すんません。1話で終は終わらすのつもりでしたが酌的に2話構成になりました。てへ
一方、遠くの西面の戦場で爆音が響き渡っていた頃。
もう、そろそろ夕日は完全に沈みだして暗くなってきた頃だった。私と文はやっと空の滑空を終わらせて、騒がしさを増していた陣内へと降り立っていた。
「さて、はたてや椛は何処にいるのかしら?」
「う〜ん?すぐ近くにいるっぽいよ?微電波が密集してる所があるからそこにいけば会えるよ。」
私達は、愛宕山大天狗が陣を敷いていた静かな陣内に降り立ってキョロキョロして皆を見渡してみる。が、しかし皆の姿が見当たらない。せいぜいいるのは他の酒を飲んでいる天狗達だけだ。 まあ、隣の陣内から聞こえるガヤガヤとしている妖怪達の声の方にでもきっといるんだろう。
そして、もう1つある方の陣内が騒がしくなって来る中、私と文が隣の陣内の幕をくぐってと足を踏み入れると、そこには先程の陣内よりも更に多くの天狗達が集まって宴会を開いている光景が私と文の目に移っていた。
こりゃ……凄い惨状だ。にしても………ごちゃごちゃしてるなぁ……。
天狗達は敵味方関係なく、辺りを散らかすようにしっちゃかめっちゃかに酒を飲み交わしている。三ノ巡回隊や零の部隊、疾風義勇隊までも参加まで勢ぞろいだ。他にも敵だった天狗の訛りのある歓声や怒号が飛び交っていて楽しそうに芸能を披露していたりと、普段の天狗の生真面目さからは感じられないかなりの陽気さを感じさせている。
私と文はその光景に訳のわからないという顔を見合わせて、陣内の奥に向かっていくと、そこには、
服装は多少ボロボロにはだけているが、無駄に元気そうに飲んでいる愛宕山大天狗の姿があった。
私と文は驚愕しながら、再びそれぞれの武器を構えだす。
え!?なんで!?めっちゃ元気じゃん!?
そんな私達に愛宕山大天狗は気がついたのか、愛宕山大天狗は何故か隣で一緒に酒を飲んでいる萃香さんやもう片方に隣にいる鞍馬大天狗と肩を並べながら私と文に呼びかけてきた。
「おう!やっと降りてきたのか?おひい様の孫と化けガラス。速くこっちに来い!!酒を飲むぞー!!」
あの………何でそんなにピンピンしてるんですかね?私達の攻撃ちゃんと直撃してましたよ?あなた?
ちゃんと強化された時の能力で確認はしてたんだよ?にしてもピンピン過ぎませんかね?
周りでなんとなしに酒につき合わされていたはたてや椛ちゃんも、その愛宕山大天狗の元気さに今だに困惑顔である。因みに優月ちゃんは既に絡み酒を食らったようで泥酔中だった。
「なんで呑気に飲んでんのよ?」
そんな空気に耐えられず、扇子を萃香さんとお酌を交互にして大笑いを決め込んでいる愛宕山大天狗へと文は突っ込みを入れてくれる。
ナイス、文。それ私も思ってたわ。
「ん?何を言っている?戦の後は宴だろう?妖怪同士なら昔からこれが当たり前だ。なぁ?萃香?」
「あぁ〜!その通りだ!喧嘩の後は酒だ宴だねぇ〜!!」
「と、言っても萃香。お主はずっと酒を飲んでいるではないか?それではずっと宴会になるが。比良山の馬鹿と同じことを言っているぞ?。」
「なんらぁ〜?愛宕山大天狗ぅ〜〜?、私と同じくらいの酒飲みの馬鹿がいるのかぁ〜?そいつは楽しみだなぁ〜〜!!」
「ふんっ。この阿呆め、幻炎。お主は一応この五大英傑連合の長なのだぞ?文の言う通り、勝手に戦を終わらせてどうするのだ?停戦協定も正式に結ばれていないのに酒を飲むなぞ言語両断だ。グビッ」
「それについては大丈夫だ。夏沙丸。他の五大英傑は今頃、博麗の巫女とかいう人間に鎮圧された後に、皆ひょっこりと息を吹き返して、私の代わりに停戦を結ぶために天魔様の所に向かっておるわ。
今頃、凛楓を可愛がっておるだろう。それよりも夏沙丸。お主、そんなこと言いながらちゃっかり酒飲ん出るではないか?お主こそヒトのことは言えんぞ?」
「我は良いのだ。今回の戦の長ではないからな。それにお主は敗戦の将の代表格なのだ。もう少しきびきびとせんか。」
「ふんっ堅物め。それでは新しくできたという白狼天狗の弟子も逃げてしまうぞ?あの娘はお主のお気に入りなんだろう?もう少しお主は優しくなれ。」
「やかましいわ。そもそもお主が八雲紫に誘われてこんなふざけた戦を始めたんだろうが!!
