化けガラスってマジっすか……。   作:SOGEKIKUN

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さあさあ!第一章の山場がこれから始まっていくよ!!!




8羽:「昔のタタリ神は怖いんですね!ってお話①」

 

 まずは様子見だ。相手の固有の能力。そしてどれ程俊敏なのか。中々難しい判断を瞬時瞬時に下さなきゃいけない。かと言って、考えすぎると、いちいち動きが鈍くなって攻撃を食らうのは本末転倒だ。

 

取り敢えず相手は自在に空を飛べることはないようだ。元々人狼という種族は空を飛ばないのもあるが、本気を出したてゐや影狼ちゃんみたいに、妖力を発して飛べないようだ。

 

恐らく、そこまで成長していない若い人狼だろう。人型にもなっていない。

 

ならば、今は本能的な要求が強いタイプだ。良かった。私達で言うところの格下だ。しかし、妖力は相手のほうが断然上だ。攻撃のダメージもその分高いだろう。要は極力当たらない様に動くしかないということ。

 

私の妖力は修行によってある程度増えていた。しかし、言うならばぼた餅からサッカーボールくらいしか成長してない。

相手は体中に妖気を纏わせていた。ほんと、マイボディはとことん弱小なのがわかる。

 

だが、それはいつも通り。見慣れた光景だ。

 

私が唯一相手よりも得ている強みは優れた俊敏性のある飛行。そして、『飛ばす程度』の能力の応用による遠距離攻撃だ。

 

落ち着け、落ち着けば勝てる。

 

 

「オラオラどうした!?良いのは威勢だけか?姉ちゃん!」

 

「キャンキャン吠えるだけの負け犬に応えるような口はうちにはないんでね。」

 

「あァ゙〜!?殺す!!」

 

今は相手の冷静力を減らすのが吉だ。

 

人狼が突っ込んでくるが動き自体は単調だ。妖力の塊を放ってきても、先読みしなくても避けられるくらい乱れている。

 

だから私は急に加速して、相手の爪による攻撃を避けて、すれ違いざまに、妖力で固めた羽根をきり裂いた……つもりだったが、相手にはかすり傷くらいしか付けられなかった。

 

続けて相手に背中に向かって羽根を投げる。

 

これは刺さった……が切りつけてから行った全ての攻撃は相手の妖力による回復により、すぐさま修復されてしまった。

 

硬いな……これは倒すのに手間がかかる。まだ使ってない私の拳銃もアレでは硬い肉体を通さないだろう。練度不足だ。

 

今の所相性は動きが速いこちらがギリギリ優勢だ。だが油断はできない。

 

「軽い攻撃だな?おい?おちょくってんのか?」

 

「意外にも硬いね。あんた。」

 

「ハハハッ、今は満月なんだぜ姉ちゃん?満月じゃなかったらヤバかったかもな。今日はツイてないんじゃないか?」

 

そういうことか……影狼ちゃんから聞いた通りだ。満月の夜の時の人狼はどうしても毛が生えてきてしまう代わりに肉体が強化されてしまうと。確かに動き回る岩と戦ってる気分だ。

 

 

「何、あんたと出会えたことはツイてると思えたさ。また一つ思わない経験が出来たよ!!」

 

 

「そのうちその余裕な面なんて今に出来なくなるぜ!」

 

 

 何か来る!

 

 ―アォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ン―

 

 

 咆哮が終わり、相手から溢れ出す妖力に合わせるように相手が何度も両手の鋭い爪を振りかぶると同時に幾つもの巨大な斬撃が曲線を描きながら私に迫ってきた。

 

チッ!

 

 私は最初に着弾した上手く斬撃を弾き『飛ばして』残りの飛んでくる斬撃を相殺させた。………が、人狼がいたであろう場所には人狼はいなかった。

 

慌てて人狼の姿を探すが私の背後とかにはいなかった。

 

 一体……何処に………?

 

 私 は一瞬目を閉じて、探索のためにも微電磁波を『飛ばした』これは生き物が僅かに発する電磁波を上手く利用した結果、現代のソナーのような役割をもたらした。

 

「まさか…村へと向かってる?」

 

場所は森の中、一直線に村へと移動していた。

 

 あの人狼は……あえて弱い所を狙ってく来た。私に攻撃を当てられないまま千日手になって、夜が明けてしまったら相手にとっては負けだ。しかし、私の攻撃は自分の命に届くことはないと、さっきの攻防で判断したんだ。

 かつ、私が人を守るために自分を邪魔した神だと勘違いした結果、狙ったのだろう。

 今の私は妖怪だ。だけど心は人間だ。だから流石に目の前で人が殺されるのは見過ごすことは出来なかった。

 

本能的な欲求もあるだろうが相手はわざわざ村を狙いにこの場から逃げた。

 

前の私なら卑怯だと思った。けど、てゐに教えられた今ならなんとなく相手の意図が読み込めたおかげでそうとは思えなかった。

 

