インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍 作:妖刀
では本編どうぞ
あれから連休は終わり、一夏は教室で朝のホームルームを待ちながら箒、鈴、セシリアの自分あわせて4人で今回の休み、何をしていたかを話し合っていた。
「でさ、一夏がこの後ガンダム……だっけ?その曲を歌ってたんだどさ~」
「いや、別にあれ歌ってもいいじゃねえか。あれの主人公、俺と声が似てるんだぞ」
「一夏さんみたいにイケメンなのでしょうね」
「え、俺がイケメン?はは、そりゃないだろ」
(((うわ~、全く気付いてないわ~)))
教室にいた女子達も一夏の言葉に固まっており、先程まで話していた、箒たちも軽く呆れかえっている。一夏は周りの反応が不思議に思ったのか首を傾げており、ある意味平常運転だ。
「それにしても航、来るの遅いな。食堂にも顔出さなかったし」
「どうせ寝坊でもしているのだろう。全く」
「まあまあ箒さん、そう言っても結局何なのかわかりませんから、そう言わなくてもいいんじゃないんですの?」
まあそうだがと渋る箒。その様子を苦笑いで見ていた一夏は、自分の方に数人女子が寄ってくることに気付く。
「ねえねえ織斑君!織斑君の使ってるISスーツってどこの?見たことのないやつだけど!」
「え、いきなり何なんだ?」
「実はね……」
それで一夏はこの経緯の説明を聞き、
「なるほどな。ああ、俺のは何でも特注品らしい。男のスーツがないからどっかのラボが作ったって。たしか……イングリット社のストレートアームズモデルってことだそうだ」
「へ~」
それを聞いた女子達は納得したのかうんうんと頷く。一夏はまあ言えたことからなのかほっとした表情を浮かべている。
「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知することによって、搭乗者の動きを……」
この時いつの間にか教室にやってきた真耶がISスーツの説明をし、その後生徒たちに弄られるところを見て何か和んでいた一同だったが、チャイムが鳴ったため鈴は急いで2組へ戻り、1組も一斉に席に着く。そして千冬が入ってくるのを待つが……。
入ってこない。いつもならチャイムが鳴ってすぐに千冬が入ってくるはずだが、入ってこないのだ。それ生徒全員が疑問に持ち、少し騒めき始める。
「はーい、静かにしてください!織斑先生は急な会議で遅れてきます!……ふぅ。さて今日のホームルームですが、皆さんにいい知らせです。転入生が2人入ってきます!」
『ええ!?』
いきなりのことで声を上げる生徒たち。そして教室の扉が開き、中に入ってきたのはズボンをはいた金髪の男子生徒と銀髪の女子生徒だった。
「え、男……?」
この時一人がそう呟く。
背は160もなく、体格もすらりとしている。髪はまあまあ長くて後ろで束ねており、顔は中立的ていうだろうか。
「シャルル・デュノアです。自分と同じ境遇の男子がいると聞いてやってきました。いろいろ拙いところもありますが、これから1年間よろしくお願いします」
そして綺麗にお辞儀をしたあと、教室はシンとしており、ダメだったかな?とシャルルは首をかしげるが……、それは突然のことだ。
「きゃぁぁぁぁあ!!!!」
いきなりの黄色い悲鳴で耳を塞ぐシャルル。なお一夏はすでに耳栓をしており、またか、という表情を浮かべている。
「3人目の男子来たぁぁぁ!!」
「来た!これで勝てるわ!」
「これでデュノア君×織斑君、いや……」
何かいろいろ言ってるが、シャルルは理解していないのか首をかしげる。一夏はとりあえず先程より音量が小さくなったかを確認し、恐る恐る耳栓を取る。どうやら声は先程より小さくなってるおかげか、安堵の息を吐く一夏。
「みなさーん。まだ自己紹介は終わってませんからねー!」
そう言って周りの視線を再び教卓の方へと向け、シャルルの隣に立っている銀髪の女子へと視線を向ける。身長は低いが眼帯をしており、少し近寄りがたい雰囲気をさらしだしている女子は、鋭い目つきで教室を見渡した後、
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。日本には怪獣が現れると聞いてやってきた。以上だ」
「えっ」
真耶が小さく驚きの声を漏らす。一夏よりマシだろうが、さすがに短い。それでまだ何かないか聞こうとすると、ラウラが先程みたいに鋭い目つきで睨みつけてくるため、真耶は怖くてすくんでしまったのかもうこれ以上何も言わない。
