インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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さて始まりましたクラス対抗戦。楯無に鍛えられた一夏はどのような動きをするのか?


クラス対抗戦

今日はクラス代表リーグマッチ、もといクラス対抗戦が開催されており、現在第一試合が始まろうとしていた。

そしてアリーナの真ん中にいるのは一夏と鈴。二人はお互いの得物を構え、そして目をそらさず、お互いの顔を見合っている。

だが鈴の頬は少し赤く、まだ一週間前のことを引きずってるようだが、それでもしっかりとした眼つきだ。

 

「鈴。俺が今まで楯無さんに教えてもらってた分、ここで見せてやるぜ」

 

「な、なら来なさい。私が強いってこと教えてあげる!」

 

そしてお互いに獰猛な笑みを浮かべはじめ、試合開始のブザーが鳴った時、一夏は鈴の懐に一瞬で入り込んだ。

 

「なっ……うぐっ!?」

 

鈴は一夏がいきなり大技を見せてきたことに驚いて動きを止めてしまい、横薙ぎをまともにくらって吹き飛ばされる。

鈴はそれなりに吹き飛ばされながらも、すぐに体勢を立て直して双天牙月を改めて構えなおす。

 

「驚いたわ。一夏が瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使うなんて」

 

「どうだ!楯無さんに教えてもらったんだ!」

 

「へぇ……。あの人がねぇ……」

 

鈴は観戦席をちらりと見、一夏の方にすぐ視線を戻す。

 

「……まあいいわ。一夏、まさかそれだけで終わりって訳ないでしょうね?」

 

「当たり前だ」

 

そして一夏は雪片弐型を構えて鈴目掛けて再び突っ込んだ。

 

 

 

 

 

「一夏、いきなり瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使ったな」

 

「ええ、本当ね」

 

ここは観戦席の後ろ側。席を取れなかった航は、楯無と一緒に立ち見しながら一夏と鈴の試合を観戦していた。

 

「一夏君は確かに最初の頃よりは強くなってるけど……」

 

この時楯無が見たのは、雪片弐型を双天牙月でうまく受け流しながら、口元がニヤリとしている鈴の姿であった。

 

「何か隠してるわね……」

 

「まあ、楯姉が鍛えたなら大丈夫でしょ」

 

そう言って二人は試合の状況を見守るのであった。

 

 

 

 

 

先程まで余裕そうな顔をしていた鈴だが、一夏の攻撃の手が緩まないことに少し焦りを感じ始めていた。

 

(ちょ、ここまで攻撃の手が緩まないってどういうこと!?)

 

一夏は先程から雪片二型を振るっており、ここまで連続で振るえば疲労がたまって動きが鈍くなるどころか、動きが鋭く、速くなってきているのだ。

そのため、左に薙いだ雪片弐型が気付けば返し刃で自分に迫ってきてるというのが多々あり、第三世代兵装である龍砲を使おうとしても、それすらも考える暇もなくなってしまうのだ。

 

(このっ……!)

 

だが努力で代表候補生になった鈴にとっては、才能と努力でここまで伸びた一夏は半分天敵のようなもの。そのため鍔迫り合いになった時、鈴は思いっきり叫び声をあげるとともに力技で一夏を押し返す。

 

「うおっ!?」

 

一夏はまさか片腕の力で押し返されるとは思っておらず、10メートルほど吹き飛ばされた後雪片二型を構えなおす。

その時だ。自分の顔の横に双天牙月の刃がギリギリまで迫っていたのは。

 

「うおっ!?」

 

一夏はどうにかかわそうとするも、反応が遅かったせいもあり、シールドエネルギーが削られる。

一体何があったのか。その時一夏は、鈴が双天牙月を両方とも持っていないことに気付く。

一体どこに行ったのか。だが、それはすぐわかることになる。

 

「なっ、ブーメランかよ!」

 

それは柄を連結した双天牙月である。

鈴は双天牙月は柄同士を連結させ、それを投げることでブーメランのように使っており、それが一夏の方に飛んでいたのだ。

鈴は飛んでいた双天牙月を回収し、そして柄を分離して両手に持った後。

 

「行くわよ!代表候補生の力見せてやるわ!」

 

そして鈴は二刀流を駆使した怒涛のラッシュを見せ始める。一夏は何とか回避していくが相手は二刀流。鈴の勢いがすごいためか一夏は先程の勢いはどこに行ったのか押され始める。

右に回避したと思ったら下から切り上げがすぐに来、振り下ろしを回避したと持ったら左から剣戟が来る。一夏は二刀流の対処法を習って無いから先程みたいにごり押しして封殺してたものはよかったものの、こうなったらジリ貧だ。

一夏は一旦距離をとって体勢を立て直そうとするが

 

「させないわよ!」

 

「ぐぅ!?」

 

その時だ。鈴のISの非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)の一部が開き、いきなり一夏の横腹に強い衝撃が走ったのだ。一夏はバランスを崩して鈴に無防備な姿を見せてしまい。

 

「もらった!」

 

鈴は勢いよく回し蹴りを放って一夏の横腹に直撃させる。そして蹴りを向けた方向は地面。そのため一夏は地面に向けて勢いよく落下しているが、どうにか地面に叩きつけられる前に体勢を立て直す。

 

