インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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今回の怪獣学は短いです。


怪獣学 3

昼休みが終わり、航と一夏はシャーペンとノートと教科書を準備して、いつでもできるような状態になっており、テンションが高ぶっている。

そしてチャイムが鳴って入ってきた先生は……。

 

「みんな、久しぶりね」

 

「「おっしゃあ!」」

 

この時男二人の歓声にビビる1組生徒全員。入ってきたのは家城燈先生。怪獣学があることが確定したのだ。

燈は男二人が歓声を上げてハイタッチをしてるのを見て、自分の授業を受けたがってる人がいると改めて確認し、笑みがこぼれる。女子達はそんな男たちを見て軽く引いてるが、二人にとってはどうでもいい話しだ。

 

「さて二人とも落ち着いて、皆があきれてるから」

 

「「あ」」

 

周りを見ると、あきれ返った目、うるさそうにしてる目、そんな視線が多数あったため航と一夏は大人しくなるのだった。

 

「さて、今日の怪獣学は……。っと……、これか」

 

何か探ってたようだが、それが見つかったのか電子黒板に画像が張り出される。

白黒画像だが、割と鮮明に映っている。

 

 

「これはバランよ。現れたのは1958年。これより後のモスラを紹介しちゃったけど、初代ゴジラ、ラドン、モスラの順番で説明するのが私のやり方だから気にしないで。後言っておくけど、この怪獣は情報が少ないからもしかしたらもういったい怪獣の説明をするかもしれないけど気にしないでね」

 

『えー』

 

女子達のブーイングが出たが、それを気にしてたらキリがないと知っている燈は、さっさと説明に入ることにした。

 

「さて、この怪獣はバラン。体長50メートル。この怪獣はとある県……、わかってるのは東北地方ってぐらいね。そのどこかにある湖から現れるんだけど……。情報が少なすぎて嫌なのよね、ここら辺は……」

 

何か普通に愚痴っていたような気がするが、気にしないでおこうとクラス全員は心に思うのであった。

 

「……ま、いいわ。その後バランは近くにあった集落を破壊。そして東京を目指すんだけど」

 

「先生、なんで怪獣たちは東京を目指すのですか?」

 

その時一人の生徒から質問があった。確かに今まで大体の怪獣は日本、しかも東京を目指してることが多いのだ。

これが気になってしまい、全員が燈の顔を見る。

 

「うーん、なんでだろ。正直この話題は今までたくさん議論されてきたけど、分からないのが結果だからね……。唯一分かるのは、2004年に現れたゴジラだと、自衛隊八王子駐屯地に眠る機龍を目指してたぐらいだし……」

 

燈が分からないとなると、もうわからない。そのためこの話題はすぐに打ち切られ、授業に戻ることになった。

 

「その後バランは東京湾から現れて、羽田空港を襲撃し、都心を目指すんだけど、当時の自衛隊の動きがよかったのかほとんど被害は出ていないらしいわ。そして生物的特徴でもある、『光るものを口にする』を逆手に取って、照明弾と一緒に爆弾を飲み込んで倒されてるわね」

 

怪獣でも倒せないことはない、それが何人かの女子達を増長させることになる。

 

「ほら!こんなのでも倒せるならISでも怪獣倒せるでしょ!」

 

「言っておくけど、この時の爆弾。うわさでは威力は核より低くても、相当の破壊力はあったそうよ。爆発場所が海だったからよかったものの、陸上だったら相当の被害は出ていたそうね。まあ、噂ではゴジラには核爆弾さえも効かないらしいけど」

 

普通に可笑しい発言をする女子を牽制する燈。その時の淡々とした態度は、何か恐怖感があって、何人かの女子はぶるっと体を震わせる。

 

「そしてこのバランはとある集落では、『婆羅陀魏山神』と呼ばれていて、いわゆる神として祀られていたの。その名残かわからないけど、今日本で名を馳せて来ている会社の名前が『婆羅陀魏』だったわね。この会社は今の日本国家代表であって、ここの生徒会長でもある更識楯無さんの専用機を作ったとこでも知られてるわ」

 

