インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍   作:妖刀

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どうも、免許証と保険証をなくした妖刀です。

厄払いに行ったのにほとんど意味がなかったみたいですね。


では本編どうぞ!


その名は機龍

それから時は経ち、今日はクラス代表決定戦当日。ピットの中で一人落ち込んでいる一夏がいた。

 

「航……、俺、お前のところで教えてもらいたかった……」

 

「一夏、ご愁傷様……」

 

完全に床に手と膝をついて落ち込んでいる一夏を、航は肩に手を置いてなぐさめている。

 

「一夏、何を落ち込んでる。学科の方も教えてやったではないか」

 

「そうかもしれないけどさ……」

 

何があったかというと、航がISを使った練習をしないかと言ったところ、箒に

 

『だめだ!一夏は私が教える!』

 

と言って話を全く聞かず、一夏の意見も一蹴していたため一夏は泣く泣く諦めて箒に教えを説いてもらっていた。だが、するのはずっと剣道で、学科の方は教えてもらってもほとんど壊滅。そんな日がずっと続いており、それに対して航は楯無にいろいろ教えてもらってたため一気に差ができてしまったのだ。

だが箒はきちんと教えたつもりになってるのか、天狗になったかのような表情をしている。

 

「そういえばお前の隣にいる女は誰だ?」

 

その時箒が航の隣にいる女性、楯無を指さして聞く。この時航の頬がひくっと動いたが、楯無は涼しい顔で自己紹介をする

 

「あら、入学式の際にしたはずだけどもう一回しておくわね。私の名前は更識楯無。IS学園の生徒会長で、航の同室相手よ。そして航の幼馴染でもあるわ」

 

そう言って楯無は中に『幼馴染』と書かれた扇子を広げる。

 

「あれ、航。幼馴染って他にいたんだ」

 

一夏は自分の知らない幼馴染が航にいたことに驚く。

 

「ほら小学校の時、俺が1週間ほどいないことが何回かあっただろ?その時に親の都合でよく会っててそれでこうなっただけ」

 

「へ~」

 

一夏はそう言って納得していた。

だがこの時、箒は楯無を睨みつけており、楯無はそんな箒を

 

「ならその幼馴染がここにいる?」

 

「あら、その言葉そのまま返すわ。私は航にISのことを教えていて、その結果をここで見に来ただけだし」

 

「それは私もだ!」

 

「ならここにいてもいいじゃない」

 

箒は言い返せないのか「ぐぬぬ」と言っており、楯無は航だけに『論破』と書かれた扇子を開いて見せ、航は苦笑いを浮かべていた。

そして

 

「織斑君、篠栗君、ISが届きました!」

 

その時少し急いだ感じで真耶が現れ、男二人はやっとか!っとそっちに顔を向ける。

そして4人はピットに移動し、そこにあったのはコンテナが1個だけであった。

 

「あれ、山田先生。コンテナが一つだけなんですが……」

 

楯無はコンテナが一つしかないことに疑問に思ってとりあえず聞く。そしてこのコンテナに入ってるのはどっちのだろうか、それが気になった。

 

「それはですね「篠栗の専用機が重すぎて、ここまで搬送するのに時間がかかってるのだ。あと10分もあればここに届くが、先に織斑に試合をしてもらう。いいな?」

 

「ではこれが織斑君のIS、『白式』です」

 

そしてコンテナから出てきたのは『白色』のISだった。その姿は

 

「これが……、俺のIS……」

 

「ではすぐに搭乗してください」

 

「えっ?」

 

一夏は白式の装甲に触れようとしたら、いきなり真耶に乗るように指示される。それに戸惑った一夏であったが、どうやら時間が押してるらしく、急いで搭乗した。

 

「あれ、この感覚……」

 

一夏は謎のなつかしさに襲われ少し戸惑うが、その戸惑いもすぐに安らぎに変わり、そしてカタパルトに足を乗せる。

 

「一夏、勝ってこい!」

 

箒は応援し、一夏は振り返らずに片手を高く振り上げる。

 

