オラリオに寄生生物が降り立つのは間違っている   作:寝心地

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第12話

パタッ

 

とヘスティアの手から本が滑り落ちる。同時に襲ってくるのは強烈な喪失感と孤独感

 

「そ、そんな…………ベル君……ミギー君」

 

それは唯一の眷属である少年の死を意味する。

 

「ッ!!ベル君!!」

 

しかし次の瞬間、消えた恩恵が蘇る様な感覚を覚える。

 

「一体君に何があったんだ?」

 


 

リリルカに寄生した寄生生物が何処かへ消えた直後、ミギーは自身がベルの心臓となる事で延命を行いベルの全身に血を巡らせる。同時に傷の修復と血流に乗り自身の細胞を少しずつ右手に戻すと言う神業を持って自己の存在を保っていた。

 

しかしそんな神業でもベル本人の栄養が無ければ目覚めることはない。

 

ミギーは近くの家から砂糖と水を拝借しベルに与え目覚めるのを待った。

 

それからどれだけの時間が流れたか、ベルは突然目を覚ました。

 

「???」

 

自身の血溜まりから顔を上げ訳も分からないままフラフラと歩みを進め辿り着いたのはリリルカと最初に会った広場、そこには大きめの噴水がありその張られた水にベルは自身を映し服を脱ぎ去る。

 

血塗れだった少年の突然の奇行に周りにいた人々は距離を取るがベルは気にせず自身の胸元を見る。

 

(傷が塞がってる……縫い合わせたって言うより接着した様な跡だ)

 

それからベルは水に顔をつけ顔に付いた血を落とし漸く現実を直視する。

 

「夢じゃ…………無かった」

 

ベルは悲しみの余り慟哭を上げその場に蹲る。

 

更に時が経ち日が沈み欠けた頃。

 

「ベル君!!」

 

ベルはヘスティアの元へ帰って来くるとヘスティアは喜びの余りベルに抱き着く。

 

「神様」

 

「心配した…………心配したよ」

 

「…………ごめんなさい」

 

ベルはそう言い抱き着くヘスティアを押し退け荷物を纏める。

 

「ベル君?」

 

「ごめんなさい神様、暫くの間留守にします」

 

「何があったのか教えてくれないのかい?」

 

「………………………………リリがミギーの仲間に殺されました」

 

「ッ!!【ソーマ・ファミリア】が壊滅したって話は聞いてたけど、ミギー君の仲間の仕業だったのか」

 

「ソイツはそれだけに飽き足らずリリの体を……………………兎に角、奴を殺すまで戻りません」

 

ベルはそう言い立ち上がるとさっさと出ていこうとする。

 

「ま、待ったベル君!!」

 

ベルの前でヘスティアが両手を広げベルを制止する。

 

「す、ステイタスの更新をしよう!!少しでも勝てる確率を上げるために!!」(そして君が無事に帰ってこれる確率を上げるために)

 

「………………………………分かりました」

 

ベルは素直にヘスティアの言う事を聞き荷物を置き服を脱ぐと背中を向けた。

 

「ベル君、ステイタスを」

 

「必要ありません」

 

それだけ言うとベルは再び荷物を持ち振り返る事なく宛もなくリリルカの寄生生物を探し始めた。




ベル君のステイタス

ベル・クラネル Lv■
力:X未知数
耐久:X未知数
器用:X未知数
敏捷:X未知数
魔力:I0
スキル:英雄寄生体
Lvの不明瞭化
力・耐久・器用・敏捷の未知数化
精神異常に対する耐性
人の枠組みから逸脱する
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