インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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お久しぶりです。教習とか実力テストとか実力テストとか実力テストとかで忙しくて書く暇があまりなかった妖刀です。
最近、ゴジラ新作の予告2弾目で興奮が隠せません。アニメゴジラ三部作、どういう風になるのか楽しみでたまりませんね。なおTwitterで「あんなのゴジラじゃない!」とか言ってる人が多々いますが、あれをゴジラじゃないって言ったら、今までの“彼ら”はいったいどうなるんだと・・・・。


っと愚痴が過ぎましたね。さて、最新話をどうぞ!


臨海学校の夜

夕食も食べ終わり、すでに現在7時半。航は1人、旅館の大浴場を目指して浴衣姿で手にタオルを持って自室を出る。

だがその時、隣を見るとそこには箒、セシリア、鈴の3人が何やら聞き耳を立てており、それを見た航は軽く呆れた顔をして4人に声をかけた。

 

「お前ら、何してるんだ?」

 

「わ、航!お願い今は静かにして!」

 

航の隣の部屋は一夏と千冬が同室しているが、それで何かあったのだろうか。航は少し襖に耳を当てる。

なお航の同室相手は真耶である。

 

「千冬姉、ここがいい?」

 

「あっ…一夏ぁ…。駄目だ…それ以上は…!」

 

「そういわずにさ、もっと気持ちよくしてあげるね」

 

「あぁん!」

 

嬌声が聞こえ、それを聞いたとき航の目はジト目になった。そしてそのまま3人の方を見る。

 

「……俺、風呂入ってくるわ」

 

「あ、うん。いってらっしゃい」

 

鈴がそう返事した後、航の疲れ切った顔をしながらその場を離れていった。だがその時、4人が体重をかけすぎたせいか襖が外れてしまい、そのまま部屋の方に倒れしまう。そして3人が部屋の中で見たもの、それは一夏が千冬にマッサージをしてる所であった。

 

「お前ら、何をしている」

 

「あ、あははは…こんにちは織斑先生…」

 

「さ、さようなら織斑先生!」

 

脱兎のごとく逃げだそうとしたが、瞬時に千冬によって捕まるのであった。

 

 

 

 

 

箒たちと別れた後、航は旅館の大浴場の中にいた。

この大浴場はIS学園の大浴場張りに広く、さまざまな種類の風呂がある。航はその中の一番大きいところに入っており、段差になってる部分に背中を預けている。

 

「おー、めっちゃ広いじゃねえか!」

 

その時、後ろの方から声がした。そしてかけ湯の音が何度かし、ペタペタと足音が航の方へと近づく。

 

「お、航!」

 

「一夏、か」

 

声に反応して振り返ると、そこにはタオルを肩に掛けた裸の一夏がおり、そして一夏はそのまま湯船につかり、航の近くに座る。

 

「あ゛ぁ~、こういうでっかい風呂はいいなぁ~。すげー気持ちいい」

 

「だな……」

 

風呂が気持ちいいのか、お互い小さくため息を吐く。

 

「そういえばさっきお前の部屋の前通ったが、いったい何してたんだ?」

 

「あー、千冬姉をあの時マッサージしててさ、そのあとセシリアにもマッサージしたんだよ。そしたらすごい気持ち良さそうにしてた。そういえば航、お前にもしてやろうか?」

 

「あー。最近あちこち痛むし、明日のISの可動試験云々が終わったらその後頼む」

 

「任せとけ。で、どこら辺が痛いんだ?」

 

「背骨らへんと足だな。後は……いや、これは別物だからいいや」

 

「別物?」

 

「少し、な……。さすがに何回も刺されたら嫌でも痛みは続く」

 

それを聞いた一夏は少しばつが悪そうな顔をする。

航の腕など見える部分以外の皮膚には、いくつか消えずに残った傷痕が体に痛々しそうに残っており、それを見た一夏は小さく息をのむ。そしてなぜか自分も同じ目に遭ったらどうなるかを考えたが、最悪な未来が見えたため顔を振ってその考えをさっさと止めることにする。

そしてお互い、風呂に入ったはいいが特に話そうと思う話題もなく、ただ時間が過ぎていくだけで、これではのぼせてしまいそうになってる。そのため、航はあることを一夏に聞くことにした。

 

「なあ一夏。お前さ、自分の家族…もとい千冬さんが何者かに襲われて死ぬ…まで行かなくても重傷負わされたらどうする?」

 

「んな!?何言ってんだよ!そんなの犯人を見つけ出して」

 

いきなりの質問でびっくりするが、憤慨した要するで堪えようとする一夏を航は制する。

 

