やっぱり東方Projectは強力な妖怪や神様が多すぎる。インフレがおかしいことになってるよ。
飯綱丸龍は一人、空中に佇んで涙を堪えていた。
文。はたて。そして、椛。大きくなったな。
そして済まない。私達の尻拭いをさせてしまって。
本来、組織内での戦争時の勝手な行動は厳罰処分だ。最悪、殺されてもおかしくはない。文はその罰を相殺するために自らの身を投じて手柄を挙げようとしていた。
崖っぷちのような明らかに危険で不利な賭博。その理由は足の引っ張り合いばかりにかまけてするべきことをしなかった私達大天狗に代わっての尻拭いだ。
頭の回転は著しく良い文は薄々気がついていたのだ。私達大天狗の組織的な弱点を。八雲紫の謀略に嵌っていながらそれを気がつくことが出来たとしても立ち止まって立て直すことも出来なかった組織の硬さと脆さに。確かに紫殿の言った警告通りになった。本当に自分達が情けない。
文はそのことをこんな突発的な行動で遠回しに指摘し、このままいけば、なし崩し的に紫殿の支配下に置かれるという危機に立たされていただろう私達を間接的に動かして救ったのだ。そして、それは八雲紫の天狗の里への影響力を減らす役割を担っている。
そして、文達の行動と奮発によって、士気を上げさせられた結果、先ほどまで不利であった状況の西面の戦場や他方面の戦場が今では各々の前線で戦っている天狗達が奮闘し合い、絶望的だった前線の状況を覆し始めている。
ここ西面の戦場でも数名の大天狗が援軍と共に勇猛に戦場へと躍り出て、戦線を立て直している。それは私の念動力で分かる限り全ての戦場で行われていたことだった。なかなか動くこともなかった大天狗が一人の鴉天狗に振り回されるとは……情けないのかそれともそのたった一人の文という鴉天狗の知略故か。
今ある戦場の状況のあれもこれも全て文の手のひらの上となっていた…………。
まさに、戦の最中、勝つ側に突然吹くといわれている天狗の所業。
その名も『疾風迅雷』。文達が募って起こした疾風義勇隊もその名を込めてつけられたものなのだろう。
今、私達は失われかけていた天狗としての誇りを取り戻し始めてきている。あの時の文の後ろ姿を見て、私が幼き頃に見たことがある文の祖父である若き日の先代の頃の天魔様がいた時代の誇り高き天狗のあるべき姿を思い出してしまい、その感動に涙が止まらなかった。
だが、その取り戻した誇りの対価が余りにも大き過ぎた。文はわざわざ組織的な罰を受けようとしてまで、そして、今いる地位を陥れる危機を享受してまでこの誇りを取り戻そうと努力しているのだ。そして、その行為は文の大切な友人達をも巻き込もうとしている。
それだけが悔しく感じた。もっと自分に力があれば文をこんな行動に走らせなかったのだ。
たがしかし龍はどこか肩の荷が下りたような気分だった。逆に言えばそれは結果的に文を地位というしがらみから自由になるということ。
その文の意思とは一人の鴉天狗としての地位獲得。そう、文はただ自由な翼が欲しかっただけなのだ。
態度では私に敬意を払っているが、文の本音はきっと、こう言いたかったんだろう。いや、はっきりとあの時のにらみ合いの目線で語っていた。
『あんたらが貯めたツケは、今私が代わりに払ってあげる。龍様。だから、その代わりに私は自由になるわ。』と。
「だが、文。私は文をそんな娘に育てたつもりはなかったんだがな………。」
天魔様もこれでは報われないだろう。今まで文を守る為に奔走していたがこの形で文が救われてしまってはその奔走も徒労になってしまう。