怪獣を神と崇める。そういうことがあるのかと感心する生徒もいれば、恐ろしいと嫌悪する生徒もいる。

この時、授業の残り時間はまだ半分残っている。

 

「さて、思った通りに時間が空いてしまったから、次の怪獣を説明するわ」

 

そして燈はバランの画像を消していき、次に新たな怪獣の画像を出すが、3枚だけしかなかった。しかもその姿は……。

 

「セイウチ……?」

 

誰かがそう呟く。大きな牙、海獣特有のフォルム。目は白黒のせいで何色かわからないが、一色である可能性が高い。

 

「これはマグマよ。体長50メートル。出現地は南極よ。そしてセイウチに似てるから哺乳類と思われがちだけど、マグマは見た目と反して爬虫類に分類されるからそこ間違えない様に」

 

その言葉で教室に衝撃が走る。教室内は一気にざわつくが、燈はさっさと静めて授業に戻る。

 

「さて、このマグマは資料が先程のバランより少ないわ。とりあえずわかってるのは、現れた年は1962年。当時南極で何かがあると言われてた時代に、探検隊が南極へ向かうの。そしてジェットパイプと呼ばれるよく分からないけど、熱で氷を融かす機械を使っていたら融けた氷の中からマグマが現れて、探検隊の半分以上が死傷したらしいわ。まあ、ろくに怪獣用の装備もしてなかったのが原因らしいけど」

 

こんなでかい怪獣に蹂躙されたとなるとトラウマものだろう。まともな子たちはそう思い体をブルっと震わせる。

 

「その後探検家の生き残りが残した資料には、『氷の中に何かがある。私は見た。それを奴ら(マグマ)が守ってる』って書かれてたわ」

 

「先生、奴らってことは数体いたってことですか!?」

 

「分からない。だけど可能性は否定できないわ」

 

生徒の質問に少し困った顔で答える燈。だが気になることがあったのか、航は挙手する。

 

「先生。『残した資料には』の所で気になったんですが、もしかしてその資料、見たことあるんですか?」

 

「あるわ」

 

その一言で再び教室は騒めく。

 

「自衛隊から資料としてオリジナルを渡されたから、それをコピーしてここの資料として持ってきてるの」

 

そう言った時、チャイムが鳴り、授業終了を知らせる。航と一夏はいつも通りのもう終わるのかと残念そうな表情を浮かべている。

 

「ここで終わるけど、この2体はテストには出ないから」

 

そう言って燈は教室から出て行くのであった。

 

 

 

 

 

 

それから放課後、航と一夏は何時ものように、楯無に師事してもらっていた。

 

「ほら、一夏君!そこ隙がありすぎ!」

 

「へっ、うわぁ!?」

 

「航も!」

 

「うぉ!?」

 

楯無は一瞬にして一夏の横腹にブレードを当てて吹き飛ばし、航には顔面にブレードを突き立ててバランスを崩させようとするが、

 

「させるか!」

 

今までなら簡単に倒されていたであろう攻撃を、航は体の重心を前に向けてブレードを体で受け止めるようにする。そして楯無の腕を素早くつかもうとするが、楯無はすぐに後ろに下がって右手にガトリングを展開。そして引き金を引いて航のシールドエネルギーをガリガリ削る。

 

「おらぁ!」

 

だが一夏が後ろから迫ってきており、雪片弐型を振り下ろそうとするが、

 

「甘いわ」

 

楯無は左手にブレードを展開。そして冷静に受け流し、鳩尾に柄頭を強打させる。

 

「ぐぅ!?……くそ、シールドエネルギーが……」

 

白式のシールドエネルギーは模擬戦で決めていた数値を下回ったため、戦闘不能扱いになり、一夏は地面に降りて航と楯無の残りの試合を観戦する。

 

「機龍!」

 

『キィァァアア!!』

 

航はこの状況を打破するためにバックユニットからミサイルを放ち、誘導弾は急旋回して楯無に迫る。だがしかし楯無は。

 

「おっと、危ないわね」

 

軽く言ってブレードで切り落としたり、ステップをかけてひょいひょいかわしたりする。だが航にとってガトリングの雨が止まったため、ブースターを一気に吹かして楯無に迫り、両腕の腕部レールガンを連射。

