インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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燈「皆待った?今日は怪獣学だから楽しんで行ってね」


怪獣学 4

一夏と航が同室になって時が経ち、今は5月最後の日。一時限目が怪獣学だったため、航と一夏はいつも通りハイテンションだった。だが周りはそんなの関係なく、燈が来た後もなめてんのかまだ喋ってばっかりだ。

燈は手を叩いて、皆の意識をそっちに向ける。

 

「はーい、皆静かに。今日の怪獣学はこの怪獣2体よ」

 

そして電子黒板に表示されたのは数枚の写真だ。両方とも白黒でわかりにくく、一枚は胴体が異常に長く、顔がはっきりとわかりにくいが、東洋の龍と言うべきだろうか。それに近い顔つきをしている。

もう一枚は町を遠くから撮った写真だが、どう見てもおかしいのが写ってる。見た目は体が細長いクラゲだろうか。だが大きさが異常にでかく、写真から判断して体長が50メートルぐらいあるのだ。それが町の上に浮いてるのなら相当な恐怖だろう。

 

「今日の怪獣学はマンダとドゴラよ。なおこの体が長いのがマンダで、クラゲみたいのがドゴラよ」

 

こんなのが昔いたのか、まともに取り組んでる子たちは驚きの表情を隠せない。

 

「この2体は情報が少ないからもう一緒にやることになったけど、テストには出ないからね。まずはマンダからよ」

 

そして燈は電子黒板を操作……しなかった。いつもなら様々な写真が出てくるはずなのに、全くでないことに周りがざわつき始める。

 

「ごめんね。マンダの画像、ほとんどないの」

 

「「え~」」

 

この時航と一夏のが残念そうな声を上げる。だが燈が申し訳なさそうな顔をしているため、これ以上何も言わなかった。

 

「まあつづけるわ。マンダ。体長約200メートル。現れた場所は日本海沖。現れたのは1963年で、被害は漁船から豪華客船20隻が沈没。死者行方不明者が数百人出るという被害を出してるわ」

 

船に乗っていた人たちはどういう気分だっただろうか。それを考えようとする生徒もいたが、怖いのか、体を震わせる。

 

「その後自衛隊がマンダを倒そうとするんだけど、結局倒せないまま数十年姿を消すわ」

 

 

 

「そしてその時から52年経った2015年、当時尖閣諸島で日本と中国が睨みあっていたんだけど、とあることがあって中国がいきなり尖閣諸島いらないって言い出したの」

 

「マンダ・・・・・ですか?」

 

「正解。それがその映像よ」

 

燈は電子黒板を操作して映像を再生する。

カメラに映っていたのはたくさんの船が現れている海域だ。聞こえる言葉から日本の船なのだろう。

中国漁船と何かしているが、遠くから撮られてるせいでよくわからない。この映像で映ってる中国漁船は、軽く見積もって50隻近く。カメラが動いて移された日本の海上自衛隊の船は約10隻ほど。

この時、中国漁船から何か放たれた。それは日本の船の近くに落ちて大きな水柱を上げ、日本人の悲鳴と怒声が響く。

中国漁船が砲弾を放ったのだ。一体どうやって積んでるのか謎だが、それが数隻の漁船から放たれ、あちこちに水柱が上がるのだ。

日本の船はいい加減危ないと思ったのは引き始め、そして中国漁船がいるところから約500メートルほど離れた時だ。

 

 

ボンッ!

 

 

いきなり数隻の中国漁船が空に打ち上げられたのだ。打ち上げられた高さは、約40メートル。そのまま漁船は水面に叩きつけられて粉々に砕ける。

それが数回続いた後、中国漁船は逃げるかのように尖閣諸島から離れていく。

そして日本の船からは違う先程と悲鳴と、何かを無線で急ぎながら言ってるような声が聞こえる。

そして、ここで映像は終了した。

 

「これはマンダと思われる、怪獣らしきものが襲撃したときの映像よ。この後日本は特生自衛隊を派遣。そして中国が日本に尖閣諸島がいらないと言って、何か気付けば日中関係は回復へと向かって行ったわ」

 

そんなことがあったのか。生徒たちは歴史の授業で、この部分が小、中学の時からぼかされていた理由が分かってすっきりた顔をしている。

 