それを自覚しながら文は天魔様の娘という地位を泥に捨てて、わざわざ愚かで、勇敢な行為を起こしたことでただの鴉天狗としての身分に堕ちることを選択をしたんだ。
随分と性格の悪い娘に育ったものだ。勿論、これは本気で思ってはいない。ただ、私達を振り回したお転婆娘への私の心の中の愚痴だ。
寧ろ、言うまでもなく子離れ出来なかった私達が悪いのだ。いつまでも親は雛に構うことは出来ない。何故なら、雛はいつか巣立って飛んで行くものだから。
『親の子親の心知らず』子供が親の気持ちを知るわけがないのだ。
それを自覚しなかった私達が悪いのだろう。そして、文を苦しめてしまっていた今の私にできる償いは組織の改革だ。
文のような不自由を感じるような子供をつくってしまうような組織などないほうがマシだ。だから、根本的に組織を一新しなければならない。この戦が終われば忙しくなるだろう。
そして、今私の背後にいる彼女達のような者を呼び出して新しい組織の風を吹き込もう。管理職としては仕事が更に増えていきキツくなるだろうが、その価値はある。
化けガラス殿をこの里に入り浸らせただけでも、一人の少女を良くも悪くも大きく変えられたんだ。
理不尽に苦しむ娘を、その理不尽を取り払うことが出来る大きな自由の翼をもった鴉天狗へと。
それだけではない。若い世代の天狗達にも化けガラス殿による良い影響はこの270年間で根付いてきている。
なら、更に増え始めた妖怪達の中で理性があるものを妖怪の山へと招き入れるのもありだ。それに広報用部隊を編成しなければ………………そのために更に手はずを整えなければ。やることが山積みだ。
だが、今はそれどころではないな。いつまでも考え事をしていては後ろで私の露払いをしてくれる彼女達に失礼だろう。
「それで………そなたらは文達についていかないのか?合流する手筈だと思っていたが?」
龍は今も撃退しようとしている敵の妖怪や天狗達と応戦しながやこちらに向かってきている大百足を睨みつけたまま、背後に残っていた仙人と猫を被った状態を解いた常闇の妖怪に話しかけた。
「ふふふ♪私達は少なくともただの部外者ですわ。この戦を大きく左右させるつもりはありませんので。ですわよね〜?芳香ちゃ〜ん♪」
「そんだぞ〜せいがぁ〜!」
「その通りだ。あくまで私とこの青いヒラヒラは乱入者なんだ。こんなくだらないことに大きく関わるつもりも毛頭ない。
ただ、黒柳飛燕に頼まれて参戦してやっただけだ。だからあの鴉とは一緒に背中を合わせて戦うかどうかは決めていない。自惚れるな。天狗風情が。」
「ふっ………そうか。好きにするがいい。」
龍は頬に僅かに垂れる涙を拭って思わず笑ってしまった。
なんだ。こやつらも随分と化けガラス殿に絆されているようだ。
形では無関係を装いつつもこうして私の周りに敵が来ないようにけん制している。それも私に何かがあって結果的に化けガラス殿が悲しむことを起こさせないないためだろう。
無論、たかがムカデの妖怪ごときにやられるつもりは毛頭ないが。
「言質を貰ったので好きにしますわ♪では、私達はこの大百足は貴方一人では少々手こずりそうなので助太刀しますわ。
どうせほっとけば飛燕さんのお仲間に被害が及ぶことになりますので。そしたら、飛燕さんの機嫌を損ねますからね。
都合が合うたびに可愛がるつもりですのに、その飛燕さんに嫌われてはそれもできませんからね♪」
「私もそうするつもりだ。そもそもあの鴉が喜ぶかと思ってあそこにいる大百足に喧嘩を売ったんだ。
その張本人は私だ。なら、喧嘩を売ったそのツケを他人にぶん投げたまま放置ってのは大妖怪としての名が廃る。因みに青いヒラヒラの煩悩については私はしらねぇ。」
