インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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昨日熊本で開催されてる特撮博物館に行ってきました妖刀です。もう感想はすごく感動したの一言ですよ。とりあえずこれのことを語っていたら長すぎるのでまた今度ですがとりあえず本物のジェットジャガーの頭があるのは驚いた。

では本編どうぞ!


授業とお昼と影

「遅いぞ、織斑、デュノア」

 

「「す、すみません!」」

 

一夏たちは息が上がりながらもあれから急いで走ったが、授業がすでに始まっており、全員が2人の方を見ているため遅れたことが恥ずかしいのか二人とも顔が赤い。

周りはこれでくすくす笑っており、すこし居心地悪いが自分の座るところに座り、教員たちの説明を聞くことにする。

この時、一夏は肩を軽く叩かれ、そして振り向くとそこには鈴がいた。鈴は若干不機嫌そうな顔をしており、一夏は苦笑いを浮かべたままだ。

 

「ねえ、なんでこんなに遅れたのよ」

 

「いや、シャルルが来て女子達に追いかけられたのと、着替え戸惑っただけだ」

 

「それにしては遅いじゃない」

 

「女子達に追われたら結構体力消費するんだからな?」

 

その後「ふ~ん」と言われて、そっぽを向かれた一夏は軽くため息を漏らす。そもそもあの数で追われる時の精神的恐怖はすさまじく、アレに捕まるとどうなるか分かったもんじゃない。

そして再び溜息を吐くと、今度は心配そうな表情のセシリアが詰め寄ってくる。

 

「一夏さん、大丈夫ですの?」

 

「まあ大丈夫だよ。そう言ってくれるセシリアは優しいなぁ」

 

「あらやだ。もう一夏さんったら」

 

セシリアは頬を赤くして、体をくねくねとさせてるが、一夏はなんでこうなったのか見当もつかないため首を傾げてる。

 

「さて、本日から格闘および、射撃を含む実戦訓練を始める」

 

この時千冬の声がしたため会話を中断し、一夏たちは声のした方を向く。この時1組と2組の2つのクラスの生徒がいるため、奥まで声を届かせるつもりなのか、いつもより少し声が大きい。

だがいったい何をするのだろうか。それが分からないため、周りは少し騒めく。

 

「黙れ。まあ今日は戦闘の実演をしてもらう。オルコット、凰、前に出ろ」

 

「え、なんで私!?」

 

「わたくしですの!?」

 

「出ろ」

 

「「はい……」」

 

千冬の若干ドスのきいた声で動かし、そして不満そうな顔で出る2人。なぜ自分たちなのか、それを聞くと

 

「専用機持ちの方がさっさとはじめられるからな」

 

確かにそうだが、何かが不満なのか二人からはやる気を感じず、千冬は小さくため息を吐いた後、2人の耳に小さくつぶやく。

 

「一夏にいいところ見せられるぞ」

 

「よし!ならばやってやろうじゃないの!」

 

「ここは代表候補生の出番ですわね!」

 

いきなりのテンションが上がったことに、目を点にする生徒たち。

 

「で、誰が相手なの?別にセシリア相手でも構わないけど」

 

「あら、別に貴女でもいいですのよ?」

 

「待て2人とも。お前らの相手は……来たか」

 

この時上空から空気を切り裂く音が聞こえ、全員は空を見上げるとそこには、モスグリーンのラファールリヴァイブが地表目掛けて来ている。そして地表に近くなると体を反転させて勢いを殺し、足をゆっくり地面に着けて着地をする。

だがこの時全員は搭乗者の顔を見るなり、驚きの表情を浮かべてその人物の名前を叫ぶかのように呼ぶ。

 

『山田先生!?』

 

「ん、皆さんどうしました?」

 

そう。ラファールリヴァイブに乗っていたのは、1組副担任である山田真耶なのだ。全員はまさかの搭乗者に驚きの表情のまま固まっており、困った表情を浮かべた真耶が千冬の方を向くと、小さくため息を吐いて千冬は出席簿を叩いて全員の意識をこちらに向ける。

 

「では2人には山田先生を相手にしてもらう」

 

「「へっ?」」

 

この時2人はまさかのことに固まる。いや、他の生徒たちも固まっており、ほとんどがキョトンとした表情を浮かべてる者しかいない。

まあ今までの真耶の行動を顧みると、どうしても強いようには見えないため、どうしても戸惑いが生まれてしまう。

だが千冬はそれを読んでたのか口元はニヤリと笑っており、誰もこのことに気付いていない。

 

「まあそうやっていろいろ言ってろ。こう見えても山田先生は日本の代表候補生だったんだ。だからお前ら2人ぐらいなら簡単にいなせる」

 

