美食ハンター志望の元フロアマスター   作:色々残念

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本日2回目の更新になりますが思い付いたので更新します


グレイトスタンプの丸焼き

うなり声のような腹の虫が鳴り響いていた建物には、正午より二次試験開始と書かれていた。

 

建物の中からはスシに使うようなシャリの匂いも漂ってきていたが、もしかしたら二次試験で使うのかもしれない。

 

そう考えながら、正午になるまで待っていた俺。

 

しばらくして正午となって二次試験が開始されることになったが、美食ハンター2名がそれぞれ出す課題の料理を作って、美味しいと言わせれば合格というのが二次試験となるようだ。

 

まずは大柄な男性ブハラさんの課題が先となり、二次試験前半課題の料理は、豚の丸焼きと決まる。

 

ビスカの森に住んでいる豚は、世界一凶暴な豚であるグレイトスタンプであり、頑丈な鼻で押し潰して捕食を行うという気性が荒い豚だが、弱点の額を強い力で叩けば簡単に倒せるグレイトスタンプは、ある程度の実力があれば捕獲が容易な豚でもあった。

 

弱点が額だと伝えると、ゴン達なら簡単に倒せていたグレイトスタンプ。

 

倒したグレイトスタンプの首の血管を手刀で斬り、心臓が動いている間に血抜きを行うと、一気に噴き出した血液。

 

それから手早く火を通して丸焼きにする為に、グレイトスタンプの腹を開いて臓器を全て取り出しておくことにした俺は、ゴン達が倒したグレイトスタンプの腹抜きも行っておく。

 

グレイトスタンプの胃の内容物や腸の中身が漏れないように丁寧に取り出していき、素早く臓器を完全に取り除いたら、フィンガースナップで枝に着火して、グレイトスタンプを丸焼きにしていった。

 

ジャポンの自然薯に似たビスカの森芋と、ビスカの森の土に埋まっていたビスカトリュフをグレイトスタンプの腹に詰めておき、グレイトスタンプの皮には、持ち込んでいた調味料をブレンドして作った特製タレを塗り込んで焼いていくと、香ばしく焼き上がっていったグレイトスタンプの丸焼きは、食欲を刺激する匂いを発していたようだ。

 

匂いに釣られて近寄ってきた獣を威嚇で追い返し、焼いているグレイトスタンプを守っておく。

 

俺が捕獲したグレイトスタンプは2頭であり、1頭の丸焼きはブハラさんに提供するが、もう1頭の丸焼きは自分で食べるつもりである俺。

 

念入りに火を通して焼き上げたグレイトスタンプの丸焼きを運び、ブハラさんに提供してみた結果、俺が作った丸焼きを食べた瞬間に「これはっ!この味は!段違いに美味い!」と言い出したブハラさん。

 

「ソイソースをベースに各種調味料が絶妙なバランスでブレンドされたタレが、グレイトスタンプという豚の格を段違いに引き上げてるね!」

 

語りながらもグレイトスタンプの丸焼きを食べ続けているブハラさんの口は止まらない。

 

「丁寧に血抜きと腹抜きをされたグレイトスタンプの腹には森芋とビスカトリュフが入っていて!森芋がボリューム感を、最大限に引き出されたビスカトリュフの香りがグレイトスタンプの丸焼きを極上の美味へと変えている!」

 

あっという間に俺が提供したグレイトスタンプの丸焼きを食べ終えたブハラさんは「めちゃくちゃ美味かったよ!」と俺にサムズアップしてくれたんで、俺も同じく親指を立ててサムズアップを返しておいた。

 

とりあえずブハラさんに豚の丸焼きを美味いと言ってもらえた俺は、二次試験の第一の課題には合格したんで、自分用のグレイトスタンプの丸焼きを食べようとしたが、此方を見るゴン達の熱い視線は俺が作った丸焼きに向けられており、明らかにゴン達の目は「食べたい」と言っていたな。

 

ゴン達も俺が用意した丸焼きを食べたいと思っているみたいなんで、俺が作ったグレイトスタンプの丸焼きを切り分けておき、ゴン達にも食べてもらうと「凄く美味しい!」と喜んでいたことは確かだ。

 

ゴン達に取り分けて、少々量が少なくなったグレイトスタンプの丸焼きを食べてみたが、カリッとした皮を噛む度にゼラチン質の肉汁が滲み出し、皮に塗り込んだタレと混ざりあった肉汁が極上のソースとなり、グレイトスタンプの肉の味を引き上げているのは間違いない。

 

我ながら良い出来だ、と自画自賛する位には美味しく作れていたグレイトスタンプの丸焼き。

 

森芋とビスカトリュフも肉厚で旨味の強い豚の味と組み合わさって、いい味を出していた。

 

特製タレは自前の調味料だが、ビスカ森林公園で採取可能な食材を組み合わせてグレイトスタンプの丸焼きを作ってみたのは、正解だったかもしれないな。

 

美食ハンター志望としては、ただ焼いただけの丸焼きを出すようじゃ駄目だと考えて手間を加えてみたが、それがいい結果になったのなら悪くはない。

 

グレイトスタンプの丸焼きを食したのは初めてだが、美味い丸焼きを食べたという記憶を残せたのは、良いことだろう。

 

それから豚の丸焼きを71頭食べ終えたブハラさんの料理審査で、71名が通過したことになった二次試験の前半課題。

 

かなり大きいグレイトスタンプの丸焼きを71頭も食べたブハラさんは、食欲旺盛であったことは確かだ。

 

並みの大食いではないブハラさんの背後に、山積みになっていたグレイトスタンプの骨は、明らかにブハラさんよりも体積が大きかったりもした。

 

それはそれとして明らかに生焼けなグレイトスタンプの丸焼きも食べていたブハラさんは、寄生虫とかは大丈夫なんだろうかと、ちょっと心配になったが、念の使い手なら問題はないのかもな。




主人公のメイトが持ち込んでいた調味料は、結構種類があったりします
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