化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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 ふぅ……やっともう直ぐ終わるぞ〜!頑張れ!今この回を書いてる作者!!


54羽:『八大天狗異変⑮』〜急〜

 

 

 

 〜前回までのあらすじ〜

 

 

 

 

 蠢く幻想郷の賢者の陰謀。新たな賢者の加入に、巫女の参戦。そして、西面の戦場での大妖怪達の激闘。

 

 そんな中、愛宕山大天狗に圧倒されていた私達は謎の助っ人の鬼である『伊吹萃香』の横槍によって愛宕山大天狗の拘束から抜けられた私達は伊吹萃香の分身に逃げることを促される。

 

 しかし、私と文はここで逃げることを選択せずに、傷をある程度癒した後に再び立ち向かうことを決意したのだった。

 

 

 今でも愚かだと思ってる。でも、私は文の気持ちに応えてあげたい。

 

 今まで苦しんできた分、私は文に沢山寄り添ってあげたい。だって私は文のモノでもあるんだから。

 

 

 けど、このまま立ち向かうだけでは無理だということは理解している。だから私は文の提案によって私達は新たな契約を結び直すことになった。

 

 その名も『一心同体』。これは今までの『対等』とは違い、契約相手との桁違いの強い繋がりを得てることができ、そしてお互いが同じ力を得ることができるという内容だ。

 

 そして、契約は成されて2人の力が合わさったことにより、私と文は文字通り一心同体となった。

 

 実の所、無意識の内にこうなっていたこの契約だが、なぜかは分からない。でも、勝手に身体が動く感じだった。

 

 もしかしたら、文と私が少し前に一つになったからなのかも知れない。

 

 

 そして、私と文を祝福しているかのような綺麗な光が私達の周りを囲んでいたその時、西面の戦場が大きな隕石が落ちて強い光りが輝くと共に風が吹き荒れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

 

 今はその訳の分からない状況に二人揃って、ポカーンとしているその場面だ。

 

 

 …………凄く閉まらないな。もうすぐ終わるんだよ?この異変。この閉まらなさがうちの小説っポイけどさ。それはそれでどうなんだろうか?

 

 

 

 そんなことを考えているうちに、ふと私は自然と風を操れるようになってることに気がついた。

 

 それは文も同じようで、不思議そうに私の隣で落ちていた石を拾い、その石を持った片手を翳して石を『飛ばし』、それを風で操りながら不思議そうに私を見てくる。

 

 

 

「これは………飛燕の能力かしら?いったい何が起こったの?どうして使えるようになってるのかしら…………いや、私はある程度想像つくけど。飛燕。一応聞くわ。何故か分かる?」

 

「ん〜………私も分からないや。けど、これも契約の効果なのかな?」

 

「そう…やっぱりそうだったのね。ま、まあ私最初から知ってたけど?」

 

「うん。まあ、文なら知ってるだろうと思ったけど…………おっ?遠くでクレーター見たいのができてて、そこで複数人の知ってる電波が戦ってるのが分かるな?これは龍さんと青雅さん達だ!!あとなんだろうあの女の人?大百足の人かな?

 あと、大勢の味方の天狗達が近づいて来てるよ。これははたてや椛ちゃん達だと思うよ。

 西面の戦場へと少し遠くから巫女さんとその後ろに角がある鬼っぽいのが2人来てるね。………え?いやなんで?…………というかなんでこんなきめ細かく分かったの私?」

 

 

 あれ?それに巫女さんもいんじゃん!?あれ?なんでこの戦場にいるんだろ?博麗の巫女ってなにかしらの役割があるのかな?