「じゃあ次の怪獣、ドゴラを紹介するわ」

 

そして電子黒板を操作してドゴラの画像を出す。

 

「ドゴラ。体長不明。これは大きさが1メートルだったり50メートルだったりと変わったりしてたから不明になてるわ。なおこの画像だとクラゲみたいだけど、実際はちゃんとした形を持ってないと言われてるの。なんでもアメーバに近いとか」

 

アメーバということは決まった形のない生物となる。それが宙に浮いてるって一体どういうことなのか、何人かの生徒はそれが気になっていた。

 

「何人かの生徒も気になってるようだけど、何でドゴラが浮いてるかは今も不明よ。まあ話に戻るけど、現れた年は1964年。当時ドゴラが現れたころ宝石店でダイヤなどが盗まれる事件が多く多発したわ。その原因はまさかのドゴラで、何でも炭素類を吸収することによって形をはっきりさせるの。そのため、炭鉱の石炭や、文房具屋の鉛筆、シャーペン類も被害になってるわ」

 

ダイヤモンドを盗むって……。何人かの女子はあまりにも勿体ないと思う。

 

「その後大きくなったドゴラを対空砲などで攻撃するんだけど、ほとんど効果がなくて炭素系の被害は大きくなってく一方。だけどジバチの毒が効くと判明して、すぐに実行。そしてドゴラは体が結晶化して倒されるわ。これはジバチの毒が有効だったからどうになかったものの、そうでなかったら炭素系の被害は相当だったでしょうね。火力発電所も襲われる可能性もあっただろうし」

 

その時だ、再びチャイムが鳴り、授業が終了する。

 

「そうそう、今度テストあるけど赤点取らないでね?補習があるから。あと今回の怪獣もテストで出ないから」

 

そう言って燈は教室を後にするのであった。この時教室の半分ほどの女子達が冷や汗を流してたが航にはどうでもいい話だ。

そして時は経ち昼休み。

昼食をさっさと食べた二人は教室に戻って鈴も混じって勉強会を行っていた。だが……、

 

「いや、鈴。ちょいお前のやり方じゃ分からんわ……」

 

「どういう意味よ!」

 

「すまん、俺も同感だ……」

 

「え、い、一夏まで!?」

 

完全に落ち込む鈴。何があったかというと、三人で勉強会をすることになったのだが、この中で一番頭のいい鈴に教えてもらうことになったはいい。だが、鈴の教え方がひどすぎて全くできないという状況なのだ。

そして一夏にダメ出しされたため完全に落ち込んでしまったため、昼休みの勉強会は完全につぶれ、放課後。

 

「で、私を頼りに来たってこと?」

 

「「お願いします助けてください」」

 

勉強を教えてもらおうと、航と一夏は楯無に頭を下げている。楯無は顎に手を当てて何か考えてるような感じだったが、

 

「わかったわ。なら今から生徒会室に行くから、そこで教えるから付いてきて」

 

「「はーい」」

 

そして楯無に付いて行くこと約5分。着いた先は生徒会室だが、航と一夏はすでに疲れ切った様子だ。

 

「どうしたの?そんなんじゃこの先やっていけないよ?」

 

「いや、生徒会長は最強なのはわかったけどさ、なんで俺ら……いや、俺まで巻き込まれるんだ?」

 

「そういや航、何か楯無さんを狙ってる女子に袋叩きにされそうになってたよな。なんでだ?」

 

一夏は首をかしげるが、そんな一夏を見て溜息を吐く二人。本人が嫌がるため言わなかったが、千冬の弟だから狙われなかったのだろう。だが航はそういうのがないため、狙われる可能性が高いのだ。

楯無に守ってもらった航だが、何か心にモヤモヤが残る。結局それがあんまりわからないままであったが。

そして楯無が扉を開いて中に入る。二人も付いて行って中に入ったとき、目に留まったのはソファーで寝ている本音と、本音と同じ髪色をした眼鏡をかけた女子生徒が書類を処理している姿であった。

その女子は楯無が入ってきたのに気付き、仕事を中断して立ち上がって綺麗にお辞儀をする。

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

「だから虚ちゃん。お嬢様はやめてって言ってるでしょ?」

 

