インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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初めましての人は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。妖刀です。
就活やテスト、その他諸々合って更新が大幅に遅れてしまって申し訳ありません。これからも更新は超不安定ですが銀龍のことよろしくお願いします。



では本編どうぞ!


怪獣学 7

現在午前6時。目覚まし時計のならぬ部屋の中で、航は何かの圧迫感を感じ身じろぎをする。それは顔に2つの柔らかい何かが押し付けられているが、呼吸は問題なくできている。そして何より安心感を感じたが、流石に圧迫感の理由が知りたくなったため、重い瞼を開けると、目の前には肌色が広がっていた。

一体何なのかわからなかったが、頭の方に何か風が通るような感覚がし、その方に顔を上げる。

 

「ん……、刀、奈……?」

 

若干寝ぼけた状態だが、彼の視界には眠った刀奈の顔が見え、そして腰らへんにも何かが回されてる感覚がしたため、現在自分が彼女に抱き枕にされていることに気付いた。この時自分の手が刀奈の腰の方に回されているが、当の本人はそれに気づいておらず、ただふわふわとした頭で現状をなんとなく把握する。

だが彼は、これで驚いて逃げ出したりすることはなく、まだこの柔らかさとまどろみを堪能したくなり、刀奈が何で一緒のベッドにいるのかも、それら考えをすべて放棄し睡魔に誘われて再び眠りに就くことにした。

 

「ん、寝よ……」

 

そして航はその2つの柔らかい物、寝間着がはだけ、むき出しになってしまってる刀奈の乳房に再び顔をうずめて眠りにつくのだった。

 

 

 

 

 

そして現在朝7時。あれから刀奈が目覚ましの音で目を覚ますが、今の現状に赤面していた。

 

「わ、航…!どうしよう…離れない……」

 

刀は昨日、航が寝た後に前みたいないたずらをしようと航のベッドにもぐりこみ、そして彼と向かい合うように眠りについた。だがこの時はまだ服もはだけておらず、それに手も軽く彼に回していただけだったのだ。だが起きてみたら、服ははだけて航がそこに顔をうずめてるし、彼の手が自分に回されてがっちりと抱き着かれており、完全に動けなくなってしまっている。

刀奈だって生娘だ。たまにきわどい姿をして誘惑するも、内心はすごい恥ずかしくして顔から火が出てしまいそうになるほどであり、実際このいたずらも結構恥ずかしかったりするのだ。

実際今も、こうやって素肌に顔を埋められてることもすごい恥ずかしく、引き剥がそうとしたら抱き着いてる彼の手が強くなってさらに肌が密着する。刀奈はフリーになってる両手で航の頭を軽くたたいて起こそうとするが、彼はなかなか起きずに気持ちよさそうに寝息を立てていた。

 

「航、起きてー。あーもう、お願いよー」

 

ご飯もすでに炊きあがっており、朝食の準備はすぐにできる。だけどこれでは動けないため、業を煮やした刀奈は力技で航を引きはがすことを決行した。女性とはいえ、更識当主とあって割と力があり、刀奈は少しずつ航を自分から引き剥がしていく。

だがそれによって睡眠を阻害されたためか、航の瞼がゆっくりと開き始めたのだ。刀奈は安心したのかいつもの笑みを浮かべた。

 

「航、おはよう。あのね、ちょっと離れてくれない?ね?」

 

「え……あっ……」

 

航は今の状況を理解し、顔が真っ赤になってしまう。そして跳ねるかのように刀奈から離れようとしたが、刀奈が彼の服を掴んでしまっていたため一緒にベッドから落ちてしまった。

 

「うわあ!?」

 

「きゃあ!」

 

「いてて…刀奈、大丈夫、か……?」

 

この時、航が刀奈をかばうかのように下敷きになったため、自分がいたおかげで刀奈に怪我が無いことに安心する。だが手に何か柔らかい物の感覚がした。その気持ちよさにモニモニと触る航は、自分の手が何を触っているかを見てみたら……。

 

「ん…わた、るぅ……そこ、は…」

 

航の手は刀奈の豊満な胸をわしづかみしており、無意識にモニュモニュと揉んでしまっている。その柔らかさは航の雄の本能を刺激したのか、刀奈は腰の部分に何か硬いものが当たる感覚がした。

 

「ご、ごめん!」

 

航自分がしてることに気付き急いで彼女から離れる。胸元は完全にはだけて丸見えになっており、それがでつい目をそらす航だが、チラッと刀奈の方を見ると、彼女は胸元を隠してジト目で彼をにらみつけていた。