 あの人狼は、私が焦って追いついてきた所を狙って一発で仕留めるつもりのようだった。あのくらいの距離があるならあの賢い狩人のことだ。村に着く前に追いつかれるのは理解していたのだろう。

 

実に合理的で卑劣な戦法だ。しかし、私の方が一枚上手だったようだ。

 

 私は立ち止まって、両手を距離を離して包み込むように合わせた。そして、あの『獲物』がいるだろう方向に向いて、両腕に空気を能力で『飛ばして』一カ所に空気を圧縮させたまま待機した。

 

その時、遠くで獲物が罠にかかった音が聞こえた。

 

 

 ―ガキンッ―

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

 どうやら上手く『獲物』がかかったようだ。私はこのソナーで『獲物』の進む道を予想して、もしもの為に先んじて仕掛けていた罠の場所を調節するように所々集中して移動させるために『飛ばして』いたのだ。これは沢山練習した技術の集大成だ。少しでもわたしの敵が相手を見逃して仲間が傷つかないように、一生懸命練習した逃げる敵用の『上等戦法』。狙った獲物は逃さない。

 

それがあの一ヶ月間で出来たわたしのモットー。

 

 

「さあ、終わりだよ。」―『アストマティックバースト』―

 

 

 

 ― ダァーーン ―

 

 

 

「あっ……ヤバい……威力が大きすぎた。………」

 

 私が後悔し始めた瞬間。爆音の塊が森を抉っていき、罠にはまってたじろいでいた『獲物』を一気に飲み込んでいったが………その方向には村があったことを私は失念していた。

 

 

 

 

「や、ヤバぁぁぁ〜〜〜〜い!!!」

 

 

私は急いで人化と解いて、久しぶりの鴉型に変わって自分を思いっきりふっ『飛ばした』

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 狼の鳴き声が鳴り響いてから、元々準備していた村人達は自ら集まりその手に持つ松明を揺らしながら辺りを警戒していた。

 勿論女子供は一つの広く作ってある村長の家に集まって、避難しており、男達は村長の家の周りを囲んで警戒していた。

 

 

「これは……大丈夫なんか?」

 

「分からんが、油断出来ん!!」

 

 

未だに妖かしの襲撃は起きていない。代わりに近くの森で多くの戦闘音が聞こえていた。

 

 

「一体なんなんじゃ?」

 

 

 

 

 

 村長を先頭にして、男達は死ぬ覚悟が出来ていた。実は今朝に村長が臨時で村会議を開いて、何とか村人達を説得させて団結することに成功していた。

 

その結果が夜の間は、生き残った村人達が毎夜集まり夜晩を交代交代に行うということだった。この行為は人狼の行動を縛る方法として効果的だった。村人の男達の負担を強いてしまっているが、このまま争い事で疲弊するよりも全然マシである。そして、今夜が満月だ。村長は人間なりに長生きしたことによる知恵でこの絶好の機会に村を滅ぼすつもりだと読んでいた。

 

満月の下での人狼は恐ろしい。今は先んじて人狼に殺されてしまって亡くなっていた数名の呪術者達のような『霊力』が無ければ傷もつけられないだろう。ただの村人達が集まっても一息に殺されるのは必然だった。

 

 そのことを男達にも説明した。たが、このまま姿も見えない人狼に惑わされたまま死ぬより、皆で一矢報いた方が人としての『矜持』を保てる。だからほとんどの男達はこの無謀とも言える策に賛成してくれた。

 

 故に、今ここに残っている者達は命を投げ出す覚悟が出来ていたのだ。命が惜しく、この村から出ていった者もいたが、逃避行動中に孤立した時に全員殺されたりと村長は直感で理解した。

 

この大きな村の多くを『化かし』によって殺した人狼のことだ。残さず殺されてしまったようだ。村の者が死体を発見した。

 

おかげで残りの男達の覚悟が強まった。それだけが、散っていった者達の手向けになることだった。

 

そして、満月の夜。

 

村長の予想を越えた出来事が今起こっていた。

 

 

「周りの森で戦闘音が、聞こえるぞ?」

 

「な、何が起こってるんだ!?」

 

 

 

 村長や男達の困惑も虚しく。そのまま意味の分からない激しい戦闘音が続いた状態のまま、時間は過ぎ去っていった。

 

 

 

 夜空の真ん中に位置していた満月が傾き出してから少し経った頃、急に村の辺りの森が静かになった。

 

 

「お、終わったのか?」

 

 

一人の男が声を発したと同時に今度は雷が落ちたような爆音が森に響き渡った。

 

 

 ― ダーーーン ―

 

 

そして、間髪入れずに村の広場に何かが着弾した音が響き渡った。

 

「なんだ!?」「言ってみるか?」

 

「ま、待てっ!!何があるのか分からんのだぞ!!」

 