 まあ、妖怪をボコしながらこちらに向かってきているっていう私達にとっては恐ろしい場面のことは取り敢えず見なかったことにしようか。うん。(震え) 

 

 

「……あ〜。飛燕。それは『風を読み取った』のよ。私がいつも感じてる光景ね。まあ、私はそう感じるだけではっきり見えることは無かったわね。だから今は凄く新鮮よ。」

 

「へぇ〜?『風を読み取る』力なんだ〜?それでこの明確に見えるのが文の能力と私の能力が合わさった感じなのかな?…………あ〜、そういうことね?成る程?不思議な力だね。これ。」

 

 

 それにしても文の能力って凄いね。これが『風を操る程度の能力』かぁ。こんなにも便利なんだ。

 

 契約前よりも周りの状況が敏感になってるよ。身の回りで動く風を通じて虫の声や木々の葉が揺れる音から川が流れる音まで分かる。

 

 

 

 風のざわめき。山を駆け巡る下降流や遠い海から感じる暖かい海風の優しい音や上昇流の激しい風の音。

 

 

 

 

 

 その全ての風が色鮮やかに私に聴覚の響きの感覚として色鮮やかに伝わってくる。

 

 

 でも、それが直接聞こえるというより、そういう音が聞こえるっていう情報が来る感じだね。でも情報が多いから慣れるまでは意図的に情報を封鎖しとこう。頭がパンクしちゃいそうだ。

 

 

 でも、これは本当に凄いや。

 

 

 この能力、本当に全開放出来たら文のように頭の回転が凄く良くなるね。こりゃあ文の頭が良くなるわけだ。

 

 

 

「取り敢えずは、皆無事そうで安心したよ。そっちはどう?文。私の能力の具合は?」

 

 

「う〜〜〜〜ん?…………上手くわからないわ。それにしても貴方の『飛ばす程度の能力』って意外と使いづらいわね?今一度原理が分からないわ………。」

 

「あ〜?説明が難しいからなぁ。今は感覚と想像力で補った方がかえって使いやすくなるかも。」

 

 

「分かったわ。取り敢えず飛燕。その探索ってのはどうやってるの?教えてちょうだい。」

 

 

「あ〜〜そうだね〜〜〜〜…………想像する感じだと、戦場全体を見ているって感じだね。椛ちゃんの能力を想像するといいかも。

 なんか守屋の神様達を思い出すな。諏訪大戦もあのヒト達の観てる景色はこんな感じだったのかな?」

 

「成る程………、あっ出来たわ!!凄いわね。椛もこんな感じなのね?」

 

 

 今は1キロメートル先以上なんて余裕だ。これが第三者の視点なのかも知れない。文の反応を見る感じ、この能力を使ってる椛ちゃんもこんな感じなんだね。へへっ凄いや。でも、椛ちゃんは『千里を見通す程度の能力』でしょ?よよく考えてみたら凄くない?

 だって一里って言ったら4キロメートルくらいだから4千キロメートルなんだよね?椛さんはどんな景色を見れるんだろうか?

 

 

 

 でも、私達の能力の応用次第ではもう少し飛ばす距離が出来そうな気がする。

 

 風は一瞬で遠くまで動くから、質量が凄く軽い電磁波なんてもっと速く遠くまで届くようになるだろう。でも、この能力次々と使い道が増えていくからややこしさに拍手がかかってるね。

 

 でもこれは…………益々私の能力の幅が広がるぞ〜!!暇な時間が出来たら新しい能力を使うのに楽しみだなぁ〜!

 

 

「そういえば範囲が結構伸びたっぽいのね?前は出来て数百メートルじゃなかったのかしら?」

 

「…………でも、なんとなく分かる。そうね確かに飛燕の言った通りに、今は感覚でやってみるわ。

 

 

 

「まあ文の『風を操る程度の能力』は意外と使いやすいからね。私の能力はややこしいから文にとっては難しく感じるとは思う。でも原理自体は似てるからさ。その内慣れるよ。それに後で色々とおしえてあげるからさ。意外と便利だよ?

