インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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皆さんお久しぶりです。精神的に参ってましたが、回復したので再び連載を再開します。

では本編どうぞ!


デートの終わりは突然に

それから『ホビーショップSIBUYA』を満喫した後、時間は午後5時。空が夕暮れで赤く染まる中、2人は渋谷駅の前にあったベンチに腰掛けており、今日のデートについて振り返っていた。

 

「今日は楽しかったね」

 

「ああ、そうだな。あちこち回ったし、いろいろ買ったし」

 

そう言って手に持ってる格納領域(バススロット)に閉まってる分以外の荷物を軽く持ち上げる。主に先程買った服や、日用品。そして、重要人物保護プログラムによって離れ離れになった家族への軽いお土産だ。

 

「ねえ、おばさまたちの分、もうこっちの格納領域(バススロット)に入れておく?そっちのほうが楽だろうし」

 

「じゃあ頼む」

 

そして航は家族へのお土産を刀奈に渡し、刀奈はそれを格納領域(バススロット)へと入れる。

それを終えた後、二人はいろんなことをしゃべっていたが……。

 

「それにしても、航に抱きしめられるの……、ちょっとびっくりしちゃった。航があんなに積極的だったの知らなかったな」

 

「っ!?そ、それは、刀奈をお、落ち着かせるためだ。べ、別に嫌らしい気持があってしたわけじゃないぞ!?」

 

顔を真っ赤にしながら弁解する航を見ながら、刀奈はクスクス笑う。先程までの冷静な感じな雰囲気とはまた違いすぎる雰囲気に笑いが止まらないのだ。その後、航の必死の弁論に刀奈は、だた笑っていた。

 

「……だから、って何笑ってんだよ!」

 

刀奈は笑みを浮かべながら「ゴメンゴメン」と言い、軽くわたるの肩によっかかる。

 

「ふふふ、だって航面白いんだもん。そういう反応私、好きよ?」

 

「お、おう」

 

刀奈が真剣そうな表情で言うもんだから頬を赤くして航はそっぽをむいてしまい、いや、よく見たら耳まで赤くなっており、刀奈は航の可愛い反応に

 

そしてベンチに置いてる航の右手に自分の左手を重ね合わせ、航の指を自分の指を絡める。その後刀奈は距離を詰め、航に密着するような形になった。なおこの時に自分の胸が航の腕に当たる様にするのを忘れてはならない。

 

「か、刀奈?」

 

「航……」

 

この時刀奈の顔を見ようと視線を合わせたとき、航の心に何かが響くかのような感覚が走る。潤んだ瞳、ハリと潤いのある唇。頬は赤く紅潮しているため、いつもより色っぽく見えてしまった航は喉をゴクリと鳴らす。

その時、刀奈は目を閉じて、唇を少し突き出す。

 

(こ、これって……)

 

航は顔を赤くしたが、刀奈も耳が真っ赤になってる。これで引くのは簡単だがそれでは男が廃る。

航はゴクリと息をのみ、目を瞑ってる刀奈を見つめる。そして航は唇を刀奈の唇へと近づけ、そして合わさる……という時だった。

 

「あ、ちょ、ちょっと待って」

 

「へっ?」

 

いきなり刀奈にストップをかけられキョトンとする航。とりあえず一回離れてみたとき、刀奈は先程みたいに顔は赤いままだが、どうもあちこちキョロキョロと見て挙動不審だ。あと手は先程まで航の手を結んでたのに、今は自分の股のところに置いてある。

 

「わ、航。ちょっと待ってて。すぐに終わるから」

 

そして焦った表情で駅内へと速足で向かう刀奈。いきなりのことで目を点にする航であったが、いい雰囲気だったのにって思ったのか残念疎な表情を浮かべる。

そして刀奈が駅の中へ消え、航は暇つぶしにスマホを開いて軽く時間つぶししてる時だった。

 

「ちょっといい?」

 

「はい?」

 

スマホから目線を外して声のした方を向くと、そこにいたのは20代で髪の色が黒、茶、金という女性3人だった。航は今時の女性がいきなり話しかけてきたことに警戒をし、若干身構える動作に入る。この時の彼女たちの表情は異様と言えるほどのニコニコの笑顔で、とてもと言えるほどの狂気を感じる。

 

「あなた、篠栗航君?」

 

「そうだとしたら、何なんですか?」

 

「じゃあ死んで」

 