「あら?ルーミアさん?ツれないわね?貴方も彼女のカラダ目当てですのに?」
「やめろ!!紛らわしいことをいうな。青いヒラヒラ!!」
「そんなこと言っても、食欲も肉欲も三大欲求なのは変わりませんわ♪認めなさいなルーミアさん。」
「くっ!?無理やり一緒にするな!淫乱仙人!!」
呑気な奴等だ。敵を片手間で倒しながら喧嘩のようなじゃれ合いをしている。この様子だとさぞかし化けガラス殿の気に入りそうな輩なのは明白だ。だからこそ一緒に旅をしていたんだろうが。
「…………そんなに化けガラス殿を求めているのなら、私の所に残るよりも化けガラス殿の居る方が楽しいだろうに。随分と好き者だな。そなたらは。」
「好き者?ええ確かにそうですわ。なぜならくだらない戦争ごっこを特等席で楽しめますもの。
でも、だからといって私達は第三の勢力でもそれ以下でもない。だから舞台に上がる資格はありませんわ。ただ、それだけのこと。
なら、観客として彼女達の奮闘を精一杯楽しむのが観客としての務めではなくて?」
「……そうか。」
素直ではないな。だが、変なとことで素直だ。欲望には忠実な変な連中なのは分かった。
― ギシャァァァァァ ―
周りの敵陣をやっとのことで壊滅させた大百足がこちらに一直線に向かって来ている。
あの猛獣のような獰猛さが詰まったような、あの悍ましい存在はまだまだ遊び足りなかったようだ。
「おっと?随分と怒っているようだな?久し振りに食いでのありそうなヤツとやり合えるとは。あのクソアマ以来だ。あいつの闇はかなりマズかったが、偶にはいいだろう。」
「うへぇ〜。不味いのに進んで食べようとするとは、趣味の悪いことですこと。芳香ちゃん。貴方の仙力を全開を許可するわ。修理は後でしてあげますから。」
「分かったぞ〜〜!せいがぁ〜!!」
そういえばこいつらがこの化け物を呼び出した阿呆だったのか。
まあいい。今の所それもこちらには利益をだしている。
よくもまあ部外者が楽しそうに好き勝手してくれると言いたい所だが、文句を言うのは筋違いだ。そもそもこうやって享楽や欲望に忠実に動き、自分勝手に動くのが本来の妖怪の姿だ。
敵に被害があって、こちらに被害がなかった。それだけで後は面倒と言える後処理をこの手で行うのみ。今はそれが良い落としどころだろう。
「さて、私達はこの化け物をどうやって片付ようか?だか、忘れるな?私達の今の目的は足止めして文達の方へと行かせないこと。無論、他の戦場にもだ。それだけは守ってもらうぞ?」
「ええ。仰せのままに。」
「ふんっ、今は従ってやろう。」
― ズドーーーーーーン ―
「ギシャァァァァァーーーー!!!」
3名の猛者と龍をも喰らうほどの強力な魔物がぶつかり合い、戦場を大きく揺らしながら大きく低い音を響かせた。
* * *
一方、博麗神社の縁側にて。
― ブオン ―
「博麗の巫女。仕事よ。」
初代の博麗の巫女がのんびりとお茶を啜っていると、隣から聞き慣れたスキマが開く音が聞こえてきて、そして、物心ついたときから聞き慣れている声が聞こえてくた。
「今日は仕事はないって話じゃないのユカリ?それに、さっきからうるさかったこの喧騒も直ぐに収まるとも聞いていたわ。何か不都合でもあったの?」
「ええ。そうね。不都合が起こったの。だから予定変更。いきなりですが、これから貴方の初仕事よ。」
「………そう。まあそう言うだろうかと思って、お札やら陰陽玉やら針やらを事前に準備しておいたわ。」
「そう。相変わらず準備が早いわね。じゃあ、お願いね霊無(れいむ)。いえ………"初代博麗の巫女"。」
「……………ええ。任されたわ。ユカリ。」
〜幻想郷縁起より〜