そう言われて頭に来たのか、セシリアはムスッとした表情を浮かべるが、鈴は真耶を見て若干警戒をしている。まあ、無人機が襲来したときの教員の対応を近くで見たとあって、真耶も例外ではないのだろうと考えてるのだ。

真耶は2人の表情を見たとき、若干顔を青くして千冬の方を涙目で向く。

 

「ちょ、織斑先生。そう煽ったら……」

 

「実際は大丈夫なのだろ?」

 

「いや、その……」

 

こう話してる間に生徒たちはすでに大きく離れており、鈴は青龍刀の柄同士を繋いで片手でぐるぐる回しており、セシリアはスターライトmk-Ⅲを構えて2人ともすでに戦闘体勢が整っている。

 

「いや、その、2人とも……?」

 

「先生早く始めましょう」

 

「そうしないと時間の無駄ですわ」

 

「……わかりました。では始めましょうか」

 

諦めたのか真耶はため息を漏らして、真剣な表情で2人を見る。今まで見たことない顔に鈴とセシリアは少し驚きの表情を見せるが、こちらもお互い真剣な表情で自分の得物を構える。

真耶は右手にサブマシンガン、左手にはアサルトライフルを展開する。

 

「では、始め!」

 

そして千冬の掛け声と共に鈴とセシリアは一気に上空へと上がり、それを確認した真耶は少し遅れて上空へと飛び立つ。そしてセシリアはスターライトmk-3で真耶に牽制を掛けながら、ずっと練習してできるようになったビットの同時使用で真耶に攻撃を仕掛けるが、真耶はそれを最小限の動きで回避し、ライフルを撃って自分の動いてほしい方向へと誘導する。

その時、鈴が青龍刀を投げてきたため真耶はサブマシンガンの弾を連続で当てて勢いを殺し、薬指と小指の間に持ってた柄付きハンドグレネードを鈴目掛けて投げる。

 

「そんなの利かないわよ!」

 

鈴は龍砲でハンドグレネードを弾き飛ばし、そして龍砲を連射して行くが真耶には1発も当らない。セシリアもビットを飛ばすが全く当たらず、お互いにイライラが募り始める。真耶は攻撃を一切掠らせずにこちらを的確に攻撃してくるため、いい加減に頭に来た鈴は、青龍刀の柄を分離させて二刀流にする。

 

「あーもう!いい加減に当たりなさいよ!」

 

「あ、鈴さん!?」

 

鈴は青龍刀を両手に構えて真耶に突っ込み、そして二刀流を駆使して切りかかるが全く当たらず、時折近接ブレードを使って受け流していく真耶。

その光景は下の安全なところにいる生徒たちを驚かせるには十分な事だった。

 

「さてこうしてる間だが、シャルル、山田先生が使ってる機体の説明をしろ」

 

「あ、はい」

 

空中の戦闘を見ながら、シャルルは機体解説を始める。

 

「山田先生が使ってるのはデュノア社開発の『ラファールリヴァイブ』です。第二世代後期の機体ですが、その機体スペックは初期世代第三世代型にも劣らず、安定した性能と高い汎用性、豊富な後付武装が特徴の機体です」

 

「いや、もういいぞ。上ももうそろそろ終わりそうだしな」

 

千冬がそう言った後、上では真耶優勢で事が進んでいた。二人の様子は息が上がっており、肩を上下にしながら呼吸をしている。

 

「くっ!教師ってここまで強いの!?」

 

「ここまで当たらないとなると……!」

 

2人は先程から近接、遠距離からの攻撃を仕掛けるも真耶に全く当たらずにイライラも溜まっており、攻撃がドンドン雑になっていく。だがそれを見逃す真耶でなく、グレネードを数発放って爆風も利用して動かしたい方向へ2人を動かす。その結果

 

「鈴さん!?」

 

「嘘っ!?」

 

お互いの機体がぶつかってしまい、動きを止めてしまう2人。そこに真耶はグレネードを射出し、近接信管で起爆しようとした時だ。

 

「セシリア!回避を!」

 

「え、ええ!」

 

そして起爆するギリギリでスラスターを吹かして別方向に逃げる2人。だが真耶はそれを予想してたのか、とあることを2人の近くに仕掛けており……。

 

「えっ」

 

「嘘……」

 

どっちがどっちを言ったかわからない。ただ二人は目の前には、いつの間にか投げられていたハンドグレネードをただ見てるだけだ。

恐らく逃げる方向を予想して投げたのだろう。だがそれが絶対その方向に行くとは限らない。だが真耶はそれを見事に当てており、セシリアと鈴はただそれに驚きを隠せず、一瞬の刹那、真耶の顔を見る。