なにが『妖怪の山が八雲紫の下についたらしいから、それが不満だ。それなら共に反乱を起こそうぞ!』だ。実際は妖怪の山が幻想郷とかいう共同体に入っただけではないか?
天狗の危機かと馬鹿正直に聞き入れた我や他の英傑共が馬鹿だったわい。それを知りながらあえて隠して、儂らを扇動するとはな……お主。今でもムカつくわ。」
「あっはっはっ〜〜!化かされた方が悪い!!夏沙丸!!妖怪の世はそうやって出来ているのだ。だから馬鹿真面女のお前が悪いのだ〜!!アッハッハッハ!!」
「いや、お主はただ、おひい様の娘と孫の成長が見たかっただけだろうが!?公私を混合するな阿呆!!これだから『黄泉の暴れん坊』は!!お前の相変わらずなアホ面を見ながらおひい様もあの世で泣いておるぞ!?」
「アッハッハッハッ!寧ろ、おひい様ならそなた等の間抜けっぷりに今頃あっちで笑い転げておるわ!!
それに、お前も最初は勝手に反対していたが、私が『どうせならついでに龍や凛風の様子を見に行こうや?』と誘ってみればその瞬間、満場一致で賛成しだしたではないか?他の五大英傑も同様だ。揃いも揃って親バカ共め。」
「お主に言われたくないわ!………ふんっ。それに、誰があのボンクラを心配するか。ぐび。」
「まぁまぁ、今は飲もうや飲もうや。それにしても鬼殺しを話し片手にガブガブと飲めるとは中々な口だねぇ。二人とも。本当に天狗かい?」
「「こいつだけは一緒の天狗ではない!!」」
「…………仲良しだねあんたら。」
もう、二人共私達のことは眼中になさそうだった。何なら酔ってるから、本人達にとってはそんなの関係ないのかもしれないけど。
「ねぇ?文?妖怪って、皆こんな感じなの?さっきまで殺し合いしてたのに?仲良さそうに肩を組んでさ……。」
私は、呆然としていた文にそう問いかけると、文は溜息をついて、私の質問に答えてくれた。
「はぁ………まあ、妖怪なんて大体こんなもんよ。特にこの婆様方はね。」
「「誰がババアだ!!射命丸文!!私(我)はまだまだ現役だぞ!!」」
「と、まぁ、こんな感じよ。私が小さい頃から見た目が若いけど、全員揃いも揃って爺婆ばかり。それで私達よりも若々しいんだから腹が立つわ。絶対若作りしてるわね。」
「あはは…………成る程………濃いな。面子が。これが他にも三人いるの?大丈夫?この小説?」
なんだか、不安である。ちゃんと作者は使い回せるかな〜?一応、コアな原作要素ではあるんだけどさ。大変だよ?このキャラの濃さを扱うの。
「はぁ………あんなヒト達はほっときなさい。それよりもはたて。椛は?さっきまでいたじゃない?」
ちゃっかりお酒を頂戴しているはたてに、文が話しかけると、はたてはお酒は弱いのを自覚し始めたようでちょびちょびと少しずつお酒の入ったお酌を飲みながらはたてが答えてくれた。
「あ〜ね〜〜?なんかぁ〜そういえば、さっき椛がなんか『文様達を害するかもしれない『人間』が接近してきたので』って言って、直ぐに陣内を出て行っちゃったよ?はい。きゅうりのおつまみ。」
「ありがとう。はたて。」
「ありがと。」
はたては私と文に、椛ちゃんと巫女さんが戦っている姿を映している鏡と一緒に、きゅうりのおつまみを渡してくるのでそれを受け取った私と文は近くに空いていた地面に座り、きゅうりの漬物をパクつきながらながら鏡を覗くことにした。
その鏡を覗くと映る巫女さんと椛ちゃんの姿が映っているのが分かる。背後には、二人の激しい白兵戦を呑気に観戦している様子の青雅さん達。なんで巫女さんがいるんだろう?