その時だ、航の胸部に銃口が向けられたのは。そして茶髪の女は引き金を引き、銃声が駅前で大きく響きわたる。

 

「がっ!?」

 

弾は航の胸部に直撃し、スローモーションになったかのように航はゆっくりと倒れ、地面に転がる。

 

『きゃぁぁぁ!』

 

『うわぁぁぁ!』

 

それを見ていた周りにいた人たちの悲鳴が一気に響き、あたり一帯は一気に阿鼻叫喚へと化すが、女たちはそんなのを気にしてないかと思えるほど冷静な表情であり、そして狂気に染まったかのような笑みを浮かべはじめる。

 

「これでいいわね」

 

「ええ」

 

「さて、これで団体の命令通りIS男子搭乗者は殺したわ。さっさと撤収するわよ」

 

「「了解」」

 

そう、この女たちは女性権利団体に所属しているのだ。

そして女達が航から背を向けてその場を去ろうとした時だ、航がジリ、ジリ、と仰向けの状態で動いていたのは。

 

「ん?」

 

女の一人が何か変な音がすることに気付き、後ろを振り返ると同時に航の動きは止まる。そして視線を戻して歩き出すと航が動き出し、再び視線を戻すと航の動きが止まる。

そして視線を外したかのように見せて一気に振り返ると、ゆっくり動いてる航と目が合い……。

 

「こいつ、生きてるぞ!」

 

「やべっ!」

 

航は一気に起き上がって、女たちに背を向けて一目散に走り出す。先程銃を持ってた女以外にもう2人は銃を取り出し、航目掛けて撃ってきたのだ。だが素人なのか、殆ど航に当たらずせいぜい頬などを掠める程度。

そして航は人ごみを見つけ、その中に入り込む。航が走りながら人ごみに入り込んだため怒声が起きるが、航はそれを気にする暇はない。

女たちは人ごみの中で銃を撃つもんだから、関係ない人たちが撃たれてしまい、あちこちで悲鳴が上がる。その光景はまるで無差別殺傷事件ともいえる光景で、まさに地獄絵図だ。

 

「俺が、何をしたっていうんだよ!」

 

航はその中をひたすら走っており、誰かとぶつかろうともそれを気にしてる暇はない。ただ、後ろから聞こえる銃声から逃げるだけだった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……。疲れた……」

 

あれからどれくらい走っただろうか。航は完全に息を切らしており、壁に寄りかかって肩を上下させながら呼吸をする。

現在いるところはどこかの路地裏の入口から入って10メートルほどで、表は悲鳴とパトカーのサイレンが鳴り響いてやまない。結局先程の女達が何者かわからなかったが、とりあえず撒いたことに安心をし、一息を着く。

その時だ、自分のスマホから着信音が鳴ったのは。

 

「っ、まさか!」

 

航は急いでポケットからスマホを取り出して画面を見ると、『刀奈』と書かれた通話待機画面になってたのだ。恐らく駅前におらず、さらに警察とかが動いてるから電話をかけてきたのだろう。だが今は、まさに蜘蛛の糸を見つけたかのような安心感があり、

 

『航!いったいどこなの!?駅前にはいないし近くの道路には怪我人と警察がたくさんだし!』

 

刀奈の言葉には不安や焦りなどが感じられ、航は何か言おうにも現状が大事だ。そのため助けを呼ぶことにする。

 

「か、刀奈、聞いてくれ!何かいきなり20代の女たちに銃を向けられていきなり撃たれたんだ!機龍を懐にしまってたから偶然助かったけどさ。とりあえず助けてくれ!」

 

『っ!?わ、わかったわ。現在地は……あ、蒼龍を使って機龍の場所を探知すればいいから……。よし、場所は分かったわ。とりあえず現状そこを動かないで。いい?』

 

「わかった。けど「見つけたわよ!」げっ!?」

 

その時だ。先程の女たちが路地裏の入口に銃を持って立っていたのだ。航はジリジリと足を動かして後ろに下がり、女たちは距離を詰めるように歩み寄る。

 

『航!?どうしたの!?』

 

「刀奈、早急に来て。現状命的にやばい」

 

『え、どういう「じゃあ切るから」ちょ、待ちなさ』

 

そして航は通話終了を押し、そしてスマホをポケットへと入れ込む。普通なら通話中に襲い掛かるものだろうが、何かしらの余裕だろうか、普通に会話する時間を待つなどの訳の分からない行動を見せてるのだ。

