いろーんなところで酒場を経営しております「店主」です。
このたび奇縁が重なり「隠された円卓」にて営業再開する運びとなりました。
今回は新たに「三品」ご用意させていただきましたので、引き続きご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
……これ六月の挨拶じゃないような気がする。呪いとは厄介なものですね。
一品目「半島のワイン」
おや、夜渡りですか。
……おっと失礼、呪いとは厄介なものですね。
いらっしゃいませ。
ここは隠された円卓の酒場。
一時的に繋がりが弱まっていたようですが、再び見えることができました。
何分このような環境です。
今の繋がりもいつまで続くかはわかりかねますが、しばらくの間は大丈夫でしょう。
それまで、お力添えしますよ。
それから、二名の夜渡りのお客様との繋がりも復活したようです。
筋力と知力に優れ、特大剣を得意とする「隊長」様。
技量と信仰に優れ、曲剣を得意とする「反逆者」様。
両者ともに、優れた戦士です。
この繋がりがあるうちは、きっと背中を預け合える頼もしい仲間となってくれる筈。
よろしければ、後ほど話しかけてあげてください。
さて。
改めて、ここは酒場です。
東側の大部屋が客席となっておりますので、よろしければご利用ください。
「外」にて棄てられた教会を改修したものですが、暖炉を焚いておりますのでくつろぐこともできますよ。
それから。
この度は「とある半島」にちなんだお酒と料理をご用意しております。
私の酒と料理は、特別な「工夫」を凝らしたもの。
その甲斐あってか、様々な方からお引き立てを賜っております。
きっと、夜渡りのお客様にも気に入って頂けると存じます。
まずは一杯、いかがでしょうか。
◆
実は私、狭間の地の外を旅していたことがあります。
どの国も素晴らしく、旅の出来事を記した手帳は何冊にもなってしまいました。
ですが、その中でも「とある半島」は中々思い出深いものです。
雨と呪いで土地としての名を失った「とある半島」は、もともといくつもの国があった地です。
国とは民を抱え、民とは人である。
人が集まるならば、当然そこには文化があり、食べ物があり、酒もございました。
その地では、とりわけワインが有名です。
そもそもが半島である故、地中海に面する地です。
なので夏は高温ながら乾燥し、冬には暖かい雨が降る。
所謂、地中海性気候です。
そのような気候では、通常の農作物は育ちにくいもの。
ですが、ブドウのような乾燥に強い作物ならばその気候に耐えられる。
結果、その地では多くのワイン畑が作られました。
一口にワインといっても、種類や味は様々です。
海岸沿いでは、魚料理に合う白ワインが喜ばれます。
一方で肉料理と合わせるなら、赤ワインを選ぶ方が多い。
しかし。
実際は魚にこそ合う赤ワインも少なくなく、意外とワイン選びはお客様の負担になるものです。
そこで、私の方で魚にも肉にも合う銘柄をベースとしたものを仕入れました。
「半島のワイン」です。
「工夫」により、遺物儀式に耐える品となっています。
時として酒や食べ物は、儀式にも用いられるもの。
気に入って頂ければ、お持ち帰りの分もご用意いたします。
◆
私の酒場や、「隊長」様・「反逆者」様の繋がりが復活したことで、この円卓にも少し賑わいが戻った様子。
必ずしも永続的な賑わいとは限りませんが、だからこそこの限られた時を楽しみたいものですね。
……他方で。
どうやら、よくない繋がりも生じたようです。
新たな類稀な強者が、出現しました。
「太陽の王」
夜と雨に溶け、にもかかわらず「夜」を標的とする新たな「大いなる脅威」。
その性質故に、この隠された円卓を目指す侵略者。
打破しなければ、お客様の戦いに支障をきたすことはいうまでもないでしょう。
放置すれば、他の大いなる脅威すら飲み込んでしまう。
報復ではなく、殺戮をこそ律とする転生の王。
先に申し上げた「とある半島」にも縁があった、ルーメンの王です。
奴については、私よりも「反逆者」様の方が詳しいでしょう。
霊廟兵にも遠からず縁のある彼女は、その実もともとルーメンの国の戦士……太陽の王の臣下でありました。
しかして、あの暴虐と殺戮の覇王と袂を別った方です。
交友を重ねることで、きっとよい情報共有ができると存じます。
……ただし。
太陽の王の前には、さらに別の類稀な強者が立ちはだかります。
まずは、そちらの攻略からはじめるべきでしょう。
◆
「夜の尖兵」
太陽の王とは別の、類稀な強者です。
お客様方にとっては、新たな脅威の一つと言うべき存在。
ですが不思議なことに「彼ら」もまた、夜を標的とするようです。
プルウィアの魔女狩り隊。
それが、「夜の尖兵」の名です。
彼らは一人の強敵ではなく、同じ女王の血を分け合い共有する戦士達なのです。
もともと「とある半島」において、魔女とは夜と何らかの縁があるものとされました。
半島に夜を拒む者が現れた時、アンブラの女王も呼応して魔女を狩る者達を編成しました。
それが魔女狩り隊です。
しかし、その女王は後に魔女となりました。
故に彼らの内に流れる女王の血は、狩るべき獲物となった。
まず彼らは魔女に堕ちた女王を追い、そして今や互いに殺し合っています。
夜と呪いに溶け、リムベルドとあの砂漠を彷徨いながらも、終わらぬ戦いに明け暮れている。
もはや彼らは夜渡りも太陽の王も、魔女と見分けがつかない有り様となっています。
だからこそ太陽の王への道を阻むものとなり、討つべき敵となりました。
また、彼らは「魔力」を持つ戦士です。
その属性により「結晶人たち」や「暗黒の落とし子」が出現し、あるいは「結晶の古老」や「深淵の主」といった新たな強者もリムベルドに流れ着いている。
彼らに挑むならば、準備を密にすることをおすすめします。
彼らには雷や聖の力を宿した武器や祈祷などが有効ですが、特に「死」の状態異常が弱点となっています。
それらに縁ある品を入手することができれば、心強い相棒となるでしょう。
それから。
かつて赤獅子騎士でもあったという「隊長」様は、客将としての縁で一時期魔女狩り隊の長を務めていたそうです。
既にその袂を別った今なら、きっとよいお話ができると存じます。
・半島のワイン
隠された円卓で酒場を経営する、名もなき店主による酒。
小さな樽に満たされた、持ち帰り用の品。
遺物として使用でき、強力な力を呼び起こす。
時として、酒や食べ物は儀式にも用いられる。
酒場の店主は、時代や空間に囚われることなく各地を巡り旅をする。
この酒は、とある半島を訪れた時に知ったもの。
丘陵地帯に広がるあのワイン畑は、穏やかで美しいものだった。
・尖兵の夜
戦いの後に遺された、プルウィアの魔女狩り隊の夜。
遺物儀式により、主の力を得ることができる。
女王の血を受け入れた魔女狩り隊は、かつて多くの魔女を狩り殺した。
それこそが彼らの使命であった。
だがある時、女王は魔女となった。
故に魔女狩り隊は、互いに流れる血を標的とした。
最後の一滴まで、狩りつくすために。