私達が見ている映像の巫女さんは椛ちゃんと武器を交えているが、その姿は結構ボロボロだった。椛ちゃんがこの短時間でつけたとは思えないボロボロな汚れ。というこうか、あの巫女さんがボロボロになるってどんな相手なんだろう?
私はそんなことを思いながら、初めて巫女さんに出会った時のあの後ろを取られて戦慄した感覚と記憶を思い出す。それと同時に私はカリッときゅうりのおつまみを齧る。おっ?これいいね。ピリ辛だ。
「………で、誰なのこいつ?」
「えっと……この人間が博麗の巫女だよ。文。」
「飛燕?知り合いなの?」
「うん。」
そうだったね。私が博麗神社に帰ってきた時に戦が起きてたからまだ文には話してないんだった。
私が博麗神社に行った時の話を話そうとした時、大きな影と小さな影が私達に差し込んできた。
「そうだ。その人間がまさしく『博麗の巫女』だ。射命丸文。」
「へぇ〜〜?こいつがかい?中々骨がある奴そうだね?もし、勇儀達がいたら興奮して殴りに行きそうだねぇ。」
その影は萃香さんと共に愛宕山大天狗だった。
「いや……なんですか、そのヒト達。強そうな人にいきなり殴りかかるってどこの暴走族ですか?」
「アハハハッ……アイツラは鬼の中でも特に血の気が多いからねぇ。強そうな奴なら進んで殴りに行くんだよ。まあ、私もそのうちの一人なんだけど。」
「ひえ…怖いな。」
「隣座るぞ?射命丸文。」
「………どうぞ幻炎おばさん。……それにしても、人間ってこんな感じに皆強いのかしら?」
愛宕山大天狗と萃香さんは運んできたお酒と食べ物をパクパクと食べながら、私達の隣にどしりと座って、はたての鏡を見てくる。
愛宕山大天狗に着けてある鳶の仮面と萃香さんのつけている鎖がゴトリと揺れて音を小さく鳴らす音が聞こえた。
私が未だに鏡を通して初めて見ているだろう人間の姿を興味津々に見ている文に代わって、文と共にはたての鏡を覗いている萃香さんと愛宕山大天狗の二人に進んでお酌をしながら、はたてから貰った鏡を見ながらきゅうりのつまみの最後の一つを飲み込んだ文に私は話し掛ける。
「あれ?文って人間を見るのは初めてだっけ?」
「まあ。そうよ。こんなに強そうなのね。人間って。」
あ〜。確かにそうかも。一応椿ちゃんは純粋な人間じゃなくて人間と神様のハーフみたいなもんだもんね。現人神じゃ、カウントされないか。大巫女さんも人間離れしてたしなぁ。文からしたら人間は強い生き物だったのかもしれない。
「でも、その人間は普通の人間じゃないからね?」
私は今、椛ちゃんと激しい白兵戦を繰り広げている博麗の巫女の姿を横目に見ながら答える。
「………そうなの?この人間も椿くらい強いからてっきり皆そうかと思ってたわ。」
丁度、椛ちゃんが博麗の巫女に吹き飛ばされるのを見ながら文がそう言うと、文の隣にいた愛宕山大天狗が大笑いをし始めた。
「アッハッハッハ!おひい様の孫。あんなのが多くいたら今頃妖怪という種族は既にこの世には居ないわ!全種族がみな黄泉送りにされていた筈だ。故に、博麗の巫女と椿?とかいう奴は特別なだけだろう。」
「成る程?博麗の巫女………それで…博麗神社で巫女やってるってわけなのね?」
「そう。まあついこの間出来た友達だよ。でもなんでここに向かってきてるんだろ?」
「………まあ、私が聞いた話では何でもこの幻想郷って地域の守護者らしいよ?紫がそう言ってたから本当さ。だからそこから導き出される答えは…………」
私達は、鞍馬大天狗が零の部隊と三ノ巡回隊の天狗達に自分達の剣を見せ合って楽しそうに刀トークを談笑しているのを見ながら少し酒が回ってきている中を考えていく。