 今は私の『飛ばし』た電波を『風』に乗せて距離を伸ばしてるって感じかな?もっと効率良く想像すればもっと良くなるかも?」                                                          「…………でも、なんとなく分かる。そうね確かに飛燕の言った通りに、今は感覚でやってみるわ。飛燕、貴方って結構器用なのね?これ、一度見ただけだと益々訳が分からない能力よ?」

 

 

 私の能力、変に科学とか物理学とかが混じってるから現代人じゃない文には分からないと思う。帰ったら勉強だね。文。ガンバッ!

 

 

 

「成る程ね………取り敢えず、今はお互いの理解できる所で連携を組みましょうか?」

 

「そうだね。それにいつまでもグダグタしてると、私達の守りを任せていた三ノ巡回隊のヒト達にも申し訳ないし。」

 

 

 私達は私達の周りを囲って守ってくれていた三ノ巡回隊の前に出て、未だに私達の命を狙おうとしてくる愛宕山大天狗直轄の零の部隊に向けて、急接近した。

 

 

 最初は全く動きが目に負えなかったけど、文の『能力』のおかげで滑らかに感じる。

 

 今なら行ける!!

 

 

 私と文は二人がかりで十数人といた零の部隊の身体に触れて意識を『飛ばし』て、あっという間に制圧した。その間、コンマ0.01以下。目にも止まらない速さだった。

 

 

 三ノ巡回隊の皆が目を見開いて私達を見つめてくる。

 

 あれほど零の部隊には苦戦していたのにこれほどの差が出てくるとは……、この契約、結構ヤバい代物なのか?

 

 三ノ巡回隊の皆さん。説明して欲しい気持ちも分かるけど、説明は後にしておくからね。

 

 

『『ヒュ〜………まさかここまでとはねぇ。二人とも中々やるね〜。これなら私の足止めもいらなさそうだし、治療も終わらした私達はこのままトンズラでもしようかね。』』

 

 

 

 文と私の服の内側から口笛の声が聞こえたので、下の方を見ると、ヒョコりとミニ萃香さんが現れて私達の谷間に居座っていた。というかなんだその羨ましい特等席は。私もやってみたい!!

 

 

 あ……そういえば忘れてたじゃん。この鬼さんのこと。

 

 

 

『『………なんだいあんた達?そんな顔して。…………もしかして、あんたら忘れてたね?私のこと。

 確かにあの空から振ってきた大きな岩の激突のショックで忘れるのはなんとなく分かるけど、それくらいで私のことを忘れるなんて酷いじゃないか?一応私達は命の恩人なんだよ?潰しちゃうよ?二人とも?』』

 

 

「あ、……ありゃりゃ…………。」

 

「あ、あややや…………。」

 

 

 萃香さん……………結構怒ってらっしゃる。口調は老獪という感じだけど、以外にも子供っぽいんだね。そのギャップは堪りませんなぁ。グフフフ。

 

 

『『まさか、鬼が忘れられるなんてねぇ。暫くの間、大人しくし過ぎたのかね?大江山に帰ったら、部下や勇儀達で山を降りて、また昔みたいに一暴れでもするかな?

 まあいいや。兎に角、この治療代は次の分の口噛み酒の卸代ってことにしておいていいかな?』』

 

「あっ、ハイ。」

 

 

『『…………これ、結構便利な料金方法だねこれ。次から困った時は沢山助けてあげるよ。黒柳飛燕。そしたらお前の酒を飲み放題できるぜ〜!!ヒャッハー!!!』』

 

 急にテンションをぶち上げる萃香さん。豹変が怖い。というか、そんな大声で言うのやめたもらってもいいですかね?

 

 

 

「…………萃香さん?それ、今の絶対狙って言ってたでしょ?」

 

『『ん?なんだい?私が飛燕を味わったことを言ってるのかい?あ〜?ごめんよ?あれは私達鬼には必須なんだ。お前なしじゃ生きられないくらいにはね!!』』

 

 

 くっ!この鬼、今になっても私の口噛み酒をねだってくるのか?あの件のこと擦りすぎだよ。というか辞めてよ文の前で!!