「それは失礼しました」

 

そして笑いあう二人。二人はこのやり取りをよくするため笑いで済ませるが、一夏は何のことか付いて行けずポカンとしており、航は特に表情は普通のままだ。

とりあえず航は久しぶりに会う虚に挨拶をする。

 

「虚姉さん久しぶり」

 

「久しぶり、航くん」

 

笑みを浮かべる虚。その優しい笑みに航も自然と笑みが浮かぶ。だが、その光景を面白くなさそうに見ているのが一人いた。

 

「航~、何いい感じになってんのよ~」

 

「え、ちょ楯姉。いたたた!!」

 

「私を放っておくなんてひどいわね~」

 

「痛い痛い!」

 

航は不機嫌そうな顔をした楯無に、拳をこめかみに両側から当てられてグリグリされる。その痛みに耐えきれず楯無の攻撃から逃れようとするも、楯無は航に軽く付いて行って一向に離れる気配がない。

 

「わかったわかった!今度で遊びに連れていくから!」

 

「へっ!?」

 

いきなりのことで動きを止める楯無。航はその間に楯無のグリグリ攻撃から抜け出し、痛むこめかみを押さえつける。

こめかみの痛みを抑えながらも楯無の方を見ると、何かモジモジしてる楯無。

 

「えっと……それってデート?」

 

「あ、うん……。多分そうだと、思う」

 

何か意識をしたのか顔を赤くする航。顔を背けて頬をポリポリ掻いてるあたり自分で言っておいて恥ずかしいのだろう。

 

「あのー、二人とも。イチャイチャするのはいいですが、織斑君が置いてきぼりですよ」

 

「「あ」」

 

虚の指摘で現実に戻る二人。一夏は二人に付いて行けないのか、虚に出されたお客様用のケーキをいつの間にか起きた本音と一緒に食べていた。

そして気を取り直して航と一夏に勉強を教えていく楯無。途中から虚も混じって、二人ともわかりやすい教え方だからなのかさっさと進んで行く。

なお、その間も本音はケーキを食べていた。

 

 

 

 

 

それから数日後、中間テストを迎える。

航と一夏は楯無に教えてもらっていたが、やはりそれでも苦戦を強いられており、通常科目と他の専門教科で知能を大きく使っている。

だがテスト内容の怪獣学では……。

 

((いける!!))

 

二人は他の教科のテストの時と別人かのように問題をすらすらと解いていき、開始20分ですべての空白欄を埋め尽くしている。

なお、周りの女子達は怪獣学に手間取ってるのか、半分以上は頭を抱えている。だが二人にとってはどうでもいい話であった。

 

 

 

 

 

それからさらに数日後。テストの結果発表の日である。

生徒にはテスト用紙が返って来、喜ぶ者、落ち込む者と様々だが、航と一夏は点数が普通ともいえるため、特に反応はなかった。

なお航と一夏は普通教科と専門教科は平均点より少し下(赤点は普通に免れた)である。

そして二人が一番自信のある怪獣学。クラスの大半は落ち込んでる様子だが、二人の結果は……。

 

「「おっし!!」」

 

そしてハイタッチをする二人。その後左拳、右拳をの順番にお互いに軽くぶつけて、最後に同時に頭突きをする。いきなり鈍い音が教室に響き、その行動に目を点にする女子達。

二人のとった行動は、昔から同点だったときにとる行動であり、お互いの返却された解答用紙には100点と書かれていた。

 

「よし、やったな一夏!」

 

「おう!得意な教科はこうじゃないとな!」

 

「だな!」

 

こうして赤点を一個も取らず、普通に過ごした二人は数日後に遊びに行く約束をするのであった。

なお別の教室、4組では。

 

「よし、100点取った……。お姉ちゃんに見せに行こうっと。褒めてくれるかな……?」

 

簪も100点をたたき出していたのであった。その顔は満面の笑みであり、周りの女子達は何か嫉妬してるのであった。

 




ねつ造設定怪獣2体による怪獣学でした。

では、次回をお楽しみに!

※感想欄で実際の政治の部分~っていう感想が来たので、島の名前は一部変更しました。
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