「一夏」

 

その時航が呼んだため、一夏は振り返る。航は腕を組んだまま一夏の目を真剣に見ており、一夏は小さく喉を鳴らす。

 

「勝てとは言わん。とりあえず抗ってこい」

 

そう言ってニヤリと笑う航。一夏は真剣な顔をして強く頷く。

 

「よし、行って来い!」

 

「織斑一夏、白式、行きます!」

 

そう言って一夏はカタパルトから射出されてセシリアが待つアリーナへと向かうのであった。

そしてアリーナ上空、セシリアと向き合った一夏は気付かれない程度にセシリアを睨みつける。

 

「あら、逃げずにいらっしゃったのですね」

 

余裕そうにいうセシリアに一夏は短く返事をする。その態度にイラッと来るセシリアだが、余裕の態度は崩さない。

 

「さて、あなたに最後のチャンスをあげますわ」

 

「チャンス?」

 

「ええ、わたくしが一方的に勝つのは自明の理。だからボロボロになってみじめな姿をさらしたくなかったらここで謝れば許してあげないこともよくってよ」

 

だが一夏はそれを鼻で笑う。それにカチンと来たのか、セシリアが噛みついてきた。

 

「何が可笑しいのですの!?」

 

「確かにボロボロでみじめな姿をさらすかもしれない。だけどな、俺はお前がゴジラを馬鹿にしたことを許せないから戦うんだ!」

 

「何故ゴジラを馬鹿にしたことに怒るのですの?」

 

「俺はな、ゴジラをザコ扱いしたことに怒ってるんだ。ゴジラがザコってことはそれに立ち向かった自衛隊を侮辱してるように感じるんだよ。俺の知り合いのゴジラを見た自衛官の人は言ったよ。『ゴジラは本当に強かった。だが俺らは市民を守るために戦ったからゴジラは海に帰ってくれた。一夏、お前も立派な自衛官になってゴジラに立ち向かえ』って。だからな、俺はゴジラを馬鹿にしたお前を許さない!」

 

何か色々と滅茶苦茶だが真剣な目で言う一夏。セシリアはその気迫に押されたのか、少し苦い顔をする。

 

「で、ですがゴジラが現れたのは今から40年前。その間に技術は革新して今やISが一番強いですわ!昔のメカゴジラだか何だか知らないモノより優れてますわ!」

 

それを聞いた一夏は俯く。そして……、

 

「……そうか、ならここで俺が勝ってゴジラが強いことを証明してやる!」

 

謎にテンションが上がってるのか、一夏はとんだ発言をする。そして近接ブレードを展開する一夏。

 

「ならそんな幻想打ち砕いて見せますわ!」

 

そう言ってスターライトmk-Ⅲの安全装置を解除するセシリア。

 

『試合開始』

 

そして開始のブザーとともに一夏はセシリアに突っ込んでいき、セシリアはそれを打ち抜くのであった。

 

 

 

 

 

一夏とセシリアが戦い始めて5分後、ついにその時がやってきた。

 

「笹栗君!やっとISがピットに到着しました!」

 

やっと来たかと思って一気に駆け寄る航。だがそれを見たとき、その歩みはゆっくりととまっていく。隣にいた楯無も航と同じ状態で、コンテナを見ていた。普通と変わらないはずなのに何か可笑しい。

 

「コンテナが……、でかい……?」

 

そう、白式が入っていたコンテナより一回り大きいのだ。コレは隣にいた楯無も少し驚いており、扇子を開いたり閉じたりしている。

 

「では、開けますね?」

 

そう言って真耶はコンテナのロックと解除しコンテナが開かれる。そして中に入っていたのは、

 

「これって……!?織斑先生!」

 

「何でこんなのが……」

 

真耶は中に入っていたものに、千冬はうまく言葉にできていない。

 

「航、これって!……航?」

 

楯無は航の方を向くが、航の口角が上がっていたことに少し戸惑う。

 

「まさかこいつとは……」

 