そして………一番速く答えを思いつくことが出来たのは、この中で比較的頭の回転が速い文だった。
「成る程?それで今は陣内の入り口にいるって訳なのね?」
「ねぇ?あやぁ〜?そろそろ、私の鏡を返して欲しいんだけど〜?髪の子が気になって整えたいよ〜?」
文の声に私達は一斉に陣内の一番大きな入り口付近を見るために顔を向けた。ただし、やっと文から鏡を奪還してほくほく顔で髪の毛を整えだしたはたて以外だったが。
すると、そこには文の言う通り確かに博麗の巫女が佇んでいた。後ろには私に手を軽く振っている青雅さんと芳香ちゃん。そのメンバーの中から私に向かって飛んできた黒い影の正体であるルーミアちゃんは『わぁ〜!少し休憩するのだ〜〜!』と言って、そのまま私の後ろに急いで現れて私の影に隠れてしまった。
へぇ〜?ルーミアちゃん。そんな使い方があるんだ?いいね。使い勝手が良さそうだね。
そのメンバーに気が付いたらしいさっきまで騒がしかった敵味方混合していた天狗達が、急に静まり返ってこの場に入ってきた博麗の巫女に、対してそれぞれの武器を静かに構えだす。
「成る程…………ここがこの馬鹿騒ぎの首謀者がいるって所なのね?青娥?」
そんな巫女さんは、青娥さんの『はい。そうですわ。』という返事を待たずに、その天狗達の姿に怯えもしないで堂々と掻き分けるように私達がいる方へと向かってきた。
そんな巫女さんの背中には、さっきまで戦っていたが、負けてしまったらしい軽くボロボロになって気絶している椛ちゃん。いつものお勤めご苦労様です。 対して、愛宕山大天狗と鞍馬大天狗は二人共軽々しく腰を上げてそれぞれの武器を取り出して妖力を解放し始めた。
「さて、私達の最後の大仕事だ?まだ動けるか夏沙丸婆さんや?」
「誰が婆さんだ。幻炎婆さん?我も暴れ足りないと思っていた所だ。ついでに新しく出来た弟子の仇を取ることにしよう。」
「わ、………私は飯綱丸様の弟子です鞍馬大天狗様…あと私は死んでないのでその言い方は辞めてください…コホッ。」
「あっ……一応意識はあったのね?椛ちゃん。」
「今起きたところです………ゴホッ。……キャッ!?」
意識を取り戻した椛ちゃんは不要だと言わんばかりに、椛ちゃんを私達の方へと投げ入れた博麗の巫女は、キッと愛宕山大天狗と鞍馬大天狗にむけて気だるそうに睨みつけて札を2人の大天狗へと向けて、まるで挑発するかのように言い放った。
「それで?あんたらをボコせば終わりかしら?流石に私も疲れたのよ。そろそろ決着をつけさせてくれない?勿論、私があんたらをボコすためにね。」
「……人間が、随分と粋がるではないか?」
「舐めているなら刀の錆にしてくれようぞ?」
大妖怪であり、その大天狗の中での上澄みの怒りの声とその膨大に解放された妖力に怯むどころか、『なら、やってみなさいよ!』と買い言葉に売り言葉を返す巫女さん。そんな巫女さんの姿が、私には強い輝いているように見えた気がした。これが………博麗の巫女。人間の筈なのに、こんなにも輝けるんだ。まるで……生前の椿ちゃんみたいに…………。
他の天狗達に見守られながら、2人の大天狗と大弾幕を張りながら陣内の外へと向って飛んでいくその豪快な後ろ姿に、私はいつの間にか椿ちゃんを重ねていた。
そして、その姿に、私は諏訪大戦の時の兵士達を鼓舞する時の椿ちゃんの姿を思い出してしまって、思わず涙が出てきてしまった。
「つ、椿ちゃん………………いや……違うよね。グスッ…でも、なんでだろう…椿ちゃんを思い出させるなぁ。なんでこんなに眩しいんだろう。どうしてもこんなに二人が美しく重なり合うように見えるんだろう?…グスッ…。」
