遊戯王5D's 無敗の男   作:yvisi

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第3話 絶対王者

来人とセクト。二人の前で1台の赤いDホイールが停まった。

 

「遊星のアニキ~!」

 

「セクト・・・! ここにいたのか。」

 

遊星と呼ばれた男は二人に近づく。

 

「セクト、あの人は?」

 

「どうも。未谷来人です。」

 

来人は丁寧に頭を下げる。

 

「さっきまで君の弟分とデュエルしてあげてたところだよ。暇つぶしにはなった。」

 

「ひ、暇つぶしって・・・。! そうだ、アニキ! 来人とデュエルしてみてくれよ! きっとアニキなら・・・」

 

「残念ながら、ボクはもうここにいる用はない。とっとと出ようかなって。」

 

「そうか・・・だが、セクトがここまで言うのは初めてだ。来人、俺ともデュエルしてくれないか?」

 

「ボクとデュエル・・・か・・・。まあ、そこまで言うなら・・・。」

 

来人はセクトに使ったものと同じトランプを取り出し、シャッフルを始める。

 

「ギャンブルだ。」

 

「ギャンブル? どういうことだ?」

 

「来人、ギャンブルして当てた奴じゃないとデュエルしねえんだ。」

 

「ふっ・・・面白い奴だな。」

 

「それはどうも。ハートとダイヤを赤。スペードとクローバーを黒。君は赤か黒を当てる。当てれば、デュエルしようじゃないか。」

 

シャッフルを終えたトランプを遊星に向かって差し出す。

 

「・・・・・。」

 

遊星はトランプを一点に見つめる。

 

「・・・黒だ!」

 

「黒だね? じゃあ・・・」

 

来人はゆっくりとトランプの一番上をめくる。

 

「・・・え?」

 

セクトはめくられたカードを見て首を傾げた。

 

「・・・・・。」

 

「これは・・・!」

 

めくられたのはハートでも、ダイヤでも、スペードでも、クローバーでもなかった。それはジョーカーのカードだった。

 

「・・・んん~・・・?」

 

めくった来人も思わず妙な声を上げ、遊星をじっと見る。

 

「トランプでのこのギャンブルは何度もやってきたけど、こんなことは初めてだ。」

 

「この場合はどうなるんだ?」

 

「・・・当ててはいないから、デュエルはしない・・・・けど・・・。ボクが聞いたのは赤か黒か・・・。」

 

「・・・・。」

 

「・・・君はまだ、神が運命を見定めている最中なのか・・・?」

 

顎に手を当て、考え始める。

 

「なんだか面白そうだなぁ・・・・・よし・・・。」

 

「「?」」

 

「出ようかと思ったけど、もうしばらく残ろうかな。」

 

「! ホントか!?」

 

「まあ、退屈ならすぐ出てっちゃうけどね?」

 

「やっぱり面白いやつだな。」

 

 

 

 

 

数日後

 

「・・・君たち好きだねぇ、デュエル・・・。」

 

来人が呆れるように見ていたのはDホイールに乗った遊星とセクトだった。今から決闘疾走を始めるようだ。

 

「見てろって! 今日はオレが勝つんだからな!」

 

「ああ、俺たちのデュエル・・・しっかり見ておいてくれ!」

 

そう宣言すると二人は走り出していった。

 

「・・・さてと。」

 

見送った来人は廃墟の高い場所へ上がる。

 

「・・・お、あれだ。」

 

二人のデュエルをのんびりと見ながら、コインを手でポンポンとはねさせる。

 

「・・・結局、未だ見つからず・・・か。」

 

来人の探す双子はあれ以来情報は一切見つからなかった。気が変わり、残ってみたが結局何も変わらなかった。

 

「・・・やっぱり出よっかなぁ・・・。」

 

 

 

 

 

 

数十分後

 

「あ、セクト君また負けてる。」

 

セクトの敗北を鼻で笑い、日本を離れようと決めたその時だった。

 

ゴゴゴゴゴ・・・!