その時ラウラは一夏の元へ歩き、そして一瞥した後に見下した目で一夏を見る。
「はっ、お前が教官の弟か。こんなのがあの人の弟とは情けないな」
「何だと?」
会うたびいきなり鼻で笑われ、眉間に皺を寄せてラウラを睨みつける一夏。だが全く怖くないのか、ラウラは再び鼻で笑い、真耶に言われた席に着く。シャルルもすでに席に着いており、ホームルームは再開される。
「ったくいきなり何なんだよ……」
一夏はそう呟き、小さくため息を漏らす。あの言い方からして千冬の知り合いと察した一夏は、何か嫌な予感を関したのか体をブルリと震わせる。
「せんせー、そういえば篠栗君がいないんですけどー」
その時一人の女子が気付いたことを話す。現在朝8時37分。すでにホームルームがあってるとあって遅刻は確定している。今までこんなことがなかったため聞いたのだろう。
「そういえば私も聞いてないですね……。誰か聞いてませんか?」
そう言って真耶が周りを見渡すが、だれも知らないのか全員が少し眉をひそめており、それを知った真耶は困り顔を浮かべる。
さてどうしようかと思った時、教室の扉が開いた。黒のスーツにキリっとした表情。織斑千冬だ。
「諸君おはよう」
そして千冬が遅れながら入ってきて、全員がきちんと挨拶を返す。そして教卓のとこに来た千冬はいつも通りながらも少し苦い顔をしており、全員がいったい何なのだろうかと少し疑問に思ってると、何か決したのか千冬が覚悟を決めたかのような表情で口を開く。
「さて、先程までいい知らせで舞い上がってたみたいだが、とても悪い知らせがある。まずは篠栗が生死不明の重傷を負った」
それを聞いた生徒たちは一気にざわめく。この時一夏は驚きの表情ととに千冬に掴みかかって聞こうとするが、頭を出席簿で叩かれて沈黙する。そして席に戻る一夏。
「だまれ。そしてその犯人……もとい原因がわかった。……怪獣と思われる巨大生物が渋谷に出現した」
先程よりざわめきが大きくなった。この40年間、守られていた怪獣からの平和がついに破られるのだ。
そして続けるかのように千冬は口を開く。
「現在家城先生が手に入れた情報を元に生体、弱点等を探ってる。あと自衛隊の方も住民の避難を主にし、巨大生物の殲滅を視野に活動を開始するそうだ。なお
そういえば燈がそんなことを言ってたことを思い出す生徒たち。あのことは冗談と思ってたのか、ほとんどの生徒たちが顔を真っ青にしており、からだがカタカタ震えてる。
一夏は、少し体が震えていることに気付き、
「さて、話が長くなったな。この後は2組との合同授業があるからすぐに着替えて第二グラウンドに来るように。あと織斑、デュノアを更衣室まで案内しろ。以上だ」
そして教室を出て行く千冬と真耶。周りは先程の報告に戸惑いを隠せないままで、ざわざわとうるさい。男はさっさと更衣室へと移動しなければならないが、一夏は先程の報告を聞いていまだ呆けたままだ。
「あの、お、織斑君!」
「ん?あぁ。えっと」
この時、一夏はいきなり話しかけられたことで再起動し、超えのした方を向くと、そこにいたのは若干困り顔を浮かべてるシャルルであった。
「あ、うん。僕の名前はシャルル・デュノア。でさ、早く案内してくれないと、周りが……ね?」
シャルルがチラリと横を見ると、すでに女子が着替え始めようとしており、一夏はやばいと思って急いでシャルルを連れて教室を飛び出す。
そして手をつないだまま走ってるためシャルルの頬は赤くなっており、一夏は何で赤いんだと思いながらも走るのをやめない。
「えっとなんでいきなり走るの?」
「今それは後だ。……来たぞ!」
『待ってー!織斑くーん!デュノアくーん!』
「いぃ!?何あれ!?」
後ろからは大量の女子の群れ。それを見たシャルルはそのあまりの多さに驚き、足がもつれて倒れそうになるが、一夏に支えられて再び走り出す。シャルルは一夏の走る速さに追いつけてないのか、途中でこけそうになるもなんとか付いて行く。
そして女子達との距離はどんどん広がっていく。
「あーん、二人とも待って~」
「はぁはぁ、あれが男での友情ね」
「いいわいいわ、筆が進むわ!」
何か危ない人たちがいるも、とりあえず更衣室が見えたため残りラストスパートを全速力で駆け、飛び込むかのように入る2人。肩を上下させながらも時間は授業開始の15分前で、十分時間がある。
とりあえず息を整えた2人は改めて自己紹介することにした。