「まあ待て。これにはまだ続きがある。そしてその犯人がIS学園の制服をしていた、という情報が手に入ったら?」

 

「っ!?それは……その……」

 

先ほどまで怒髪天だった一夏がどんどん意気消沈していく。それもそのはずだ。自分がいる場所がIS学園。その中の誰かが犯人となるため、完全に疑心暗鬼に陥るのは間違いない。実際航が通った道なのだから。

だがこれのおかげでお互いの空気が暗くなり、会話も止まってしまう。さすがに不味かったかと航は思ったが、一夏の口が僅かに動いた。

 

「……それでも」

 

「ん?」

 

「それでも、俺は犯人を見つけ出す。少しでも可能性があるなら、俺は見つけて、そしてなんでそうしたのか聞きたいいんだ」

 

「なら、それで結果敵対されたら?」

 

「その時は……倒す。じゃないと、また誰かが傷つくかもしれない。だから……!」

 

気づけば一夏は立ち上がってそんなこと言ってることに気付き、恥ずかしそうにゆっくりと湯船に身を沈める。それを航はキョトンとみていたため、余計に恥ずかしさが襲い掛かる。

そしてチラッと航を見たとき、彼の肩がプルプル震えてることに気付いた。

 

「わ、航…?」

 

「……ぷっ、くっ…あははははは!」

 

「な、何がおかしいんだよ!」

 

航が笑いながら水面を叩くため、一夏は先ほどの恥ずかしさ相まって顔を真っ赤にして怒る。ひーひー言いながらも航はどうにか笑いを止めようとするが、思い出し笑いからか、再び笑い出した。

その後、一夏にお湯をぶっかけられたため、仕返しにかけ返すと、そのまま掛け合いに発展した。

そして5分ほど掛け合った後、流石に疲れて再び湯船につかる2人。

 

「航…さすがに笑われるのは恥ずかしいぜ……」

 

「いやーすまんすまん。ホント一夏は一夏だ。そのまっすぐの態度、とてもうらやましいわ」

 

ただ怒りと憎悪をまき散らした自分とは違う。

航はそんな一夏がうらやましく感じると同時に、心の奥にザワリとする何かを感じたが、気のせいだと思い、このことは考えないことにした。

 

 

 

 

 

 

 

一夏が風呂に向かった頃、一夏と千冬の部屋には先ほど部屋に倒れてきた女子たち+αが正座して千冬と向き合っていた。

 

「あ、あのー……」

 

「どうした、オルコット。そんなに縮こまって」

 

「そういわれましても……」

 

今までちゃんと向かい合って話すことがなかったのか、セシリアは結構恐縮しており、それと同様他の子たちも恐縮してしまってる。

だがその時、小さくであるが1人の女子が手を挙げた。

 

「あの、いいですか…?」

 

「ん?更識、お前もどうした?」

 

「織斑先生…何で私が……?」

 

そう、なぜか簪も呼ばれており、彼女も座布団の上で正座をしている。そして他の4人は簪とまともに会うのは初めてみたいで、他人ともいえる生徒がいることに少し居心地の悪さを感じた。

 

「まあ、あれだ。篠栗のことで少し聞きたいことがあってだな」

 

「はぁ…でもそれなら、同じクラスの本音に聞いた方が…」

 

「布仏は私が来る前に逃げて……まあいいじゃないか。ほれお前ら、ここにジュースがあるから好きに取ってもいいぞ」

 

そういって千冬は部屋に備え付けの冷蔵庫からジュース缶を5つ出す。

 

「い、いただきます…」

 

そして5人が缶に口付けたとき、ニヤリと千冬が笑った。

 

「飲んだな?」

 

「は、はい、そうですが…」

 

「ま、まさかこの中に何か入れて…」

 

「失礼なこと言うな馬鹿め。なに、ちょっとした口封じだ」

 

そういって千冬が冷蔵庫から取り出したものは缶ビールだ。それを千冬は嬉しそうに開けると、ゴクゴクと飲んでいく

 

「くー!生き返るぅ。さて、おつまみを一夏に作らせておくべきだったが、仕方ない、我慢するか」

 

そして二口目もおいしそうに飲む千冬を見て5人はポカンとしており、特にラウラは何度も瞬きして、まるで信じられないと言わんばかりの顔になっている。

 

「おかしな顔をするなよ。私だって人間だ。酒ぐらい飲むさ。それともオイルとか飲むロボットとでも思ったか?」

 

「い、いえ、そういうわけでは…」

 

「ないですけど…」

 

「今、仕事中じゃ…」

 

「そう堅いこというな。だからお前らに口止めとして渡しただろ?」

 

「あっ」

 

