん!!ルーミアちゃ〜〜ん!!芳香ちゃ〜〜〜ん!!)
「あら?この声は飛燕さんからかしら?」
「おぉ〜?なんか頭の中から飛燕の声が聞こえてくるぞ〜?」
「お姉さんの声なのだ〜〜!!」
(そうだよ。ごめんね〜!!いきなり置いて行っちゃって〜。皆は無事かな?)
「ええ。大丈夫でしたわ。だって、私達は遠目から戦況を見守っているだけでしたもの。」
(なら良かった。取り敢えず様子見って感じなのかな?)
「そうですわ。飛燕さんは今何をしているのかしら?」
(まぁ………今のところ悪巧みの最中かな?)
「……といいうことは?私達に『悪巧み』のお誘いなのかしら?」
(そう。所でさ?よかったらその『悪巧み』に参加しない?)
「ええ。いいですわ」
― ドッカーン ―
その時、遠くからそして青雅達が潜んでいる茂みを挟んで妖怪の山の反対側にある位置から山々から大きな音が聞こえてきた。
青雅達が後ろを振り返ると、大陸で追いかけられたあの大百足がキョロキョロと何かを探している様子で上半身を持ち上げて見回していた。
「あれは………あの時の気持ちの悪い大百足ですわね?」
何故ここに現れたのかは分からないが、アレは居るだけで凄く目立つだろう。あの包囲網を突破するための囮には最適だ。
「「アレは使えそうだな〜」ですね。」
それは此処に居る全員の心が一致した瞬間だった。
「ふふふ。」
「あはー」
「?」
邪悪な仙人と常闇の妖怪は本性の方の顔を見合わせた。そんな二人組の顔は凄くゲスな顔だった。宮古芳香はずっと大百足の方にちとーとヨダレを垂らしながら見ていたが。
そう、脳が半分腐っている彼女は除くが………。
「ぜひ、その悪巧み参加いたしますわ。ついでに『お土産』も持っていきます♪」
* * *
「なんか大丈夫そうだよ。皆、参戦するって。」
「そう。なら良かったわ。」
いや、寧ろノリノリというか好感触だったけど、なんか企んてそうだなあの3人。というか『お土産』ってなに?怖いんだけど。
「……………取り敢えず私達5人の他に援軍と呼べそうなのは3人くらいは出来たけど、これだけじゃ全然足りないよね?他の当ては?」
「ふんっ。それだけじゃないでしょうに。椛。」
「はっ。恐らくですが、二十ノ巡回隊を中心に一次侵攻にて飛燕様と交友関係がある部隊は被害が大きい様子でしたので、巡回部隊の多くは戦力を整える為に、部隊合併のもしくは再編成中であるかと思われます。
本隊が敵の侵攻の第二波に対応中な今、余剰戦力となっている彼らを説得出来れば即席の志願制の即席の義勇軍が編成可能かと。但し、その場合は大天狗様達の反応が気になりますが………。」
「ふんっ。この状況で結界を張る以外は動かない奴等が今更私達の独断だけで動くのなら見物だわ。もし、本当に動いたとしても命令の遠吠えは敢えて無視しておきなさい。そっちのほうが返ってアイツラを動かすのに効果的だから。
それにしても椛のアイデアは良いわね?早速その案を採用することにするわ。はたて、あんたは鴉を使って編成中の巡回隊各員の天狗達に伝えて。『黒柳飛燕、そして射命丸の御娘の元に集え。参戦と成功の見返りは妖怪の山での名誉と誉れである。』と。集合は敵の総大将がいる西面の最前線。戦場で一番目立つ場所に私達はいるからはたては伝えた後は合流しなさい。他に詳しい場所や鴉での連絡網については任せたわよ?」
「うん!分かった!行ってくる!!」
元気に返事したはたては収納していた翼を伸ばして私でも見えない高速で勢いよく飛び去った。後から風が吹乱れ皆の髪の毛を揺らしてきた。
その姿は普段ののんびりとしている姿とは一変しており、その力強い羽ばたきから、私は初めてはたてが鴉天狗だと理解した気がした。
はたて………いつの間にか成長してたな…………。
私がそんなはたての成長具合に感動していると、ますます本格的に動き出していく状況に、我を思い出したのか優月ちゃんはアワアワとした様子で顔を青ざめ騒ぎ出した。
「あれ?…私……このまま行けば、本当に反逆罪で殺されるんじゃ……?ちょっ!私は辞退しま―」
「優月。貴方は私の臨時指揮下に入ってもらいます。これからは私と共に文様と飛燕様の露払いを中心に働いてもらいますが……………優月。返事は?」
「え?…ヒャ、ヒャイ!!」
そんな優月ちゃんの独り言(?)に被せるように有無を言わさない様子の態度の椛ちゃんに、天狗の格差社会特有の圧力で無理やり強制参入を決められてしまった。
なんか色々と巻き込んでごめんね優月ちゃん。。でも、今は一兵卒でも欲しいんだよね。
「飛燕。あんたは私の横にいなさい。」
そう言って、笑いかけてくれる文。その文の姿が、私の瞳に鮮明に映った。何故かは知らない。けど、いつもの可愛らしい姿とは打って変わって凄く綺麗だと思った。
「…………うん!!」
私は文の隣に並び立って、前を向いた。
今はこの戦に勝って、そしたらいつも通り皆で宴会でバカ騒ぎしよう。
「なんとか勢いで誤魔化したけど、これで……あの胡散臭い隙間女にも仕返し出来そうね。」ボソ
「……………ん?なんか言った?文?」
「なんでもないわ。早く行くわよ!!競争よ!飛燕!!」
「わっ!?ちよっと待ってよー!!椛さん達もいるからもう少し遅く飛ぼうよー!!」
急に飛び立った文に焦った私は、もう見えなくなりそうな距離にいる文へ追いつこうと負けじと自分を『飛ばし』た。
「良いのよ!!どうせ椛達はその内追いつい来るんだから。」
「文様!?またですかー!?私達は白狼天狗なんですからー!そんなに早く動き回れません!待ってくださいよーー!!」
「お嬢様ぁーーー!?置いていかないでくださいっスーー!」
今日もお転婆達は元気に飛びだしていく。向かう先が戦場だと知っていても、変わらず楽しそうに疾走と競い合うように。
文による戦況を覆す大きなイタズラを、ついでに自分と隣にいるパートナーを酷い目に合わせた相手への小さなイタズラという最高の仕返し返すように。
逼迫下にある状況が再び動き出した。
この異変の行方は誰にも分からない。だか、初めての異変と言える初期時代の幻想郷のルールを決定づける大きな事件であるのは確かだった。
頑張れー私ぃ〜〜!!やっと序盤だ〜!!
因みに、最近誤字が多かったりしてるのは忙しいからですので、ご了承ください。投稿されてから誤字報告機能で作者自身も修整していくので、投稿時刻から一、二時間ほど、時間を置いて読んでくださるといいかもしれません。