航は少し嬉しそうに呟いた。

銀色全身装甲のボディ、三列に並んで生えている背びれ、鋭い手足の爪に長い尻尾。極め付けはゴジラに似た頭部。その姿は恐怖、歓喜、戸惑いなどを人から呼び出す姿であった。昔の人間は知っていた機械龍、その名は

 

「機龍……」

 

航は銀色のIS、『機龍』を見て、そう呟く。

そして胸部がガパッと開き、航は中に入り込む。

 

「っ!?」

 

その時だ、とても懐かしい感覚。そう、家族と一緒にいるような感覚だ。

この感覚は何だ?何故こんな気分になる?懐かしい?訳が分からない。なぜ機龍に乗って懐かしいと思ったのだ?

まるで自分が動かして戦ってたかのような……。

いや、違う。これは機龍の中にある『ナニカ』に懐かしさを感じたのだ。

だがそれもすぐ終わる。

その時、目の前が真っ白に光り、まるで吹き飛ばされたかのような感覚が航を襲う。そして周りを見渡すと、あたり一帯は煙だらけでよく見えない。そして煙が晴れてきて、そこにいたのは黒い大きな影であった。『ソレ』は航を見下ろすと……。

 

「……る。……たる!」

 

その時、誰かが自分を読んだ気がした。声のした方を向くが誰もいない。そして影があった方を向ても何もいない。

 

「……たる!航!」

 

「はっ!?」

 

その時意識が戻される。周りを見るとISを纏った自分。そして心配そうに見つめる楯無。どうやら意識が飛ばされていたようだ。

航は楯無に何があったか問い詰められたが、うまくごまかす。

そして一夏の試合風景を眺めており、軽く指を動かす。

それにしても、さっきのは何だったのか?

考えるもも答えは出ず、その間に着々と初期化(フィッティング)最適化(パーソナライズ)が進んで行く。その速度は異常なほど速く、あと5分あれば一次移行を行えるほどだ。

だが思考を戻して、航は動きをチェックする。

体を軽く動かし、腕を動かして掌を握ったり離したり。そして後ろを振り向いて、尻尾を動かしてみた。

 

「おお、自分の意志で動く動く」

 

尻尾をグネグネと動かし、そして初期化(フィッティング)最適化(パーソナライズ)が完了し、機体が眩く光る。そして完了した姿は

 

「「「「えぇぇぇぇ!?」」」」

 

ピットにいた全員を驚かすのであった。

 

 

 

 

アリーナでは一次移行を済ませた一夏と、ビットが数機落とされたセシリアは接戦を繰り広げていた。

 

「くっ、ブルーティアーズ!」

 

セシリアはビット残り2機を一夏の背部に寄せてレーザーを放つ。一夏は初心者とは思えないほどの動きで回避していき、セシリアめがけて切りかかる。

 

「イ、インターセプター!」

 

セシリアは悲鳴のように叫んで、短剣であるインターセプターを展開し、雪片弐型を逸らして一気に距離を離してスターライmk-Ⅲからレーザーを数発放って一夏にダメージを与えていく。

 

(な、何なんですの!?本当に初心者ですの!?)

 

何度もひやひやさせられる場面があったため、最初より慎重になっていくセシリア。そして

 

「もらった!」

 

一夏が瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使って急速接近してきたため、体を捻って雪片弐型をかわすと同時に、手に持っていたインターセプターの切っ先を一夏の眉間に向ける。

 

「やばっ!?」

 

一夏はそれを回避しようとしても速度が速すぎて回避もままならず、切っ先が当たって絶対防御が発動し、そのままシールドエネルギーがなくなる。

 

『勝者、セシリア・オルコット』

 

そして終了のブザーが鳴り、先程のギリギリの恐怖を胸に刻んでセシリアはピットに戻って行くのであった。

一夏はどうにか起き上がって、ヨタヨタした動きでピットに戻っていく。

 

「くっ……!」

 

あんなに大きなことを言ったのに勝てなかった。その悔しさで一夏は顔をゆがめる。

そしてピットに入って出迎えたのは、

 

「この負け犬」

 