「ふふ………飛燕。グスッ……なに懐かしがってんのよ。グスッ……でも…何だか寂しく感じるわね……。」
私は契約を通じて私の心を分かっている様子の文に背中を抱きしめられながら、文の少し成長してきた胸に顔を填める。名残り惜しくも届かなくなった彼女の後ろ姿を脳裏に浮かべている無きじゃながら。
そうだった。椿ちゃんも今の博麗の巫女みたいに凄く輝いてたんだ。
「うゔぅ……飛燕様…文様……狭いです。私が間にいるのを忘れてませんか?」
私と文の間に挟まっていた椛ちゃんが堅苦しそうに悶えているけど、そんなこと関係なくなる程に私は急なノスタルジックを感じてしまっていた。
「ヒッグ……エッグ……、椿ちゃ〜〜ん。会いたいよぅ……。」
「また始まったわ。グスッ……はいはい。寂しいわよね。私も椿には会いたいわ。もう……1年前に旅立つ前からあんたは変わってないわね〜。もう〜〜、グスッ。」
文も本当は椿が死んじゃったのは悲しんでたんだ。だから、涙をこぼしているんだ。けど、それでも文はこうやって私の頭を撫でながら慰めてくれている。それが心の強い文と私の違いだ。
………椿ちゃんもよく、こうやって落ち込んでる私の頭を撫でてくれたなぁ。
アハハハ……まだまだ成長できてないね。私。こうやって今だに引きずってるんだもんね。椿ちゃんのこと。
私は、私の影からやっと出ていったルーミアちゃんが芳香ちゃんや、私が泣いているせいか話しかけて来ずに端っこに座っていた青雅さんへも駆け寄った後、三人で一緒に並んで楽しそうに、空で行われている幻想的な青や紫や赤や白の点滅の光が入り乱れる戦闘風景を肩を抱き合いながら眺めている。私はその幻想的な風景と青娥さん達のことを見ながら溜息を吐いた。
中々割り切れないや。たったの271年くらいじゃ。
「飛燕?」
「…………なに?文?グスッ…。」
「…………別にいいのよ?…長年、引きずるくらい。でも、いつかは見切りをつけなさいよ?飛燕には私達がいるんだから。いつでも安心して、今みたいに弱みを出しなさい。私も皆もそうやって頼り合いながら"生きて"いくんだから。」
そういってくる文の言葉に、私は静かに文の方を見遣る。
私を優しく見遣る文のいつもは見せない涙が僅かに垂れていた朗らかな笑顔は、上空の夜空で展開されている決闘で発生している光に伴って、とても綺麗だった。
「ゔん……。」
文の言う通りた。少しずつ成長すればいいんだよね。亀のように遅くても、立ち止まることがあっても。後進することが会っても……また前に進めばいいんだ。
「う、うわぁ〜〜〜!!」
だから、私は泣いた。まだ弱いから私は泣いた。文に気持ちを思いっきり垂れ流すように。その気持ちを受け止めてくれる文に甘えるように思いっきり泣いた。
けど、誰かに頼れることが、それこそが私にとって、一番の強さだと思えることだから。だからこそ、恥ずかしという感情は無かった。
私が泣き止んだ後、ふと、私のお腹のしたからもぞもぞと動くモノと声が聞こえてきた。
「ぷはぁ〜〜……あの………文様?飛燕様?いい加減、私を解放してくださいませんか?私、結構、頑張ってボロボロになってるんですよ?なのに、お二人の抱きしめ合いに空気を読んで長時間迫まり続けるのは流石に我慢できません。だからいい加減解放してください。」
「「あ………。」」
「…………さては……私のこと忘れてましたね?お二人方?私は………文様とはたて様の身柄を守る為に頑張ったのに。……精一杯足止めしたのに。グスッ酷いれす。グスッ。」
も、椛ちゃんのへそ曲がりモードだ!!か、可愛い……じゃなくて!!この時の椛ちゃんはめっちゃ面倒くさいんだった!!