 

それも随分と猛烈なアピールをしてくるね?

 

もう赤くなることしか出来ないよ。グフフフ

 

 

 (ねぇ………いったいどういうことかしら?飛燕?)

 

 

 ぎゃっ!?ほらっ!文が思考を『飛ばし』ながら睨んできてるじゃん!!ガンまで『飛ばて』来ちゃって。お姉さん怖いよ?ガクブルだよ?(震え)

 

 

 私の苦笑いを他所に文はそのまま私に詰め寄ってくる。そんな文の顔は目に影がかかった笑顔だった。怖いです文様。

 

 

「えっと、ごめんって文!前の大宴会の夜にこの人とあって余興に出したら何故か飲まれちゃってね。それで気に入られちゃったんだよ!私の口噛み酒を………そのう…飲まれてから………。」

 

 

「…………へ、変態。エロガラス。変態アホガラス。なんでそんなこと思いつくのよ。羨まし………けしからんわね!!」

 

 

 そしたら、文は顔を赤らめて、ポコポコと私の頭を殴ってくる。痛い。…………もしかして文って意外と結構純情派だったりする?アイタタタッ!図星だったのね!ごめんって!

 

 

 でも今思えば、結構ヤバいプレイだね。…………自分の作った口噛み酒を他人に飲ますとかいったいどんな変態だよ。なんですかこのプレイ。

 

 

 

『『仲いいねぇ………まっ、勇儀達も口噛み酒を気に入ってたから。次からはちゃんと他の鬼の分もよろしくも頼むよ〜?』』

 

 

 詰め寄られてポコポコと激おこぷんぷん丸に叩かれている私を残してミニ萃香さん達は霧になって今ごろ少し遠くで戦っている本体の萃香さんへと向かってサラサラと消えていった。

 

 

「えっ!?ちょっ!!まずは誤解を解いてよ〜〜!萃香さ〜〜ん!!ちゃんとした品として買うんだよね?そういう趣味じゃないだよね?萃香さんってば!!マジで逃げやがった!!あのロリ鬼ぃ〜〜!!」

 

「商売の品ぁ〜〜〜〜?まさか飛燕、そこまで堕ちたのね!!見損なったわ!!エロカラス!!このこのこの!!!私の分までよこしなさい!!」

 

「ぎゃぁ〜〜〜〜!!!今度はロメオ・スペシャル〜!?イタタタタタッ!?」

 

 

 

 私が文に見事なプロレス技を食らっていると、私達がいる山の麓から聞き慣れた声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜〜やぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!ひ〜〜〜え〜〜〜ん〜〜〜〜!!!!!」

 

「文様ぁ〜〜〜〜!!!飛燕様ぁ〜〜〜〜〜!!!」

 

「お嬢様ぁ〜〜〜〜!!!黒柳様ぁ〜〜〜!!!」

 

 

 

 その時、先程来ていると分かったはたて達の声だ。

 

 

 どうやら、鞍馬大天狗をどうにかしたのかな?でも、今ごろ彼女ピンピンしてるよ?

 

 

「はたてに、椛に…………誰だっけ?」

 

「優月です!!お嬢様。」

 

「そうねだったわね。」

 

 

「………なんか、ご無事そうですね?」

 

「元気そうだね〜?あやぁ?飛燕?」

 

「見事なお手前です。文様!!」

 

 

 

 

 

「イタタタタタッ!!何処が元気に見えるの?ギャァァァ〜!!イタタタッ!!」

 

 

 何処が?今凄く生死を彷徨ってるんですけど!?