そして航は、逃げるかのように急いで立ち上がり、そして制服を持って脱衣所へと入り込む。それをずっと見てた刀奈は小さくため息を吐き、残念そうに肩を落とした。

 

「もう……」

 

(もっと揉んでもいいのに……)

 

彼が元気になるなら問題ないと思っていたが、まさかの服ははだけるわ胸揉まれるわとハプニング塗れで朝から疲れてしまった。だけど前にも似たようなことがあったのを思い出し、クスッと笑う。

その後刀奈は不思議と機嫌がよくなり、自分も着替えて、着替え終わった航と一緒に用意した朝食を食べるのであった。

 

 

 

 

 

「あ゛ー……」

 

「航、なんかえらい疲れてないか?」

 

「いやー、いろいろあって疲れた。楯無姉が同室になって何か疲れた」

 

「え、同室?」

 

「監視役としてそうなったんだとさ」

 

「なんかいろいろ大変そうだな」

 

「まあな。ただ、懲罰室にずっといるよりはマシだ。寂しくない」

 

航は小さく笑う。これまでのあの怖い表情は完全に陰にひそめ、優しい雰囲気の航になったおかげか、少しずつであるが彼に話しかける女子も少しずつ増えてきた。だがそんな女子はかなり少数で、一番まともに話かけるのは本音、ラウラ、箒、鈴ぐらいだ。

まあラウラは、改めてまともに初めて彼と話すことになったが、第1印象は本当に彼があの機龍のパイロットか?と思ったが、握手したときの肉体に感覚でそこそこ強いことは分かったらしい。

そのとき、予備チャイムが鳴って教室で立っていた生徒たちがさっさと自分の席に戻っていく。そして1分もしないうちに教室の前の扉が開き、そこに1人の教員が入る。

 

「はーい、皆久しぶりね」

 

そこに現れたのは燈だった。久しぶりの怪獣学のためか、少しうれしそうな笑みを浮かべており、軽く手を振って中に入る。そして教卓に立つと、先ほどの嬉しそうな顔はすぐに真剣な表情へと変化し、それによって生徒たちの反応も真剣なものとなる。

 

「さて、久しぶりの怪獣学だけど、みんなは前した内容は覚えてる?」

 

それでいくらか目をそらす生徒たちがいたため、小さくため息を吐く燈。

 

「まあ、そこはちゃんと復習しておくように。じゃあ、今日の怪獣学は最近出てきたコレ、メガニューラね」

 

そして電子黒板に表示されたのは、この前の学年別タッグトーナメントに現れた巨大トンボ、メガニューラの姿であった。空を飛んでる写真はいくつかブレているが、そうでない写真、何か台に置かれたメガニューラの写真も多数あった。

 

「さて、今回現れたこのメガニューラだけど、前に説明したメガヌロンが脱皮した姿よ。平均体長が4m、平均翼長3mと凶暴な大型肉食昆虫で、この前の襲撃の映像を見る限り、速度はマッハ1を出せるわ。メガニューラの出現場所は東京渋谷…いや、今は渋谷湖ね。あそこに潜んでると言われるメガヌロンの群が一斉に脱皮。そしてエネルギー源を求めて今回のIS学園に現れたわけよ」

 

燈は電子黒板の画像を次々と出して、渋谷のビルに張り付いたメガヌロンの抜け殻の写真等を生徒たちに見せていく。その中には回収されたのか、間近で撮られたのか、抜け殻が大きく写った画像もあった。

 

「さて、メガニューラの武器は鋭い牙、大きな前脚。そして長い腹…いや尻尾って言った方がわかりやすいわね。鋭い牙や長い前脚はメガヌロンの時と同様に危険だけど、この尻尾は先に3本の針が付いていて、左右の張りは得物をしびれさせる毒針。そして真ん中の針は対象物の体液、エネルギーを吸う能力を持ってるわ。そしてこのエネルギーを吸う能力、普段なら生物に刺して吸うんでしょうけど、今回のメガニューラはとても特殊で、ISのエネルギーやアリーナのシールドを吸ってたわ。石炭紀の生物がこんな能力を持つなんてとても異常よ」

 

そう。燈はメガニューラが、なんでこんな固体になったのか調べていたのだが、手がかりはあまりつかめていなかった。知り合いに手伝ってもらいながら、これまで以上に難しくなる資料作りもどうにかなり、こうやって現在、使用してる。

そして次は羽の画像が出された。画像の羽は付け根から切り落とされたのかきれいな形を保っており、そして写真の中にはその羽を立てて隣に燈が立ってる写真もあった。だがその羽の大きさは5m近くはあり、燈が子供に見えるほどに大きい。