唯一冷静だった村長の静止の声も虚しく、動揺した村人たちは走り出した。村長も全体指揮のため仕方なく若い頃より重たくなった体を引きずってで男達の後に続いた。

 

男達が広場まで進んだ先には、一匹の息絶えた人狼が衝撃にぐちゃぐちゃな状態で横たわっていた。

 

「じ、人狼か………?」

 

一人の男の発言で、槍矛を構えていた男達に動揺が広がる。その中で冷静さを失わなかった誰かが発した疑問が伝染した。。

 

「一体…誰が?」

 

その時、少し上空で衝撃が届いた。

 

 

― ダダーーーーン ―

 

 

村長や村人達が音がした方向を見ると、そこには、衝撃の塊がまるで空気そのものが生きているかのように纏まって移動した後、村の上空辺りで飛散した。

 

その飛散した衝撃波は辺り一面に広がり強風となって男達を襲う。松明の火は消えて軽い布地や木の葉が舞う。木々の葉が揺れて草や花が千切れかか理想なほど乱れる。

 

男達は纏まっていたお陰で誰一人吹き飛ばされずにいられたが、村の広場の近くにあった家や策、矢倉は全て倒壊してしまっていた。

 

男達はまるで天変地異を見たような気がして呆然としてしまっていた。要は理解に苦しんでいた。

 

その時、少し遅れて物凄い速さの1羽の鴉がとんできて先程衝撃が飛散した位置で、丁度月を背に静止して浮遊してこちらを見下ろしていた。

 

 鴉は飛ぶことは出来ても空中で留まることはできない。その不自然さも相まって何処か神々しさを感じると共に、お見せになられたあの恐ろしい力の一部を見ていた村長だけでなく男達全員が恐れ慄く。

 

「風神様じゃ……。あれは風の結び神じゃ………。」

 

村長の震えた言葉を発端に気が付けば全員が地面に跪いていた。

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

な、なんなの…このカオスな状況は…………。

 

 

今、私は人狼の死体の真横で、この村人らしき人間達に跪かれていた。いや、ほんと何これ?

 

 

 

 

 

 

「不遜ながらお聞きします。お柱様は鴉石道風神(からすのせきどうふうじんのかみ)様でおられますか?」

 

 今私は人型に戻って地面に降りてるんだけど未だにこの男達は私に跪いたままじっとしない。先頭に出てきたこの集団の長らしき人物が私の知らない名前で私を呼んでくる。なんか色々と名前の量が増えてる気がする。確かに道中人間を見かけると「石道神様だ」と騒がれたりすることも偶にあったけど、その「風神」は誰ですか?本当に知りませんよ?

 

それに私は妖怪なんです。残念ながら神様じゃないんです。貴方達の村を滅茶苦茶にした悪い妖怪なんです。けど、なんか否定しにくい雰囲気なんだけど?どうすりゃいいのこれ?

 

「半分そうだよ。けど後半の名前は知らないんだけど?」

 

そう笑いかけると老人は萎縮してしまった。周りも老人に呼応するように恐ろしがっているのが私に流れてくる恐怖からわかった。

 

どうして怖がってるの?愛想笑いなのに………。

 

 

暫くすると、老人は落ち着いたのか私に答えてくれた。

 

「お柱様は風の神でもあると先程知りましたので…………。」

 

いや、知らない知らない!!そんなの天狗か天魔に言いなよ!!私はただの化けガラスだよっ!?

 

取り敢えずこの状況じゃ、何も解決しないからその土下座やめましょうよ。

 

「私はこの人狼に用があるだけだから、そのうちいなくなるよ。だから皆さん、楽にしてよ。」

 

「そんな罰当たりな………お、恐れ多いです!!」

 

 あぁ〜〜面倒くせぇ〜誰だよこんなややこしい状況にしたやつ。あっ私か!!じゃなくて、もう面倒くさいからこのまま人狼の死体を持っていって逃げようかな?うん!そうしよう。

 

 

 

「貴方様は、………どちら様でおられますか?」

 

 

私が逃げようと決心した時、急に右側から女性の声が聞こえてきた。

 

その方向を私と村人達が見ると、そのには濃い目な緑色髪の、緑と白色が主体の巫女服を来た女性が佇んでこちらを警戒するように見ていた。

 

「風祝様!?何故この時期にこちらにお越しに?」

 

「『貴方の村が心配だ』と諏訪子様がお忙しい中、気にかけてくださり、私を派遣させて下さったのですが、…………貴方に先を越されたようですね。……、……所で、『風神』と、聞こえたようですが……貴方は敵方の間者でしょうか?」

 

そう言って、『風祝』はお祓い棒である御幣を構えてこちらを睨みつけてきた。

 

 

…………これ以上は収拾がつかないじゃん。一帯どうしすればいいの?

 

 

 






 これからナニがあっても諏訪子様は超絶プリティだ。いいね?

暫く後の話になりますが、もしこの小説で登場する天魔様の性格はどうな風がいいですか?参考程度に教えてください。

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