「改めて俺が織斑一夏だ。一夏と呼んでくれ」
「僕はシャルル・デュノア。シャルルでいいよ」
「そうか。ならシャルル、これから男子3人、よろしくな」
「うん♪……うん?男子3人?」
この時シャルルは航のことをすっかり忘れており、3人という言葉に首をかしげる。
「まあ今はここにいないけど、航がいるんだけどな……。いったいアイツに何があったんだ……?」
一夏は腕を組んだまま何かぶつぶつ言っており、シャルルはそれを聞こうと耳を立てるが、いまいち聞こえない。だがそんなことをしてる間に時間が過ぎ、いい加減に着替えないとやばい時間だ。シャルルはそのことを一夏に少し焦りながら伝え、そして着替え始めるが。
「あのね、僕が着替えるときは後ろを向いたままでいてほしいんだ」
「へ?なんでだ?」
「いや、そのね。ぼ、僕にもいろいろあるんだよ!」
顔を赤くして言うシャルルに疑問を持つ一夏だが、まあ仕方ないかと思い、とりあえずお互い背中合わせで着替えることにする。
そしていつもながら着替えにくいと思いながらもせっせと着替え、そして向こうも終わっただろうと思って振り向くと、そこには今終わった仕草をするシャルルがいた。
「ちょうど着替え終わったか?」
「うん」
「そうか。……ん?そういやシャルルのISスーツ、着やすそう形だな」
「これ?デュノア社のオリジナルでなんだ。ベースはファランクスなんだけど、殆どフルオーダー品かな」
「へ~。ん、デュノア?そういやシャルルの名字って……」
「うん。僕の父親が経営してる会社なんだ」
社長息子かと軽く驚く一夏。だがシャルルの表情が若干暗いことに気付き、このことはもう触れない方がいいなと思ってどう話題を振ろうか考えていた時だ。
「ってやべえ!もうこんな時間じゃねえか!シャルル!急ぐぞ!」
「う、うん!」
時計の針が授業開始5分前を指してたことに気付いた一夏は、さっさとシャルルを連れて目的の第二グラウンドへと向けて走るのであった。
そのころ、ここは国会議事堂の会議室。ここに10数名の政府の役人たちがそろっており、男女で別れた席でお互いに意見がぶつかり合っていた。
「だから何で普通科なんかとの混合編成で出ないといけないのよ!」
「言っただろ!相手は数が分からん以上にISでも不安が残る!だからこっちも数を増やしてカバーするって言ってんだろうが!」
「そんなの必要ないって言ってるでしょ!」
「ちゃんと話は聞け!この資料は読んだのか!?」
お互いに意見がぶつかりあっているが、女達は男たちの意見に首を縦に振らない。
ここにいる女達は大半が女性権利団体に所属しており、おかげで意見が一致せず、常に平行状態となっており、この時奥にいた白髪交じりの少し細めの男性が小さくため息を漏らす。
「はぁ……。そんな下らんプライドとか疲れるな……」
「あぁ?何か言った?」
この時奥にいた男性、中條瞬はメンチを切ってきた30代半ばの女に対して軽く睨み返す。
「だから下らんプライドが疲れると言ったんだ」
「それはどういうことだ!?」
全く理解してない女たちに対して瞬は手元にあった資料を手に取り、
「現在IS男子搭乗者の片割れである篠栗航が意識不明の重傷を負っており、日本国家代表である更識楯無がその怪獣、もとい巨大生物に対して攻撃を加えるも場所の関係上有効打を与えることができず「そもそもそんなので怪我するぐらいならさっさと殺」すみませんがだまってください。っとどこまで読んだかな。えーと」
その後最初の方で配られた資料の内容を淡々と言い、男女構わず訳のわからんことを言ってくる輩を一喝して読み進める。
「……というわけです。分かりましたか?」
そして会議室は誰も何も言わない。女達は何考えてるのか分かんないが、男の方も何考えてるのかは分からない。
ただ、瞬には両方が何かよからぬことを考えてるのであないかと勘ぐってしまう。それほど静かで、自分を全員が見つめているのだ。
だが終わる予定の時間になってしまい、一斉に座っていたのが腰を上げて出て行く。そして誰もいなくなった会議室で瞬は一人席に着いてる。
「これでは埒が明かんな。さて、どうしたものか……。こっちの権限で特自を動かせないことはないが、団体の連中が何言ってくるやら……」
今まで書いた小説でも未開の地に入り込みました。自分の書いてるやつで金銀コンビが出てくるのこれが初めてですね。
あとラウラだけど、軍人なら怪獣に少しは興味を持ちます……よね?
では感想、誤字羅出現報告待ってます。