頑張った〜〜!!
ですが、幻想郷でおこる全ての異変は博麗の巫女によって治められるのが定め。
ですので読者の方々はもう少しご付き合いください。ペコリ
周りにあった雲なんか熱と衝撃で蒸発するか吹き飛んでしまった夕空で、愛宕山大天狗が落下しているのを確認した私と文はお互いの肩を支え合いながら、ゆっくりと高度を下げていく。今はもう急降下する程の体力も妖力も今は余裕がないのである。何故ならば、さっきの大技で全て使い切ったからだ。
愛宕山大天狗。最後は何故か、力を抜いていたような気がするけど、いったいどうしてだろうか?
何故最後手を抜いて私達に勝ちを譲ったのかは分からない。けど、あの人普通に生きてるだろうなぁ………。だって落ちてる間も気絶してるはずなのに無意識に落下の体勢を取ってたからね。
でも、あの人なりに何かを考えてこうしたんだろう。文はどういうわけか納得してる様子だったけど。
今は、『一心同体の契約』も切れていて、元の『対等』の契約に戻っている。
どうやらあの契約は一時的だったようで、度々契り直さないといけないらしい。いちいちしなきゃいけないのは面倒くさいからその内この設定は修行なんなりして消えるでしょ。多分。
けど、新たな契約をする前よりもした後のほうが文と私の心の距離はさらに密接になったことは嬉しかった。文も同じようで歓喜の感情がこれでもかと言うくらい伝わってくる。
それくらい、お互いの心が通じ合っていることがとても気持ちが良かった。
「ハァハァ………ハァ………気分はどう?文?」
「ハァ…………ええ!そんなの決まってるわ!!最高の気分よ!!飛燕、あんたは?」
「そりゃあ〜もう!!最高だよ!!………あとクタクタだなぁ〜。」
「そこで弱音を吐くのが飛燕ね〜!このこの。」
「そっちだって、本当はクタクタなクセにぃ〜!このこの。」
私と文は周りの雲が無くなったことではっきり見えるようになった夕日を眺めながら、お互いが肘で相手を小突きあう。それがなんだか楽しくて文と顔を見合わせてクスリと笑い合った。
「あ〜疲れたぁ〜〜。」
「そうね。帰ったらまずは休みましょう。」
笑ったことを皮切りに最後の力を使い果たてしまった。けど、今私達の心にあるのは達成感。本当にやり遂げられたんだという満足感だけだった。それが共鳴し合っていて2人の汗だくで艷やかな肌を拭うそよ風も伴って一頻りに気持ちが良かった。
「………ねぇ。飛燕?貴方は今でも自分のことを弱いと思う?」
先程の笑いとおふざけで疲れ切って文に身体を預けながら夕日を眺めることしか出来なかった私に、文は身体を預け返しながらそう聞いてくきた。
強さか、まだまだ私は弱いと思う。それはずっと変わらないかもしれないと思う。でも、私にとって強さってなんなんだろう?
私は、静かに酸欠気味の脳内でゆっくりと考えてから文の肩に頭を置きながら答えた。
「う〜ん?今かぁ………今でも自分は弱いと思うよ?」
「そう………。」
「でもさ、」
「……でも?」
「確実に前よりも強くなったと思うんだ。まだまだ弱いけどさ、こうやって誰かに頼りながらでもいいから成長出来てるって分かるからさ。」
「成長ね。」
そう感心したかのように頷く文の耳元に、私は口を近づけて文の耳を甘噛してからコッソリと呟くように答えてあげた。
「2歩前進して1歩後進。そうでしょ?……私の『宿り木』さん?」
私が文の耳元から顔を離すと同時に、文はビクリと跳ねる。が、少しすると軽く頬を赤らめながら今の沈んでいく夕日に負けないくらいのいい笑顔で笑いかけてきた。
「ふふふ♪………そうね。私は貴方の宿り木。だけど、貴方は私のモノ。なら良いわ。飛燕が成長してるなら、その分私も成長出来るんだから。でしょ?何故なら―」
「「―『貴方は私、私は貴方』―」」
再び私達は顔を見合わせてニコリと微笑み合った。なんだか気恥ずかしい。文の成長を感じさせる凛としてきた微笑みの表情に、ドキドキしている自分がいる。けど、同時に文とのこの距離感が心地良かった。