「いてて……、それにしても鈴から離れたときにくらった『アレ』。いったい何なんだ……?」

 

一夏は先程の見えない攻撃について考えるが、それが何なのかわならず、首をかしげてしまう。

 

「何ぼさっとしてるの!」

 

「っ!」

 

一夏はいきなりの叫び声に反応したのかその場を一気に離れる。そしたら、一夏が先程いたところがいきなり爆ぜた。

 

「なっ!?」

 

その時だ。センサーから銃で狙われているという警告アラームが鳴り響く。一夏はでたらめと言える動きで動き回り、先程いた場所に何かが着弾しており、見えない攻撃に一夏は恐怖するが何かネタがあるはずだと鈴の機体をくまなく見る。

一番怪しいのは肩から見える非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)。あのスパイクが生えている奴の一部が開いたときに衝撃を食らったため、恐らくそれなのだろう。

そのを見た鈴がニヤリと笑う。

 

「どお!甲龍の第三世代兵装『龍砲』は!弾がまったく見えないでしょ!」

 

鈴は楽しそうな笑みを浮かべているが、一夏は全くかのように冷や汗を掻きながら回避を続けている。

『龍砲』

一夏はいまいちどういう原理で見えない弾を出してるか分からないが、とりあえず回避を続けた。

 

 

 

「楯姉。一夏、思い切り押されてるな」

 

「まあ、相手は代表候補生だからそう簡単に倒せる相手じゃないからね」

 

そう言って楯無は扇子を開き、そこには『経験の差』と書かれている。航は、時折楯無が扇子を開いてこういった文字を出すが、すぐに文字が変わったりするため、いったいどういう原理で出しているのかたまにに気になったりしていた。

 

「お、一夏君。弾が見えてないのに回避が上手くなってきたね」

 

「そうだけど……、あの弾って何?」

 

「あれ?中国が作った第三世代兵装『龍砲』。圧力を操作して空間自体に圧力をかけ……、まあ衝撃砲っていうんだけど、分からなかったら砲身が透明の空気砲と思っといて」

 

説明が難しくなりそうだったため、楯無はとても簡単な説明をし、航はなるほどと頷いている。そしてアリーナの方に目線を戻すと、一夏が龍砲をほぼ回避してるためか、鈴が苦そうな顔をしている。

 

「見えない弾をあそこまでかわせるって俺にはできんな」

 

「航の場合、衝撃砲放っても機体がひるまないから突撃されるのかオチなんだけどね。私みたいにそういうのに対するカウンター技持ってないとタックルからの、そのまま掴んで地面に叩きつけられたら一気に終わるし」

 

そしてアリーナを見ると、当たらないからか、いら立ちが募ってると思われる鈴と、冷静に状況を見ていると思われる一夏がいた。

 

 

 

 

 

「いい加減に、当たりなさいよ!」

 

鈴は龍砲を連射するが一夏に当たらないことに焦燥感に駆られる。この状態で連射してもパターンが単調のため、一夏は回避を繰り返し鈴に切りかかろうとするが、どうしても双天牙月でふさがれる

そして

 

「負けてたまるかぁ!」

 

一夏は零落白夜を起動。そして瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使って一気に踏み込もうとするが、

 

 

ドォォォォォン!!!

 

 

いきなりアリーナのシールドが何かにぶち抜かれ、そのまま一夏と鈴の間に轟音と共に落ちた。

 

 

 

 

 

 

ここはとある小島。その地下深くにとある空間があり、その中に一人の女がいた。顔は整っており、スタイルも素晴らしいほどの体型だ。だが来ている服装が不思議の国のアリスをモチーフにしたかのような奇抜なファッションであり、頭には機械チックなうさ耳を装備している。

その女性は、ISを作り、そして現在身を潜めている大天災、篠ノ之束だ。

彼女は現在、IS学園のクラス対抗戦を監視カメラをハッキングして見ており、その表情は非常に楽しそうな感じだ。

 

「おー、いっくん頑張ってるねー。さすがちーちゃんの弟だなー」

 

束はそう言ってニコニコ顔で映像を見ているが、途中で一夏が押され始めたとき、少し不機嫌そうな顔になり始める。

そして束は近くにあるコンソールを扱い、右に表示された画面には空を高速移動する二つの黒い機体、ゴーレムが映し出される。ゴーレムは束が設定した目的地、IS学園目掛けてステルス状態で移動しており、束はそれを楽しそうに見つめている。

 

「さーて、あそこに入ったらいっくんの力試しと……」

 

束はコンソールを弄り、別の画像をだす。そこに映っていたのは男だった。

 

「……この機龍に乗ってるヤツを消さないとな~」

 

そこに映っていたのは、航であった。彼を映してる時の束の表情は、まるで能面を張り付けたかのように無表情で、とても冷たい目をしている。

そして無人機のカメラにはIS学園の姿が見え始め、束は笑うように口元をゆがめる。

そして無人機のカメラは、IS学園全体を映していた。真下には一夏たちがいるアリーナ。

そして無人機の右手にある発射口らしきものが光り始め……。

 

「消えろ、災いを起こす化け物」

 

感情のこもってない言葉と共に、発射口から極太のビームが放たれた。

 




次回は無人機戦。いったい何が起きることやら……。
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