その眼は真剣そのものであり、舐めかかった自分たちとは全く違うものであった。

そして2か所が爆発し、その煙から2人が墜ちてくる。その後墜落してISを解除した後に二人はとても落ち込んでるのか、俯いたままだ。まあ、いつもの真耶を思い浮かべて舐めかかった結果がこれだから無理ないだろう。

 

「これで諸君も教員の実力を理解できただろう。以後は敬意をもって接するように」

 

『は、はい!』

 

その後生徒たちを訓練機に乗せて歩かせるという授業があり、専用機持ちを班長に別れろと千冬は言うが、生徒は男子搭乗者である一夏とシャルルの所へと大勢が集まったため、教員たちは溜息を吐いて千冬が一喝し生徒たちを分けさせる。

その後生徒の1人がISを立たせた状態で下りてしまい、一夏がお姫様抱っこでコックピットまで運んだせいで一夏の班の他の子たちが立たせたまま下りるというハプニングが起きたが、他は特にどうということはなく授業は終わるのであった。

 

 

 

 

そして昼休み。学園の屋上には一夏、箒、鈴、セシリア、シャルルの5人がおり、それぞれが手に弁当を、いや、シャルルは購買で買ったパン類を数個持っている。

 

「あはは、僕がここに来てもよかったのかなぁ……?」

 

「仕方がないことですわ。さすがにあれを見たらこっちも同情してしまいますし」

 

一体何があったのかというと、。今から約10分ほど前、一夏の周りには箒、鈴、セシリアがおり、全員が手に弁当箱を持って睨みあっていたのだ。

 

「一夏は私と昼食を食べるのだ!」

 

「何言ってるの。私の酢豚を食べさせるのよ」

 

「いいえ。私の作ったサンドイッチを食べさせてあげるのですわ」

 

「「「ぐぎぎぎ……」」」

 

完全に睨みあい状態になっており、一夏はこの状況をどう打破しようか考える。

とりあえず変な事言うとボコボコにされるってのは航からの忠告で覚えている。だがこの状況で何か言わないとどう見てもやばい雰囲気だ。

 

「「「一夏(さん)!誰と食べたい(ですの)!?」」」

 

「え、えっと……。と、とりあえず一回ここ離れようぜ。周りが迷惑してるみたいだしさ」

 

周りにいる女子達はいつもの光景を呆れたかのような目で見ており、通路の場所を取りすぎてるせいか通る生徒が嫌そうな顔をする。それに気づいた3人はとりあえずどこに移動するか話し合い、そこに一夏を連れて行こうとするが、この時大量の足音が聞こえる。

 

「ちょ、ちょっとまってくれるかなぁ!?」

 

「うおっ、誰だ!?……何だ、シャルルか……」

 

いきなり声がしたため一夏たちは驚いて周りを見渡すと、目の前の曲がり角から現れたのは額に汗を浮かべ、肩を上下させて息をしてるシャルルだ。彼は何かに追われてるのか、顔を次第にきょろきょろと動かしており、安心したのか安堵の息を吐く。

だがいったい何があったのか、少し不安になった一夏はシャルルの顔を見るが、シャルルは大丈夫という表情を見せる。だが一夏はとりあえず何があったのか聞きだすことにする。

 

「いったい何があったんだ?」

 

「いや、ちょっと『デュノア君はどこー!!??』やばい、来た!ちょっと隠れさせて!」

 

「え、ちょ!?」

 

シャルルはごめんと一言謝って女子3人の後ろに隠れる。背丈が箒より低いせいもあってか後ろに入れば全くわからず、せいぜい鈴のいるところからのぞかれたら一巻の終わりというところか。

その時、奥の方から大量の女子達が現れる。彼女たちの目はギンギンと血走っており、もう獲物を追う獣というほどだろう。あまりの光景にドン引きする一同だが、それをかまわず、一人の女子が一夏に血眼で詰め寄る。

 

「ねえ、デュノア君見なかった?ハァハァ」

 

「た、確かそこの階段を下に行ったような……」

 

「そう、わかったわ。皆!下に行くわよ!」

 

『おー!!』

 

そしてドドドと足音を立てながら階段を勢いよく下りていく女子達。そして足音がドンドンと遠くなり、そして足音が完全に聞こえなくなるとシャルルは安心しきった表情で出てくる。

あんなのに追われてたのか……。全員はシャルルに同情のまなざしを送り、シャルルは「え、どうしたの?」と困惑しきった表情で一夏たちを見る。

この時4人はシャルルが手にパン類を持ってることに気付き、とりあえずどうするか4人お互いに顔を見合い、結果的に。

 