 

 

 

 もともとカオスなのにはたてや椛達が加わってさらにワチャワチャしだす中、

 

 

 

 その時、私達の近くでもう殆ど原型の無くなっていた陣内へと何かが墜落して土埃が立ち上って再開に喜んで騒いでいた私達は静かになる。

 

 

 そこには、傷だらけでボロボロな愛宕山大天狗と手にかかった埃をパンパンと余裕そうに払っていた萃香さんがいた。

 

 

 

「天狗の癖に、中々やるねぇ〜?……けど、化かし合いなら鬼にはまだまだ遠く及ばないかな?まあ、悪くない。及第点だよ。」

 

「ハハッ!お主こそやるな。鬼の大将。まさかここまでとは。だが、身体がまだまだ動けと叫んでおるんでな。付き合って貰うぞ?」

 

「おいおい。元々お前さんは今近くにいる二人の娘を狙ってたんだろう?まさか、忘れちゃいないだろうね?」

 

「なっ!?…確かに、……いつの間にか私は………忘れていたのど?」

 

「だから、言ったじゃないか?『化かし合いなら鬼には遠く及ばない』って。」

 

「ふっ………そうだな。認めよう。私は目の前のご馳走に目がくらんでいつの間にか見事に化かされていたようだ。」

 

「ハハハッ……なんだい。意外と天狗も正直なところもあるんだねぇ。卑怯で嘘つき者ばかりだと思ってたけど、勇儀が好きそうな鬼もいたもんだ。」

 

「ふふ………私もここまで素直になるのは久しぶりだ。だが………………なぁ?射命丸文?黒柳飛燕?そなたらはどうだ?この鬼のように、『私を正直者』にしてくれるのか?」

 

 

「なぁ?射命丸文?黒柳飛燕?お主らはどうだ?『私を正直者にしてくれるのか?』」

 

 

 そう言って、緊張に構えていた私達に呼びかける愛宕山大天狗。その姿は夕日の光も伴って懐かしんでいるようにも見えた。

 

 

「当たり前よ!!今度こそ、正直者になってやる!!そう、『貴方をボコボコにしてやる』って言葉を今から真実にしてやるわよ!!」

 

 

 そんな愛宕山大天狗に、文は扇子を構えながらそんな大口と言えるような挑発の言葉を投げかけた。

 

 

 その瞬間、愛宕山大天狗は豹変し、今まで冷静に取り繕っていた鳶の仮面を外して、その隠していた綺麗な顔と溢れんばかりの闘志を露わにしだす。

 

 それと同時に、膨大な量の妖力を発動させて愛宕山大天狗は凶悪な笑みで私と文に問いかけてくる。

 

 

「よくぞ申した!!なればこそ、そなた達は未来に生きる天狗と言えるだろう!!さぁ!!『手加減してやるからかかってくるがいい!!』私をがっかりさせてくれるなよ!!『おひい様!!』」

 

 

 その言葉に私達は前に飛び出した。

 

 

 本来の私なら、この膨大な妖力に気圧されて縮こまってしまっていただろう。けど今の私は違っかった。今の私の隣には文がいてくれる。それは物理的な意味だけじゃなくて、心という意味としてもだ。だなら、私は戦える。

 

 

 

 

 そうして私と文は、見守るように黙って私達を送ってくれるはたて達を背中にして、愛宕山大天狗が大量に生み出す幻影の分身を文と共に打ち払いながら本体へと肉薄していった。

 

 

 

 

 * * *

 

  

 

 

 

 

 私は静かに問いかけた。夕日を背に、『あの時』のおひい様とその隣にいた化けガラスに、問うように。

 

 

 

「…………そなた等は、私を正直者にしてくれるのか?」

 

 

 

 あの時、始めて出会った私を打倒した時のように。おひい様ならこう言った。

 

 

『ああ。お前をボコボコにしてやるさ。幻炎。』

 

 

 さあ、お主ならどう答える?射命丸文?その答えでお前を殺すかどうか決めてやろう。

 

 

「当たり前よ!!今度こそ正直者になってやるわ『貴方をボコボコにしてやる』って言葉を真実にしてあげる!!」

 

 

 

 その時、私は大江山の鬼の大将と戦った疲れなど吹き飛んで、湧き出る闘志を抑えきれなくなった。

 

 