だが、今はそれをしてくれてありがたい。航は助けを呼んだため、先程より少し冷静な態度で女たちを睨みつける。

 

「で、話は終わったかしら?まあ、答えは聞いてないけど」

 

真ん中に立ってた茶髪の女は、銃を航に向け、そして微笑みかける。普通にきれいな微笑みだが、銃があるため普通に狂気の笑みに見える。航は機龍を展開しようとしたが、決められたところ以外での使用は禁じられていることを思い出し、一瞬だけ纏おうとして出した量子を消してジリジリと後ろへ下がる。

 

「さて、さっさと死んでくれない?じゃないとこちが困るから」

 

「どう困るんだよ」

 

「だって男がIS使えると今の地位が消えちゃうかもしれないし。だから死んでもらった方が都合がいいの」

 

「じゃあ一夏はどうなる?」

 

「彼は千冬様の弟だから手は出さないわ。手を出したら上に消されかねないし」

 

そう言ってワザとらしく震える女。この時他の女たちも銃を構えてきたため航はゆっくりと気付かれない様に後ろに下がり、どこかのレストランのゴミ捨て用のだろうポリバケツがあったため、その縁を気付かれない様に掴む。それなりに重かったが、持ち上げられない重さではない。

女たちはそれに気づいておらず、そして引き金に指を掛ける。そして

 

「じゃあもう死んでね」

 

「だが断る!おらぁ!」

 

「「「キャア!?」」」

 

 

航は後ろにあったポリバケツに、力一杯こめて女たちの方へ向けて投げる。ポリバケツは生ごみなどの中身をまき散らしながら女たちの方へ飛び、女たちはいきなりのことで驚いてしまい、明後日の方向に銃を乱射してしまう。

その隙に航は一気に振り返って路地裏の奥深くへと走り込み、どうにか冷静になった女達はそのあとを追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

ここは航と女たちが入り込んだ路地裏のずっと奥。そこはコンクリートに囲まれた小さな広場のようだ。その中心にいかにも壊れて使えない噴水を出す装置があるが、なぜかありえない量で水が噴き出ている。

そこに7体、その拭き出す水を浴びる黒い影、メガヌロンが蠢いていた。7体のメガヌロンはお互いに顔を合わせ、何か話し合ってるようにも見える。

 

 

「キィィ」 ー餌が来たー

 

 

「カカ、キキキ」 ー数は?ー

 

 

「キリリリ、カカ」  ー4体だー

 

 

「キィァ、クララ」 ーどうする?-

 

 

「ギィァ、キリリ」 ー喰らうぞ、王を進化させる力を得るためにー

 

 

『キリリィィ』 ーわかったー

 

 

「キガガ、ギリ」 ーところで餌が通る道はー

 

 

「ガガガ」 ー水で溢れさせたー

 

 

「カッカッカ」 ーならばいいー

 

 

そして奴らは動き出す。あるものは壁を勢いよく登り、あるものは近くのマンホールの蓋を破壊して下水溝へと入り込む。

目指すは入り込んでこの迷路に迷う人間たちのいるところへ。

そして闇の中に、緑色の目が溶けていくのであった。

 

 

 

 

そのころ刀奈は、航が入り込んだ路地裏の入口目指して全速力で走っていた。周りは救急車やパトカーがたくさんおり、途中途中で従者の者を見つけたため、彼らに現場のことを任せて自分は航を探しにひたすら走っていた。

 

「くっ、私の失態ね。まさかこんなところでテロ紛いなことするなんて……!」

 

女性権利団体。まさか男1人のためにここまでしてくるとは思ってなかった刀奈にとっては寝耳に水な出来事であり、ここまで被害を大きくしてくれることにいら立ちを感じる。

そう思ってる間に目的地が見え、刀奈は足を止める。

 

「ここね……」

 

そして航が入り込んだ路地裏の入口に立った刀奈は機龍の現在地を見て、軽くため息を漏らす。

 

「ここ、確か怪物が出るんだっけ……。いくら楯無と言ってもこういうの苦手なのに……」

 

現時間は午後5時半。日は傾き、空が茜色に染まってるせいで路地裏に出来る影の陰影が道への空間への入口に見せる。

刀奈はそう呟きながらも、この路地裏へと入り込むのであった。




そして始まる生きるための戦い。


生き残るのは、誰だ。
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