5人は自分の手元にある飲み物に目を落とす。流石にこうとなっては何も言えない。

 

「さて、前座はこれぐらいでいいだろう。そろそろ肝心の話をするか」

 

そういって2本目のビールのプルタブを開け、グビっと飲む千冬。

 

「お前ら、あいつらのどこがいいんだ?」

 

それを聞いたとき、箒、鈴、セシリアの3人は顔を真っ赤にし、ラウラと簪は小さく首をかしげた。それを見た千冬はクックックと笑っており、再びビールを飲む。

 

「わ、私は別に一夏の剣道の腕が落ちてるのが腹立たしいだけで…」

 

「わたくしは一夏さんにもっとクラス代表としてしっかりしてもらいたくて…」

 

「私は幼なじみなだけで…」

 

「ふむ、ならそれを一夏に伝えておくか」

 

「「「言わなくていいです!」」」

 

3人は同時に言うと、弄るのが楽しいのか千冬が笑いだした。それで3人がキョトンとした顔になるが、千冬は笑いを止めることができず、少し経ってやっと落ち着いた。

 

「いやー、すまんな。で、実際はどんなとこなんだ?そうだな…じゃあ最初は篠ノ之。言ってもらおうか」

 

「え、私!?えーと、まぁ、一夏の優しいとこですね。昔、虐められてた時に一夏に助けてもらって…それで…」

 

「あー、私も助けてもらったことあるわ。ホント一夏、ああいう風に優しいから、ねぇ?」

 

「まあそうだな。だが一夏は誰にも優しいぞ?…というか、最近一夏が怒ってるところを見た記憶がないんだが」

 

千冬が小さく首をかしげてることに、苦笑いを浮かべる一同。そして再び飲んで、さっさと次に移ることにする。

 

「さて、オルコットはどういうとこなんだ?」

 

「わたくしは…まっすぐなところ、ですわ。あの代表決めの時と言い、決定戦の時と言い、一夏さんは意見を曲げずにまっすぐと言ってきましたから……。それにあの後も強くなろうと努力する姿を見て惚れましたわ」

 

「ふむ…まあ、アイツは頑固だからな。あまりのことがないと意見は変えんぞ」

 

「今の世の中でそうやって意思を変えない男性はステキでありますわ」

 

「ふむ。まあ、そういうことにしといてやろう。さて鳳の番だが、一夏のどういうことがいいんだ?」

 

「私は…箒みたいに一夏に助けられたからってのもあるけど、一夏が私の告白に答えてくれたってのもあるかな」

 

「「何っ!?」」

 

千冬と箒が驚きと共に同時に立ち上がる。セシリアも鈴に対して驚きの表情を隠せず、完全に目を見開いていた。

鈴は「あっ」って顔をしてるが、時すでに遅し。その瞬間、箒が鈴の肩をがっしり掴んで一気に詰め寄った。

 

「どういうことだ!朴念仁の一夏が答えるなんて!答えろ、鈴!」

 

「一夏本人だって知らなかったのよ!ただあいつが航に聞いて、それで返事したの!そもそもそういうならさっさとアンタも告白すればよかったじゃない!」

 

「うっ、それは……」

 

その反撃に箒の握力は緩み、サッサと鈴も抜け出す。流石に痛かったのか軽く肩を回し、大きくため息を吐いた。それで肩をビクリとする箒。

 

「まったく、いきなり掴みかかるのは予想してなかったわ」

 

「その、すまない……。ついカッとなって……」

 

「まあ私もこんなこと言われた同じことするかもしれないし、別にどうこう言うつもりもないわ。ただ言わせてほしいけど、まだ一夏とは恋人関係にまでなれてないのよね……。とりあえず答えてくれたってところだし」

 

「そ、そうか…ならまだチャンスはあるということか…!」

 

それを聞いて安堵する3名。そして仕切り直して、次の人に聞くことにした。

 

「じゃあボーデヴィッヒ。貴様は?」

 

「私、ですか……。まあ、一夏とは最初は…印象悪くしてしまいましたが、機龍暴走の際にそんなの関係なく、私と手を組んでくれたときですかね」

 

「えっ、ラウラも機龍と……!?」

 

「まあ、暴走してたからすぐにやられたがな。というか鈴も相手したのか」

 

「ええ。ただ1撃で戦闘不能にさせられたけどね……。絶対防御無かったらたぶんここにいなかったわ」

 

それを聞いたとき「うえぇ」となる一同。だが千冬は不意に酔いがさめ、内心奥歯を噛み潰した。彼女の中に、機龍によって重傷を負ったシャルロット・デュノアを思い出したからだ。彼女は電磁パルスでISを無力されて潰された。だがこのことは学園でも一部の者しか知らぬ極秘情報。実際彼女の処遇は今も揉めており、いまだ学園の病院で眠りについている。

