篝火「アノール・ロンドの酒場」   作:上代わちき

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 長雨の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 いろーんなところで酒場を経営しております「店主」です。

 このたび奇縁が重なり「隠された円卓」にて営業再開する運びとなりました。
 今回は新たに「三品」ご用意させていただきましたので、引き続きご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。


 ……これ六月の挨拶じゃないような気がする。呪いとは厄介なものですね。


追憶「隠された円卓の酒場」
一品目「半島のワイン」


 

 おや、夜渡りですか。

 ……おっと失礼、呪いとは厄介なものですね。

 

 いらっしゃいませ。

 ここは隠された円卓の酒場。

 

 

 一時的に繋がりが弱まっていたようですが、再び見えることができました。

 

 何分このような環境です。

 今の繋がりもいつまで続くかはわかりかねますが、しばらくの間は大丈夫でしょう。

 それまで、お力添えしますよ。

 

 

 

 それから、二名の夜渡りのお客様との繋がりも復活したようです。

 

 

 筋力と知力に優れ、特大剣を得意とする「隊長」様。

 技量と信仰に優れ、曲剣を得意とする「反逆者」様。

 

 両者ともに、優れた戦士です。

 この繋がりがあるうちは、きっと背中を預け合える頼もしい仲間となってくれる筈。

 よろしければ、後ほど話しかけてあげてください。

 

 

 

 

 

 さて。

 改めて、ここは酒場です。

 

 東側の大部屋が客席となっておりますので、よろしければご利用ください。

 「外」にて棄てられた教会を改修したものですが、暖炉を焚いておりますのでくつろぐこともできますよ。

 

 

 

 それから。

 この度は「とある半島」にちなんだお酒と料理をご用意しております。

 

 私の酒と料理は、特別な「工夫」を凝らしたもの。

 その甲斐あってか、様々な方からお引き立てを賜っております。

 

 

 きっと、夜渡りのお客様にも気に入って頂けると存じます。

 まずは一杯、いかがでしょうか。

 

 

 

 

 実は私、狭間の地の外を旅していたことがあります。

 どの国も素晴らしく、旅の出来事を記した手帳は何冊にもなってしまいました。

 

 ですが、その中でも「とある半島」は中々思い出深いものです。

 

 

 

 雨と呪いで土地としての名を失った「とある半島」は、もともといくつもの国があった地です。

 

 国とは民を抱え、民とは人である。

 人が集まるならば、当然そこには文化があり、食べ物があり、酒もございました。

 

 

 

 その地では、とりわけワインが有名です。

 

 そもそもが半島である故、地中海に面する地です。

 なので夏は高温ながら乾燥し、冬には暖かい雨が降る。

 所謂、地中海性気候です。

 

 

 そのような気候では、通常の農作物は育ちにくいもの。

 ですが、ブドウのような乾燥に強い作物ならばその気候に耐えられる。

 結果、その地では多くのワイン畑が作られました。

 

 

 

 一口にワインといっても、種類や味は様々です。

 

 海岸沿いでは、魚料理に合う白ワインが喜ばれます。

 一方で肉料理と合わせるなら、赤ワインを選ぶ方が多い。

 

 

 

 しかし。

 実際は魚にこそ合う赤ワインも少なくなく、意外とワイン選びはお客様の負担になるものです。

 

 そこで、私の方で魚にも肉にも合う銘柄をベースとしたものを仕入れました。

 「半島のワイン」です。

 

 

 

 「工夫」により、遺物儀式に耐える品となっています。

 時として酒や食べ物は、儀式にも用いられるもの。

 

 気に入って頂ければ、お持ち帰りの分もご用意いたします。

 

 

 

 

 私の酒場や、「隊長」様・「反逆者」様の繋がりが復活したことで、この円卓にも少し賑わいが戻った様子。

 必ずしも永続的な賑わいとは限りませんが、だからこそこの限られた時を楽しみたいものですね。

 

 

 ……他方で。

 どうやら、よくない繋がりも生じたようです。

 

 新たな類稀な強者が、出現しました。

 

 

 

 

 