「全く、もうちょっとうまくできなかったのか?」

 

厳しいことを言う幼馴染と姉であった。一夏はあまりの言い方にがくりと項垂れる。

 

「一夏、ご苦労様。初心者で代表候補生にあそこまで食いつくとはすげえよ!」

 

だが航がほめてくれたため、一夏は照れくさいのかそっぽを向く。それを見た航はニヤニヤしており、

 

「笹栗、そうやってほめ甘やかすな」

 

「そう言いわれましてもね、織斑先生。素直にすごいんですから言ったっていいでしょ」

 

そう言って航は鼻で溜息を吐き、そして両腕に着けてある銀色の手甲だが、右手で左手に着いてる手甲の表面を撫でる。

 

「あれ、そんなのお前つけてたか?」

 

一夏は出撃前には付けていなかった手甲に疑問を持った。

 

「これ?先程届いた俺のISの待機状態」

 

そして一夏は白式を待機状態にさせたら、右腕に白色のガンレットがあり、軽くそれを撫でる。

 

「では織斑君、これがISの規則の本です。ちゃんと読んでいてくださいね」

 

そう言って真耶に渡されたのは、どう見ても広辞苑レベルの厚さを誇る本であった。一夏は絶望した顔で航を見たが、航のすぐ近くにも置かれており、何ともいえない顔になっていく。

 

「次の試合は30分後だ。それまでに最終チェックをしておくように」

 

そう言って千冬はピットから出て行き、真耶もそのあとを追うように出て行くのであった。

 

 

 

 

 

そして休息時間も終わり、航は軽く背伸びをして、そして掌を開いたり閉じたりするときに手甲の金属同士が擦れあってチャリチャリと音を鳴らす。

 

「さーて、一夏。今から面白いのを見せてやる」

 

そう言ってニヤリと笑った後、ISを纏う航。

そこに現れたのは、先程と違い『身長が5メートル近くある』機龍の姿であった。初期設定の時とは違い背中にはバックユニット、両腕には0式レールガンが装備されている。展開が終了した後カメラアイが黄色く光り、血涙のように赤いラインが走った。

そして身長が大きいせいか、少し前屈みになっており、尻尾を誰にも当てない様にくねらせている。

 

「やべぇぇぇぇぇぇ!!!機龍だぁぁぁぁぁ!!!そしてでけぇぇぇぇぇ!!!!」

 

一夏は機龍を見た瞬間にテンションが最高潮になり、目がキラキラしている。そして周りをクルクル回りながら機龍を眺めており、鼻息が荒い。

 

「気持ち悪いぞ」

 

そして千冬に出席簿で叩かれその場で蹲るが、すぐに元に戻る。

 

「では篠栗、試合に出られるな?」

 

「いつでも行けますよ」

 

そう言ってカタパルトに足を乗せるが……、

 

 

ビー、ビー、ビー、

 

 

「篠栗君……、重量オーバーです……」

 

カタパルトに直結の重量計を見たら、重さが14トン。どう見ても普通のISの10倍近くまでの重さがあるからカタパルトが動かないのだ。

申し訳なさそうに言う真耶を見た航は小さく溜息を吐いて、そしてカタパルトの端まで行こうとしたときに振り返る。

 

「楯姉、行ってくる」

 

「うん、いってらっしゃい」

 

楯無は笑顔で答え、航は尾を浮かべた後、ガシャン、ガシャン、と重厚な足音を響かせてカタパルトを歩いていく。

そしてカタパルトの端から見えるアリーナを見た。聞こえる声はブーイングに近い声。まだここからの姿は見えないはずだが、まあいいだろう。

 

「篠栗航、三式……いや、四式機龍、いくぞ!」

 

そう言ってカタパルトの出口から飛び降りた。




四式機龍の軽い設定

大きさ
初期設定時:3メートル
一次移行後:約5メートル

重量
初期設定時:6.5トン
一次移行後:14トン

一次移行後になぜここまで大きくなったかは今のところ不明


何話か更新した後に詳しく書きます。
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