 

「そして次は羽ね。メガニューラの羽はトンボと同じで4枚付いており、強度は羽の付け根から1m付近は3ミリの鉄板ほどの強度を有しており、先の部分は1ミリ鉄板ほどの強度になってるわ。だけどISの持つ武器…威力の低いライフルでも、これぐらいは簡単に破壊できるわ」

 

ここまで細かい内容になると生徒たちも必死にノートに板書したり真剣に話を聞いてたりする。実際次からの対処につながるのなら、聞いて損はしないはずだ。

だがこの時、1人の生徒がとあることに気付いて手を挙げた。

 

「先生。この写真ってどこで撮ってきたんですか?どう見ても何かの台に載せられてるみたいなんですが……」

 

それに何人かの生徒がうなずく。それもそのはずだ。最初の画像のときから、IS学園上空を撮ったであろう写真がいくつかあるが、それ以上にどこかの施設で撮られたであろうメガニューラの写真が多数あるのだから。それも切断面は見えてないが足だけの写真や、先ほどの羽の写真と多々ある。

それにメガヌロンの完全な姿の標本とも言える物の写真も多数あり、いったいどこでこんなのが置いてあるのか気になってしまう生徒が多々いた。

 

「ん、これ?とある研究所でメガニューラ等の解剖があったから、その時に撮ってきたの。自衛隊のお偉いさんとかも来てて私びっくりしたわ。解剖中の写真もいくつかあるけど、気分悪くするかもしれないから流石に今回は見せないわ。見たいという希望のある生徒だけ、後で私のところに来てね」

 

一体どんなとこなのかと気になる生徒もいたが、それを見たいとなると話は別だ。解剖となるとグロテスクなのが満載なため気分を悪くするのは必至だろう。だが燈はそうなる可能性があると思いながらも施設に行ったのだ。この情報を生徒たちに伝えるために。

 

「まあ、メガニューラを見たときの対処法は、何か建物、出来ればコンクリート製の物があればそこに逃げ込むことね。ISがあったらそれを使うのはあまりよろしくないわ。その時の弾数や体力を考えて殺しきれるっていうならあともかく、それを見誤れば群がられてそのままおしまい。だから使うにしても、逃げるために使いなさい。単独で立ち向かうなんて自殺行為すぎるわ。この前の襲撃は各アリーナにISが数機あったし、教員の働きもあってどうにかなったけど、また現れた際に再び上手く行くとは限らないの」

 

生徒たちが前より真剣に聞いているため、燈は少しうれしく思った。まあ、この前の事件があってからその対処とかを聞けるなら十分に損はないだろうし、命が助かるなら誰でも聴くだろう。そして燈は次のことについて話す。

 

「そしてもし戦うとなった場合は、胴体じゃなく羽を狙いなさい。羽は細い胴体より当てやすいし、なにより4枚あるから、1枚でも壊したらあとは簡単に落とせるわ。ただ普通のトンボ同様読めない飛び方をするから、弾幕を貼った方が対処しやすいわ。たださっき言った通り、弾幕を貼る場合は弾数と要相談よ。もしくは近づいてきた際に近接ブレードでカウンターを仕掛けるという方法もあるけど、これはあまりお勧めしないわ。織斑先生みたいな近接戦闘技術があるならともかく、下手に仕掛けた場合、こちらがダメージを負う場合があるから要注意よ。そしてメガニューラの頭部はメガヌロンほどじゃないとはいえ硬いから、突っ込んできたからって下手に近接攻撃を仕掛けないように」

 

「先生。そもそもメガニューラってなんで群れで行動するんですか?動物の群れで行動する理由って生存率を上げるためですよね?」

 

この時一夏が手を上げて質問する。

 

「いいとこ突いたわね。さて、ならこの話もしとかないとね。皆は前の渋谷での事件を覚えてる?」

 

それで生徒全員がうなずいたため話を続ける。

 

「なら話が早いわ。まずメガニューラは自分たちのなわばりを作るため、メガヌロンの時に渋谷を水没。おかげであそこ一帯は交通的にもいろいろとマヒを起こしたわ。それによって彼らは好き勝手に増殖。そしてメガニューラの登場。メガニューラたちは最近は見なくなったらしいけど、前まで群れを成して飛んでいたわ。まあ群れを成すのは生存性を上げるための行動よ。そのメガニューラの敵になるものは多数あるわ。大昔なら翼竜といった空を飛ぶ大型生物生物。現代なら対空機銃、戦闘機、ISなどと言った空を飛ぶために邪魔なものが。そしてもしもの可能性として、ゴジラ。それら外敵からメガヌロンを守るため、元々メガニューラは戦闘能力を持つようになったの。ただそれでも危機感を感じたからか、1匹のメガヌロンから自分たちのリーダーとなる生物を作り出すのよ。それがこれ。メガギラスよ」