西暦621年 初代 博麗の巫女。始動。
初の異変解決に乗り出す。
結果、死傷者は出るものも、無事首謀者と思われる者を全員捕縛し、幻想郷の掟に沿って処罰した。
これを皮切りに博麗神社とその巫女の名は、幻想郷の守護者として幻想郷中に知り渡ることになるのだった。
* * *
「疾風迅雷隊!!もうすぐ敵の大将の近くよ!!」
大百足の撹乱によって、敵の陣形に穴があいたお陰もあり、なんとか戦線を完全に突破した私達は、敵の大将役である愛宕山大天狗のいるだろう本陣へと突き進んでいた。
ここに辿りつくことが出来た疾風迅雷隊の数は半分もいない。残りの半分は敵の追撃部隊を止めるために殿を務めてくれている。私達の勝利を信じて命がけで戦ってくれているんだ。なら、私達は勝利をもぎ取って仲間達に教えるべきだ。
「文様。ここからが正念場です。敵の精鋭の奇襲の可能性があります。お気をつけください。」
「………分かったわ。椛。」
椛ちゃんが片目を隠しながら文にこっそりと告げると文は扇をあげて部隊に防御の陣形をとらせた。
「かかれーーー!!!」
その瞬間、今まで敵の気配もなかった茂みや森の奥から私達と同じくらいの数の敵が奇襲を仕掛けてきた。
けど、幸いなことに防御陣形を取っていたお陰でこちらの被害
も抑えられている。これも椛ちゃんの『千里を見通す程度の能力』のお陰だ。
でも、敵が強い。疾風迅雷隊のなかでも指折りの実力を持った三ノ巡回隊のメンバーでも一人一人の敵に苦戦を強いられているくらいだ。
「くっ!て、敵が強いっす!椛先輩!!」
「相手は手練れ!!ならばこちらはそれを上回る気力を見せるのみです!!優月、背中がお留守ですよ?てやぁーーー!!!」
「ぐあっ!る?」
「せ、先輩!ありがとうございます!!」
三ノ巡回隊と共に剣の達人の椛ちゃんが優月ちゃんの背後を襲おうとしていた鴉天狗の一人を切り落とした。
その後椛ちゃんは精鋭の敵の兵を素早い剣捌きで薙ぎ払い、苦戦している味方を救援していく。三ノ巡回隊もそれに負けじと椛ちゃんと優月ちゃんについていった。
椛ちゃん。白兵戦では敵無しなのかも知れない。それくらいこの集団密接戦闘では活躍している。流石椛ちゃんだ。龍さんから直接文達の護衛をスカウトされるのも納得だ。
でも、それでもカバーしきれない所で敵の精鋭部隊に味方がやられてしまう。
「あやぁー!!これはやばいよ!!味方が少しずつ削り取られててるよ!!」
「クッ!こっちもそれどころじゃないわ!!」
はたては一人の敵の鴉天狗の攻撃を防ぎ、その間に周りにいたカラスたちに攻撃してきた鴉天狗の目玉やらなんやらを攻撃するというえげつない撃退法で対抗しながら文に話しかける。
が、優先的に複数の敵に狙われた文は私と共に敵に囲まれて身動きが取れない状態だった。
なら、私の出番だ!!こういうときこそ私の神力の使いどころだ!!
「文!風を起こして!!」
「分かったわ!!」
私は神力を身に纏って神力を発動させた。今回は何かを作るわけではなく純粋なエネルギーの発動だ。
それと同時に阿吽の呼吸で文が起こした風に乗せて神力の纏った風の刃となり、囲っていた敵にそれぞれに意識を『飛ばし』て追跡ミサイルのように向かわせる。
― 滅殺『風神刃』 ―
「くはっ!?」「ぎゃっ!?」「がっ!?」
私と文のタッグ技だ。敵はその一方的な威力に周りに生えていた杉の木ごと真っ二つにされて地面に倒れたり落ちていった。
「よしっ!文!!私が露払いをするから今のうちに指揮をとって!!」
私が白幻と黒妖で休まず撃ちまくって迫りくる敵を弾幕でけん制している間に文は風に声を乗せて部隊の仲間達に声を出した!!