「なあ、俺らと屋上で食うか?」

 

この一言で5人で屋上で食べることになったのだ。

そして5人は自分の持ってる弁当類を食べだすのだが、とりあえず話題が何もないから全員無言で食べてるため、何か話題がほしいのだが何もない。一夏は何を話すか考えてたが、この時シャルルが口を開いた。

 

「そういえば篠栗君ってどういう人物なの?」

 

「あ~、航は普段は優しいけど人外?あと怒らせると本気で怖いわね」

 

「鈴それ本人の前で言うなよ。怒られるから」

 

「わかってるわよ」

 

「「人外?」」

 

この時シャルルとセシリアが首を傾げる。箒は航のことは一応知ってるからなるほどとうなずいており、一夏と鈴はその説明をする。

 

「まあ俺らが中学の頃だったんだけど、あの時は航が本気でキレた時だったな……」

 

「あれは凄かったわね。航、数階上から落とされた机が頭に直撃してたもん。あれの重さって確か20キロぐらいだったかしら?」

 

「「「直撃!?」」」

 

全員が大声で驚く。まあそんなのを聞いて驚かない人はそうそういない。だが話はまだ始まったばっかりなのだ。

鈴は先程より喋り方のトーンを落として再開する。

 

「普通なら死んでてもおかしくないんだけど、航はこの後立ち上がったのよね。頭から大量に血を流しながら。そして数分後に教室に入ってきたのよ」

 

「その後は机を落とした首謀犯を顔の骨格が変わるんじゃないのかってほどに殴ってたんだ。あのときの犯人、もとい男女混じった数人は血祭りにあげられてたな」

 

この時周りから「ひぃ……!?」という声が聞こえたが、一夏は一拍おいて話すのを再開する。ただ先程と違って表情はとても険しく、聞いてる全員が心配そうにするほどだ。

 

「ただ俺は見たんだよ。あの時の航の顔を……。箒、三白眼って知ってるか?」

 

「わ、私か?え、えっと……確か瞳が普通の人より小さいんだったか?」

 

「正解。それでキレたときの航の目、ほぼ白目だったんだ。いや、厳密に言うと極端な三白眼で、瞳が点でしかなかったんだよ」

 

「もうあれは遠目で見ると白目状態にしか見えなかったわ」

 

思い出したのか体をブルリと震わす鈴。一夏も若干顔が青くなっており、それを見たセシリア、箒は訳が分からず困惑する。

 

「え、えっと、篠栗君って怖いの……?」

 

シャルルは先程聞いたことのせいか、恐る恐る一夏に聞くが、一夏は首を横に振って苦笑いを浮かべる。シャルルは首を回して他の人の表情を見るが鈴は一夏と似たような表情で、箒は全く知らないのか、自分と同じく首を傾げたままだ。セシリアはそもそも航と出会ったのは学園が最初だから全く知らないため、首を横に振って不定する。

 

「いや、基本的には優しいからな。小中学校の時は普通に勉強で分からんとこ教えてくれたりしてくれたし。あと俺と鈴と航、他に数人混じってよく遊んだしなというより、そうなった原因はとある子を庇った結果だしな」

 

「へ~」と少し驚いた表情でいうシャルル。一夏と鈴の言葉からして、決して悪い人物ではないと思えてきたが、ただ

 

「あと航には禁句ワードがあるからそれを言ったらキレかねないから注意したほうがいいわよ」

 

いきなり何を言い出すのか。聞いてた一夏以外はそう言う顔をするが、鈴の表情は真剣そのもので、とりあえず聞くことにする。それは数個しかなかったが、聞いた箒が若干驚いた顔をしており、

 

「鈴。そいつってもしかしてだが「言わないの」わ、わかった……」

 

いまいち納得いかないと顔をしかめる箒だが、この時授業開始前の余鈴が鳴ったため、5人は急いで教室へと戻るのであった。だが、シャルルは途中で立ち止まり、窓から外を見ながら誰に言ってるのか分からないが、口を小さく動かす。

 

「どうしよう……。お父さんが言ってた対象がいないんだけど……。まあ、とりあえず白式の情報を手に入れないと……。」

 

「シャルル!早くしないと遅れるぞ!」

 

「う、うん!今行く!」

 

そしてシャルルは一夏たちを追いかけるのであった。




山田先生からISに乗った時のドジ要素を引っこ抜きました。そもそもISのメッカである日本の代表候補生をしてるのに、ドジでいなければならないのか。それが俺には分からない。



あと更新が2週間に1回になりそう……。だけど書くのはやめませんからね。
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