「………も、椛?」
「ご、ごめんね椛さん?」
「お二人方は謝らなくてもいいんですよ?………こうやって、私はこ飛燕様の体重を支えてあげることしか出来ませんから。グスッ……。」
「そ、そんなことないから?ね?お酒飲もう?」
「あ、あやや……………椛。今日はパ〜と飲みましょう?ね?」
「はい………グスッ…………。」
「あひゃひゃひゃ!!あやぁ〜!皆ぁ〜〜!!私も混ぜて〜!!皆ぁ〜!!」
「きゃあ!?」
「わぁ!?」
「ごふっ!?」
涙ぐむ椛ちゃんを涙が引っ込んだ私と文が慰めていると、いつの間にか酔いまくっていたはたてに急に飛びかかられて私達はこんがらがってしまった。
「ちょ!?はたて!?酒臭!?という酔すぎだよ!!」
「はたて!離れなさい!!椛が………気絶してる!?」
「アハハハッ!!楽しいぃ〜〜!!」
「ヤバっ………調子に乗って少し飲ませすぎたかも……。こういう時に飛燕が作った口噛み酒が………あっ……この前勇儀達に飲み干されちゃったんだった。」
「あんたが犯人かぁ〜〜!!萃香さぁ〜〜ん!!」
「ちょっ!?はたて!!ガポッ!!」
「あやぁ〜〜!!私のお酒飲んでぇ〜〜!!」
「今度は文が〜〜!!!というかそれ『鬼殺し』じゃん!!」
「し、知らないや……あはは…………と、トンズラしよう。」
「逃げるな〜!!萃香さ〜〜ん!!うわあ!?」
酒が強いはずの文を一時的にノックアウトしたはたてが今度は私を押し倒してくる。
「ひえん〜〜?グビグビ。」
「はたて?ちょ!本当にやばいから!―ング!?」
はたてが口移しで鬼殺しを私の口に流し込んでくる。ついでに下も私の口に突っ込んで。
「ぷはっ!!どう?美味しぃ〜?飛燕〜〜?」
あ、危なかった〜〜!?急いで酔いを『飛ばさ』無かったら危なかったぁ〜〜!!!
けど、このままはたてを放置してたら確実に潰される。防ぐために御免はたて。
「はたて!!ごめんね!!」
「ひゅっ!?」
私ははたての頭に触れて意識を『飛ばす』と、はたてはグデンと私の方に倒れてきたので急いでキャッチする。
「ふう………なんとかなった。萃香さんめ。後で文句言ってやろう。兎に角文達の意識を戻さないと。」
そして、博麗の巫女と2人の大天狗が上空で戦い始めるのを他の天狗達と眺めながら久し振りに見た人間の輝きを思い出して、ニコリと笑った後。
私はそんな綺麗な大弾幕を見守りながら、文達の意識を取り戻そうと画策するのだった。
何故私はシリアスパートの最後をギャグ風に終わらしてしまうんだろうか……まあオチになるし別に良いよね?
この回で異変パートは終了です。長かったですね。まぁ色々とはっちゃけてましたが、妖怪達の争いは大体ノリと勢いなのが異変なので気にしないでください。
尚、次回7/31日から毎日投稿開始です。
ではっ!次回は皆様お楽しみの宴会回です!!
イヤッフ〜〜〜ほのぼのが楽しみで仕方ないZE☆〜〜!!!
読者の皆様にとっての女オリ主のイメージを教えてください!
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可愛い! ここに皆入れてね!
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格好いい! そう?まあそれもありだね?
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美しいね! エヘヘー分かってんじゃん!
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変態! でも変態なお姉さんは好きでしょ?
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人情姉さん! 私についてきな!君達!
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大人なお姉さん! 妥当だよねー!うふふ♪
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乙女だよ! 分かってるねー!
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人妻最高! 良い子の皆は入れないでね?
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未亡人最高! なんか投票欄が怪しくない?
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もっと強くなれよ! あっはい、頑張ります
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ポンコツだね。 ん?これは褒め言葉?