 

突如、地響きのような音が鳴り始める。

 

「・・・? なんだ?」

 

来人の見つめた先では、パイプでできた祭壇のようなものが出現していた。

 

「あんなのあったっけ?」

 

不思議に思い、廃墟から降り、観客もとい野次馬に声をかける。

 

「ねえ、あれ何? 急に出てきたけど。」

 

「ああ、いや、何がなんだか・・・セクトが夕陽の合わせ札をやったら急に・・・。」

 

「夕陽の合わせ札?」

 

「このサテライトの都市伝説みたいなもんだよ。骸骨騎士ってやつに出会えたらレアカードがもらえるってな。そのための儀式が夕陽の合わせ札なんだが・・・」

 

「ふぅん・・・少し面白そうだなぁ・・・。」

 

「お、面白そうって・・・。」

 

のんきな来人を野次馬の男性は呆れるように見る。

 

「少し見てくるよ。なんだかんだであの二人には世話になってるしね。」

 

Dホイールに乗り、遊星とセクトの元へ走っていった。

 

 

 

 

 

「・・・んん?」

 

走っていた来人はDホイールのタイヤの跡とあるものを見つけ、Dホイールから降りる。

 

「・・・馬の蹄・・・え、馬乗ってるの?」

 

まさかの事実に思わず驚きを見せる。

 

「骸骨騎士・・・ちょっと見てみたいなって思ったけど・・・。」

 

馬の蹄の跡は途切れていた。

 

「この感じだと遊星君に負けたのかな?」

 

Dホイールに乗り、遊星のあとを追おうとしたその時だった。モノホイール型の白いDホイールが現れ、来人のそばで停まる。

 

「・・・?」

 

「貴様、決闘疾走者だな? 名は?」

 

「未谷来人。だったら、どうかしたかな?」

 

「デュエルだ!!」

 

エンジン音を出し、逃がさないというプレッシャーを見せる。

 

「え、やだよ。なんで君とデュエルしなきゃ・・・」

 

「さっきのやつは手ごたえがなかったからな。それに、貴様がなんと言おうと、決闘疾走者を逃がすわけがないだろう? この絶対王者である、ジャック・アトラスが!」

 

「・・・ふっ。」

 

ジャックの言葉に来人は思わず鼻で笑ってしまう。

 

「何がおかしい?」

 

「君は自分の称号を誇りに思っているようだが、生憎、ボクは絶対王者なんて知らなくてね。そんな・・・井の中の蛙なんかね。」

 

「なんだと・・・!?」

 

来人のあまりの言いぐさにジャックは怒りで震える。

 

「ならば見せてやろう。この俺の力をな!!」

 

「・・・まったく、めんどくさい。それに・・・ボクとデュエルするなら、これをしなくちゃ。」

 

(今回は・・・これでいいか。)

 

ポケットからコインを1枚取り出した。

 

「なんだそれは。」

 

「コインだよ。今からコイントスをするんだ。」

 

「何?」

 

「表裏を当てれば、デュエルしよう。当てられなければ、この話はなし。どうかな?」

 

「・・・いいだろう。その程度、当ててやろう。」

 

「行くよ?」

 

上にコインを跳ね上げる。コインをつかみ、手の上に隠すように乗せた。

 

「裏だ。」

 

「・・・・・。」

 

来人はゆっくりと手をどかす。コインに描かれていたのは、星。つまり、裏である。

 

「なるほど・・・どうやら、戦う運命ではあったようだ。」

 

「当然だ。外そうが逃がしはしなかったがな。」

 

「めんどくさいなぁ・・・。」

 

ぼやきながらも来人はDホイールに乗る。

 

「行くぞ!!」

 

「「デュエル!!」」

 

ジャック LP4000 手札5

 

来人 LP4000 手札5

 

「俺のターン!」

 

ジャック 手札5→6

 

「チューナーモンスター、《幻影王 ハイド・ライド》を召喚!」

 

幻影王 ハイド・ライド ATK1500/レベル3/チューナー

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

「ボクのターン・・・!」

 

来人 手札5→6

 

「《ギャンブル・ガンマン》を召喚!」

 

ギャンブル・ガンマン ATK500/レベル4

 

「さらにマジックカード、《カップ・オブ・エース》を発動! コイントスを行い、表が出ればボクが、裏が出れば君が、デッキから2枚ドローする!」

 

ギャンブル・ガンマンがコインを取り出し、コイントスを行う。

 

コイントス・・・裏

 

「ありゃ、裏か。」

 

「ふん・・・運のない男だ!」

 

ジャック 手札3→5

 

「だがコイントスが行われたことで、《ギャンブル・ガンマン》にギャンブルカウンターを1つ置く。」

 

ギャンブル・ガンマン GC0→1

 

「そしてギャンブルカウンター1つにつき、君のモンスターの攻撃力、守備力は100ポイントダウンする。」

 

ハイド・ライド ATK1500→1400

 

「《ギャンブル・ガンマン》の効果! コイントスを行い、表が出れば君に、裏が出ればボクが500ポイントのダメージを与える!」

 

コイントス・・・表

 

「表・・・君に500ダメージだ!」

 