「分かったわ!飛燕!!疾風迅雷隊!!前進せよ!!三ノ巡回隊は部隊の殿を務めて!!椛!!あんたは三ノ巡回隊の隊長と共に指揮を!!補助は優月に任せるわ!!」
「はっ!」
「「了!!」」
「分かりましたッス!!」
なんとか部隊の立て直しが出来たことで部隊の損傷は減らすことが出来た。
しかし、更に問題は次々と降りかかってくる。
突然、後方から巨大な妖力を感知したからだ。
私と文、そしてはたてが後方を見ると、そこには五人の英傑と言われる程の体格の良い大天狗がいた。
そして、その大天狗は妖刀と思われる恐ろしげな刀を抜いて、荘厳で初老と言えそうな威厳のある声をあげた。
「よもやと思い、総大将の所に来てみれば目と鼻の先にまで侵入させるとは、愛宕山の大天狗め。奴は何をしている。
さて、名を上げよう。我が名は『鞍馬之夏沙丸(くらまのなつさまる)』!!我は五大英傑同盟の一人である。
決闘を申し込もう!!我を打ち負かせば周りの仲間達の命は殺らぬ。我が勝てどもお主等の仲間は殺らぬ。
これは慈悲であり、正式な決闘だ。我こそと思うものは前に出よ!!出なければ臆病風に吹かれ、決闘を逃げ出す者共と見なし、この場で惨殺するのみ!!末代までの笑い者にされよう!!さぁ!!決闘を申し込む!!」
先程まで争っていた敵味方が静まり返り、鴉天狗達は地面に着地し、白狼天狗は構えていた武器を降ろした。
誠意のある敵将だ。圧倒的に不利なこちらにわざわざ決闘という逃げ場を作るとは。けど、一方で残酷だ。
誇り高い天狗のプライドを揺さぶるような文言と仲間同士の結束が強い天狗の特性をついた逃げ場のない負け筋だ。
もし、ここで文が前に出ればここに釘付けになり、総大将までは辿りつくことが出来ないまま時間を溝に捨ててしまう。
その間に、こちらに僅かに傾いていた戦の風が相手に傾き始めるだろう。
時間は有限だ。ここで一番の旗印の文を相手させられない。
けど、どうする?敵は大天狗の中でも数少ない名将と言われている者だ。私が前世で学んだ日本の八大天狗の一人、鞍馬山の大天狗だ。その異名は剣術の達人。源義経の師匠とも言われているくらいだ。それだけでどれだけの力を秘めているか。
文も迷っているようだった。
………………どうすれば。
その時、一人手をあげて名乗りをあげた者がいた。
「私がその決闘に挑みましょう。」
椛ちゃんだった。敵味方関係なく、周りも騒然とし始める。なにせ、相手は大妖怪、対して手を挙げたのが見た目だけで判断するならばちんちくりんの小妖怪の少女。味方は心配の声、敵からは嘲笑と驚きの声で騒がしくなる。
ただし、文と鞍馬大天狗だけは静かに礼をしてから曲刀と曲盾を下段の構えをとる椛へと視線を向けていた。
「もみじ!?」
「椛先輩!!」
「椛ちゃん!?」
「…………生意気従者。」
私や皆の驚愕の声の中、チラリと私地を見つめた椛ちゃんは安心させるようにニコリと微笑んで見せた。
それだけで、一緒に過ごしてきた私達は理解した。
(『大丈夫ですから。少なくとも私は、負けるつもりはありません。』)
と、自然体で私達に背を向けた背中でも語っていた。
それでも心配だ。鞍馬大天狗の身長に対して椛ちゃんの身長は半分以下。そして、妖怪としての格が2段階、3段階も違う。
けど、文はそれでも反対しなかった。謎の信頼があったかのように。ただ、文は背を向ける椛に一言だけ言った。
「椛。勝ちなさいよ?」
椛は言葉では答えなかった。ただ、背中で語っていた。
『はい』と。
「閃風義勇隊!!今いる部隊の後方部隊半分をここに残す!!はたてはここに残って総指揮を!!三ノ巡回隊は前方の部隊に加わりなさい!!残りの前方の部隊はここを直ちに突破する!!前進!!」
「「ウォォォォォ!!」」
私達が掛け声と同時に駆け出すと、周りにいた敵の部隊も迎撃しようと動き出した。
私達は後ろを振り返らなかった。椛が勝つことを信じて。
八大天狗の全容(元ネタ:日本の八大天狗)
地方所属 五大英傑
五大英傑同盟代表
愛宕山(あたごやま) 大天狗 最も強力 南側京都一帯を統治
以下連盟の名の元の大天狗。
大山(おおやま)大天狗 島根県一帯を統治
比良山(ひらやま)大天狗 滋賀県一帯を統治
鞍馬夏沙丸(くらま なつさまる)大天狗 北側京都一帯を統治
大峰山(だいほうさん) 大天狗 奈良県一帯を統治
妖怪の山所属 三奉行
白峰山小茂呂 大天狗
彦ノ早霧 大天狗
飯綱丸龍 大天狗
です。実は飯綱丸龍さんはこの八大天狗が、元ネタだと言われています。(創造主)神主さんがご明言されたのかは覚えてないので多分考察だと思います。
愛宕山(あたごやま)大天狗様と鞍馬夏沙丸(くらまなつさまる)大天狗様だけこの異変で詳しく出てくるのでそれだけ覚えてくれればいいです。