このことを忘れ、再び酔おうと思い、千冬はビールをのプルタブを開けた。

そして次に簪に聞こうとしたら、先に鈴が口開いた。

 

「えっと、更識簪って言ったよね?アンタも一夏のことが……?」

 

「それはない。だって……」

 

そういった時、4人が一斉に簪をにらみつける。いきなり睨みつけられたおかげで簪はびっくりしてしまい、委縮してしまう。それを見た千冬はため息を吐いて彼女の擁護に入ることにした。

 

「お前らそう怒るな。更識の機体は織斑の専用機開発で凍結されててだな……」

 

簪の専用機である打鉄弐式は、元は倉持技研が開発してた機体だったが、一夏という男性搭乗者が見つかり、彼の姉の機体を作った会社である倉持技研が担当することになったのだ。だがそれにより、打鉄弐式に担当してた開発者までもが白式開発に奪われ、結果的に機体の開発は凍結。そして簪がムキになって1人で作ると言って今に至るのだ。

それを聞いたとき、怒ってる様子の4人は一気に申し訳なさそうな顔になる。

 

「え、そうだったの?その、ごめん……」

 

「……べつにいい。もう完成の目途は立ったから」

 

それを聞いたとき千冬は眉をひそめた。

 

「ほう、1人で出来たのか?」

 

「私1人じゃ……。だけどお姉ちゃんの会社が手伝うって言ってきて……。私は断ったけど、その……」

 

「買収された、と」

 

コクリとうなずく簪。

あの時簪は姉である楯無にこのことを言ったら、彼女はすごいびっくりしており、婆羅陀魏社の独断で動いたことが判明した。それを聞いた楯無は直接婆羅陀魏社に向かったが、主任にヘラヘラとした顔でのらりくらりと躱され、そして倉持からも所有権を得たと伝えられ、結果的に機体はここの所属となったのだ。

なおこの後、楯無にめっちゃ謝られ、とても申し訳ない気持ちになったという。

 

「だけど、遅くとも夏休み前までにはできるって……」

 

「そ、そうか。良かったな。……さて、更識。お前は篠栗のことはどう思ってる?」

 

「……昔は好きでした。けど今は……私にもわかりません。彼が怖くて、逃げましたから……」

 

そう言って目を伏す簪。

彼が怖い。それは航が機龍に乗って暴走した際に誰もが抱いた感情だ。だがそれは仕方ないことだ、と彼女たちは言うが簪は困り顔を浮かべたままだ。

 

「それに航は今、お姉ちゃんがいますし……。私はお姉ちゃんみたいに、航の怖いとこ含めて愛せそうに無いですから……」

 

そう言って簪は寂しそうな笑みを浮かべる。だが千冬はため息を吐き、

 

「はぁ……馬鹿者。それなら何で今日、篠栗に会いに行った?」

 

「っ……!?見てたん、ですか……?」

 

千冬の言葉に驚きを隠せない簪。それは周りもで、全員が千冬の方を見てる。

 

「私も海に行こうと思ったが、その時にな。まあ、そうやって心配するなら嫌いではないってことだ。ただもう少し篠栗と話すことだな。姉の方に頼んでみろ、場所は設けてくれると思うぞ」

 

「……はい、頑張ってみます」

 

コクリとうなずく簪。

酔ってるはずなのに、割とちゃんとアドバイスすることに驚く簪除く4人だが、それに気づいた千冬はジト目で4人を見つめる。

 

「さて、お前らも織斑と仲良くなりたかったらもっと話すことだな。そうすれば……」

 

『もしかしてくれるんですか!』

 

「だめだ。あいつがいなくなったらどう生活すればいいのかわからん」

 

「えー……」

 

千冬の言葉に呆れぎみに困惑する一同。千冬は自分が何言ったのか思い出し、一気に顔を赤くして「い、今のは忘れろ!」と叫ぶのであった。




一夏と簪が仲良くなるフラグが折れたような気がするけど気にしない。全ては婆羅陀魏社が縦横無尽に動くのが悪いんだ。というか主任が自由奔放すぎるのがいけないんだ。
まあ、専用機が完成するから問題ないよね・・・ないよね?



さて、次回予告(仮)
臨海学校2日目、生徒たちは授業の一環で外に出ていた。そしてそこに迫る狂気の兎と破壊の天使。果たして彼らはどうやってこれらに立ち向かうのか。

次回、「紅椿」(予定)

お楽しみに!
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