「よくぞ申した!!なればこそ未来の天狗と言える!!『手加減してやるからかかってくるがいい!!』私をがっかりさせてくれるなよ!!『おひい様!!』」

 

 

 

 思わず、おひい様に言ったことを口ずさんでしまった。

 

 

 ああ……いけない。反省しなければいけない。射命丸文はおひい様ではない。私を燃え上がらせた彼女ではないのだ。

 

 

 だが、今化けガラスを連れて突っ込んでくる彼女の姿は元々似ていた見た目を伴って若き日のおひい様を思い出させてくれる。

 

 

『おひい様。貴方は何故死んでしまわれたのですか!!病気など!!貴方なら簡単に打ち倒せる筈です!!』

 

『幻炎………済まないな。私はもう逝く。後を頼んだぞ?』

 

 

『おひい様…………………。』

 

 

 

 そう、彼女は病気であっけなく死んでしまった。あれ程の強者だった。初代天魔という妖怪の山という組織を作り上げた圧倒的猛者だったのに。現天魔である娘を産んでから体調を崩し始め、娘が物心つく前に死んでしまった。

 

 今はもういない。私にこの『愛宕山大天狗』という名を授かった彼女はもういない。

 もう、私は名前の通りの燃えているようで燃えていない『幻炎』のようになってしまった。

 

 

 だが、今は違う。現実だ。今、彼女は私の目の前にいる。彼女の孫の中に流れる血という形で。

 

 

 そう、彼女はまだ生きているのだ。幻ではない。私のような居て、居ない存在ではないのだ。

 

 

 

「ウオォォォォォ〜〜〜〜〜!!!!!愛宕山大天狗〜〜〜〜!!!」

 

 

 こうして、あの時のようにあのように、真っ直ぐと私の生み出した幻影を破壊しながら私に突っ込んでくる。

 

 

 私はあの時のように射命丸文に向かって真っ直ぐと拳を突き立てようと突っ込んだ。

 

 

 

 不思議な者だ。全てを忘却する私の青い炎を恐れず突き進む者がここに二人。その姿はあの頃のおひい様とその化けガラスにそっくりなのだ。

 

 

 お互いに周りからは見えない速度で衝撃波を辺りの空間にも渡らせながら組み手をぶつけていく。相手は飛び道具と扇子とその足腰で。私は青い炎を纏わせた刀と扇子で。

 

 

 お互いに上昇しながら高度まで突き進むがおひい様のように、射命丸文は化けガラスと共に私よりも速く上へと進んで私を突き放した。

 

 

 そして、2人は両手を私に翳して妖力と神力を混ぜたような力を解き放った。

 

 

 射命丸文と黒柳飛燕が同時に手を翳してくる。その手には純粋な空気の暴力と暴風雨。

 

 

 ここだけは違う。だが、違和感などなかった。

 

 

 だから、私は二度と使うこともないだろうと思っていたあの技で打ち返した。

 

 

 

 

 

 ― 『風神爆空』 ― 

 

 ― 『葵炎幻幕』 ―

 

 

 

 

 

 暴風流を思わせるような強烈な神力の混じった竜巻と、葵く華やかで幻想的な炎の炎柱が夕空にてぶつかり合ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






あと2話でこのパートは終わりですね。
 

読者の皆様にとっての女オリ主のイメージを教えてください!

  • 可愛い! ここに皆入れてね!
  • 格好いい! そう?まあそれもありだね?
  • 美しいね! エヘヘー分かってんじゃん!
  • 変態! でも変態なお姉さんは好きでしょ?
  • 人情姉さん! 私についてきな!君達!
  • 大人なお姉さん! 妥当だよねー!うふふ♪
  • 乙女だよ! 分かってるねー!
  • 人妻最高! 良い子の皆は入れないでね?
  • 未亡人最高! なんか投票欄が怪しくない?
  • もっと強くなれよ! あっはい、頑張ります
  • ポンコツだね。 ん?これは褒め言葉?
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