「なんだか、この言葉がいつの間にか合言葉みたいになってる気がするね?文?」
「まあ、そうね。だって私達にとって特別な言葉でしょ?なら、良いんじゃない?飛燕?」
「そうだね。」
「ふふふ〜〜♪自由な一人暮らしが待ってるわ〜〜♪」
「上機嫌だね?文?」
「ええ。そうね。その時は一緒に新しい家で暮らしましょう?飛燕?」
本当に、文は悪巧みが好きだ。けど、その性格の悪さが私には頼もしく感じる。だってその悪巧みは自分の自由の為に使っているんだから。
「うん。私が旅でいない間に生活出来るように、みっちりと家事を仕込んであげるよ?」
「………飛燕が全部やってことは?」
「ありません。ちゃんと独り立ちの準備はしないと駄目だよ?自己責任なんだから。」
「ぶぅ〜〜。飛燕がいる間は毎日あの料理を食べれると思ったのにぃ〜。」
「アハハハッ。そんなにへこたれないでよ文。ちゃんと作ってあげるよ。それよりも私は文の料理が食べたいからね?だから、みっちり仕込むよ?覚悟しときな?文?」
「……………あ、あややや。」
そんな感じで、文と私は手を繋ぎ合って、椛ちゃんやはたてが帰りを待っているだろう山の頂上へと夕日が沈むのに合わせるように降下していった。
* * *
一方、その頃。西面の戦場では。
姫虫百々夜と、飯綱丸龍や青雅達、そして、博麗の巫女が三竦みで睨み合っていた。
あれ程激しかった戦闘も鳴りを潜めて、静寂がボロボロになった戦場に訪れている。そんななかで、一人口を開いたものがいた。
「…………噂に聞く『博麗の巫女』か?何故ここにいる?」
飯綱丸龍は、静かに智慧利を見知らぬ紅白の女性に構えながら問い詰めた。一分の隙も与えずに。
「こんなの決まってるわ。『異変の解決』よ。アイツに事前に聞いておいたけど、この天狗の組織の重鎮でしょ?まさか、幻想郷に参入しておいてここで守る約目を忘れた訳じゃないでしょう?『飯綱丸龍』。」
「成る程………『異変』か………紫殿め。まさかこのような隠し札を得ていたか。」
元々、幻想郷に参入が決まった時に、天魔様と私と紫殿で三人だけで話をしていた時に話は伝わっている。
一つ、幻想郷に仇なす者が出た場合、その乱れを博麗の巫女が抑えるべし。
二つ、その件のことについては解決後、『異変』として扱うべし。
三つ、人里を害することはあっても死滅するべからず。
他にも約目は色々とあるが、今回の件にてこの人間と言っていいのか苦言を強いいる博麗の巫女が介入してきたのはそういう理由か。紫殿め。まさか、文の可愛らしい策略に自らの盤上を大きく崩された腹いせに『異変』として対処してくるとは、こうも次々と策略を考えつくものだ。
だが、紫殿らしいと言えばそうだ。
私がそんなことを考えながら内心ニヤついていると、ずっと黙っていた私に痺れを切らした博麗の巫女が今回の件について札や針を私に向けながら怒鳴りつけてくる。
「あんたら、幾らあんたらの内輪揉めだからと言っても、いい加減やりすぎよ。
人里に騒ぎに焚きつけられた畜生妖怪が攻め入ってくるもんだから、それが続くようじゃこちらとしても動かなきゃいけないって訳で、折角ここまで遥々双方の仲介をするためにやって来たってだけなのに、責任者と会いたいって要求しても、怒った天狗達がどっちも問答無用で殺しに来るし。頭の硬い大天狗達は怒って私を攻撃してくるし。
それで仕方なく全員制圧してたら、今度は何?あの隕石みたいの?あれじゃあ人里にも余波の被害は確実に出てるわ。私が見てない、又は知らない所でそういうコトをするのは勝手だけど、あれ程堂々とコトを起こされれば、博麗の巫女の面子としてそれをみすみすと黙って見過ごす訳には行かないわ。
どうするの?飯綱丸龍?まだ、あんたは『この異変』の首謀者だって決まった訳じゃないけど、この隕石についてはどう見てもあんたの仕業でしょう?どう落とし前つけるつもりかしら?」