「ちっ・・・!」

 

ジャック LP4000→3500

 

ギャンブル・ガンマン GC1→2

ハイド・ライド ATK1400→1300

 

「ふん・・・ちまちまと攻撃力とライフを削るか・・・。それにフィールも大したものじゃない。やはりこの程度か。」

 

「さあ、どうかな? カードを2枚伏せ、ターンを終了!」

 

ジャック LP3500 手札5

【モンスター】

ハイド・ライド(ATK1300/レベル3/チューナー)

【魔法・罠】

伏せ2

 

来人 LP4000 手札2

【モンスター】

ギャンブル・ガンマン(ATK500/レベル4/GC2)

【魔法・罠】

伏せ2

 

「俺のターン!」

 

ジャック 手札5→6

 

「貴様に見せてやろう! この俺の、絶対王者の圧倒的なフィールを! 《灰塵王 アッシュ・ガッシュ》を召喚!」

 

灰塵王 アッシュ・ガッシュ ATK1000→800/レベル4

 

「レベル4の《アッシュ・ガッシュ》にレベル3の《ハイド・ライド》をチューニング! 天頂に輝く死の星よ、地上に舞い降り、生者を裁け! シンクロ召喚! 降臨せよ、《天刑王 ブラック・ハイランダー》!!」

 

天刑王 ブラック・ハイランダー ATK2800→2600/レベル7

 

「手札より《呪われた盾-カースド・シールド》を《ギャンブル・ガンマン》に装備!」

 

呪われた盾-カースド・シールド(漫画オリジナル)

装備魔法

装備モンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。このカードが破壊された時、相手ライフに800ポイントダメージを与える。

 

「これを装備したモンスターは攻撃力が500ダウンする!」

 

ギャンブル・ガンマン ATK500→0

 

「行け! 《ブラック・ハイランダー》! 《ギャンブル・ガンマン》を攻撃! 死兆星斬!!」

 

「永続トラップ、《モンスターBOX》を発動! 攻撃されるとき、コイントスを行い、表裏を当てた場合、そのモンスターの攻撃力はバトルフェイズの間0になる!」

 

「カウンタートラップ、《トラップ・ジャマー》を発動! バトル中のトラップを無効にし、破壊する!」

 

「甘い。カウンタートラップ、《運命の調停》!」

 

運命の調停(オリジナル)

カウンター罠

このカードはルール上「ギャンブル」カードとして扱う。

①:自分フィールドに「ギャンブル」モンスターが存在し、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。その後、「ギャンブル」モンスター1体にギャンブルカウンターを2つ置く。②:墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキからコイントスを行う効果またはサイコロを振る効果を持つカードを1枚手札に加える。

 

「《トラップ・ジャマー》を無効にし、ギャンブルカウンターを2つ増やす!」

 

ギャンブル・ガンマン GC2→4

ブラック・ハイランダー ATK2600→2400

 

「さあ、コイントスの時間だ。・・・今度こそ、裏だ。」

 

「ふん・・・!」

 

コイントス・・・裏

 

「ちっ!」

 

「当たりだ。これで《ブラック・ハイランダー》は攻撃力が0になる。」

 

ブラック・ハイランダー ATK2400→0

 

ギャンブル・ガンマン GC4→5

 

「攻撃力0同士の戦闘では破壊もダメージもない。不毛だね。」

 

ブラック・ハイランダー ATK0→2400→2300

 

「だがこれで終わらん! 《ブラック・ハイランダー》の効果発動! 1ターンに1度、装備カードを全て破壊し、1枚につき400ポイントのダメージを与える!」

 

「うぐ・・・!」

 

来人 LP4000→3600

 

ギャンブル・ガンマン ATK0→500

 

「さらに《カースド・シールド》が破壊されたことで、お前に800ポイントのダメージを与える!」

 

「・・・!」

 

来人 LP3600→2800

 

フィールの衝撃で来人のDホイール操作がふらついた。

 

「どうだ! 俺のフィールは!」

 

「なるほど・・・確かにいいフィールだ・・・。」

 

(まあ、ボクにはどうでもいいことだけどね。)

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

「ボクのターン!」

 

来人 手札2→3

 

「スタンバイフェイズ、モンスターBOXを維持するためにライフを500払う。」

 

来人 LP2800→2300

 

「墓地の《運命の調停》を除外し、デッキから《チャンス・ギャンブル》を加える!」

 

来人 手札3→4

 

「そして《チャンス・ギャンブル》を発動! コイントスを行い、表でボクが、裏で君が手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる!」

 

コイントス・・・表

 

