美食ハンター志望の元フロアマスター   作:色々残念

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なんとなく思い付いたんで書いてみた話になります
ハンター試験だけで終わりになる話かもしれません


始まりは、トンカツ定食

食というものは生きていくには欠かせないものだ。

 

何かを食べなければ人は生きてはいけない。

 

そして人というものは欲張りで、どうせ食べるなら美味いものがいいと思うやつが多かったりもする。

 

美味なるものを食す、つまりは美食。

 

そんな美食を、誰よりも求めるグルメなハンター、美食ハンターというハンターが、この世には存在していた。

 

数多に存在するハンターの中でも、食というものに拘る美食ハンターは、美味なる食材や美味い食事を食べたいと思うものだ。

 

そんな訳で美食ハンター志望で修行中な俺が、美味いと思う食事に夢中になっても仕方がないだろう。

 

「おばちゃん、トーフのミソスープ追加で、白飯のおかわりもお願い」

 

「あいよ、兄ちゃんよく食べるね」

 

「いや、ここの飯が美味いからさ。腹一杯食いたいんだ」

 

食堂で出された日替り定食は、ライスにトンカツと刻んだキャベツ、トーフのミソスープ、おまけに大根の沢庵も付いていた。

 

サクサクの衣で揚げられた豚ロース肉に、特製ソースがかけられたトンカツは、豚肉とソースの味が噛み合っており、肉の味が引き立てられている。

 

単純な塩味ではなく、数種類の野菜とフルーツが溶け込んで、ほのかな酸味を感じさせる複雑な味わいのソースは、トンカツ以外にも合いそうな味だ。

 

刻まれて添えられたキャベツも新鮮で、乾燥し過ぎていることもなく、ほのかな野菜の甘みを感じさせて、苦味が全くない。

 

主役のトンカツに負けていないのは、刻んだ長ネギが入ったトーフのミソスープ。

 

昆布とかつお節の合わせ出汁で、植物性と動物性の旨味が組み合わされた出汁が使われているトーフのミソスープは、2種の出汁と白味噌が味の決め手となっていた。

 

豆を発酵させてつくる調味料である味噌は、極東の島国のジャポンでよく使われている調味料だ。

 

味噌を使ったミソスープの味わいに魅了された人々は多く、味噌が輸入されるようになって、本場のジャポン以外でも気軽に飲めるようになったミソスープは、様々な場所で提供されている。

 

本場と比べると、当たりはずれがあるミソスープだが、この店のミソスープは大当たりで間違いない。

 

ライスもジャポンの米が使われており、米を炊くときに使う炊飯器もジャポンの最新式が使用されていて、米の粒立ちが明らかに違う。

 

まるで土鍋で炊いたかのような美味いライスは、いつまでも噛んでいたいと思わせるほどだった。

 

そしておまけの大根の沢庵は、カリッとした食感で噛んでいて楽しく、塩気が絶妙で、しょっぱすぎることもない。

 

トンカツとキャベツを食べ終えても、トーフのミソスープに大根の沢庵があるなら、ライスを何杯でもおかわりできそうだ。

 

腹一杯になるまで美味い飯を食べていた俺は、米粒ひとつ残すことなく全て平らげて、両手を合わせる。

 

「ごちそうさまでした」

 

それからおかわりした分も含めたジェニーを店に支払って、店から出た俺は満腹の腹を擦りながら、街を歩いていく。

 

美味いものを食べて満足した後は、帰って寝るだけってことにしておきたいが、さっきの店から追いかけてきたお客さんの相手をしておかないといけないみたいだ。

 

「天空闘技場フロアマスターのメイト・カロ殿、武闘家として手合わせ願いたい」

 

「今の俺は元フロアマスターで元武闘家なんだが、やる気満々って面だな。いいぜ、来なよ」

 

真正面から堂々と手合わせを望んできた巨漢は、闘わないと帰ってくれそうにない相手だったんで、手合わせを受け入れて構える。

 

見るからに強化系の念使いで真っ直ぐな相手と闘うのは嫌いじゃない。

 

天空闘技場の200階クラスとなると、全員が念使いであり、強い相手もいれば弱い相手もいたな。

 

念というものは奥が深いが、オーラによって身体が強化されていることは、どの念使いも共通だ。

 

常人が垂れ流しにしているオーラを身体の周囲に留めて纏うことが初歩で、念では纏と呼ばれる技法となるが、纏うオーラを力強くする練、身体に纏うオーラを消す絶、応用でオーラを身体の一部に集中させる凝、などがあった。

 

念使いはそれぞれの系統に分かれており、オーラによる強化が得意な強化系、オーラを変化させることが可能な変化系、オーラを放出することが得意な放出系、オーラによって具現化して物体を作り出す具現化系、オーラで何かを操る操作系、どの系統とも違う特殊な特質系という6つの系統が存在している。

 

目の前で拳闘の構えをしている巨漢は、強化系で間違いない。

 

オーラを味わうまでもなく、そう感じ取れる。

 

強化系な念使いのヘビー級ボクサーといった相手に対し、自然体で構えている俺に、踏み込んできた巨漢。

 

上体を逸らして放たれる拳を避け様に、かなり手加減したローキックを巨漢の足に叩き込むと、両足が完全にへし折れた巨漢が倒れ込んだ。

 

オーラの攻防力移動が間に合わなかった巨漢は、どうやら拳にオーラを集めすぎていたみたいだな。

 

かなり手加減してなかったらローキックで巨漢の両足が無くなっていたかもしれない。

 

それでも怪我をさせてしまったんで、とりあえず巨漢は病院まで運んでおいた。

 

さて、そろそろ今期のハンター試験が始まる時期が近いから、美食ハンター志望としては、ハンター試験を受けてみるのも悪くないだろう。




ちなみに主人公のメイト・カロの名前の元ネタは、カロリー・メ○トだったりします
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