 

そして燈は今までの画像の上から1枚の大きな画像を展開する。その画像は化石の画像であるが、その大きさが今まで見たものでも一番男規格外に大きい。そして姿はぱっと見メガニューラに似てるが、大きな1対の鋏と巨大な4枚の翼。そして尻尾の先の鋭い針が3本見える。

 

「この化石で翼長20m。全長が12.5mととても大型で、おそらくメガギラスを使って大型の外敵の排除。そしてなわばりの大型化などを行ったとされているわ」

 

「なら、ゴジラより強いんですか…?そのメガギラスって……」

 

その質問に首を横に振る燈。だがその顔は険しく、生徒たちも誰かが息を飲む。

 

「そこは分からないわ。ただメガギラスはその大きさから大型肉食恐竜にも襲い掛かるほど凶暴で、化石になってるメガヌロン、メガニューラより今回の個体がとても大型であるということはメガギラスも大型になっててもおかしくないのよ。それこそ全長50mの個体になってもおかしくないわ」

 

それを聞いて驚く生徒たち。それもそうだ。こんな大型となると、巨大昆虫ではなく、完全に怪獣とも呼べる大きさだからだ。さらにメガニューラより早く飛ぶとしたら、被害は相当なものになるだろう。

 

「ならすぐにその大きいメガヌロン倒さないと……!」

 

「私だってそれは思うけど、そこは自衛隊に任せるしかないのよ……。それにこれはまだ仮定でしかななくて、現在自衛隊が無人潜水艇で渋谷湖底を調べてるからその結果次第としか言えないわ」

 

空気が重苦しいものになる。遠くの、まるで対岸の火事のようにも感じるが、脅威はすぐそこにまで迫っているという感覚が、彼女たちにのしかかってきた、

その時だ。燈がペラペラ話してる間に時間が経っていたのか、授業終了のチャイムがなる。そして終わりの号令をした後に燈は出て行き、教室は重苦しい空気のままであった。

 

「怪獣学でこんなに重苦しかったっけ…」

 

航は一人そうつぶやくが無理はないだろう。彼が入院してる間にこう変わってしまったのだから、復帰し里に楽しみにしてた怪獣学が重いものとなると誰が思うのだろうか。

だがこれが原因でか、教室にいた女子たちの半分以上から一斉に睨みつけられてしまう。まあ半分理由は彼にあるようなものだっが、それをあまり自覚してなかった航は困惑の表情と共にわずかに身じろぎをする。

流石に一夏も同声をかければいいのか悩み、ただ苦笑いを浮かべることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは渋谷。地下水脈を破壊されて水没して以降、今となっては渋谷湖とも呼ばれる状態となっていた。

水中では、まだ大きくないメガヌロンが何体か泳いでおり、そして今も脱皮をしてメガニューラになっていく個体もいる。

だがそんな渋谷湖の湖底では、とある変化が起きようとしていた。

 

 

 

ヤツはその時を待っていた。強くなるため、大きくなるために脱皮を何度も繰り返し、そして今では、細い脚ではこの巨体を水上では動かすことができないほどに大きくなっていた。

だがヤツはそれで満足しないのか、大きくなった牙を小さく鳴らし、時折その頭を水面に向けて上げ、何かを待っているかのような仕草をとる。

その時、水面に何かが飛び込んできた。それは2つ、3つと増え始め、それは必死に泳いでそこを目指し、そしてヤツの背中に張り付いた。そして尻尾の先の針をヤツの体に刺し、そしてヤツに向けて自分のエネルギーを注いでいく。だがそれは自身の命を削る行為であるが、それらはそれを気にすることなく、ひたすら注いでいった。

その後エネルギーを注いで死に、プカプカと水面に向けて浮かんでいくメガニューラを見たヤツは、まだ足りないと小さく体をうごめかせる。

そしてヤツ、今となってはとても大きくなった巨大メガヌロンは、最後の脱皮に向けて体を休ませるのだった。巨大な翼を生やすために。この空を制するために。

ただただ、メガヌロンは待ち続けるのだった……。

 




そういえば原作のメガニューラって翼長だけで5mはあるから、右の羽から左の羽の端を計ったら胴も入るから11mはぐらいは軽くあるんですよね。
あれ、イメージよりめっちゃでかくね……?
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