「手札より、《ギャンブル・スナイパー》を特殊召喚!」

 

ギャンブル・スナイパー(オリジナル)

効果モンスター

星4/光属性/戦士族/ATK500/DEF500

①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、コイントスを行う効果またはサイコロを振る効果を持つカードが発動するたびに、このカードにギャンブルカウンターを1つ置く。②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、 相手モンスターの攻撃力・守備力はこのカードに置かれたギャンブルカウンターの数×100ポイントダウンする。 ③:自分メインフェイズに発動できる。コイントスを1回行い、 表が出た場合、相手フィールドのカード1枚を選んで墓地に送る。この効果は裏が出るまで発動できる。

 

ギャンブル・ガンマン GC5→6

 

ブラック・ハイランダー ATK2300→2200

 

「《ギャンブル・スナイパー》の効果! 1ターンに1度、コイントスを行い、表が出ると君のカード1枚を墓地に送る。」

 

コイントス・・・表

 

「消えろ・・・《ブラック・ハイランダー》!」

 

ギャンブル・スナイパーが発射した弾丸がブラック・ハイランダーを貫いた。

 

「く・・・!」

 

ギャンブル・ガンマン GC6→7

ギャンブル・スナイパー GC0→1

 

「そして《ギャンブル・スナイパー》の効果は裏が出るまで発動できる!」

 

「何!?」

 

「さあ、もう一度発動!」

 

コイントス・・・表

 

「!!」

 

「今度はその前のターンにセットした伏せカードを破壊!」

 

ギャンブル・ガンマン GC7→8

ギャンブル・スナイパー GC1→2

 

「さあ、3回目だ。最後の伏せカードを破壊させてもらおうかな?」

 

「・・・・。」

 

コイントス・・・裏

 

「あらら、失敗だ。」

 

ギャンブル・ガンマン GC8→9

ギャンブル・スナイパー GC2→3

 

「なら《ギャンブル・ガンマン》の効果!」

 

コイントス・・・裏

 

「おっとっと・・・!」

 

来人 LP2300→1800

 

ギャンブル・ガンマン GC9→10

ギャンブル・スナイパー GC3→4

 

「ふん、自分でライフを減らすとはな・・・!」

 

「でも君の場はがら空きだ。2体でダイレクトアタック!」

 

「ぐ・・・!」

 

ジャック LP3500→3000→2500

 

「メインフェイズ2に《チャンス・ギャンブル》の効果発動! ダイスを1回振り、出た目かける100ポイントのダメージを与える!」

 

出た目・・・1

 

「く・・・!」

 

ジャック LP2500→2400

 

ギャンブル・ガンマン GC10→11

ギャンブル・スナイパー GC4→5

 

「マジックカード、《リ・ギャンブル》を発動!」

 

リ・ギャンブル(オリジナル)

通常魔法

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

①:自分フィールドの「ギャンブル」モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターの持つコイントスを行う効果またはサイコロを振る効果を発動できる。その後、コイントスで表、サイコロで4以上の場合、カードを1枚ドローする。

 

「再び《ギャンブル・ガンマン》の効果!」

 

コイントス・・・表

 

「うぐ・・・!」

 

ジャック LP2400→1900

 

ギャンブル・ガンマン GC11→12

ギャンブル・スナイパー GC5→6

 

「カードを1枚伏せ、ターンを終了!」

 

「エンドフェイズに《王者の生還》を発動!」

 

王者の生還(オリジナル)

通常罠

①:自分フィールドから「王」モンスターが墓地に送られたターンのエンドフェイズに発動できる。墓地からレベル8以下のSモンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは次の相手ターン終了時まで、他のカードの効果を受けない。

 

「墓地より《ブラック・ハイランダー》を特殊召喚する!」

 

ブラック・ハイランダー ATK2800/レベル7

 

「・・・あれ? 攻撃力が変わらない?」

 

「《王者の生還》で特殊召喚したモンスターは次のお前のターンまで、一切の効果を受けない!」

 

「ふぅん・・・。」

 

ジャック LP1900 手札3

【モンスター】

ブラック・ハイランダー(ATK2800/レベル7)

【魔法・罠】

 

来人 LP1800 手札1

【モンスター】

ギャンブル・ガンマン(ATK500/レベル4/GC12)

ギャンブル・スナイパー(ATK500/レベル4/GC6)

【魔法・罠】

チャンス・ギャンブル モンスターBOX

伏せ2

 

(フィールは弱いが・・・先ほどの男よりは楽しめそうだな・・・!)

 

ジャックの闘争心は熱く燃え上がっていた。

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