そう言って、無表情で私を睨んでくる博麗の巫女。彼女の気迫は正直を申せば、どの妖怪よりも恐ろしいことだろう。
「おい!めぐむはオレの獲物だぞ!?勝手に捕るな!!」
「黙りなさい。虫くず。今すぐ祓われたいの?」
「ヒッ!?なんちゅう殺気だ!?………いいなぁ。次から次へと………食べたいものばかりいるなぁ。ここは?ギャハハハ。」
途中で話に入ってきた博麗の巫女に、人睨みされた百々夜は一瞬怖じ気付くが、直ぐに待ち直して戦闘意欲を取り持った。
一見、何でもないように見えるやり取りだが、実のところあの一瞬で飯綱丸龍は理解させられた。
博麗の巫女はこの化け物が一瞬でも怯むような存在だということを。
姫虫百々夜。彼女は私達との戦闘で一度も臆することも怯むこともなく、恐怖もなく戦い続けていた。そう、本来なら大妖怪でも戦うことを躊躇する『常闇の妖怪』が相手でもだ。
常闇の妖怪。彼女は私が生まれる前、そう。神代の自体からいると言われている妖怪という概念よりも前からいる闇の権化。私でも正面からやり合うことは躊躇するだろう。
それを相手に、この大百足は一歩も逃げることなく戦い続けたのだ。
それが、初めて怯んだ相手。それが博麗の巫女だ。
「それで?私の質問に答えないのかしら?飯綱丸龍?もしくは天魔の右腕と言った方がいいかしら?」
しかし、飯綱丸龍は天狗達の大将だ。博麗の巫女と言ってもただ一人の人間。天狗の面子を守る為に、優位に立たせる訳にはいかないだろう。
「それは申し訳なかった。後で謝礼として人里の被害の分の謝礼は用意する。それで独自に人里とは私が直接人里に赴いて、交渉の座に就こう。私は天魔様にそなたが暴れたことで出た天狗達の被害には目を瞑るように説得する。これでどうだ?」
本来、人間ごときに我々天狗という種族が交渉などという席につくことはないのだ。妖怪としても、人々にうやまれ恐れられるべき私達がだ。
これでも十分と譲歩したほうなのだ。謝礼など、妖怪の山という組織ならば安易に出来る。寧ろ、私の私財のほんの一部だけでも事足りるだろう。
被害と言っても人里はあれ程遠いのだ。建物は倒壊すると言っても死者などは出るはずがない。精々怪我人で重傷者が出たくらいだろう。
「…………そうね。概ねいいわ。」
案の定、博麗の巫女は殺気を収めてその手に持っていた陰陽玉とお札と針を下ろした。
「ふう……やっと話の通じる奴がいたのね。言いわ。貴方は鎮圧しないであげるわ。」
しかし、こちらとしてもこのままでは引き下がれない。恐らくこの人間、このまま愛宕山大天狗の方へと向かうだろう。あの戦闘狂の元へと。そこにはまだ文達が向かっている。そこにこのような人間を向かわせてみろ。どんな目に遭うかは分からない。
…………確か少し前に化けガラス殿が博麗の元へと訪れたと言っていたので無事に帰ってきてこの戦に参戦したのならこの博麗の巫女とは少なくとも顔見知り程度の仲ではあるだろう。
私は、目を泳がしている青雅殿に『なんであんたがここにいるのよ?』と詰め寄っている博麗の巫女を眺めながら画策する。
少なくとも、愛娘達は化けガラス殿がいる限り交渉の席につくのは間違いなしだ。被害に合うことはないだろう。
しかし、ほんの可能性はあるのだ。異変中の巫女は何を仕出かすかは分からないと紫殿に発破をかけられている。その事前情報がある限り、こちらとしてはむざむざと大事な愛娘達が酷い目に合う可能性があるのならそれを未然に止めるのは親としてなら当たり前だろう。
折角自由に自分の手で対価を勝ち取ろうと成長しているのだ。それを幻想郷を治める博麗の巫女と言えども、人間如きに邪魔をされるのは私が持つ誇りに関わる。
「さて、それじゃあこの騒ぎの首謀者って奴を制圧しにいきましょうか?青雅とルーミア……かしら?あんた等は最近知り合ったとはいえ、仲の良い知り合いだし、それに使い勝手もいいわ。ついて来る?どうせこの騒ぎに乗じて余興で参加しただけでしょ?そこの後ろの妖怪は知らないけど?
