人間の数が半分になれば、焼かれる森の数は半分で済むのだろうか?
人間の数が100分の1になったら、垂れ流される毒は100分の1で済むのだろうか?
地球上の誰かがふと思ったのだ、皆の命を守らねばと
それはテニスボール程の大きさだった、数は不明
それは地面に触れると割れ中からそれが現れた。それの内の1つが廃教会の中に入る。
中ではツインテールの少女と白髪赤目の少年が共に暮らしていた。
「……………………ん?」
最初にそれに気付いたのは少年の方、ミミズの様な姿のそれに少年は迷い込んだのかと思い外に出してやろうと手を伸ばす。
「ッ!!がっ!?アアアア!?」
次の瞬間、ミミズはベルに向かって跳躍し少年はそれをギリギリ右手で防ぐ、しかしミミズは先端を尖らせ少年の右手を貫き中に侵入する。
「うわああああ!!く、来るな!?」
少年は近くにあった紐で腕を縛りミミズを追い出そうとする。そこに同居人である少女が騒ぎを聞きつけ顔を出す。
「な、何だ何だ!?どうしたベル君!?」
そこには紐で自身の腕を縛る少年、ベルがいた。
「……………………ベル君、何やってるんだい?そんなことしたら血が止まって腕が駄目になるじゃないか」
「か、神様!?む、虫が僕の腕の中に!!」
「虫〜?」
少女ヘスティアが縛り上げられるベルの腕を調べる。じっくり腕全体を見た後ヘスティアは
「……………………何も居ない様に見えるけど?」
と言った。
「へ?そ、そんな訳!!だってここに穴が…………」
ベルは自身の右手の掌を見るがそこに穴は無く虫が侵入した形跡もない。
「ベル君、君まさか……………………僕に隠れて変な薬を買ったり…………」
「し、ししししてませんしてません!!でも、本当に腕の中に虫が!!」
「はいはい、ダンジョン探索で疲れてるんだろう、今日はもう寝て、明日は休みなさい」
ヘスティアは子供に言い聞かせる様にそう言いベルは何だったのかと考えながら布団に入った。
深夜
ベルも完全に眠りに付き街全体から灯りが消えた頃。
『残念だ 失敗した 残念だ』
「う…ん、残…念…………何が?」
『うるさい!!!!』
「わぁっ!?」
ベルは飛び起きるとベルの上で寝ていたヘスティアが転げ落ち盛大に頭をぶつける。
「か、神様!!大丈夫ですか!?」(さっきのは?ただの夢?)
不思議に思いながらも朝食を取り街に出る。
「う〜ん、何か右手が痺れる様な?」
ベルは昨晩の事を思い出し右手に触れる、ビリビリと痺れる様な感覚を覚えるが紐で縛った結果だと見切りを付けブラブラと街を歩く。
「ちょっと」
「へ?」
不意に声を掛けられ振り返ると右手が知らないエルフの胸に触れていた。
「覚悟は宜しくて?」
「ご、ごめんなさ〜い!!」
ベルはとんでもない事をやらかしたと察し本拠に逃げ帰る。
「ベル君、もう帰ってきたのかい?」
ヘスティアに挨拶を返す余裕も無くテーブルに手を付くと左手で短剣を握る。
「ちょっ!?ベル君!!何するつもりだ!!」
慌ててヘスティアが止めようとするがベルは短剣に力を込める。
「あれ?感覚が……………」
「へ?」
ベルの右手から感覚が消えると同時に親指と人差し指の間がパックリと裂け血が流れ傷が口を形作り中指と薬指が目を作る。
「あ…ああ…………残念だ…………右手…………出来ない…………失敗失敗」
「き、君は…………」
ベルは右手に語り掛ける
「き…み……は」
「僕の右手…………」
「僕…………の右…………手……………………食っちまった」
「た、食べた?…………」
「言葉…………教…………えろ…………ベル」
こうして【ヘスティア・ファミリア】に新たな仲間が加わった