幾つか地面に当たって煙が立ち込め始めたため、航は楯無の姿が見えなくなったことにより警戒してその場に止まる。

 

「……どこだ?」

 

煙が立ち込めるところを警戒してみていたが

 

「ここよ」

 

「っ!?」

 

気付けば楯無は自分の真ん前。だが大きさが災いして死角に入っていたのだ。ハイパーセンサーを使えばよかったのだろうが、素人特有の目を使った索敵をしたせいでこういうことになったのだ。

 

「おしまい」

 

そして楯無が両腕に展開したのはガトリング。そして同時に放たれた弾は一気にシールドエネルギーを削り、数値が下回ったため模擬戦は終了するのであった。

 

「楯姉……」

 

「どうしたの?」

 

「それ本当に打鉄?スペックがいろいろおかしく感じるんだけど……」

 

楯無が使っていたISは打鉄。IS学園の訓練機である機体である。それで大型ISである機龍を倒す。一見したらおかしすぎることなのだ。

 

「そりゃあ、性能を限界まで引き出してるからね。この機体、近接戦専用に特化してる部分があるからそこをうまく生かせばこういうことができるわけ。わかった?」

 

「うん……」

 

「じゃあ、二人の悪かったところを言っていくから。まず航から。航は……」

 

そして航と一夏に悪いところの指摘とアドバイスをしていき、二人はそれをしっかりと聞いていく。その後休憩を10分取り、その間にISにシールドエネルギーを補給しておく。そして再び楯無VS航&一夏の試合が始まろうとした時だった。

 

「ちょっといいでしょうか」

 

「「「ん?」」」

 

その時だ。声のした方を向くと、そこにいたのは専用機であるブルーティアーズを纏ったセシリアと、打鉄を纏った箒がいたのだ。二人は少し不機嫌そうな顔をしており、3人は首をかしげている。

 

「どうしたんだ?二人ここに来て」

 

「どうしたもこうしたもありませんわ!」

 

「うおっ!?」

 

いきなり怒鳴られたためびっくりする一夏。その後ろにいる航と楯無も少しびっくりしており、とりあえず何事かと見てみる。

 

「何でわたくしたちとISの練習をしませんの!?」

 

「だって、日本国家代表の人が教えてくれるって言ったらそっちに向かうだろ、普通」

 

一夏の正論に一瞬言葉が詰まるセシリアだが、ここで引き下がれないのか楯無に食い掛かる。

 

「どうしてわたくしたちに一夏さんと練習させませんの!?」

 

要するに好きな人と練習をしたい。それだけなのだろう。楯無はすぐに察したが、どうしてもそうできない理由があるため、眉をハの字に曲げる。

 

「普通ならそうなんだろうけど……、この二人にはそういう時間が少ないからねぇ」

 

「どういうことですの!?」

 

「だって、世界で2人の男性搭乗者よ?もし成果を残せなかったらどうする?最悪IS学園に1年もいられずに消える可能性があるのよ?それこそこういうイベントで大きな戦果を見せないといけないの。分かった?」

 

この時セシリアは楯無の目を見てわかった。楯無には一夏に対して色目は一切持ってなく、弟子を見るような目で見ていることを。

 

「……分かりましたわ。ですが一夏さんと一回模擬戦を申し込みますわ!ほら箒さんも!」

 

「わ、私もか!?」

 

箒はいきなりの指名に戸惑い、そのまま前に引きずり出されセシリアの隣に並ぶ。一夏は雪片二型を握るが、2対1となるとどうしても不利だ。楯無はここで下手なことをやられるのを避けたかったため、航を一夏の方に組み込んで急遽タッグマッチをすることになった。

 

(まあ、時々別の相手をするのもいいでしょ)

 

楯無はそういうことを思いながら、4人を見ているのであった。




バランとマグマ、覚えてる人いますか?特にマグマの方を。
なお世界設定破綻を防ぐために、マグマみたいにねつ造設定する怪獣が多数います。だって、マグマの元ネタである妖星ゴラスを見たらわかる通り、ねぇ……?
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