………それにしてもなんか、ルーミア?あんた大きくなったわね?」
「…………どうでもいいだろう。人間。私は知らん。勝手にしていろ。ふんッ。」
「なんだか可愛らしくなくなっちゃって?なに?反抗期かしら?」
「う、うるさい!!生意気だぞ!!」
「はいはい。ごめんなさいねルーミア。で?青雅、あなたは?どうなの?来るの?」
「ふふふ♪…………いえ、そこにいる怖い怖い天狗の親御さんがいるので今回は後ろでのんびりと見物しておきますわ♪」
「………そう。無理強いはしないわ。」
その邪仙の言葉に、密かに妖力を練り混ぜている私をチラリと見て札と針を構え直す博麗の巫女。
「………ヤる気?」
「その通りだ。だが、その前に一応最後通知をしておこう。この件には博麗の巫女ほ手を引け。お互いの為にだ。」
「無理ね。私は博麗の巫女。それ以上でもそれ以下でもない。」
「そうか………化けガラス殿のような問分だな?あやつとは気が合いそうだ。」
「それが、飛燕のことを言っているならそうね。あいつとは気が合うわね。」
「おいっ!!オレも混ぜろ!!このまま不完全燃焼は認めねぇからな!!」
「好きにすればいいわ。纏めて鎮圧するだけよ。」
「してみるがいい。ちっぽけな人間が!天狗の恐ろしさを見せてやる!!」
そして、三者が激突し始めるのを横目に、青雅は少し離れて両腕を組んでいた常闇の妖怪へと近づいていった。
「ふふふ♪………私達はどうします?ルーミアさん?恐らく今回で山場の一つの大きな祭り、参加いたしますか?まだ一つ山場がありそうですが?」
「………いや、いい。興が覚めた。私は見学することにした。人間と戦えばあの化けガラス殿の小さな企みを台無しにしそうだからな。」
「ふふ♪……ルーミアさん非食人化計画でしょうか?なんですの?意外にも飛燕さんのことがお好きなようで。」
「ふんッ……勝手に言ってろ。」
「なら、私も見学しますわ。芳香ちゃん?どうかしら?博麗神社で飛燕に作ってもらったお菓子食べるかしら?」
「おぉ〜〜!!食べるぞ〜〜!!せいがぁ〜!!」
「………私も一口いいか?」
「ふふ♪本当に飛燕さんのことを気に入ったようですのね?ルーミアさん?」
「ふ、ふんッ//////…さっさと寄越せ!!」
「ハイ〜♪ごめんなさ〜〜い♪何処かの化けガラスさんにメロメロにされちゃった常闇の妖怪様ぁ〜〜〜♪」にゃお〜ん
「クッ………お前は本当にムカつく奴だ。―パリッ―……、上手いな。なんだこれは?」
「何でも煎餅とかいう食べ物らしいですわ。よく知ってますわね?飛燕さんは。―パリッ―あら?本当に美味しいわね?」
「速く私にもくれぇ〜〜!!せいがぁ〜!!」
「わかったわ。芳香ちゃん。はい、あ〜〜ん?」
「あ〜〜ん。―パリッ―おいしいぞ〜!せいがぁ〜!!」
「うふふ♪本当に美味しいわね。芳香ちゃん♪」
化けガラスと共に長い旅路を共にしたメンバーは、いつも通りのほのぼのとした雰囲気に戻りながら、博麗の巫女と姫虫百々夜と、飯綱丸龍との激しい怪獣戦争のような激突をお菓子を片手に見学し始めたのだった。
まあ、一段落つきましたが次回で異変パートは終わりですね。
読者の皆様にとっての女オリ主のイメージを教えてください!
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可愛い! ここに皆入れてね!
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格好いい! そう?まあそれもありだね?
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美しいね! エヘヘー分かってんじゃん!
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変態! でも変態なお姉さんは好きでしょ?
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人情姉さん! 私についてきな!君達!
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大人なお姉さん! 妥当だよねー!うふふ♪
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乙女だよ! 分かってるねー!
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人妻最高! 良い子の皆は入れないでね?
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未亡人最高! なんか投票欄が怪しくない?
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もっと強くなれよ! あっはい、頑張ります
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ポンコツだね。 ん?これは褒め言葉?