 「太陽の王」

 

 夜と雨に溶け、にもかかわらず「夜」を標的とする新たな「大いなる脅威」。

 その性質故に、この隠された円卓を目指す侵略者。

 

 

 打破しなければ、お客様の戦いに支障をきたすことはいうまでもないでしょう。

 放置すれば、他の大いなる脅威すら飲み込んでしまう。

 

 報復ではなく、殺戮をこそ律とする転生の王。

 先に申し上げた「とある半島」にも縁があった、ルーメンの王です。

 

 

 

 奴については、私よりも「反逆者」様の方が詳しいでしょう。

 霊廟兵にも遠からず縁のある彼女は、その実もともとルーメンの国の戦士……太陽の王の臣下でありました。

 しかして、あの暴虐と殺戮の覇王と袂を別った方です。

 

 交友を重ねることで、きっとよい情報共有ができると存じます。

 

 

 

 

 ……ただし。

 太陽の王の前には、さらに別の類稀な強者が立ちはだかります。

 

 まずは、そちらの攻略からはじめるべきでしょう。

 

 

 

 

 「夜の尖兵」

 

 太陽の王とは別の、類稀な強者です。

 お客様方にとっては、新たな脅威の一つと言うべき存在。

 ですが不思議なことに「彼ら」もまた、夜を標的とするようです。

 

 

 

 

 プルウィアの魔女狩り隊。

 

 

 それが、「夜の尖兵」の名です。

 彼らは一人の強敵ではなく、同じ女王の血を分け合い共有する戦士達なのです。

 

 もともと「とある半島」において、魔女とは夜と何らかの縁があるものとされました。

 半島に夜を拒む者が現れた時、アンブラの女王も呼応して魔女を狩る者達を編成しました。

 それが魔女狩り隊です。

 

 

 

 

 しかし、その女王は後に魔女となりました。

 故に彼らの内に流れる女王の血は、狩るべき獲物となった。

 

 まず彼らは魔女に堕ちた女王を追い、そして今や互いに殺し合っています。

 夜と呪いに溶け、リムベルドとあの砂漠を彷徨いながらも、終わらぬ戦いに明け暮れている。

 

 

 

 もはや彼らは夜渡りも太陽の王も、魔女と見分けがつかない有り様となっています。

 だからこそ太陽の王への道を阻むものとなり、討つべき敵となりました。

 

 また、彼らは「魔力」を持つ戦士です。

 その属性により「結晶人たち」や「暗黒の落とし子」が出現し、あるいは「結晶の古老」や「深淵の主」といった新たな強者もリムベルドに流れ着いている。

 彼らに挑むならば、準備を密にすることをおすすめします。

 

 

 彼らには雷や聖の力を宿した武器や祈祷などが有効ですが、特に「死」の状態異常が弱点となっています。

 それらに縁ある品を入手することができれば、心強い相棒となるでしょう。

 

 

 

 

 

 それから。

 かつて赤獅子騎士でもあったという「隊長」様は、客将としての縁で一時期魔女狩り隊の長を務めていたそうです。

 既にその袂を別った今なら、きっとよいお話ができると存じます。

 

 

 





・半島のワイン

 隠された円卓で酒場を経営する、名もなき店主による酒。
 小さな樽に満たされた、持ち帰り用の品。

 遺物として使用でき、強力な力を呼び起こす。
 時として、酒や食べ物は儀式にも用いられる。

 酒場の店主は、時代や空間に囚われることなく各地を巡り旅をする。
 この酒は、とある半島を訪れた時に知ったもの。
 丘陵地帯に広がるあのワイン畑は、穏やかで美しいものだった。




・尖兵の夜

 戦いの後に遺された、プルウィアの魔女狩り隊の夜。
 遺物儀式により、主の力を得ることができる。

 女王の血を受け入れた魔女狩り隊は、かつて多くの魔女を狩り殺した。
 それこそが彼らの使命であった。

 だがある時、女王は魔女となった。
 故に魔女狩り隊は、互いに流れる血を標的とした。

 最後の一滴まで、狩りつくすために。


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